第1学年 算数科学習指導案 平成27年10月15日 4校時 11:00 ~ 11:45 指導者 東川 三佳 1年1組 24名 1. 単元名 たしざん(2) 2. 単元とその指導について (1)単元について 学習指導要領に示された本単元にかかわる目標・内容は以下の通りである。 目標(1)具体物を用いた活動などを通して,数についての感覚を豊かにする。数の意味や表し 方について理解できるようにするとともに,加法及び減法の意味について理解し,それ らの計算の仕方を考え,用いることができるようにする。 内容 A 数と計算 (2)加法及び減法の意味について理解し,それらを用いることができるようにする。 イ 1 位数と 1 位数との加法及びその逆の減法の計算の仕方を考え,それらの計算が 確実にできること。 加法については,これまでに,くり上がりのないたし算を学習している。 本単元では,くり 上がりのある加法計算(1位数+1位数)の方法について初めて学習する。 数図ブロックや指などを用いて「数えたし」を行えば十分解決ができる内容であるが,「10 をつくる」ことが大切な内容である。ここでは,10を合成したり,数を分解したりし,10と いくつで「10いくつ」ととらえたりする既習内容をいかして,まず数図ブロックによる操作に より計算方法を理解し、最終的には頭の中で操作する念頭操作によって計算できるようにする。 (2)児童の実態 本学級の児童は,全体に学習意欲があり,算数の宿題についても,1学期当初よりどの子もき ちんと取り組んでいる。算数について行った意識調査の結果は,以下の通りである。 算数についての意識調査(9月17日実施) ①算数の勉強は好きですか。 好き どちらかというと好き どちらかというと嫌い 嫌い 58% 21% 8% 13% ②算数で,自分の考えを発表するのは,好きですか。 好き どちらかというと好き どちらかというと嫌い 50% 29% 8% 嫌い 13% ③算数で,友達の考えを聞くのは,好きですか。 好き どちらかというと好き どちらかというと嫌い 75% 25% 0% 嫌い 0% 算数について「好き・どちらかというと好き」を合わせると約8割の児童が「好きだ」と答え た。その理由について複数選択で聞いたところ,「算数が得意」「計算をするのが好き」「難しい 問題を解くのが好き」と答えた児童が,いずれも84%だった。また,「好き」と答えた児童の 多くがどの理由にも○をつけており,「算数ならなんでも好き」といった気持ちを持っているこ とがわかった。一方「嫌い・どちらかというと嫌い」と答えた児童の理由を見てみると,項目の 全部に○をつけている児童が半数以上で,好きな児童とは対照的に「とにかく算数は嫌い」とい った感じが受け取れた。 また,「自分の考えを発表するのは好きか。」という質問についても,約8割の児童が「好き・ どちらかというと好き」と答えたが,先の質問の好き嫌いとの関連は少なく,算数は好きでも発 表は嫌いという児童もおり,算数に特化したものではないことがうかがわれる。 最後の「友達の考えを聞くのは好きか。」という質問については,全児童が「好き・どちらか というと好き」と答えており,みんなで学習することの意義をとらえた回答となっている。 学習に対する実態としては,小学校に入学し,算数の学習に初めて触れることになる児童にと って,1年生で学習する内容すべてが今後の学習の基礎となる。その中でも,くり上がりのある たし算およびくり下がりのあるひき算の直接的な基礎となるのが,10の補数である。そこで, 1学期当初より家庭学習の音読で10の補数の算数音読を取り扱ったり,夏休みの宿題に計算カ ードの練習を取り入れたりしながら,基礎的な力の定着を図ってきた。しかし,その力について は,まだまだ十分でない児童が多い。9月始めのスキルタイムで50問の計算を3分間で解かせ たところ,全問正解できたのは1名しかいなかった。また,半数弱の児童が半分正解することが できていない。今後も引き続き,スキルタイムで,くり上がりやくり下がりのないたし算・ひき 算の計算問題に取り組み,個々人の基礎的な計算力アップを図っていきたい。 また,表現力については,自分の考えをみんなの前で発表することが好きと答えた児童が8割 いたが,実際には個人差があり,他の学年同様,すでに発表する児童が限られており,みんなの 前で発表することに抵抗のある児童がいるのが現状である。 (3)指導について 本単元の主な学習内容は,次の2つである。 ①くり上がりのある加法の計算の仕方を考えること。 ②くり上がりのある加法の計算の仕方を理解し,その習熟を図ること。 本単元は,理解の状況や習熟の程度に差が出やすい。そこで全児童の理解と習熟を目指し,次 のような手順で学習を進めていく。 ①立式 → ②ブロック操作 → ③算法の唱和 → ④イメージ化(念頭操作) → ⑤計算練習(習熟) 操作を言葉で補っていくことで,計算の理解が深まると考える。またこの活動は,説明する力 や言語的表現力を育てることにもなり,表現力を高める手立てとなるだろう。また,発表に苦手 意識のある児童にとって,言う言葉をパターン化することによって,抵抗を少なくすることがで きると考える。 低学年の学習においては,本単元に限らず,唱和を随所に取り入れると同時に,唱和は必ず全 員に言わせることを徹底したい。また,書くことを絞り,説明など書かせたいと思ったことは, 必ず全員書かせることも徹底し,基礎学力の定着を図っていきたい。 3.単元の目標 (1位数)+(1位数)で,くり上がりのある場合の計算の仕方を考え理解し,計算できる。 関心・意欲・態度 数学的な考え方 表現・処理 知識・理解 くり上がりのある計 10の補数を意識し (1位数)+(1位 くり上がりのある 算に興味をもち,「1 て,加数を分解してた 数)のくり上がりのあ 計算の仕方について 0の補数」という考え すことを考えることが る計算ができる。 理解する。 のよさに気づき,進ん できる。 で計算しようとする。 4.指導計画(全12時間) 時 小単元 学習内容 1 ふくしゅうと 任意単位による長さ比べ じゅんびうんどう 「たしざん(2)」の準備 関 考 技 知 2 3 4 5 6 9 10 11 12 たしざん(4) (たしざんのかあ ど) たしかめましょう やってみよう 操作によるくり上がりのあるたし算の仕方の理解 くり上がりのあるたし算の仕方の一般化と定着(本時) 被加数が6以上のたし算の練習と適応題 被加数が5以下のたし算の練習と適応題 計算カードによるたし算の練習 基本のたしかめ たしざんれっしゃ たしざんのおてがみ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 5.本時の学習 (1)本時の視点 ①自力解決のための“もと”を身につける 「図を使う」「数直線で考える」「文章で考える」など,自力解決をするためには,その手法 (考える“もと”)を持っていなければ,先に進むことができない。1年生の時期は,このいろ いろな“もと”を身につけていく段階であると考える。今回は,その“もと”の1つとなり得 る「さくらんぼ」のたし算での書き方を身につけさせたい。 ②唱和で,念頭操作へのイメージをつくる 念頭操作による加法の計算方法の理解と定着を図るために,口に出して言いながらさくらん ぼを書かせることで,念頭操作による計算へと進めていきたい。 (2)目標 (1位数)+(1位数)でくり上がりのあるたし算について,さくらんぼを使って計算することが できる。 (技能・知識理解) (3)展開 学 習 活 動 1.前時の学習をふり返り,本時の 問題をつかむ。 問題 くりをけいだせんせいは,7こ ひろいました。みかせんせいは4 こひろいました。あわせるとなん こになりますか。 め あ て を つ か む 教 師 の 支 援 と 評 価 ○前時のふり返りでは,くり上がりのあるたし算は, 10の補数を考えると計算できることを押さえる。 ○問題を提示し,次の手順で考えていく。 ①わかっていること・きかれていること ②あわせているからたし算であること ③式 (7+4) ④答え(11こ) 2.式をたてる。 7+4 3.ブロックの動かし方をみんなで, ○③の式を確かめた後,教師が児童の説明に合わせ 唱えて答えを出す。 てブロックを動かし答えを出す。 <視点②> ①10をつくるには,あと3いります。 ● ● ● ● ● ■ ■ ■ ■ ②3やるために,4を3と1にわけます。 ● ● ③7に3をたして10です。 ④10と1でこたえは11です。 4.本時のめあてを知る。 めあて 7+4のけいさんをブロックをつかわないでできるようになろう。 15 5.ブロック操作の時の言葉と結び つけながら,くり上がりのあるたし 算の書き方を知る。 7 教 え て 考 え さ せ る + 10 4 = 3 11 1 ○ブロック操作で唱和した説明を再度言わせなが ら,さくらんぼ計算の書き方を教える。 ①10をつくるには,あと3いります。 ②3やるために,4を3と1にわけます。 ③7に3をたして10です。 ④10と1でこたえは11です。 6.口に出して言いながら,ゆっく りノートに書いていく。 ○みんなで一緒に書かせながら,その書き方を全員 が理解できるようにする。 <視点①・②> 7.類題を解き,隣同士で説明しあ う。(ペア学習) ○隣同士で相手の説明を聞き,二人とも言えたら立 つように指示する。早く説明できたペアは,自分の 班で言えていない友達に教えさせる。 <視点②> 6 10 + 4 7 = 13 3 8.みんなの唱和にあわせて教師が 解答を書いていく。(全体) ○児童の唱和に合わせて黒板に書きながら,解答を 確認する。 <視点②> まとめ さくらんぼをつかえば,ブロックなしでけいさんできる。 20 9.練習問題を解く。 P87の 6 より ○適用問題を解かせ,さくらんぼによる計算の定着 を図る。10の補数を利用した計算方法の定着をね らうため,あらかじめさくらんぼを書いたプリント で練習させる。机間巡視をしながら,10の補数の わからない児童には,ヒントカードを渡し,1問目 のみを○つけしていく。ひとまわりした後,できて いない児童への支援を行う。1枚目の計算ができた 児童は,2枚目の問題に挑戦させる。 <視点①・②> 評 さくらんぼを使って,くり上がりのある たし算ができる。(ノート・プリント) 10.学習をふり返る。 ○練習問題ができた児童は,ノートに感想を書かせ る。 ふ り か え り 10 (4)評価 (1位数)+(1位数)でくり上がりのあるたし算について,さくらんぼを使って計算できたか。 【板書計画】 (くりの絵) も (本時の 問題) 前時の ブロック図 しき 7+4 め 7+4のけいさんをブ ロックをつかわないで できるようになろう。 7 + 4 = 11 れ 10 3 1 文カード 前時のまとめ こたえ 11 こ + 7 4 ま ブロック 6 = 13 3 さくらんぼをつかうと ブロックなしでけいさ んできる。
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