店舗物件 物件情報から契約・工事まで 1. 不動産ブローカーの採用 住宅と商業不動産ではまったく内容が異なります。店舗物件に詳しい人をご採用下 さい。フルモト不動産は、40 年の老舗です。経験豊かな弊社に是非お任せ下さい。 2. 候補地の視察、市場調査、価格調査 (ア) 地域の特色:住宅街、ビジネス街、観光エリア、学生街 (イ) 使用目的 :物件によっては使用目的が限られます。 レストラン使用は家主(ランドロード)の許可が必要です。 (ウ) 市場調査: 新しく開発が進んでいる地区、これから可能性のある地域は? (エ) 地域の価格:同じマンハッタンでもエリアによって大きく異なります。 マンハッタン以外ではブルックリン、クイーンズが お勧めです。 弊社では視察の段階からお客様の相談に乗り、市内の案内、市場調査、価格調査の お手伝いを致します。 3. 物件見学 商業不動産の見学は平日の午前 9 時から午後4時頃が通常です。週末は オーナーや担当ブローカーの都合で見学できない事が多々あります。 物件見学には予約が必要です。 事前にスケジュールを組めるように視察の際は早めにお知らせ下さい。 物件見学の際に留意するポイント ・ 店舗の広さ ・家賃 ・ 入居可能日 ・契約期間 ・ 保証金 ・共益費、その他の費用 ・ 毎年の家賃の上がり率 ・フリーレント ・ 中途退去の際のぺナルティーと違約金 ・ビジネス譲渡の際のルール アメリカの不動産の面積の標記について 面積:スクエアーフィート(SF)で表される これを、日本の単位に換算すると、下記の通りです。 換算方法:___SF x 0.0281=坪 ___SF x 0.0929=平方メートル 例) 800SF(スクエアーフィート)は、 およそ 74 平方メートル、22.5 坪 レストランの場合 1. キッチン設備、煙突の設置は可能か? 2. 酒類販売のライセンス (リカーラインセンス) A) ビール取扱い免許(ビール) B) ソフトリカー取扱い免許(ビール,ワイン,日本酒等の度数が低い) C) 全種類免許(ソフトリカー+焼酎、ウイスキー等の度数が高いハ ードリカー) 3. 地下の有無?地下があれば倉庫として活用できる 4. オファー(契約条件の意思表示)と交渉 良い物件が見つかったら、担当エージェントを通して家主(ランドロード)に オファーを提出します。オファーとは契約希望条件を書面にて提示することです。 概して先方の希望価格に対して少し低い金額からスタートできます。このオファー に対して家主からカウンターオファー(家主からのコメント)が来ます。この交渉 作業を 2~3 回繰り返す。 オファーの内容(決まったフォームはありません) ・住所 ・家賃 ・ 入居日 ・ 電気代 ・ その他の共益費 ・ 使用目的 ・ 不動産手数料は誰が払うのか ・広さ ・契約期間 ・毎年の家賃値上がり率 ・不動産税 ・保証金 ・フリーレント ・テナントの名前、住所、会社名 ポイント 入居日:契約書の交渉に1ヶ月、契約後の工事許可申請に約1ヶ月かか ります。そして内装工事ができます。入居日(オープン)は余裕を持っ て検討下さい。特に内外へのオープン告知は慎重に。 電気代:電気代、ガス代、等は通常、別メーターで供給会社から請求が 来ます。 不動産税:毎年上がった分をテナントで割って家主から請求が来ること が通常です。 その他の共益費:ごみ収集代、クーラーのメンテナンス費、等。 使用目的:レストラン、ヘアーサロン、靴屋、等。しっかり使用目的を 家主に伝える。 不動産手数料:誰が払うのか確認する。 契約期間:店舗は最低5年からです。通常10年です。5年プラス5年 のオプション(同じ条件で更新可能)もあります。(最初の5年と同じ 条件で5年延長できます) 毎年の家賃値上がり率:日本とは異なり必ず家賃は上昇します。 毎年3~5%が妥当です。 保証金:3ヶ月から6ヶ月。スタートアップの会社や海外の会社は 6~8 ヶ月程度要求されること慣習です。 5. ファイナンシャルステイトメントの提示 オファーを出すとすぐに、ファイナンシャルステイトメントの提出も求められます。 ファイナンシャルステイトメントとは会社の財政状態を表し、米国の銀行の残高証 明が基本です。その他、日本での損益計算表、会社概要書、納税証明書も英文に翻 訳して提出する場合もあります。家主が、毎月の家賃の支払い能力を書面で確認し たいのが意図です。 6. 基本条件の合意 交渉を繰り返し、基本条件が同意される。基本条件は、不動産ブローカーにより 2~3 枚程度の書面にまとめられる。その書面に双方がサインします。ここまでが 不動産ブローカーの主な役目です。この基本条件の書面をもとに家主の弁護士は契 約書の条項案を書き始めます。契約書は、50~100 ページ程度。難解な英文での不 動産標記は不動産ブローカーでもアドバイスできません。 7. 弁護士の採用 訴訟社会、契約社会のアメリカ! 必ず、弁護士を雇い契約書の手直し作業をして 下さい。弁護士といってもそれぞれ専門分野がありますので、商業物件の契約の 経験がある方をお勧めします。アメリカでは州によって事情が異なるので NY州の不動産に精通した弁護士を採用するのが重要です。 8. 契約書詳細の交渉 ここからは弁護士がお客様に代わって家主側の弁護士と契約書の内容について交 渉をします。家主側の弁護士が作成した契約書の条項案にお客様の弁護士がコメン ト(直してほしいところ、交渉が必要な点)をつけて送り返します。合意に至るま で、この作業が繰り返されます。この期間はおよそ約1ヶ月です。 9. エンジニア、建築士とのコンサルテーション 契約書にサインをする前までに必ず専門家を使って、ガス、電気、水道、ヒーター 等、必要なものがしっかりと作動するかどうか、確認をしてください。商業不動産 では、” as is “ で引渡しが一般的です。” as is “ とは、直訳すると「そのままで」 或いは「現状のままで」との意味で、仮にサイン/入居後に電気回線に問題があって も家主は修繕を拒否する事が往々にして許されています。契約前にインスペクショ ンをしてもし大きな問題点があれば 修繕コストを計算してその分、家賃を再度 交渉するのも一般的です。尚、基本条件合意後は不動産エージェントに申し出れば、 何度でも物件の中に入れます。(エンジニア、設計士、測量士が物件の中に入らな ければいけない場合) 10.契約金の支払い、契約書にサイン、契約終結 契約書の内容が合意に至ると、いよいよ家主の弁護士が正式な契約書を作成します。 サインはどちらかの弁護士事務所に行き、契約書にサイン、契約金の支払いをしま す。サイン時に公証人を求められる契約書、求められない契約書があります。 日本にいる方が公証人を求められる契約書にサインをする場合は、日本のアメリカ 領事館に行く必要があります。 (弁護士に相談してください)。契約金の支払いは銀 行小切手(BANK CHECK)で支払いをすることが通常です。(これも契約により 異なりますので、弁護士にご相談下さい) 11.内装、外装工事内容の承諾(家主に対して) 契約書に必ず条項としてあるのが、工事をするときの家主の承諾です。(どのよう な工事に対しては承諾が必要か記載されています)この承諾を得て初めて行政局に 工事の許可の申請ができます。 12.フリーレント フリーレントの意味するところは工事中の間は営業ができなく収入が無いので、工 事期間中または数ヶ月の間、家賃は取りませんということです。(営業が始まり次 第フリーレントの期間は終了します) 13.工事 専門家の工事業者をお勧めします。数社と話をし、見積もりを取ってもらい、 比べましょう。見積もりは通常、無料で取ってくれます。行政局に工事の許可をと るのにも時間がかかります。工事業者には保険の金額の規模も確認する必要が あります。往々にして、工事許可書の取得、実際の工事期間は、遅れることが 予想されます。ビルによってはユニオンビル(組合)と言って外部の工事業者を指 定する事ができないケースもあります。
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