全段定電圧電源対応 MOS-FET DCパワーアンプ 作成レポート 2014 年 1 月 13 日 1 目次 1. 基本方針 ................................................................................................................................. 3 2. 重要部品の入手確認と代替品の検討 ....................................................................................... 4 3. 回路検討 ................................................................................................................................. 7 3.1. 整流平滑回路 .......................................................................................................................... 7 3.2. A 級電圧増幅段およびドライブ段用安定化電源 ...................................................................... 7 3.3. 電力増幅段用安定化電源 ........................................................................................................ 8 3.4. 保護回路-DC検出回路および電源制御部 ............................................................................ 9 3.5. アンプ部 ............................................................................................................................... 13 3.6. 代替素子 ............................................................................................................................... 17 4. 基板設計 ............................................................................................................................... 20 4.1. A 級電圧増幅段およびドライブ段基板 ................................................................................. 20 4.2. 保護回路基板 ........................................................................................................................ 23 4.3. A 級電圧増幅段およびドライブ段用安定化電源基板 ............................................................ 24 4.4. 電力増幅段用安定化電源基板 ............................................................................................... 25 4.5. 部品配置検討 ........................................................................................................................ 27 5. 筺体設計 ............................................................................................................................... 28 5.1. 使用する筺体 ........................................................................................................................ 28 5.2. 内部シャーシ上の配置 .......................................................................................................... 28 5.3. 出力段用定電圧回路用放熱器 ............................................................................................... 29 5.4. 前面パネル ........................................................................................................................... 30 5.5. 背面パネル ........................................................................................................................... 30 6. 実装 ...................................................................................................................................... 31 6.1. アンプブロック .................................................................................................................... 32 2 1. 基本方針 現システムの主力のパワーアンプはMJ無線と実験の 2008 年 12 月号及び 2009 年 1 月号に掲載された 落合萠氏のMOS-FETパワーアンプだ。金田氏のアンプもいいが、このアンプ、素晴らしいクオリ ティであるし、愛着がある。ただ、保護回路が何も付いていない。このアンプにこれから保護回路を組 み込むのも大変なので、MJ無線と実験のMJ無線と実験 第 1 回 2011 年 2 月号、第 2 回 3 月号、第 3 回 4 月号、第 4 回 5 月号、第 5 回 11 月号、第 6 回 2012 年 1 月号、第 7 回年 2 月号、第 8 回 2012 年 3 月 号、第 9 回年 4 月号と計9回の連載で掲載された落合 萠氏の MOS-FET アンプをベースに新たに作成する ことにした。また、1年以上かかるかな。 2012 年 9 月 9 日 3 2. 重要部品の入手確認と代替品の検討 落合氏の回路に採用されている各パーツは、半導体だけでなく、抵抗類も入手困難なものが多い。抵抗、 コンデンサ類は、販売されていないものがあり、定数や耐圧が同じものを選ぶことにする。 以下は、MJ 無線と実験誌に掲載された記事で使用・指定されている部品のうち、キーパーツについて、 入手の確認と、代替品の検討、それらの部品の購入予定を示している。購入の段階で、別のものに替え た場合は、都度修正を行う。 ◎印:指定部品は製造されており、問題なく入手できる部品。 ○印:指定部品を使用。但し、製造中止か中止予定、もしくは製造状態が不明の部品。 △印:指定部品の後継、改良型の部品を使用。もしくは、同等スペックの代替品を使用。 ▽印:指定部品ではなく、定数や耐圧などが同じ部品を使用。 または、誌面ではどの様な部品を使ったのか不明の為、推定する相当品を使用。 ×印:指定部品は、入手困難、もしくは入手不可能で、相当品、代替品を使用。 各記号で赤色文字は未入手を示す (1)パワーアンプ部 入手 名称 ○ 2SK389-BL × 2SC5170-F ◎ 2SA1358-Y 説明 オークションに頼らないと入手できない。代替として指定されている 2N5564 もわずかしかないようだ。また、2SK109-F、2SK97 も代替として 指定されているが、入手困難なものばかり。あっても誰かが大人買いを したらあっという間になくなってしまう。幸い、2SK389-BL は前回 MOS-FET アンプを作成した際、保守用に確保した石が2個あるので、大 切に使いたい。 イサハヤ電子製。全く入手できないので、2SC2458-GR か、 2SC2240-GR を代替として使用する。なお、三菱の 2SC2291 が入手でき たので、これが使用できるか検討する。 この他に東芝のチップ部品タイプの HN3C51F-BL か GR が使えそうだ。 新規設計非推奨品。(2012 年 8 月時点) ○ 2SC2458-GR 生産終了予定品。(2012 年 8 月時点) ◎ 2SC4793 2SA1837 とのペア品を購入。新規設計非推奨品。(2012 年 8 月時点) ◎ 2SA1837 2SC4793 とのペア品を購入。新規設計非推奨品。(2012 年 8 月時点) × 2SK2467-Y/2SJ440-Y × RD9.1A × 1S1585 MJ 誌面では「最新の…」とあり最も重要な部品であるが、メーカのホー ムページでは MJ に記事が掲載された 2012 年 2 月時点で「生産終了予 定」となっていた。2012 年 9 月現在では、リストから探し出すことも出来な いので、生産終了になったと思われる。 大阪地区で入手できるようであるが、東京では入手も出来そうにないの で、2SK1529-Y/2SJ200-Y か 2SK1530-Y/2SJ201-Y、2SK3497/ 2SJ618 のいずれかを使用する。 RD9.1A とあるが RD9A の誤りかそれとも RD9.1E の誤りか。ここでは、 RD9.1E を使用することにする。 RD9A:7.5V~10.0V ツェナー電圧範囲の中点 8.75V をとると、 以下の代替が考えられる。 代替 1:RD9.1E 8.33V~9.29V 代替 2:RD9.1E B2 8.61V~8.99V 代替 3:HZ9B2 8.50V~8.90V 今はなかなか入手できないが、手持ちで本機に使用する分は持ってい た。1S1585 は逆方向電圧 80V である。実際に確認したわけではないが、 ROHM の 1SS133 がスペック的には同じ逆方向電圧 80V で代替品として 使えそうだ。 4 入手 名称 説明 2W の抵抗は、200、330、1.2K、 3.3K、6.2K、6.8K、27K。 本当に 2W 型が必要?。200Ω 以外は音質で決めている気がする。 必要な電力値を計算して確認しようと思う。使用するのであれば、KOA 等の酸化金属皮膜抵抗を使用する。 ▽ 2W の抵抗(パナソニック製) × 1/2W の抵抗(マイクロオーム) タクマンの REY50 金属皮膜抵抗を使用する。 ▽ 0.47Ω 5W パナソニック製 0.47Ω 5W の抵抗をパラ接続して 0.24Ω 5W としているとのことだが、ネ ットショップを検索してもパナソニック製は入手できそうにない。そこで、 福島双葉の MPC74 0.47Ω 5W を使用することにした。 ◎ 33pF ディップマイカ 双信電機のコンデンサ ○ 0.01μ F 500V のディップマイカ ○ 33Ω 5W × コパル λ -13T 1KΩ 、200Ω ▽ 0.047μ F マイカコンデンサ ▽ 4.7μ F タンタルコンデンサ ▽ 50Ω 半固定抵抗(18 回転) (2)整流回路/安定化電源回路 入手 名称 双信電機のディップマイカのこの容量のものは 300V 耐圧の製品でも高 価なので、双信電機以外のメーカの製品を購入する。 誌面では 0.01μ F 500V のディップマイカとだけありメーカ指定は無い。 この抵抗もパナソニック製と思われるが、KOA の SPR5C 33Ω ±5% か、または、KOA の酸化金属皮膜抵抗 MOS3C 330J を使用する。 でも、3W型でも良いような気が…。 λ -13T は巻線型である。生産中止品である為、同じコパルのサーメット 型の RJ-13T を使用する。 ニッセイの APS(ポリプロピレンフィルム)か、WIMA の MKS(メタライズド ポリエステルフィルムコンデンサ)を使用する。 電解コンを使用する。 コパルの RJ-9W 0.5W 型を使用する、RJ-9W は高信頼性タイプだが、無 汎用タイプの CT-9 もある。 ◎ 2SC5199-O ◎ 2SA1942-O 説明 180V/12A/120W。東芝製 2SA1942-O とのペア品を2組、hfe が揃っているものを購入する。 ただ、2SC5198-O(140V/ 10A/100W)や 2SC5200-O(230V/15A/150W) の方が入手しやすい。 同上。 ○ 2SC3421-Y 新規設計非推奨品。(2012 年 8 月時点) 東芝製 ○ 2SA1358-Y 新規設計非推奨品。(2012 年 8 月時点) 東芝製 ○ 2SC2458-GR 生産終了予定品。(2012 年 8 月時点) 東芝製 ○ 2SA1048-GR 生産終了予定品。(2012 年 8 月時点) 東芝製 ○ 2N5465 ◎ E-352 高価だが2個購入。でも、使用せずに代替として 2SJ103-BL を使用す る。記事では 2SJ105-BL を代替としているが、なかなか入手できない。 セミテック(石塚電子)製 × RD6A × RD7A NEC製の定電圧ダイオード 5.2V~6.4V 中点を取ると 5.8V。6V と考えると、代替候補として以下があげられ るが、手持ちの RD6.2E を使用する。 ・RD6,2E 5.81V~6.40V,・RD6.2E B1 5.81V~6.06V ・HZ6C1 5.80V~6.10V NEC製の定電圧ダイオード 6.2V~8.0V 中点を取ると 7.1V。代替候補として以下があげられるが、手持ちの RD7.5E を使用する。 ・RD7.5E 6.88V~7.64V,代替:RD7.5E B1 6.88V~7.19V ・HZ7B2 6.90V~7.20V 5 入手 名称 説明 福島双葉の MPC74 0.47Ω 5W か、タクマンの酸化金属被膜抵抗器(小型 ▽ 0.24Ω 5W ▽ 1W の抵抗 47Ω タクマン REY75FY47Ω B ▽ 2W の抵抗(パナソニック製) KOA の 2W 酸化金属皮膜抵抗(MOSX2C3R3J)を使用する 3.3Ω ▽ 1/2W 抵抗(マイクロオーム) タクマン REY50FX を使用する。 2.7KΩ B、10KΩ 、12KΩ 、18KΩ × コパル λ -13T 2KΩ λ -13T は巻線型である。生産中止品である為、同じコパルのサーメット 型の RJ-13T を使用する。 ▽ 5W の抵抗 (金属皮膜か酸化金属皮膜) KOA の炭素皮膜の SPR5C 4.7K、7.5K、11K(22K 3W のパラとした) 品) 5W 0.24Ω ±5% RLF5SJ 0.24Ω が候補を購入。 特注品 × トランス ISO S-2655(B) ◎ 日本インター SBD KRH30A15 KCH30A15 × 日本インター SBD PB102F ▽ ネジ端子型電解コンデンサ 22,000µF 63V 2,200µF 80V(ツメ型) 1 次側:110V,100V,90V S-2655(B) 2 次側:45V-0V 3.3A×2, 55V-0V-55V 180mA 予算も限られているので、前回の ISO S-2347 を流用する事にする。 特注品 1 次側:115V,110V,105V,100V S-2347 2 次側:40V-0V 4A×2, 55V-0V-55V 180mA ――――― ISO の廃業を知ってトランスを購入したくなり、Web 検索したところ、(株)フ ェニックスという長野県のRコアトランスの専業メーカーを発見。 早速、S-2347 相当の下記スペックで特注した。最初は S-2655 相当と考 えたが、トランスが大きくなりすぎるので、このスペックとした。 特注品 1 次側:100V 2 次側:40V-0V AC3.5A×2, 55V-0V-55V AC180mA 静電シールド付き SBD(Schottky Barrier Diode) 30A Avg, 150V このダイオードは以前から愛用していたので、現行の MOS-FET パワーア ンプのものを流用する。 SBD(Schottky Barrier Diode) 10A Avg, 150V 一方、こちらは入手出来ないので、同じ日本インター製の FCH10A15/FRH10A15 を代替として使用。こちらも流用。 特にメーカは指定されていないが、今、入手出来るのは日本ケミコンの KMH ぐらい。無ければ、掘り出し物を探すしかない。22,000µF 63V につい ては、ELNA製の掘り出し物をKMHの半額以下で購入した。 EKMH630LGC223MCA0M, EKMH800LGB222MA50M 2200μ 80V については、トランスの1次が 100V のみの為、2次電圧が 80V を超える可能性がある。事実、前回の作成では、1 次側を 105V 端子 に接続変更した。そこで、2200μ 100V を購入する事にした。 6 3. 3.1. 回路検討 整流平滑回路 電源トランスは予算の関係から S-2655(B)の代替として現行機器の S-2347 を流用する S-2347 相当の R コ アトランスを特注した。従って、平滑後の電圧が 63V→56V となるが、定電圧回路を通して 45V に変換さ れるので問題ないだろう。 回路図は、MJ無線と実験 2009 年 1 月号 「MOS-FETパワーアンプ[後編] 」を参照の事 3.2. A 級電圧増幅段およびドライブ段用安定化電源 この回路の構成は、以前の MOS-FET アンプと同一だ。オリジナルに対し、正側は、2SK30A を 2SK246-BL に置き換える。また、負側の 2N5465 を 2SJ103-BL に置き換え、耐圧の関係でレベルシフトをする為にツ ェナーダイオードを挿入する。また、2SC2458/2SA1048 を 2SC2240/2SA970 とする事にした。この回路は 実績のある回路なので信頼性が高い。 回路図は、MJ無線と実験 2012 年 4 月号を参照の事 今回見直しした回路 . 誌面に記載されている回路 7 3.3. 電力増幅段用安定化電源 誌面の回路の 2N5465 を 2SJ103-BL に置き換えた。この為、9.1V のツェナーダイオードを入れて、レベル シフトしている。また、2SC2458/2SA1048 を 2SC2240/2SA970 とする事にした。 回路図は、MJ無線と実験 2012 年 4 月号を参照の事 今回見直しした回路 誌面に記載されている回路 8 3.4. 保護回路-DC検出回路および電源制御部 (1)DC検出部/電源制御部 金田氏設計の保護回路を使用する。リセットパルス生成回路(積分回路)の 2.2μF を後述するように 47 μF に変更し、SET パルス生成回路と組み合わせ、出力段への電源供給までの時間を確保する。DC検出 部は左右個別の回路を使用する。 オリジナルの保護回路-制御部および DC 検出部の回路は MJ 無線と実験の該当記事を参照のこと DC検出部は左右個別の回路を採用 (2) パルス生成回路 金田氏設計の保護回路の電源制御回路と合わせて 使用されるタイマー回路の 信号の発生回路は、 820KΩと 0.1μF での積分回路により、徐々に電圧 SET パルス発生回路は、MJ 無線と実験の制御回路が掲 載されている号、 例えば 2013 年 6 月号を参照の事 が増加して行き、TC4011BP の NAND ゲート回路の H/L の閾値に至るとその出力が H→L に遷移してトラン ジスタが ON から OFF になる。結果として (L)から OFF(H)に変化し、 が ON パルスとなる。 TC4011BP のデータシートから、NAND の H を検出する入力電圧は電源電圧が 4.5V の時、2.75V(標準)で ある。ここで、コンデンサの電圧が 2.75V になるまでの時間 Vt は、式 Vt=Vm(1-e-t/CR) より、 M=aP → P=logaM と変形できるから、式は次の様に変形出来て、値を代入して遅延時間を求める。 t=-CRloge(1-Vt/Vm) Vt:t 秒後の電圧(V) Vm:供給電圧(V) t:時間(s) C :容量(F) R :直列抵抗(Ω) -0.0000001F×820000Ω×loge (1-2.75V/4.5V)=77.5 ミリ秒 これを TC4011BP を使って実装してもよいのだが、今回は、トランジスタで実現することにする。トラン ジスタは 0.65V で ON すると仮定して、電源電圧 6.2V、4.7μF(0.0000047F)の電解コン、150KΩの抵抗 を使った場合、-0.0000047×150000Ω×loge (1-0.65V/6.2V)=78.1 ミリ秒となり、TC4011BP の回路と同 等性能になる。 9 (3) パルス生成回路 電源 ON 時のノイズ発生を回避する為、数秒程度の時間をおき、出力段への電源供給を開始させなければ ならない。まず、電源 ON 直後の パルスにより、フリップフロップの出力 Q をセットし、出力段への 電源供給を遮断した状態とする。積分回路により数十秒程度の時間をおいた後、 パルスを発生させ てフリップフロップの出力 Q をリセットして、出力段への電源供給を開始する。 下図はオリジナルのリセット信号生成回路と RS フリップフロップ回路を抽出したものである。表は RS フリップフロップの真理値表である。このシーケンスにより電源がコントロールされる。 G1-4 G2-2 1 0 0 G2-3 0 1 1 G2-1 1 1 0 1 1 状態維持 1 0 0 セット 0 1 1 リセット 0 0 不定 前の状態を維持 本状態になってはならない のみ-電源供給状態になるオリジナル回路の動作 Q 動作 0 0 1 リセット 状態維持 セット しかし、元々の CR 積分回路による でセットしても 動作 G2-1 オリジナルのリセット信号生成回路及び と RS フリップフロップ回路は、MJ無線 と実験の制御回路が掲載されている号、 例えば 2013 年 6 月号を参照の事 電源 ON 時パワーオン Q G2-3 説明 リセット信号(G1-4)ON リセット信号OFF-電源供給状態 がONになる(異常検出) パルス発生回路は、電源 ON 直後に同時に生成する為、 信号でセット状態が継続されず、すぐリセットされてしまう。従って、 信号 信号 をセット状態を解除(RESET)するタイミングでパルス信号として生成する必要がある。 パルス回路を追加した場合の動作 G1-4 G2-2 1 1 G2-3 1 0 G2-1 0 1 Q 動作 1 0 セット リセット 説明 リセット信号(G1-4)ON、 リセット信号(G1-4)ON、 信号ON 信号OFF パルス生成を TC4011BP を使っ て実装してもよいのだが、トランジ スタで右図の回路構成で実現するこ とにする。 積分回路の出力は、NAND の入力 G1-6 に入力される。この端子の電圧が 徐々に増加して行き、スレッショル ド値を超えると、 「1」と認識される。この時まで、NAND の入力 G1-5 は「1」を維持し、必要パルス幅時 間経過後、 「0」に変化させる必要がある。上記の回路で、入力 G1-5 に繋がっているトランジスタが ON 10 する電圧は 0.6V 前後で、G1-6 より低い電圧で ON してしまうので、何もしないと先に変化してしまい、 パルスを生成させる事が出来ない。そこで、ベース電圧を分圧して 0.6V に達する時間を遅延させ、 G1-6 より後に G1-5 が変化させるようにする。適切なリセットパルスが生成出来るように分圧抵抗の値を 決める事にする。 パルス回路を追加した場合の動作 G1-6 G1-5 G1-4 G2-2 0 0 1 1 1 1 1 0 1 1 0 1 0 0 1 0 G2-1 0 1 1 1 G2-3 1 1 0 1 Q 動作 1 1 0 0 セット 状態維持 リセット 状態維持 説明 セット状態維持 数十秒後 G1-6 で 0→1 を認識 リセット状態維持 t=-CRloge(1-Vt/Vm)より、電源電圧 6.2V の時のスレッショルド電圧を(2.75×6.2/4.5=)3.8V と仮定する と、 -0.000047(47μF)×150000Ω(150KΩ)×loge (1-3.8V/6.2V)=6.69 秒。 仮に 4V の時、G1-5 が 1→0 に変化するとした場合、 -0.000047(47μF)×150000Ω(150KΩ)×loge (1-4V/6.2V)=7.3 秒。 つまり、約 0.6 秒のリセットパルスが生成される。4V の時、トランジスタのベース電圧が 0.6V になる様 に分圧すればよいので、RA:RB=0.85:0.15 の比の抵抗値となる。TC4011BP の入力電流は高々0.1μA なの で、トランジスタのベース電流はわずかで構わない。ここでは、仮に RA=6.8KΩ、RB=1.2KΩとする。 これらの定数で、実験して回路定数を決定する。 この回路構成で実験したところ、定常状態にな っても積分回路の電圧が 0.3V。考えてみたら当 たり前で、150KΩと 6.8KΩ、1.2KΩで分圧した 電圧 (6.2V× Ω Ω Ω Ω =0.375V) である。 Ω 再検討!。次の回路構成を考えた。積分回路の 出力電圧(G1-6)が 4.6V になったら、トラン ジスタが ON するという仕掛け。 これで動作するだろうか?・・・。あーっ。ダ メダメ。トランジスタが ON になっても G1-5 が 0V にならない。そうなら、PNP トランジスタに しようか。そう考え、右図の回路とした。この 回路構成では、電源 ON 後、G1-6 端子で 0V と認 識されている間、セット維持状態が維持され、積分回路の電圧が上がってゆき、1 と認識された時点でリ セット状態となる。 このリセット状態は 1 秒以下で良いが、PNP トランジスタが OFF となる電圧に到達し、 G1-5 端子が 0 となってリセット維持状態に移行するまでに数十秒の時間を要してしまう。この時間を短 くするために、エミッターに 2.4V のツェナーダイオードを挿入し、3.8V(=6.2V-2.4V)でトランジスタ が OFF となるようにした。なお、G1-6 端子が 1 と認識される電圧は 3V 程度である。 11 (4) / パルス生成回路答案 MJ無線と実験の 2013 年 6 月号、DC アンプシリーズ No.226 の末尾に金田先生から課題が出されている。 私の答案は2案あり、1つは、上記のトランジスタによる / パルス生成回路である。もう1つ は、TC4011BP を 1 つ追加使用した回路である。 前者の答案は、 パルスのパルス生成が積分回路と独立しており、変化点が無関係である為、パルス が確実に生成される設計思想的な保証が無い。 (実装で確実に発生する用に設定はしている)また、パル ス幅が数秒になる為、その間 後者の答案は、 に瞬間的に検出信号が伝えられても状態保持できないという欠点がある。 パルスのパルス生成が積分回路の動作に関連してシーケンシャルに実行される為、 必ずパルスが生成される保証がある。また、パルス幅も数十μ秒と短い。従って、回路的設計上、後者 の方が信頼性が優れている。ただ、自分で考えた前者回路で実装は行うことにする。 以下に、後者の答案(回路構成のみ定数なし)を示す。 SET パルス発生回路は、MJ 無線と実験の制御回路が掲 載されている号、 例えば 2013 年 6 月号を参照の事 評価は「優」もらえるかな。 12 3.5. アンプ部 (1)アンプ部回路図 誌面の回路構成および定数をそのまま使用する。なお、抵抗の電力容量は後述のように変更する。 ところで、前回不明だった 91KΩ→91Ωとした帰還抵抗の値だが、今回の回路を見ると 100Ωが正解だっ た様だ。 回路図は、MJ無線と実験 2012 年 4 月号を参照の事 (2)抵抗の容量 アンプ部であるが、初段から 2W 型の抵抗が使用されている。本当に2W型が必要なのであろうかという 疑問が湧いた。今回、回路に測定電圧が書かれておらず、詳細がわからないので以前の MOS-FET アンプ の電圧で類推した。初段は、6.2KΩに 6mA 流しているので、電力 P=IE=I2R=(0.006A)2×6200Ω=0.223W。 なので、1/2W 型でも問題ないと思う。同様にカレントミラーの 3.3KΩも(0.006A)2×3300Ω=0.12W なの で 1/2W 型で問題ないと思う。また、カスコード接続のトランジスタのベースに接続されている 2.7KΩ には 60V-9.1V=50.9V がかかっているので、(50.9V)2÷2700Ω=0.96W。こちらは 2W 型が良いようだ。27K Ωは電圧 60V-9.1V=50.9V から、電力 P=IE=(E/R)E=E2/R= (50.9V)2÷27000Ω=0.096W。1/2W 型で大丈夫。 二段目の 330Ω。ここには 7.5V 程度なので 0.17W。これも 1/2W 型で大丈夫。二段目の 6.8KΩ。ここには、 57.5V 程度かかるので 0.49W。ここは 1W 型か 2W 型としておいた方が安全だ。 13 (3)出力段過電流保護回路(パワーリミッター) オリジナルの回路には過電流保護回路が無い。安全確保のためにぜひ追加したい。 追加する回路は、以下の資料を参考にして検討した。 出力段過電流保護回路(パワーリミッター)の参考文献 MJ 無線と実験 2011 年 12 月号 安井章著 17W×2 半導体パワーアンプ MJ 無線と実験 2012 年 11 月号 安井章著 モノーラル 45W パワーアンプ[設計編] MJ 無線と実験 2013 年 4 月号 金田明彦著 SiC MOS-FET パワーアンプハイパワーIVC [前編] 下記が、参考文献を元に作成した回路構成である。 各参考文献には動作内容とその設計方法が詳しく書かれており、その方法に従った。まず最初に、出力 段の MOS-FET(Q12,Q13)の ID の最大値 IDmax を決める必要がある。しかし、落合氏の記事には、出力段 の IDmax がわかる記述を見つける事ができなかった。そこで、東芝のホームページに公開されていた 2SK1529 のデータシートの ID-VDS 特性図を参考に Excel で特性図を書き直し、そのグラフに RL=8Ω、6Ω、 4Ωのロード・ラインを引いて検討する事にした。 ロード・ラインは。傾きが 1 で、VDS が電源電圧の時、ID=0 になることから求め、書き込んだ。 RL 負荷が8Ω、電源電圧が 45V とすると、直線の式は以下となる。 本式等を使って、ID-VDS 特性図にロードラインを追記した。 14 12A 2SK1529ロードライン ID 4Ω負荷 10A VGS=4.5V VGS=4V 8A 6Ω負荷 6A VGS=3.5V 4A 8Ω負荷 2A VGS=2.5V VGS=3V 0A 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 VDS(V) このグラフから VGS=4V の曲線と 8Ωのロードラインとの交点をみると 5.5A 程度であることが分かる。6 Ωでは 7.2A 程度、4Ωでは、8.2A 程度である。4Ωのロード・ラインは 10A 以上に達しているが、ID(ド レイン電流)の最大定格が 2SK2467=9A、2SK1529=10A、2SK3497=10A となっていることから、IDmax を 8A に設定して各回路定数を決める事にした。 次に決めなければならないのは RC の値である。この値は、金田氏の記事で「計算し易いように 1KΩとし て」と書かれており、安井氏の記事では 390Ωとなっているが、その決め方の根拠は書かれていなかった。 ここでは「計算し易いように」を採用して 1KΩとする。 IDmax=8A は、出力段の MOS-FET のソース抵抗 RS に流れるので、ここでの電圧降下は以下の値となる。な お、回路図上は 0.24Ωとなっているが、実際は 0.47Ωをパラ接続するので、0.235Ωになる。この値で 計算を行った。 8A×0.235Ω=1.88V ここで、Q12 が飽和領域までドライブされ(つまり ON となっていて) 、VDS=0 となり、Q13 はカットオフ (つまり Q13 の ID=0 で VDS=45V)の時、1.88V が分圧されて Q14 の VBE にかかるスレッショルド (threshold:閾値)電圧 Vth が 0.65V(この値は私の経験値。金田氏が使用している値は 0.55V、安井 氏の計算式では 0.7V となっている)となる様にすれば良いので、 Vth= RA= より、 Ω Ω Ω ちなみに Vth=0.55V で計算すると RA= 2.418KΩとなるが、 仮に実際の Vth が 0.55V 以上になった場合、 より多くの ID が流れないと機能しない事になるので、安全な方を採用することにした。 さて、1.892KΩ を実際に販売されている抵抗値に置き換えなければならないのだが、1.8KΩとするか、 2KΩとするか悩むところだ。これについては、IDmax を求める表を作って検討を行った。 15 RA=1.8KΩ RA=2KΩ RA=2.2KΩ RA=2.4KΩ Vth=0.55V 6.55A 7.02A 7.49A 7.96A Vth=0.6V 7.15A 7.66A 8.17A 8.68A Vth=0.65V 7.74A 8.3A 8.85A 9.40A Vth=0.7V 8.34A 8.94A 9.53A 10.12A 上の表から Vth=0.65V と仮定した時の IDmax=8A となる RA の最適値は 2KΩと判断できるが、 Vth が 0.55V、 0.6V の場合も考慮すると 2.2KΩにすべきであると結論付けた。 一方、Q12 がカットオフ(つまり Q13 の ID=0 で VDS=45V)の時は、Rs に電流が流れず、電圧降下が発生 しない事から、RA と Rc が並列接続状態になる。Q13 は飽和領域までドライブされ(つまり ON となってい て) 、VDS=0 となる.この時のパラレル値 Rp を計算すると下記の様になる。 Ω Ω Ω Ω Ω VDS=45V が RB と Rp で分圧されて Q14 の VBE にかかるスレッショルド(threshold:閾値)電圧 Vth が 0.65V となる様にすれば良いので、 Vth= より、 Ω よって、RB=100KΩとする。 なお、上記の RB の求め方については金田氏と安井氏とで若干異なる。金田氏の場合、VDS の値を 2 倍し ているのに対し、安井氏の場合は、上式の-1 の頁を無視して省略していると共に、VDS を2倍するの ではなく、計算した値を2~3倍の値とすると説明されている。 ~ 16 3.6. 代替素子 (1)代替素子-デュアル・トランジスタ 2SC5170-F のスペックは、MJ 無線と実験の 2010 年 7 月号 落合萠氏発表の「ラインコントロールアンプ [前編]」の記事中に記載されている。2SC2291 については、CQ 出版社の「’88 最新トランジスタ規格 表」から規格を抽出。もう一つ、手持ちは無いが、2SC3381 についても東芝のデータシートから引用して 比較表を作成した。比較の結果、最大定格の観点では、2SC2291 が 2SC5170 の代替として使用できる事が わかった。 最大定格 (Ta = 25°C) 項 目 記 号 コレクタ・ベース間電圧 コレクタ・エミッタ間電圧 エミッタ・ベース間電圧 コレクタ電流 ベース電流 コレクタ損失 接合温度 保存温度 VCBO VCEO VEBO IC IB PC Tj Tstg 電気的特性 項 目 直流電流増幅率 記 号 h FE コレクタ出力容量 Cob 定 格 2SC3381 80 80 5 100 20 200 × 2 125 −55~125 2SC5170 100 100 5 100 200 × 2 定 格 GR:200~400 BL:350~700 2.5 3.6 17 2SC2291 100 100 5 100 200 × 2 単 位 V V V mA mA mW ℃ ℃ 単 位 F:250~500 G:400~800 H:600~1200 3 pF (2)代替素子-出力段素子 出力段の MOS-FET、2SK2467-Y/2SJ440-Y は MJ 誌面で「最新の…」とあり最も重要な部品であるが、入手出来 ない。また、メーカのホームページで MJ に記事が掲載中の 2012 年 2 月時点で「生産終了予定」となっており、 2012 年 9 月現在でメーカのホームページから探し出すことが出来なくなっていたので、生産終了になったと 思われる。そこで、入手可能な 2SK1529-Y/2SJ200-Y か 2SK1530-Y/2SJ201-Y、2SK3497/2SJ618 のいずれか を使用することにした。これらは、2012 年 11 月の段階で「生産終了予定」となっている。ということは、実 際は製造ラインには流れていないかもしれないが、まだ生産計画にのる可能性があるということだ。最大定格 と電気的特性は、下記の様になっており、同等スペックという点からは 2SK1529-Y/2SJ200-Y が一番良いと思 われるが、他の素子も使ってみたい。今回は、VGSS が他と比べて低いのと電気的特性で、入力容量が 3 倍も ある点が気になるが、アキュフェーズ社の MOS-FET パワーアンプ A-200 にも採用されていることから魅力を感 じ 2SK3497/2SJ618 を使うことにした。販売店に注文したところ、在庫が切れたとのことで入手までに 3 週間 要してしまった。 最大定格 項目 ドレイン・ソース間電圧 ゲート・ソース間電圧 ド レ イ ン 電 流 許 容 損 失 (Tc=25℃) チ ャ ネ ル 温 度 保 存 温 度 VDSS VGSS ID PD Tch Tstg 2SK2467 180 V ±20 V 9 A 80 W 150℃ −55~150℃ 2SK1529 180V ±20V 10A 120W 150℃ −55~150℃ 2SK1530 200V ±20V 12A 150W 150℃ −55~150℃ 2SK3497 180V ±12V 10A 130W 150℃ −55~150℃ 東芝のホームページより入手できるデータシートより引用 電気的特性 項目 入 力 出 力 帰 還 容 容 容 量 量 量 Ciss Coss Crss 2SK2467 700pF 150pF 90pF 2SK1529 700pF 150pF 90pF 2SK1530 900pF 180pF 100pF 2SK3497 2400pF 220pF 30pF 東芝のホームページより入手できるデータシートより引用 18 (3)手持ち素子の活用検討 ところで、手持ちで 2SJ109-GR がある。また、2SA1349 もある。そこで、それらを用いて回路を組めない かと考えたのが、下図である。反対にひっくり返しただけなので、はたしてこれで動くかどうか。機会 を見て試してみたい。 上記回路図の±の天地をひっくり返して書いたのが下記回路図である。 19 4. 基板設計 A 級電圧増幅段およびドライブ段基板 4.1. 4.7µF 100KΩ 2.2KΩ K1529 S 33pF 2SC2240 1KΩ 33pF 1S1585 B RD9.1E 20 2SA970 150KΩ 4.7µF 0.47Ω 1S1588 2.2KΩ 2SA970 100KΩ (2)パターン図 2SC2240 0.47Ω 1KΩ 200Ω 2W 6.8KΩ 2W ① 1KΩ 2SA1837 0.047µF 2SC2240 1S1585 2KΩ 6.8KΩ 2W 2SC2240 ① 2SC2458 1.2KΩ ① OutPut 10µF 4.3KΩ 3.3KΩ 2W 100Ω 50Ω 6G 6.2KΩ 2W 100KΩ 6.2KΩ 2W 2G 1.2KΩ 2W 3S 5S 7D 1D 0.47Ω 2SA1358-Y 100Ω(K1529 G) 0.47Ω 2SC4793 2SA1358-Y +45V(Vout) K1529 D 150KΩ ① +60V 200Ω 2W 2SC2240 E C 330Ω 2W 2.7KΩ 2SC2240 B C E 2.7KΩ 27KΩ 2W 200Ω 0.047µF (1)部品配置図(デュアルパッケージトランジスタ未使用) 2SC2240 J200 S DET 47Ω(J200 G) 15KΩ J200 D -45V(Vout) 30KΩ -60V 4.7µF 200Ω 2W 200Ω 2W 2SA1837 (4)パターン図 21 0.47Ω 1S1588 2.2KΩ 2SA970 150KΩ 4.7µF 0.47Ω 2SC2240 2SA970 100KΩ 0.047µF 6.8KΩ 2W ① 1KΩ 1KΩ 1S1585 2KΩ 0.47Ω ① 6.8KΩ 2W 2SC2291 OutPut 10µF 2SC2458 1.2KΩ ① 150KΩ 1KΩ 2SC2240 0.47Ω K1529 S 33pF 4.3KΩ 3.3KΩ 2W 6G 1.2KΩ 2W 50Ω 100Ω 100KΩ 2.2KΩ RD9.1E 6.2KΩ 2W 3S 5S 7D +45V(Vout) K1529 D 100Ω(K1529 G) 1S1585 1D 6.2KΩ 2W 2SA1358-Y 33pF 2SC2291 E +60V 100KΩ 2SC4793 2SA1358-Y 2G 330Ω 2W ① 2.7KΩ 2.7KΩ 27KΩ 2W 200Ω 0.047µF (3)部品配置図(デュアルパッケージトランジスタ使用) 2SC2240 J200 S DET 47Ω(J200 G) 15KΩ J200 D -45V(Vout) 30KΩ -60V 4.7µF 2.2KΩ K1529 S 2SC2240 1KΩ 1S1585 RD9.1E 2SA1837 22 2SA970 150KΩ 4.7µF 0.47Ω 1S1588 2.2KΩ 2SA970 100KΩ (4)パターン図 2SC2240 0.47Ω 1KΩ 1S1585 200Ω 2W 2KΩ 6.8KΩ 2W 出① 力 1KΩ へ ① 0.047µF HN3C51F 4.3KΩ 2SC2458 6.8KΩ 2W 6.2KΩ 2W ① 1.2KΩ 6G OutPut 10µF 3.3KΩ 2W 50Ω 100Ω 2G 6.2KΩ 2W 100KΩ 1D 3S 5S 7D 1.2KΩ 2W 33pF 0.47Ω 33pF 0.47Ω 2SA1358-Y 100Ω(K1529 G) 150KΩ 2SA1358-Y +45V(Vout) K1529 D 100KΩ 2SC4793 HN3C51F +60V 200Ω 2W 330Ω 2W ① 2.7KΩ 2.7KΩ 27KΩ 2W 200Ω 0.047µF (5)部品配置図(デュアルチップトランジスタ使用) 2SC2240 J200 S DET 47Ω(J200 G) 15KΩ J200 D -45V(Vout) 30KΩ -60V 4.2. 保護回路基板 保護回路-制御部/ パルス生成回路/ パルス生成回路の部品配置、パターンは前回作成のもの を踏襲して作成した。 4.7μF 1N4007 Tr7 150KΩ 1.8KΩ HZ2C2 150KΩ 10KΩ 150KΩ Tr8 150KΩ 470KΩ10KΩ Tr10 820Ω E 150KΩ 100μF 150KΩ D3 DET D1 10KΩ 51KΩ Tr4 51KΩ Tr3 TC4011BP 10KΩ Tr5 Tr2 3.9KΩ D S 33KΩ G Tr1 J217 D2 39KΩ G D S LED S D 1N4007 黄 A 黄 A K 緑 K 緑 K 緑 A:Anode K:Cathode 黄緑 E -Vin -Vout G A 黄 Tr6 K2554 緑黄 +Vin +Vout E DET HBO5066X Tr8 Protetor 2SA970 S Tr1 J217 D Tr6 K2554 -Vout -Vin E LED +Vout +Vin G Tr2 制御部基板 パターン面 FET 筺体 or 内部シャーシ Tr1 2SJ217 Tr2 2SA970-GR Tr3 2SC2240-GR Tr4 2SA970-GR Tr5 2SC2240-GR Tr6 2SK2554 D1-3 HZ6C2 IC TC4011BP Tr7 2SC2240-GR Tr8 2SC2240-GR Tr9 2SA970-GR Tr10 2SC2240-GR D4 HZ2C2 23 4.3. A 級電圧増幅段およびドライブ段用安定化電源基板 (1)部品配置図 Q001 2SC4793-Y Q002 2SC2240-BL Q001 E-202 E B Q002 RD9.1E D G S Q003 Q004 RD9.1E 47µF 100V RD9.1E Q003 2SC2240-GR Q004 2SK246-BL E Q009 Q005 2SC2240-BL S G D Q008 Q007 RD9.1E Q106 2SA970-BL Q107 2SJ103-BL 3.3Ω 3.3Ω 12KΩ Q005 18KΩ 2.7KΩ 100µF 100V Q110 B E-202 47µF 100V Q006 12KΩ 2.7KΩ 18KΩ Q108 2SA970-GR Q109 2SA970-BL 100µF 100V Q110 2SA1837-Y (2)パターン図 S アースラインは2ターン撚る 24 4.4. 電力増幅段用安定化電源基板 B Q103 Q101,Q102 2SC5199-O E +63V Q102 C Q101 C Q102 B Q101 B (1)+45V 基板部品配置図 E 10KΩ D101 Q105 D102 D103 Q104 12KΩ 47Ω1W Q106 4.7KΩ5W 0.24Ω5W 2.7KΩ Q102 E 0.24Ω5W Q101 E VR101 2KΩ 18KΩ E +45V +45V 100µF 100V (2)+45V 基板パターン図 25 Q103 2SC4793-Y Q104 2SC2240-GR Q105 2SC2240-GR Q106 2SC2240-BL D101 E-352 D102,D103 RD9.1E Q201,Q202 2SA1942-O 63V - Q201 Q201 C 63V - Q201 Q202 C - Q201 63V B -Q201 Q201 63V Q202 B E -63V (3)-45V 基板部品配置図 B ※ D204 D203 12KΩ Q206 4.7KΩ5W 2.7KΩ VR201 2KΩ (4)+45V 基板パターン図 -45V E 18KΩ E Q203 む゜゜ D201 ゜゜゜ ゜゜゜ ゜゜゜ ゜゜゜ Q204 ゜゜゜ ゜゜゜ ゜゜゜ 47Ω1W ゜゜゜ ゜゜゜ ゜゜゜ 0.24Ω5W ゜゜゜ ゜゜゜ ゜゜゜ ゜゜゜ 0.24Ω5W ゜゜゜ ゜゜゜ ゜゜゜ ゜゜゜ ゜41 100µF 414 100V 141 414 141 414 141 414 141 414 141 414 141 414 141 414 141 414 141 414 141 414 141 414 141 414 141 414 141 414 141 414 141 41 414141 414141 414141 414141 414141 414141 414141 414141 414141 414141 414141 414141 41 -45V Q205 S G D 26 Q203 2SA1837-Y Q204 2SA970-GR Q205 2SJ103-BL Q206 2SA970-BL D201 E-352 D203,D204 RD9.1E Q202 E ※D204 は、記事に測定電圧の記述 が無い為、必要性が不明である。 Q201 E Q205 をオリジナルの 2N5465 から 耐圧の低い 2SJ103-BL に変更した 為の対策として挿入してあるが、 電圧を測定し、不要であればジャ ンパー線とする。 4.5. 部品配置検討 実際の部品を配置して確認を行い、パターンの修正を行った。 A 級電圧増幅段およびドライブ段基板にタクマンの 1W の抵抗 REY75FY6.8KΩB を使ったが、デカイ!。 ついでに電力出力段の 200Ω×2 も 2W タイプではなく、1W の REY75FY200ΩB にすることにした。電流を測定して無理そうだっ たら 2W の酸化金属被膜抵抗にする。 A 級電圧増幅段およびドライブ段用の部品 配置も確認。少し、パターンを変更した。 保護回路の制御部には、 パルスと パルスの生成回路を組み込んでいる。 電力増幅段用の定電圧回路において、 オリジ ナルの実装では 0.47Ω5W のパラとしている が、0.24Ω5W を購入したので、これを実装 する。しかし、5W もデカイ!。これで、基 板いっぱいになってしまう。 なお、0.24Ωの抵抗は、放熱に配慮して基 板から少し浮かして取り付ける。この時、 余った基板を利用すると綺麗に揃う。 47Ω1W 及び 4.7KΩ5W の抵抗も同様に浮かし て取り付ける。基板は立てて縦長方向に取 り付ける事を想定し、放熱器が上向きにな る様にしている。 27 5. 5.1. 筺体設計 使用する筺体 筺体の価格もばかにならないので、前回のタカチの筺体(SL149-32-43 SS)を流用する事にする。但し、 内部シャーシは新規に購入する。再度、現行の MOS-FET パワーアンプの音を気合を入れて聞いてみたが、 何とも素晴らしい音がしている。これを壊してしまうのが惜しくなった。そこで、トランスも新たに購 入した事でもあるし、筺体(タカチ SL149-32-43 SS SL149-37-43 SS)も新調することにした。予算調達 の関係で、完成が先延ばしとなるが、急ぐわけでもないので我慢する事にする。 5.2. 内部シャーシ上の配置 内部シャーシは、筺体に適合したもの(AC32-43 AC37-43)を使用すると、前面(本来は側面)との間隔 が取れない。そこで、取り付けにひと工夫必要だが、一回り小さな AC26-43 AC32-43 を使用する。 内部シャーシ上の配置であるが、基本的に前回の配置を踏襲する。内部シャーシのスペースを確保する 為、トランスは、中央前面寄りに配置し、内部シャーシに縁側の様にL型アルミアングルを足して取り 付ける事にした。左右には放熱器を配し、アンプ基板は、側面(本来は前面)側に配置して、側面のア ルミパネルを外せば調整できるように配慮する。 28 放熱器は、パワーMOS-FET 用にはフレックスの TF1310A-2 を、出力段の定電圧用のパワートランジスタ様 には千石電商で販売されていた旧名:吉川金属の H22×116×100mm の LSI 用の放熱器を使用する。出力 段用の定電圧電源のパワートランジスタの発熱量はわからないので、この放熱器で足りるかどうか不安 だが、これで作成してみる。 保護回路の制御部、整流回路は、内部シャーシの裏面に取り付ける。 5.3. 出力段用定電圧回路用放熱器 出力段用定電圧回路用放熱器の加工図面を以下に示す。 29 5.4. 前面パネル 5.5. 背面パネル 30 6. 6.1. 実装 定電圧電源ブロック 定電圧電源用放熱器を加工する。まず、寸法に合わせて軽~くポンチを打つ。正しく、中心が取れてい れば、再度ポンチをあてて強く打つ。次に 1mmφのドリルをドリルチャックに付けて、少し削り、ドリ ル刃がずれないようにする。その後、ドリル(電動ドリルは持っておらず、ハンドドリル)で 1.5mmφ、 2mmφ、2,5mmφの順に順次穴径を広げてゆく。こ の様にすると穴位置を比較的正確に開けることがで きる。そして、3mmφのネジ切りでネジ溝を掘る。 この際、一気にぐりぐりとネジ切りするのではなく、 少し切ったら、戻し、また少しきったら戻すという 動作を繰り返しながらネジを切る。なぜなら、ネジ 切りは、高度を固くするように焼き入れしているので 強い力に弱い。無理に力を入れると、ポキッと折れて 取れなくなりどうにもならなくなる。パワートランジ スタ取付用の穴も 2.5mmφに続けて、3 mmφ、3.5 mmφ、4 mmφの順に穴をあけ、最後に面取りカッ ターでバリを取り除く。 トランジスタはコンプリペ ア品でかつペア同士でも hfe が揃っているものを購 入し使用した。 31 6.2. アンプブロック(基板) 初段のカスコード接続のデュアルトランジスタには、最近の製造されている製品で何かないかと探した ところ、チップ部品タイプのデュアルトランジスタである東芝の HN3C51F という製品を見つけた。この トランジスタ、データシートを見ると 2007 年となっており、結構古くからある。しかも、最大定格を見 ると 2SC2240 と同じ。それが、なんと2個1パッケージに納められている。さらにエミッタもコモンで は無く独立している。こんな良いトランジスタがあったのかと思う。しかし、国内の販売店や通販サイ トではどこにも売られていない。東芝のホームページから、米国の DigiKey という商社が紹介されてお り、ここから入手した。チップトランジスタであるので(比較的大きい方である)、そのままでは接続で きない。2.54mm ピッチに変換する必要がある。探したところ、DAISEN というメーカから 0.95mm ピッチ と 0.65mm ピッチのパターンが裏表にプリントされている 6 ピン IC ピッチ変換基板 D006 が販売されて いる事を知り、購入した。同じような基板が秋月電子で売られていたが、縦横の一方が 2.54mm ピッチに なっていない。安価なのに残念。 初段の 50Ω半固定抵抗は調整し易いように 18 回転型を使う。一般タイプのコパル CT-9W もあるが、高価 であるが高信頼性タイプの RJ-9W を購入。 ドライブ段に使用した 2SC4793/2SA1837 が生産終了になって、最近(2014 年 1 月時点)急に入手しづら くなった。安価で性能も非常によく、重宝していたのでとても残念。 出力段については、出力の引き出しをアンプ基板から引き出す事を考えていたが、放熱器側にドレイン 抵抗を配置し、そこから出力を引き出すことにした。 作成中の基板 6.3. アンプブロック(放熱器) 32
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