分野 人事労務 平均賃金の計算方法は Q 「平均賃金」という言葉をよく

分野
人事労務
平均賃金の計算方法は
Q
「平均賃金」という言葉をよく聞きますが、どういうものですか。また、どの
ような場合に使用し、どのように計算するのでしょうか。
A
平均賃金とは、それを算定すべき事由が発生した日以前3ヵ月間に当該労働
者に支払った賃金総額をその期間中の総日数で除した金額をいいます。
平均賃金は、①解雇予告手当、②休業手当、③年次有給休暇中の賃金(平均
賃 金 で 支 払 う 場 合 の み )、④ 労 働 者 災 害 補 償 に お け る 各 種 補 償 額 、⑤ 減 額 制 裁 の
制限額などを計算する場合に用いられます。
<平均賃金の計算方法>
平均賃金=(算定事由発生日以前3ヵ月間に支払われた賃金総額)
÷( 当 該 期 間 中 の 総 日 数 )
「 算 定 事 由 発 生 日 」と は 、① 解 雇 予 告 手 当 計 算 の 場 合 は 解 雇 通 告 日 、② 休 業
手 当 計 算 の 場 合 は 休 業 日 ま た は 最 初 の 休 業 日( 休 業 が 2 日 以 上 に わ た る 場 合 )、
③ 年 次 有 給 休 暇 中 の 賃 金 計 算 の 場 合 は 、年 次 有 給 休 暇 を 付 与 し た 日 ま た は 最 初
の 有 給 休 暇 日 ( 2 日 以 上 連 続 し て 付 与 す る 場 合 )、 ④ 労 働 者 災 害 補 償 に お け る
各 種 補 償 額 計 算 の 場 合 は 、死 傷 の 原 因 た る 事 故 発 生 の 日 ま た は 診 断 に よ っ て 疾
病 の 発 生 が 確 定 し た 日 、⑤ 減 給 制 裁 の 制 限 額 計 算 の 場 合 は 、減 給 制 裁 の 意 思 表
示 が 相 手 方 に 到 達 し た 日 と な っ て い ま す 。計 算 す る 際 は「 算 定 事 由 発 生 日 以 前 」
で す か ら 、そ れ ぞ れ 上 記 ① ~ ⑤ の 前 日 か ら 3 ヵ 月 間 が 対 象 と な り ま す 。賃 金 締
切日がある場合は直前の賃金締切日が起算日となります。
「賃金総額」は労基法第11条に規定するすべての賃金を意味しますので、
計算に算入すべきかどうか迷いやすい通勤手当や年次有給休暇中の賃金、手当
なども含まれることに注意してください。
ただし、計算に算入すると著しく平均賃金に高低を生じる原因となる「臨時
に支払われた賃金」
「3ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金」
「 現 物 給 与( 例
外 あ り )」 に つ い て は 、 控 除 が 認 め ら れ て い ま す 。
分母の「総日数」とは総暦日数を意味しており、会社が定めた所定労働日数
や労働者が実際に労働した実労働日数ではありませんので注意が必要です。