コンピュータを活用した医療(13) 平岩堅太郎 会員の皆様のご協力を得て壮大なる碧南市健康ネットワークの策定も終りホッとしてい る今日この頃です。さて今回は同時進行していた碧南医学第19号の編集並びに自院のホ ーム ページ作製中に気付いた医学情報の再利用について述べてみます。 13.医学情報の再利用(リサイクル) 最近リサイクルが社会の大きなうねりとなっていますが、多大な労力を費やして作られ た医学情報も1回限りの使用ではなくリサイクルするのが賢明です。 1) 医学情報 ここでいう医学情報とは碧南医報の診療の広場、碧南市民健康教育講座、すこやか健康 教室、すこやか碧南、健康推進員研修会、各種健康教室、各種健康講演会、従業員研修会 講演、西三医学会発表、その他で作られたドキュメントを指します。 2) 再利用(リサイクル) 今迄はこれらの情報を1回だけ使用して終り、済んでしまったのでもう関心が無い等の 理由で放置されていた医学情報資源を今後は再利用していこうという訳です。情報のリサ イクルで良い例は深夜に放送されているNHKアーカイブスという番組です。NHKが誇 る膨大な映像作品を再放映して好評を得ています。この“膨大な”というフレーズがミソ で、これが正にデータベースになっている訳です。又“再放映”というフレーズはその時 代でしか撮れなかった歴史的価値を持ちます。ひるがえって医学情報は日進月歩ですぐに 陳腐化して価値が無くなるかというとそうでもなく、やはりその時代のデータという歴史 的価値を有するものと評価されているので大切にすべきです。 医学情報の二次利用の最たるものはやはり碧南医学です。このブックに1)で挙げられ たほぼ全てのドキュメントが載せられる訳ですが、問題は3回の請求にもかかわらず原稿 が提出されないと落ちが生じることです。又大部分の原稿が紙で提出されている為、印刷 屋が手入力でデジタル化する必要があり、誤字・脱字、費用アップ等の原因となり、この 点で大いに改善の余地が有ります。 三次利用であるCD-ROMは碧南医学第18号から作製し始め、5部が医師会保存に なっています。ブックに比し軽くてかさばらずアクセスが速い等の利点は有りますが、コ ン ピュータが無ければ只のディスクにすぎない欠点を持ちます。ただ昨今のコンピュ ータの普及から第19号は医師会5部保存に加え、開業院主各自にブックの他に1冊配布 を予定しています。将来的にはCD-ROMがブックに取って代るかもしれません。 (CD -ROMの方がブックよりはるかに安い!)ここでの問題は二次原稿の質です。これが悪 いとボケた様な図表や写真になり、見るのに苦労します。残念ながら第18号、第19号 共画質の悪いものが散見されています。 ホームページも二次利用の一つです。今回自院のホームページ作製の際、保健センター へ昔の原稿のデジタル渡しを依頼した所、文章のみのものは入手できましたが、図表・写 真のあるものは入手不能でした。ただ昔のプリントは有る訳で、これをスキャンすれば何 とかなるのですが、質が落ちる為、プリントではなく図表そのものをスキャナーで取り込 み、写真はデジタルカメラで直接撮影した所まあまあの結果を得ることが出来ました。 ホームページ見て下さい。www.hiraiwa-clinic.jp 3) リサイクルしやすくする工夫 二次利用しやすい原稿を作るには最初の段階が非常に大切です。つまり他人まかせにせ ず、文字のコンピュータ入力・保存、図表はスキャンニング、又はデジタルカメラ撮影し ておけば必要にして十分です。加えてそれらをE-メールに添付すれば更なる活用が得ら れます。講演会等ではパワーポイントでスライドを作製しておけばあとは自由自在です。 これにナレーションをつければほぼ完璧です。ヨーロッパの国際学会などではこれが主流 になりつつあります。究極の決定版は保健センターの係に依頼し、講演のすべてをデジタ ルムービーで撮影してもらいDVDに焼きつけ、クイックタイム版をネットに乗せ光ファ イバー経由でダウンロードして見てもらいます。これで会員は俳優でなくとも永遠にその 姿を映像で残すことが出来ます。 オー怖。どうですやってみませんか?
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