数学科「数学A」学習指導案 神奈川県立小田原高等学校 教諭 佐野 花枝

数学科「数学A」学習指導案
神奈川県立小田原高等学校
教諭
1
日時
平成 28 年 11 月9日(水)
2
講座名
「数学Aけ」
(1年次9組:36 名)
3
生徒観
佐野 花枝
第4校時(13:00~14:30)
ほとんどの生徒は中学までの図形の内容をよく理解しており,数学への関心も高い。
しかし,分かっていることを表現したり,人に伝えることを苦手としている生徒は多
い。
4
科目名・単元名
数学A・
「三角形の性質(第 2 章:図形の性質
5
単元のねらい
三角形の性質についての理解を深め,それらを事象の考察に活用し表現できるように
第 1 節:平面図形)」
する。
6
本単元で身に付けさせたい力
三角形の基本的な性質について,中学までの図形知識を用いて論理的に証明し表現す
ることができる。また,図形を様々な角度から考察し,身近な事象の考察に活用でき
るようにする。
7
単元の評価規準
関心・意欲・態度
数学的な見方・考え方
図 形の 性質 に関し て 自
三角形の性質に関する定
三角形の基本的な性質につ 角の二等分線と辺の比の
分 の言 葉で 表現し よ う
理を用いて,ある一つの図
いて既習事項を用いて論理 関係や重心,外心,内心な
としている。また,理解
形について様々な角度か
的に証明することができ, どの性質やチェバとメネ
し た性 質を 様々な 事 象
ら考察し,考えたことを表
様々な図形の証明や考察に ラウスの定理について正
に積極的に用いている。 現している。
8
時
数学的な技能
知識・理解
活用している。
しく理解している。
単元の指導と評価の計画 【観点 関:関心・意欲・態度、考:数学的な見方・考え方、技:数学的な技能、知:知識・理解】
学習内容
1 三角形の辺の比
学習活動
ねらい
関
考
技
知
評価規準
評価方法
・既習の図形の性 ・三角形の基本的
・既習の知識を用
観察
質を用いて,三角
な性質について
いて自分の言葉で
記述の確
形の角の二等分
自ら証明をする
正しく証明してい
認
線と辺の比の定
ことで理解を深
理を証明する。
める。
○
○
る。
2 三角形の外心,内 ・三角形の外心や ・三角形の基本的
心
内心が示す場所 な性質について
を,作図をしなが
ら証明し,確認す
証明することで
理解を深める。
る。
観察
外心について正し
記述の確
く理解している。
認
・外心と内心の性
・他者の証明や解
・外心と内心の性 法を共有,確認す
質を用いて,図形
ることで図形の
の角や辺の長
見方を広げる。
さ・比を求める。
・三角形の内心,
○
○
質を適切に利用し
ている。
3 三角形の重心,垂
心
・三角形の重心, ・三角形の基本的
・三角形の重心, 観察
垂心が示す場所
な性質について
垂心について正し
記述の確
を作図をしなが
証明することで
く理解している。
認
ら証明し,確認す
正しく理解する。
る。
・適当な予想をた
て,考えたことを
・ 正 三 角 形 の と ・特別な三角形で
○
○
き,重心,外心, の 3 点 の 相 互 関
内心の3点の相 係について証明
互関係がどのよ
正しく証明し表現
している。
をしながら整理
う に な る の か を をし,理解を深め
予想し証明する。 る。
4 三角形の外心,内 ・様々な三角形に ・様々な三角形に
心,重心,垂心と お け る 4 点 の 相 お け る 4 点 の 位
オイラー線
互関係を考え,共 置を把握し,それ
有する。
らの相互関係を
・様々な三角形に
観察
おける4点の相互
関係について整理
ワークシ
ート
できている。
視覚的に捉える。
・重心 G は外心 O ・オイラー線の存
○
・オイラー線の存
○
在に気づき,その
と垂心 H を結ん
在について証明
性質を証明し,正
だ線分 OH を 2:1
し,三角形の性質
しく理解できてい
に内分すること
についての理解
る。
を証明する。
を深める。
5 チェバとメネラ ・チェバとメネラ ・平行線と辺の比
ウスの定理
ウ ス の 定 理 を 証 の関係など,様々
明する。
な定理を用いて
証明し正しく理
・複雑な図形につ
解する。
・チェバとメネラ
観察
ウスの定理につい
記述の確
て正しく理解して 認
いる。
いて2つの定理
○
○
・2つの定理を用
が 利 用 で き る か ・未知の線分の比
いることが出来る
を判断し,辺の長
を求める力を養
図形を判断し,未
さや比を表す。
う。
知の線分の比が求
めている。
6 三角形の様々な ・三角形の辺と角 ・既習の知識を用
性質
の 関 係 に つ い て いて,三角形に関
作図をしながら
する定理を証明
証明する。
し,図形に関する
考え方を広げる。
○
・三角形の性質を ・これまでの内容
用 い た 演 習 問 題 を活用し,未知の
に取り組む。
角や辺,面積の大
きさについて表
すことができる。
○
・三角形の存在条
件が理解してい
観察
ワークシ
る。
ート
9
本時の学習指導案
(1) 本時のねらい
・様々な三角形における外心,内心,重心,垂心の位置を把握し,それらの相互関係を視覚的に捉える。
・オイラー線の性質について証明し,三角形の性質についての理解を深める。
(2)本時の展開
学習活動
指導上の留意点
導
・三角形の外心,内心,重心,
・前時までの復習として,正三角形を用い
入
垂心がどのような点かを確認す
て外心,内心,重心,垂心を確認する。
る。
・このとき,三角形の4点の存在する場所
10
評価の観点
について着目させる意識を持たせる。
分
展
・グループになり,次の4つの
・4つの点の性質を確認しながら作図を行
開
三角形の外心,内心,重心,垂
う。
Ⅰ
心を作図する。
①二等辺三角形,②直角三角形, ・垂直二等分線や角の二等分線等の作図方
35
③鋭角三角形,④鈍角三角形
法は適宜確認する。
分
・各三角形における4点につい ・気付いたことはなるべく多く共有させる。 ・様々な三角形におけ
る4点の相互関係につ
て,気付いたことをグループで
まとめる。
・各三角形で違うことは何か,共通して言 いて整理できている。
えることは何かを考えさせる。
・各グループが気付いたことを
・外心,重心,垂心が一直線上に並ぶこと
発表し,全体で共有する。
を確認。
展
・どのような三角形にもオイラ
・Geogebra を用いて,どのような三角形に ・オイラー線の存在に
開
ー線が存在することを視覚的に
もオイラー線が存在することを確認させ 気づき,その性質を証
Ⅱ
確認し,他にも気付くことはな
る。
40
いか考える。
いる。
分
・個人で小問に取り組む。
・線分 OH 上の点 G が重心であるかを確認
するにはどのような条件が成り立てばよい
・小問で分かったことを用いて
かを途中で確認する。
オイラー線の存在の証明をグル
・時間があれば,9点円についても紹介す
ープで行う。
ま
・本時のまとめをワークシート
と
に記入する。
め
5
分
明し正しく理解できて
る。