Master Frog's Library - 東洋医学概論 第 28 講 第 28 講 病理と病証 Ⅸ 臓腑弁証・六腑病証 【 病理と病証 Ⅸ 】 教科書 P.82~84 【 六腑弁証 】 『 胆の弁証(病証) 』 復習. 『 胆の生理機能 』 ① 蔵精汁:胆は精汁(胆汁)を貯蔵・排泄する働きを持つ。 ② 主勇怯:胆は勇気を主り度胸・精神的刺激に対する抵抗力の基礎になっている。 [主な病機] 肝の疏泄失調 中 焦 湿 熱 胆の精汁 貯蔵・排泄機能の低下・失調 [ 症 状 ] 脇下部脹痛、腹部脹痛、口苦、黄疸、脈弦 ※ 稀に胆虚証が現われる → 少しのことで驚く、強い不安感、優柔不断 * 胆の気鬱 → 脇腹部脹痛 * 精汁上泛 → 口苦 * 精汁が皮下に漏れる → 黄疸 『 胃の弁証(病証) 』 復習. 『 胃の生理機能 』 ① 受納・腐熟:水穀を受け入れ初期消化を行う。 ② 降濁:水穀の濁を小腸へ降ろす。 [主な病機] 感受寒邪 過食冷涼 感受熱邪 過食辛辣 熱 病 久 嘔 胃 寒 胃 熱 (傷陰) 食べ過ぎ (降濁作用の低下) 食 滞 胃陰虚 - 93 - Daisuke watanabe Master Frog's Library - 東洋医学概論 第 28 講 病理と病証 Ⅸ 臓腑弁証・六腑病証 [ 症 状 ] 胃脘部・上腹部痛、食欲減退・亢進、消化不良、噯気、悪心嘔吐、呃逆 * 胃気上逆 → 噯気、悪心嘔吐、呃逆 ① 胃寒証 実 寒:胃脘部痛(強い痛み、冷痛、拒按喜温)+ 実寒症状 虚寒(少見):胃脘部痛(鈍痛、喜按喜温、食後に軽減)+ 虚寒症状 ② 胃熱証 実 熱:胃脘部痛(灼熱痛、拒按喜冷)、消穀善飢、口臭 + 実熱症状 虚 熱:胃脘部痛(喜按喜冷)、嘈雑、知飢不食 + 虚熱症状 (胃陰虚) ③ 食滞:「食積」ともいう :食欲不振、厭食、呑酸、噯腐、大便酸臭、舌苔厚膩、脈滑 『 小腸の弁証(病証) 』 :小腸単独の病証は少なく、一般的に[ 心火亢進証 ][ 脾陽虚証 ]の一部として捉えられて いる。 [主な病機] 心 の 熱 湿 熱 過食辛辣 ストレス 熱 気鬱気滞 小腸実熱 化熱 飲食不節 労 倦 (脾陽虚) 小腸虚寒 過食生冷 - 94 - Daisuke watanabe Master Frog's Library - 東洋医学概論 第 28 講 病理と病証 Ⅸ 臓腑弁証・六腑病証 [ 症 状 ] ① 小腸実熱(心火亢進証の一部) :心煩口渇、口舌生瘡、小便赤渋、尿道灼痛、血尿、舌紅苔黄、脈数 ② 小腸虚寒(脾陽虚証の一部) :食後の腹脹、下痢、腹鳴、温めると軽減 等 『 大腸の弁証(病証) 』 :大腸の働きは[ 糟 粕 ]からの水分吸収と排泄である。 [主な病機] 熱 病 津液損傷 加 齢 津液不足 産 後 血・津液不足 感受湿熱邪 飲食不節 脾失健運 大腸が滋潤を失う [大腸液虧] 大腸に湿熱蘊結 内湿化熱 [大腸湿熱] [ 症 状 ] ① 大腸液虧 :大便燥結・排出困難、舌紅少津、苔黄燥 ② 大腸湿熱 :腹痛、膿血便、裏急後重、或いは突然の激しい下痢、肛門灼熱痛、口渇不欲飲、尿短赤、 舌紅、苔黄膩、脈滑数・濡数 - 95 - Daisuke watanabe Master Frog's Library - 東洋医学概論 第 28 講 病理と病証 Ⅸ 臓腑弁証・六腑病証 『 膀胱の弁証(病証) 』 [主な病機] 感受湿熱邪 飲食不節 脾失健運 膀胱に湿熱蘊結 内湿化熱 [膀胱湿熱] [ 症 状 ] ① 膀胱湿熱 :尿意切迫、頻尿、排尿痛、尿しぶり、尿混濁、血尿、小腹部脹痛、或いは発熱・腰痛、 或いは尿結石、舌紅、苔黄膩、脈滑数・濡数 ※ 癃閉(排尿不利)、遺尿、尿失禁 等の症状は腎陽虚証や腎気不固証等による症状として 捉えられる。 『 三焦の弁証(病証) 』 :三焦の働きは[ 気 ][ 血 ][ 津 液 ]の代謝を順調に行うことである。 故に三焦の病証とは 上 焦:肺・心 中 焦:脾・胃 それぞれの気血津液代謝に関する機能失調を指す。 下 焦:腎・小腸・大腸・膀胱 - 96 - Daisuke watanabe
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