平成 25 年度に実施した個別指導において 保険薬局に改善を求めた主な指摘事項 東北厚生局 平成 26 年 12 月 目 次 Ⅰ 調剤と調剤技術料に関する事項 1 処方内容の薬学的確認・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P1~4 2 処方内容の変更・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P4~4 3 後発医薬品への変更調剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P4~5 4 分割調剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P5~5 5 処方せんの取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P5~5 6 調剤済の処方せんの取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P5~6 7 調剤録の取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P6~6 8 調剤技術料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P6~8 Ⅱ 薬学管理料に関する事項 9 薬剤服用歴の記録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P8~9 10 薬学管理料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P9~12 Ⅲ 請求事務等に関する事項 11 調剤報酬請求・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P12~12 12 事務的取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P12~13 Ⅰ 調剤と調剤技術料に関する事項 1 処方内容の薬学的確認 ◎ 薬学的に見て処方内容に疑義があるものについて、処方医への疑義照会が行われてい ない例が認められたので、必ず疑義照会を行うこと。また、疑義照会を行った場合は、照会・ 回答内容の要点等について、処方せんの備考欄及び薬剤服用歴の記録等に記載するこ と。 (※掲載した薬剤は平成25年度において指摘した内容であり、掲載時点の平成26年12月 現在、用法が変更している薬剤もありますのでご留意願います。) (1) 薬事法による承認内容と異なる用法・用量で処方されているもの [1] 1日2回投与 ○ 保険適用の用法は1日1回であるが、1日2回の指示のまま投薬されていた。 ・ジプレキサ錠5mg、パキシル錠20mg、パロキセチン錠 (精神神経用剤) ・メインテート錠 (不整脈用剤) ・ラシックス錠 (利尿剤) ・アテレック錠10mg、アバプロ錠、イミダプリル塩酸塩錠、イルベタン錠50mg、インヒベ ース錠0.5mg、エースコール錠2mg、オルメテック錠20mg、カルデナリン錠2mg、カル ブロック錠8mg、シラザベース錠、シルニジピン錠、タナトリル錠5mg、チバセン錠、ディ オバン錠40mg、ドキサゾシン錠、ドキサゾン錠1mg、ニューロタン錠、フロセミド錠40mg、 ブロプレス錠4mg、ミカムロ配合錠AP、ミカルディス錠40mg、ラジレス錠、ロサルタンカリ ウム錠、レニベース錠 (血圧降下剤) ・アムロジピン錠2.5mg、アムロジン錠、ジルチアゼム塩酸塩Rカプセル100mg、ノルバ スクOD錠、バイロテンシン錠、ヘルベッサーRカプセル100mg (血管拡張剤) ・クレストール錠、リピトール錠10mg、ローコール錠 (高脂血症用剤) ・タケプロンOD錠15mg (消化性潰痬用剤) ・プルゼニド錠12mg (下剤、浣腸剤) ・デトルシトールカプセル2mg、フリバス錠、ベシケアOD錠5mg (その他の泌尿生殖器官及び肛門用薬) ・モーラステープL40mg、ロキソニンテープ100mg、ロキソニンパップ100mg (鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤) ・ワンアルファ錠 (ビタミンA及びD剤) ・プラビックス錠 (その他の血液・体液用薬) ・グラクディブ錠50mg (糖尿病用剤) ・アレジオン錠20mg (その他のアレルギー用薬) ・クラビット錠250mg (合成抗菌剤) [2] 1日3回投与 ① 保険適用の用法は1日1回であるが、1日3回の指示のまま投薬されていた。 ・アダラートCR錠20mg (血管拡張剤) ・セレニカR錠200mg (抗てんかん剤) ・ブロプレス錠4mg (血圧降下剤) ② 保険適用の用法は1日1~2回であるが、1日3回の指示のまま投薬されていた。 ・デパケンR錠200mg (抗てんかん剤) ③ 保険適用の用法は1日2回であるが、1日3回の指示のまま投薬されていた。 ・アダラートL錠20mg (血管拡張剤) ・ハイペン錠200mg (解熱鎮痛消炎剤) ・アロチノロール塩酸塩錠10mg「DSP」 (不整脈用剤) [3] 1日4回投与 ○ 保険適用の用法は1日2回であるが、1日4回の指示のまま投薬されていた。 -1- ・ペミラストン点眼液0.1% (眼科用剤) [4] 食前投与 ① 保険適用の用法は食直前であるが、食前に投薬されていた。 ・グルコバイ錠50mg、ベイスン錠0.3mg、ボグリボースOD錠0.3mg (糖尿病用剤)、 クラバモックス小児用配合ドライシロップ (主としてグラム陽性菌、マイコプラズマに作用 するもの) ② 保険適用の用法は食直後であるが、食前に投薬されていた。 ・エクセラーゼ配合錠 (健胃消化剤) [5] 食後投与 ① 保険適用の用法は空腹時であるが、食後寝前に投薬されていた。 ・アルロイドG内用液5% 40mL (健胃消化剤) ② 保険適用の用法は食前又は食間であるが、食後に投薬されていた。 ・ツムラ茵蔯蒿湯エキス顆粒(医療用)、ツムラ加味逍遙散エキス顆粒(医療用)7.5g、 ツムラ牛車腎気丸エキス顆粒(医療用)、ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒(医療用)2.5g、 ツムラ小建中湯エキス顆粒(医療用)7.5g、ツムラ小青竜湯エキス顆粒(医療用)3g、ツ ムラ大建中湯エキス顆粒(医療用)7.5g、ツムラ半夏厚朴湯エキス顆粒(医療用)7.5g、 ツムラ防風通聖散エキス顆粒(医療用)2.5g、ツムラ抑肝散エキス顆粒(医療用)2.5g (漢方製剤) ③ 保険適用の用法は食前であるが、食後に投薬されていた。 ・ガナトン錠50mg、ドンペリドン錠10mg、ナウゼリン錠10mg、プリンペラン錠5mg (その他の消化器官用薬) ④ 保険適用の用法は食直後であるが、食後に投薬されていた。 ・イコサペント酸エチルカプセル300mg、エパデールS600、エパラ粒状カプセル600m g (その他の血液・体液用薬) ⑤ 保険適用の用法は朝及び就寝前であるが、朝夕食後に投薬されていた。 ・アシノン錠75mg、プロマックD錠75mg (消化性潰瘍用剤)、アレロック錠5mg (その 他のアレルギー用薬) ⑥ 保険適用の用法は就寝前であるが、朝食後に投薬されていた。 ・ザイザル錠5mg、シングレア錠10mg (その他のアレルギー用薬) ⑦ 保険適用の用法は就寝前であるが、夕食後に投薬されていた。 ・ガスターD錠20mg、ファモチジンD錠20mg (消化性潰瘍用剤) ⑧ 保険適用の用法は起床時であるが、朝食後に投薬されていた。 ・ボノテオ錠50mg (他に分類されない代謝性医薬品) ⑨ 保険適用の用法は朝食後であるが、夕食後に投薬されていた。 ・レザルタス配合錠 (血圧降下剤) (2) 薬剤の処方内容により禁忌例への使用が疑われるもの ① 緑内障が疑われる患者に対するマイスリー錠の投与 ② 胃潰瘍が疑われる患者に対するオキミナス錠60mgの投与 ③ クラリスロマイシン錠200mgとジヒデルゴット錠1mgの併用投与 (3) 薬事法による承認内容と異なる効能効果(適応症)での処方が疑われるもの ○ 統合失調症が疑われる不眠症患者に対するマイスリー錠10mgの投与 (4) 投与期間の上限が設けられているが、その上限を超えて投薬されているもの ① ネリプロクト軟膏の1週を超える投与 ② ゾルピデム酒石酸塩錠、デュロテップMTパッチ、マイスリー錠10mg2錠、モルヒネ塩酸 塩錠、レンドルミンD錠、ワイパックス錠の30日を超える投与 ③ オメプラール錠、タケプロンOD錠、パリエット錠、ラベプラゾールNa塩錠、ランソプラゾ ールOD錠の6週又は8週を超える投与(胃・十二指腸・吻合部潰瘍・逆流性食道炎の場 合) -2- ④ 維持療法に伴わないタケプロンカプセル30mgの8週を超える投与 ⑤ キネダック錠、ケタスカプセル、サアミオン錠、セロクラール錠の12週を超える投与 (5) 重複投与・不必要と思われる多剤併用 ① アボビスカプセルとガスモチン錠 ② アレグラ錠とクラリチンレディタブ錠 ③ SG配合顆粒2gとセレコックス錠100mg2錠 (1日2回朝夕食後の投与) ④ オルメテック錠20mgとブロプレス錠12 ⑤ オロパタジン塩酸塩OD錠5mgとケトテンカプセル1mg ⑥ ガスターD錠20mgとタケプロンカプセル30 ⑦ カルデナリン錠1mgとデタントール錠0.5mg ⑧ クラビット錠500mgとミノマイシンカプセル100mg ⑨ コディオ配合錠EXとラシックス錠10mg ⑩ サイトテック錠200μg3錠とガスターD錠20mg2錠及びパリエット錠10mg1錠 ⑪ シングレア錠10mgとセチリジン塩酸塩錠10mg及びアレルオフ錠20 ⑫ セルベックス細粒とセルベックスカプセル ⑬ 同一部位(腰部、頚部、両肩)に対し、ボルタレンゲル1%150g、アドフィードパップ80m g及びヤクバンテープ40mgと3種類の外用薬を処方 ⑭ トラムセット配合錠とロキソプロフェン錠 ⑮ トラムセット配合錠とロルカム錠 ⑯ ナウゼリンOD錠10mg3錠とプリンペラン錠5mg3錠 (1日3回食後の投与) ⑰ ネキシウムカプセル20mg1カプセルとアシノン錠150mg1錠 ⑱ ノルバスク錠5mg1錠とアダラートCR錠20mg1錠のCa拮抗薬の併用投与 ⑲ PL配合顆粒3g、ポンタールカプセル250mg、ブルフェン錠100mg及びロキソニン錠6 0mgを1日3回食後の併用投与 ⑳ フルイトラン錠1mgとラシックス錠20mg ㉑ プロブレス錠とディオバン錠 ㉒ メコバマイド錠とシグマビタン配合カプセルB25 (6) 倍量処方が疑われるもの ① エバミール錠1mg (1日2錠) ② ハルシオン錠0.25mg (1日2錠) ③ マイスリー錠5mg (1日2錠) ④ メイラックス錠2mg (1日2錠) ⑤ ユーロジン2mg錠 (1日2錠) ⑥ レンドルミンD錠0.25mg (1日2錠) (7) 過量投与されているもの、または疑われるもの ① ルナベル配合錠 (63日分) ② ロヒプノール錠2 (1日1回2錠) ③ ベリチーム配合顆粒の1回3g (1日3回) ④ 高齢者にアモバン錠10mg (1日1回2錠) ⑤ プルゼニド錠12mg (1日1回5錠就寝前) ⑥ 高齢者にサイレース錠1mg (1日1回2錠) ⑦ 高齢者にロヒプノール錠1mg (1日1回2錠) ⑧ ヤクバンテープ40mg (21日分で112枚処方) ⑨ トラマゾリン点鼻液0.118%「AFP」100mL《1日2回 点鼻》 (毎月処方) ⑩ ユリノーム錠50mg 1日1回1錠朝食後(3日おきに) (14日分の処方) (他の内服薬が全て28日分) ⑪ ボルタレンサポ25mg 40個、ボルタレンサポ50mg 40個、ボルタレンSRカプセル37. 5mg 2カプセルの外用・内服薬を3種類同日に処方 -3- ⑫ モーラステープ20mg 7cm×10cm 56枚とモーラステープL40mg 10cm×14cm 280枚 (いずれも1日1回左肩に貼付)を2医療機関より処方 (8) 相互作用(併用注意)があるもの ① クレメジン細粒分包2gと他剤の同時服用 ② ディオバン錠とグルコサンK細粒 (9) 月余に渡る投与 ○ シナール配合顆粒、ハイシー顆粒、パントシン錠、ビタノイリンカプセル、メチコバール錠、 ラコールNF配合経腸用液1000mL (10) 頓服薬について過剰な回数の投与があるため、服薬状況を確認すること (毎日定期的に服用しているようであれば内服薬とするよう処方医と相談すべき) ① マイスリー錠5mgを2月14日に28回分と3月14日に28回分投与 ② リスミー錠1mgを12月5日に35回分と1月9日に42回分投与 ③ レンドルミンD錠0.25mgを2月14日に30回分と3月14日に30回分投与 (11) 2以上の規格単位がある医薬品の場合に、適切な規格品が処方されていないもの ① アダラートCR錠20mg 2錠 1日1回 ② エビリファイ錠6mg 4錠 1日1回 ③ オキシコンチン錠5mg 4錠 1日2回 ④ オルメテック錠20mg 2錠 1日1回 ⑤ カルデナリン錠2mg 4錠 1日2回 ⑥ グラクティブ錠50mg 2錠 1日1回 ⑦ サインバルタカプセル20mg 3カプセル 1日1回 ⑧ ジャヌビア錠50mg 2錠 1日1回 ⑨ セロクエル100mg錠 6錠 1日1回 ⑩ テオフィリン錠100mg「TYK」 4錠 1日2回 ⑪ デパケン錠100mg 8錠 1日2回 ⑫ トレドミン錠25mg 4錠 1日2回 ⑬ ノルバスク錠5mg 2錠 1日1回 ⑭ ピドキサール錠10mg 4錠 1日2回 ⑮ プレタールOD錠50mg 4錠 1日2回 ⑯ ミカルディス錠40mg 2錠 1日1回 ⑰ ムコダイン錠250mg 6錠 1日3回 ⑱ メマリー錠10mg 2錠 1日1回 ⑲ リスパダール錠1mg 9錠 1日3回 ⑳ リリカカプセル75mg 4カプセル 1日2回 (12) 薬学的に問題があると思われる調剤方法により行われている例が認められたので、有効性、 安全性を確認の上、適切な調剤に努めること。 ○ メチコバール錠の粉砕 2 処方内容の変更 ○ 処方内容を変更している場合に、次のような不適切な例が認められたので改めること。 例:処方内容を変更して調剤を行う場合に、処方医の同意を得ていない。 (別剤形、含量規格の異なる後発医薬品への変更を除く) :薬剤の規格単位の変更について、処方医の同意を得て処方内容を変更して調剤した場 合に、その変更内容が処方せんの備考欄等に記載されていない。 3 後発医薬品への変更調剤 ○ 後発医薬品への変更調剤に、次のような不適切な例が認められたので改めること。 例:一般名処方に係る処方せんを受け付けた場合であって、当該処方に係る後発医薬品を -4- 支給可能又は備蓄しているにもかかわらず、先発医薬品を調剤している。 :後発医薬品への変更を認めている処方せんにおいて、患者に対して後発医薬品に関す る説明を適切に行っていない。 4 分割調剤 ○ 分割調剤の取扱いに、次のような不備のある例が認められたので改めること。 例:分割調剤した総量が処方せんの備考欄に記載されていない。 :処方せん及び調剤録が分割調剤のルールに従って処理されていない。 5 処方せんの取扱い ◎ 処方せんの処方欄の記載が不備なまま調剤している例が認められたので改めること。処方 せんの受付に当たっては不備な点がないことを確認し、不備な点がある場合は必要な疑義 照会を行うこと。 (1) 用法、用量の指示等の記載が不完全であるもの 例:内服薬と頓服薬の区別が不明瞭。 :注射薬の具体的な用法・用量の記載がない。 :「医師の指示通り」「医師指示」「用法口授」のみと記載している。 :2以上の規格単位がある医薬品の場合に、規格単位等が示されていない。 (2) 外用薬の適応部位・用法の記載がないもの又は記載が不適切なもの 例:軟膏の塗布部位の記載がない。 (3) 記載事項に不備があるもの 例:以下余白の記載がない。 :処方医の押印が不鮮明。 :医薬品を略称により記載している。(約束処方の疑い) :後発医薬品への変更不可署名欄の記載が不完全。 :使用期間の訂正を、処方医の印と異なる印で訂正している。 :「保険医氏名㊞」欄が姓のみのサインで、保険医の処方であるかの確認が不十分。 (4) 保険薬剤師が、FAXによって電送されたもののみで調剤し原本確認を行っていないもの (5) 同一保険医療機関の複数の処方医からの処方について、長期間に渡り処方数量に少量 の差異が見られる例があるので、残薬状況の確認を含め処方医へ連絡・確認を行うこと。 6 調剤済の処方せんの取扱い (1) 調剤済となった場合(又は調剤済とならなかった場合)に、処方せんに記載すべき事項の 一部の記載が不適切である例が認められたので改めること。 例:調剤済年月日がFAXの受付年月日になっている。 :「調剤済年月日」欄への記載及び「保険薬剤師の署名又は記名・押印」について、所定 欄に記載されていない。 :「調剤済年月日」欄への記載及び「保険薬剤師の署名又は記名・押印」について、保険 薬剤師が適切に行っていない。 :保険薬剤師の署名又は記名・押印について、一部欠落し不鮮明である。 :保険薬剤師の署名又は記名・押印について、調剤した薬剤師以外の分も押印されてい る。 :保険薬剤師の署名又は記名・押印について、同一人が複数の印を使用している。 :保険薬剤師の署名又は記名・押印について、2名の保険薬剤師の記載があり、最終的 責任者の確認ができない。 :処方せんに不必要な記載が行われている。 (入力者の表示、鉛筆書きの記載、「調剤済」のゴム印表示、後発医薬品の名称、一部 負担金額及び備考欄へのメモ書き) -5- (2) 処方医への疑義照会について、回答内容等の記載が不適切である例が認められたので 改めること。 例:記載内容が不明瞭。 :回答内容を鉛筆で記載している。 :誰が誰にいつ照会したか不明瞭。 :照会時間が記載されていない。 :要点を備考欄に記載していない。 :要点を薬剤師本人が記載していない。 :照会した薬剤師名を記載していない。 (3) コピーした処方せんに調剤済みの記載を行い保管している例が認められたので改めるこ と。 (4) 調剤済み処方せんと、裏面に貼付している調剤録の調剤済年月日に異なる例が認められ た。調剤済み処方せんの裏面を調剤録として活用する場合は、十分に確認すること。 (5) 処方せんが複数枚に渡る時は、全ての処方せんについて調剤済みとなった旨の処理を行 うこと。 7 調剤録の取扱い (1) 調剤録に必要な事項を記載していない例があるため、処方せんと一体管理するなどの方 法により作成を行うこと。 例:請求点数の記載漏れ。 :薬剤名・分量を記載していない。 :調剤した薬剤師の氏名を記載していない。 :後発医薬品に変更した場合の内容(薬剤名)を記載していない。 (2) 調剤録の作成を確認できない例があるので適切に管理を行うこと。 (3) 調剤録に不必要な記載・貼付が行われている。(鉛筆等での記載・事務員の押印) (4) 調剤した薬剤師の氏名が複数の薬剤師の姓のみの(連名)で記載されており、最終的な責 任を負う薬剤師が特定できない例が認められたので改めること。 (5) 調剤録の訂正について、不適切な例が認められたので改めること。 例:誤って記載した場合、二本線等で抹消されていない。 :即時に訂正せず時間をおいて訂正していたため、訂正事項が漏れている。 :請求点数が訂正となっているにもかかわらず、訂正前の請求点数が記載されたままとな っている。 (6) 調剤録の保存・管理について、電磁的な保存を行っている場合、不適切な例が認められ たので改めること。 例:運用管理規程の内容が不十分。 :アクセス権限が適切に設定されていない。 :真正性について、故意又は過失による虚偽入力,書換え,消去及び混同を防止するため の措置が不十分。 :保存性について、記録された情報が法令等で定められた期間に渡って真正性を保ち、 適切に保管され取り扱われるような対策を講じていない。 8 調剤技術料 ◎ 調剤技術料の請求については、算定要件を十分に理解し適切に請求すること。 (1) 基準調剤加算 ① 保険薬剤師に在宅患者訪問薬剤管理指導に必要な研修等を受講させていないので 改めること。 ② 薬学的管理指導計画書の様式を備えていないので改めること。 ③ 調剤従事者等の資質向上を図るための研修実施計画書及び研修実施記録が作成さ -6- (2) (3) (4) (5) れていないので改めること。 ④ 連絡先・電話番号等を記載した文書を、原則として初回の処方せん受付時に、患者又 はその家族等に交付していないので改めること。 ⑤ インターネットを通じて常に最新の医薬品緊急安全性情報等の収集を行い、保険薬剤 師に周知を行っていないので改めること。 ⑥ 自局に直接連絡が取れる連絡先電話番号を保険薬局の外側の見やすい場所に掲示 していないので改めること。 ⑦ 在宅患者訪問薬剤管理指導を行う薬局であることを保険薬局の内側及び外側の見や すい場所に掲示していないので改めること。 後発医薬品調剤体制加算 ① 施設基準に係る届出をしていないにもかかわらず、後発医薬品調剤体制加算1を加算 して保険請求を行っている例が認められたので改めること。 ② 毎月、直近3か月間に調剤した後発医薬品の規格単位数量の割合を確認する必要が あるが、直近 1 か月の割合で確認している例が認められたので改めること。 ③ 後発医薬品の調剤を積極的に行っている旨を保険薬局の内側及び外側の見やすい 場所に掲示していないので改めること。 ④ 施設基準に係る届出について、区分変更があったにもかかわらず、変更による届出を 行っていない例が認められたので改めること。 調剤料 ① 規格が異なる同一薬剤を異なる用法で処方されている場合の調剤料は、1剤として算 定すること。 例:エビリファイ内用液3mL、エビリファイ内用液6mL :デパス錠0.5mg、デパス錠1mg ② 外用薬で算定すべきものを注射薬で算定している例が認められたので改めること。 ③ 外用薬で1剤として算定すべき同一薬剤を2剤として調剤料を算定している例が認めら れたので改めること。 ④ 隔日投与の患者に誤った調剤料が算定されている例が認められたので改めること。 ⑤ 調剤数量に誤りがあり、調剤料が過少に算定されている例が認められたので改めるこ と。 ⑥ 本来、頓服薬として請求すべきところ、内服薬で誤請求している例が認められたので改 めること。 ⑦ 処方せんは内服の指示であり、毎日定時に服用している睡眠導入剤を頓服で算定し ている例が認められたので改めること。 嚥下困難者用製剤加算 ① 粉砕した薬剤の散剤等が薬価収載されている例が認められたので改めること。 例:ガスターD錠20mg、ガスモチン錠5mg、クラビット錠500mg ② 嚥下障害等がない患者に対して調剤を行っている例が認められたので改めること。 ③ 嚥下困難のため全て粉砕の指示があったにもかかわらず、自家製剤加算を算定してい る例が認められたので改めること。 一包化加算 ① 一包化に当たり、配合変化のある散剤に関しては別包とすること。 ② 一包化加算を算定した場合に自家製剤加算を算定している例が認められたので改め ること。 ③ 複数の診療科からの処方について一包化する場合は、処方医全てに確認した上で調 剤すること。 ④ 計量混合調剤加算を算定すべきところ、一包化加算を算定している例が認められたの で改めること。 ⑤ 治療上の必要性が認められない患者に対して、行われている例が認められたので改め -7- ること。 ⑥ 服用時点の異なる2種類以上の内服用固形剤又は1剤であっても3種類以上の内服用 固形剤が処方されていないものに、算定している例が認められたので改めること。 ⑦ 薬剤師が一包化の必要性を認め、医師の了解を得た後に一包化を行った場合に、医 師からの了解及び一包化の理由を調剤録等に記載していない例が認められたので改め ること。 (6) 時間外、休日、深夜加算、夜間・休日等加算 ① 時間外、休日、深夜加算の算定誤りが認められたので改めること。 ② 夜間・休日等加算について、処方せんの受付時間を当該患者の薬剤服用歴の記録又 は調剤録に記載していない例が認められたので改めること。 ③ 夜間・休日等加算について、届出と異なる開局時間の掲示がされているので改めるこ と。 ④ 夜間・休日等加算について、開局時間、加算の対象日及び受付時間帯を保険薬局の 内側及び外側のわかりやすい場所に掲示していないので改めること。 (7) 自家製剤加算 ① 同一剤形及び同一規格を有する医薬品が薬価基準に収載されているものに対して算 定している例が認められたので改めること。 例:オルメテック錠20mg 0.5錠→オルメテック錠10mgの規格あり。 :チラーヂンS錠50μg 0.5錠→チラーヂンS錠25μg規格あり。 ② 調剤録等に製剤工程を記載していない又は記載が不十分である。 ③ 計量混合調剤加算を算定すべきものを自家製剤加算で算定している例が認められた ので改めること。 ④ 嚥下困難者用製剤加算を算定すべきものを自家製剤加算で算定している例が認めら れたので改めること。 (8) 計量混合調剤加算 ① 一包化加算を算定しているにもかかわらず、計量混合調剤加算を算定している例が認 められたので改めること。 ② 自家製剤加算を算定すべきものを計量混合調剤加算で算定している例が認められた ので改めること。 ③ 計量混合調剤加算の算定において、薬学的に問題があると認められる場合は、疑義照 会のうえ、適切に対応し請求すること。 ④ 計量混合調剤加算の算定において、医療上の必要性が認められない精製水を混合し て算定している例が認められたので改めること。 Ⅱ 薬学管理料に関する事項 9 薬剤服用歴の記録 (1) 薬剤服用歴の記録の活用 ① 処方内容の十分なチェックや患者への充実した薬剤服用歴管理・指導を行うために、 薬剤服用歴の記録を、処方せん受付から調剤、鑑査、服薬指導、投薬の各時点におい て利用すること。 例:重複投与を見過ごしたまま投薬している例が認められた。 ② 複数枚の保存に当たっては、散逸防止の意味からも上部等を貼付して保存・管理する こと。 ③ 活用できる指導記録を作成するために、患者の全ての記録が必要に応じて直ちに参 照できるよう、その書式及び作成方法を再検討すること。 (2) 電子薬歴関連 -8- ① 見読性の確保の観点から、必要に応じ書面での表示について随時確認を行うこと。 ② 薬剤服用歴の記録を電子媒体による保存を行う場合は、運用管理規程を定めること。 ③ 真正性について、虚偽入力、書き換え、消去、混同を防止するための対策が十分では ない。 ④ ハイリスク薬指導画面の内容で印刷ができないため、必要に応じて書面に表示できるよ う改めること。 (3) 薬剤服用歴の記録への記録方法・記録内容 ① 薬剤服用歴の記録への記録方法が適切に行われていない例が認められたので改める こと。 例:判読不可能である :付箋等を使用している。 :不必要な鉛筆書きを行っている。 :指導した保険薬剤師の氏名の記載漏れ。 :指導の内容が記号化、略語化されている。 :訂正事項に修正液・修正テープを使用している。 :手帳の確認や疑義照会を行った者について、保険薬剤師以外の者の氏名が記載さ れている。 ② 表紙について、作成年月日を記載していない例が認められたので改めること。 ③ 一包化の根拠等について、内容を把握し記載していない例が認められたので改めるこ と。 ④ 複数の表紙があるので、情報を一つにまとめ整理すること。 ⑤ それぞれの確認項目の収集日・確認日の記載が無く、不明瞭な例が認められたので改 めること。 ⑥ メモ等が多数混在した状態で保存・管理されている例が認められたので改めること。 ⑦ 記録簿に最初から複数の薬剤師名が印刷されている例が認められたので改めること。 ⑧ 経時的記録内容について、いつ、誰が聴取し記録したのかが時系列に記録されていな い例が認められたので改めること。 ⑨ 経時的記録内容について、患者情報と指導内容とチェック項目に齟齬があり、入力後 の確認が不十分である例が認められたので改めること。 ⑩ 患者の初回からの記録を保管していない例が認められたので、最終記入の日から3年 間保存すること。 ⑪ 患者情報等の記録が、診療科ごとに区分され記入されており、患者の総合的な状況の チェックとなっていない例が認められたので改めること。 ⑫ 処方内容に関する照会の要点等の記録が適切に行われていない例が認められたので 改めること。 ⑬ 記録記載までに一定期間経過している例が認められたので、遅滞なく、薬剤服用歴に 必要な事項を記載すること。 ⑭ 継続的な管理・指導を行うに当たり、新たな患者情報の収集があった際には特記事項 として指導記録の表紙に追記すること。また、収集した患者情報のうち重要事項につい ては、指導記録の表紙に特記する等、患者情報の整理・集約を行うこと。 10 薬学管理料 (1) 薬剤服用歴管理指導料 ◎ 薬剤服用歴管理指導料の算定に当たっては、算定要件を認識し、処方せん受付の都度、 患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化及び残薬の状況等を確認し、重大な副作用 を中心にモニターを行うなど、指導内容の充実を図るとともに、薬剤服用歴への指導内容 の要点記載をさらに充実させること。 ① 薬剤服用歴に服薬指導の要点を記載していない又は不十分にもかかわらず、薬剤服 -9- 用歴管理指導料を算定している例が認められたので、適切に取り扱うこと。 例:服薬指導前に当該指導料が算定されている。 :単純な内容が記載されているゴム印を一律に使用している。 :記載内容が画一的であるにもかかわらず、機械的に一律算定されている。(「しっかり 飲み続けましょう」「体調を維持するため薬をきちんと飲むこと」「問題なし」「特に変わり なし」「do 処方です。続けて服用してください。」「これまでどおり服用してください」等) :点眼薬に係る使用方法、保管方法等具体的な内容及び指導内容について、記載が 乏しい。 ② 医薬分業の意義を十分認識し、服薬状況等の情報収集及び患者への指導内容の充 実を図ること。 例:投与されている医薬品の安全性もしくは効果の確認の基礎となる患者の基本的情報 の収集が不十分。 :患者情報の収集が不十分なため、適応症病名が複数ある薬剤について、患者の傷 病名に適さない服薬指導を行っている。 :ワーファリンなどを服用している患者について、ワーファリン手帳等を確認するなど、 情報収集が適切に行われていない。(運転、嗜好品、アルコールの摂取等) :飲食物についても相互作用が認められるもの等について、薬学的観点から聴取・確 認した内容を具体的に記載し指導していくこと。 ③ 指導内容に画一的な例が多く認められた。十分な対話から患者の状況に則した指導 を行うとともに、指導内容に持続性を持たせること。 ④ どのような副作用等に着目して聴取を行ったかなど、薬学的な観点から聴取・確認した 内容を記載し、患者への指導に、より活用できる記録となるよう努めること。 例:収集した患者情報をもとに、分析検討を行った内容が薬学的に不十分である例が認 められた。 :単純な生活指導内容にとどまらず、患者が安全に薬を服用するための適切な指導を 行うよう工夫すること。 :複数の薬剤が処方されている場合は、薬剤の効能(副作用等)に関して、患者に対 し十分に説明を行うこと。 :屯服薬については、1日量の上限等投与される薬剤に係る適切な服薬指導を行い、 指導の要点を記載すること。 ⑤ 残薬の状況について、患者又はその家族等から確認すること。また、残薬が相当程度 認められると判断される場合には、処方医に対して連絡、投与日数等の確認を行うよう 努めること。 例:残薬がある患者に、新たに類似薬処方が出されているものについて、服用方法の説 明がされていない。 :残薬の状況等の情報を収集し、その要点を記録していない。 ⑥ 自己調剤・自家調剤について、不適切である例が認められたので改めること 例:自己調剤を行った場合に、当該指導料を算定している。 :自家調剤(保険薬剤師間)を行った場合に、当該指導料を算定している例は不適 切。 ⑦ 薬剤情報提供文書について、不適切である例が認められたので改めること ・効能,効果、副作用、服用及び保管取扱い上の注意事項が記載されていない又は不 十分である。 例:エパデールS600mg 、ガスモチン錠5mg、ゼローダ錠300 ・薬剤情報提供文書に記載すべき事項が記載されていない。(後発医薬品に関する情 報(在庫の有無))、(情報提供を行った保険薬剤師の氏名)、(保険薬局又は保険薬剤 師の連絡先) ・複数の異なる薬効を有する薬剤について、効能,効果に関して個々の患者の病状に - 10 - 応じた内容となっていない例が認められた。 例:アーチスト錠、アルマイラー錠50、ケタスカプセル、タケプロンOD錠、パルギン錠、 ヒュミラ皮下注40mg、ランソプラゾールOD錠、リウマトレックスカプセル、リザベンカプ セル ・重大な副作用の注意事項が記載されていない。(副作用発現時の対応に関する事項 については、患者が理解しやすいように製薬会社作成の注意喚起の説明書等を積極 的に活用すること。) 例:アイデイト錠、アクトス錠、アセトアミノフェン錠、インヴェガ錠、ザイロリック錠、酸化マ グネシウム錠、セルセプトカプセル250、ピオグリタゾン錠、マグミット錠、ラミクタール 錠25mg、リーマス錠、ロキソニン錠 ⑧ 手帳への記載による情報提供について、不適切である例が認められたので改めること ・投薬された薬剤や患者の年齢に応じた内容になっていない。 ・投薬された薬剤により発生すると考えられる症状(相互作用含む)等の記載がない。 ・服用に際して注意すべき事項が、投薬された薬剤や患者の病態に応じた内容になっ ていない。 ・必要な情報が記載された簡潔な文書(シール等)を患者に交付していない。 ・手帳を持参しなかった患者へ交付したシールについて、次回の貼付確認が不十分。 (2) 麻薬管理指導加算 ① 指導の要点を薬剤服用歴の記録に記載していない又は不十分な例が認められたので 改めること。 ② 麻薬の服用状況、残薬の状況及び保管状況を確認していない例が認められたので改 めること。 ③ 麻薬による疼痛緩和等の効果や副作用の有無の確認が行われていない又は不十分 である例が認められたので改めること。 ④ 残薬の取扱方法も含めた保管取扱い上の注意等に関する指導が適切に行われてい ない例が認められたので改めること。 (3) 重複投薬・相互作用防止加算 ① 一枚の処方せん中の重複投薬等に対して算定している例が認められたので改めるこ と。 ② 薬剤服用歴の記録に基づき、併用薬との重複投薬及び併用薬、飲食物等との相互作 用を防止するために、処方医に対して連絡・確認を行った場合に算定するとなっている が、算定要件を満たしていないものに算定している例が認められたので改めること。 (4) 特定薬剤管理指導加算 ① 特に安全管理が必要な医薬品に該当しない医薬品について算定している例が認めら れたので改めること。 例:アムロジピンOD錠、ケナログ口腔用軟膏0.1%、ファモガスト錠、フェブリク錠、フル イトラン錠 ② 特に安全管理が必要な医薬品が複数処方されている場合に、その全てについての必 要な薬学的管理及び指導を行っていない例が認められたので改めること。 ③ 特に安全管理が必要な医薬品について、患者から収集した情報のみが記載されてい る例が認められたので、患者又はその家族等に当該薬剤が特に安全管理が必要な医薬 品である旨を伝え、適切な説明及び指導を行い、その内容を薬剤服用歴の記録に具体 的に記載するよう改めること。 例:アマリール1mg錠、グラクティブ錠、グリメピリド錠、テオフィリン徐放錠、テグレトール 錠、ネシーナ錠、ピオグリタゾン錠、ビカルタミド錠、ボグリボース錠、メトグルコ錠、ユー エフティ配合カプセル、 ④ 対象となる医薬品に関して患者又はその家族等に対して確認した内容及び行った指 導の要点について、薬剤服用歴の記録に記載されていない例が認められたので改める - 11 - こと。 ⑤ 指導内容にかかわらず機械的に一律算定されている傾向が認められたので、算定要 件を十分に理解すること。 (5) 乳幼児服薬指導加算 ① 処方せんの受付の際に確認した、乳幼児に係る体重、適切な剤形その他必要な事項 について、薬剤服用歴の記録及び手帳に記載していない例が認められたので改めるこ と。 ② 患者の家族等に対して行った適切な服薬方法、誤飲防止等の必要な服薬指導の要点 について、薬剤服用歴の記録及び手帳に記載していないにもかかわらず、6歳未満の乳 幼児の処方に対し一律に乳幼児服薬指導加算を算定しているので改めること。 (6) 在宅患者訪問薬剤管理指導料 ① 心身の特性及び処方薬剤等を踏まえて薬学的管理指導計画書を策定していない例 が認められたので改めること。 ② 薬学的管理指導計画書に実施すべき指導の内容の記載が不十分な例が認められた ので改めること。 ③ 薬学的管理指導計画書の策定に当たり、処方医から必要な情報提供を受けていない 例が認められたので改めること. ④ 算定する日の間隔が6日以上となっていない例が認められたので改めること。 ⑤ 処方医から指示があった場合に適切な対応ができるよう、在宅患者に対する体制を整 備していない例が認められたので改めること。 Ⅲ 請求事務等に関する事項 11 調剤報酬請求 ① 保険薬剤師は、必ず処方せん、調剤録、調剤報酬明細書との照合チェックを十分に行 うこと。 ② 調剤報酬明細書の記載方法に不適切な例が認められたので、記載要領を十分に理解 すること。 例:1剤として記載すべき同一薬剤を2剤として記載している。 :記載不要の「医師の指示通り」等の文言の記載がされている。 :医薬品名、用法、剤形、用量(外用薬を除く)等を省略している。 :医薬品名が、調剤録等に記載されている医薬品名と相違している。 :内服薬であるにもかかわらず、外用薬として調剤報酬明細書に記載されていた。 :一包化加算の算定対象となる調剤報酬点数欄の加算料欄に「包」と記載すること。 12 事務的取扱い (1) 登録・届出事項 ① 保険調剤に従事する薬剤師が、保険薬剤師としての登録を受けていない。 ② 届出事項に変更があった場合は、その都度速やかに東北厚生局長へ変更(異動)届を 提出すること。 例:開局日、開局時間、保険薬剤師の異動(常勤・非常勤)、管理薬剤師の異動。 (2) 掲示事項 ① 保険薬局の掲示事項に関して、不適切な例が認められたので改めること。 例:届出している施設基準に係る事項を掲示していない。 :調剤報酬点数表の一覧を掲示していない。 :薬剤服用歴管理指導料に関する事項を掲示していない。 :個別の調剤報酬の算定項目が分かる明細書の発行の有無に係る掲示をしていな - 12 - い。 ② 保険外負担について、費用徴収に係るサービス等の内容及び料金を薬局内の見やす い場所に、患者にとって分かりやすく掲示すること。 例:患者の希望に基づく一包化の費用 :容器代を実費徴収する場合の費用 (3) 一部負担金に係る事項 ○ 一部負担金の取扱いにおいて、不適切な例が認められたので改めること。 例:自家調剤に係る患者について、一部負担金未収のまま納入督促も行われていない。 :管理簿等の作成がなく未収の一部負担金の管理が不十分である。 :薬剤交付前に領収証、明細書を作成し、一部負担金の計算を処方せん受付時に行 っている。 (4) 領収証・明細書に係る事項 ① 領収証の様式について、標準例で定められている内容を満たしていないので、各項目 について改めること。 ② 電子請求を行っている保険薬局は、正当な理由がない限り、項目ごとに記載した明細 書についても無償で交付すること。 (5) 薬局の管理 ① 後発医薬品の取扱いについて、備蓄に関する体制その他の後発医薬品の調剤に必 要な体制の確保に努めること。 ② 別の薬局からサポートで来ている薬剤師の勤務状況を当該薬局で管理していない不 適切な例が認められたので改めること。 (6) 保険薬局の独立性 ○ 薬担規則第2条の3における「金品その他の財産上の利益」の供与について、便宜供 与の事実と誤解されかねない例があるので改めること。 (7) 薬剤師数 ○ 処方せん受付け枚数に比べて保険薬剤師数が不足しているので早急に補充するこ と。 (8) その他 ① 被保険者証等のコピーを保有することは個人情報保護の観点から好ましくないので行 わないよう改めること。 ② 健康保険法をはじめとする薬剤師法・薬事法等、関係法令に関する理解が不足してい るので、習得に努めること。 - 13 -
© Copyright 2024 Paperzz