「平均賃金」の算定方法(1) 詳しいことは、担当者までお問い合わせ

VOL.69
発
労働基準法シリーズ
今月の
テーマ
2014.12.1
社会保険労務士法人 大槻経営労務管理事務所
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第5回 : 賃金④
「平均賃金」の算定方法(1)
~計算の対象となる賃金、ならない賃金~
今回の
今回のCASE
E社はある従業員を即時解雇することになり、解雇予告手当30日分を従業員に支払うこととなりました。解
雇予告手当の日額となる「平均賃金」を計算する際、E社は、計算の基礎となる給与額のうち、毎月額が変動す
る残業代や、定期券の実費を支給している通勤手当を除いた額で算定して解雇予告手当を支払いました。とこ
ろが、後日、「解雇予告手当の額が本来の額より少ない」と解雇した従業員から申立てを受けてしまいました。
平均賃金は、原則として過去3カ月間の賃金額に基づき計算します。
平均賃金を算定すべき事由の発生した日(※1)以前3カ月間の賃金により計算しますが、賃金締切日が
ある場合は、「直前の賃金締切日以前3カ月間の賃金」により計算します。
算定すべき事由の発生した日以前
3カ月間の賃金総額(※2)
平均賃金 =
算定すべき事由の発生した日以前
3カ月間の暦日数(※2)
※1 解雇予告手当の場合は、労働者に解雇の通告をした日
※2 産前産後、育児・介護、業務上の疾病、使用者側の都合により休業している賃金、及び期間は除く
➣ 平均賃金の計算例
・解雇の通告をした日 ・・・ 12月20日
・賃金締切日 ・・・ 末日締当月25日払
・賃金総額 ・・・ 9/25払(30日) 255,000円、 10/25払(31日) 273,200円、 11/25払(30日) 268,000円
(255,000円+273,200円+268,000円)/91日=8,749.4505・・・ ⇒ 平均賃金 8,749.45円(銭位未満切捨)*
*8,749.45×30日(解雇予告日数)=262,483.5 ⇒ 262,484円(最後に円未満を四捨五入)
「賃金総額」は、原則として支給した賃金すべてを含みます。
「賃金総額」には残業代、交通費等原則として3カ月間に支給した賃金すべてを含みます。
ただし、以下のものは賃金総額から除くことになっています。
①
②
③
④
臨時に支払われた賃金(結婚手当、私傷病手当、退職金など)
3カ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
労働協約に基づいて支払われるもの以外の実物給与など
産前産後休業、育児休業期間など対象期間から除かれる期間中に支払われた賃金
ここが
Point!
「平均賃金」は、解雇予告手当のほか、減給の制裁額、休業手当の額、労災補償の額を算定する
際にも用います。算定を誤るとこれらの額を法律を下回る額で支払うことにもなりかねません。そ
のため計算の際は特に注意が必要です。
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