(医科)に改善を求めた主な指摘事項(PDF:506KB)

平成 25 年度に実施した個別指導において
保険医療機関(医科)に改善を求めた主な
指摘事項
東北厚生局
平成 26 年 12 月
目 次
Ⅰ 診療に関する事項
1 診療録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 1~ 2
2 傷病名等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 2~ 2
3 基本診療料等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 2~ 5
4 医学管理等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 5~ 7
5 在宅医療・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 7~ 8
6 検査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P 8~10
7 画像診断・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P10~10
8
9
10
11
12
13
投薬等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P10~12
注射・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P12~12
リハビリテーション・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P12~13
精神科専門療法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P13~13
処置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P13~14
手術・特定保険医療材料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P14~14
Ⅱ 看護・食事に関する事項
14 看護・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P14~16
15 食事・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P16~17
Ⅲ 請求事務等に関する事項
16 診療報酬請求・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P17~17
17 事務的取扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P17~18
Ⅰ 診療に関する事項
1 診療録
◎ 診療録は患者の症状経過等を記録しておく重要なものであり、診療報酬請求の根拠となる
ことを十分に認識し、保険診療に関する必要事項を、遅滞なく正確に記載するとともに内容の
充実に努めること。
(1) 診療録の記載内容
① 必要事項を記載していない又は乏しい例が認められたので改めること。
(医師法で禁止されている無診察診療とも誤解されかねないので直ちに改めること。)
例:入院患者の診療録について、診療内容を記載していない。
:外来患者の診療録について、診療内容を記載していない。
:外来患者の診療録について、「薬のみ」という記載や「do」等の記載で、投薬等の治療
が行われている。
:多日数通院での注射、処置について、その必要性の記載が乏しい。
:処置、リハビリテーションを実施した場合の記載が画一的となっている。
② 主病が複数ある例が認められたので、原則主病は一つとすること。
③ 主病及び主訴について不明な例が認められたので改めること。
④ 診療録と診療報酬明細書との傷病名に不一致が認められたので、十分確認すること。
(2) 診療録の記載方法
① 診療録の記載方法に不適切な例が認められたので改めること。
例:独自の略称の使用、欄外記載、付箋の貼付、修正液・上書きによる訂正。
② 複数の医師が同一の患者を担当する場合は、診療日ごとに担当した医師が、署名又は
記名・押印を行い、責任の所在を明確にすること。
③ 看護師等(医師以外)が記載した場合も、担当医が署名又は記名・押印を行い、責任の
所在を明確にすること。
(3) 電子カルテ
① 電子的に保存している記録について、不適切な例が認められたので改めること。
例:記録の更新履歴が確認できない。
:パスワードの更新期限を設定していない。
:職員個々のID、パスワードの管理が適切になされていない。
:管理体制において、「外部に保存する際の基準」を遵守していない。
:入力補助者等が代行入力した場合、診察した医師が確認を行っていない。
:医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第 4.2 版に準拠していない。
② 診療情報提供書等の紙媒体が生じる場合は、スキャナ等により電子化して保存を行うこと。
また、スキャナによる読み取りに係る運用管理規程を定めること。
-1-
③ 医療情報システムの運用に関し、安全性の確保、責任の所在の明確化などの観点から、
院内における「システムの運用基準」等を作成し徹底を図ること。
2 傷病名等
◎ 不適切な傷病名の記載が認められたので、医学的な根拠に基づき傷病名を記載すること。
(1) 傷病名等
① 不適切な記載例が認められたので改めること。
例:入院と外来で傷病名が異なっている。
:症状を傷病名として慢性的に使用している。
:ICD10等に記載のない傷病名を使用している。
:治療・管理を行っていない傷病名を記載している。
:部位、左右、慢性、急性、転帰欄、終了年月日欄の記載をしていない。
:長期に渡る急性病名、重複する病名及び類似病名の併記。(傷病名が非常に多数)
② 複数の傷病を主病としているが、主病は基本的に治療や医学管理の中心となっているも
の一つとすること。
③ 「○○の予防」など、保険診療の対象外である予防のための治療と受け取られかねない
例が認められたので改めること。
④ 検査・投薬の査定を防ぐ目的で付けられた医学的な診断根拠がない傷病名(いわゆるレ
セプト病名)が認められたので改めること。
⑤ 診療報酬の請求に当たり傷病名のみでは不足と思われる場合は、症状詳記を行うこと。
⑥ 疑い病名について、適切に整理すること。
例:長期に渡る疑い病名、未整理の疑い病名、疑った根拠の記載が乏しい。
(2) 診療録と診療報酬明細書の不一致
◎ 診療録は保険請求の根拠となるものなので、診療報酬明細書と一致すること。
① 傷病名の転帰が診療報酬明細書の転帰欄に記載されていない例が認められたので改め
ること。
② 診療報酬明細書の傷病名について、同一の傷病名が重複して記載されている例が認め
られたので改めること。
3 基本診療料等
◎ 算定要件を満たしていない又は不適切に算定している例が認められたので改めること。
【1】 基本診療料
(1) 初・再診料
① 患者本人が受診せず、患者の家族が来院したものに初診料を算定している例が認め
られたので改めること。
② 初診又は再診に付随する一連の行為とみなされる場合は、再来院した際の再診料は
-2-
算定できないので改めること。
③ 電話による再診料の算定において、医師の治療上必要な指示内容を診療録に記載
していない例が認められたので改めること。
④ 再診料の算定において、再診の際に検査の必要性を認め、後日検査のみで受診した
日に算定している例が認められたので改めること。
⑤ 慢性疾患等明らかに同一の疾病又は負傷、健康診断で疾患が発見された患者の診
療は、初診として取り扱わないので改めること。
(2) 時間外加算等
○ 夜間早朝等加算で算定すべきところを時間外加算で算定している例が認められたの
で改めること。
(3) 外来管理加算
① 患者からの聴取事項や診察所見の要点を診療録に記載していない又は乏しい例が
認められたので改めること。
② 算定要件を満たす診療が行われた場合には算定根拠を明確にし、医師の指示により
算定すること。なお、事務部門への指示を明確にすること。
③ 外来患者が2以上の傷病で複数科を受診し、一方の科で処置又は手術等を実施した
場合、他科においては当該加算を算定できないので改めること。
④ 処置、リハビリテーション等を実施時に算定している例が認められたので改めること。
【2】 入院基本料
◎ 入院診療計画・院内感染防止対策・医療安全管理体制・褥瘡対策及び栄養管理体制に
ついて、別に厚生労働大臣が定める基準に適合している場合に限り、入院基本料等の算定
を行うものであり、基準に適合していることを示す資料等を整理しておく必要があること。
(1) 入院診療計画書
① 入院診療計画の作成に当たって、参考様式として示された項目のない説明文書が認
められたので改めること。
例:症状、手術内容及び日程、特別な栄養管理の必要性の有無、患者・家族等の署名
② 総合的な機能評価を行った患者について、評価結果を記載していない例が認められ
たので改めること。
③ 説明文書の写しが診療録に貼付されていないので改めること。また、診療録に原本と
思われるものが貼付されているので改めること。
④ 精神療養病棟において療養病棟用の様式を使用しているので、一般病棟用(別添6
の別紙2の1の様式)を使用すること。
⑤ 看護計画は、入院診療計画書の枠外ではなく「その他」欄に記載すること。また、入院
時看護初期計画との整合性を図り個別性に留意すること。
-3-
⑥ 医師、看護師、その他必要に応じ関係職種が共同して、患者の情報を活用した総合
的な計画を策定のうえ、患者又は患者の家族が理解できる内容により情報提供を行うこ
と。
⑦ 入院後7日以内(又は入院前7日以内)に説明を行っていない例が認められたので改
めること。
⑧ 再入院の患者で再作成が必要な患者に作成していない例が認められたので改めるこ
と。
(2) 院内感染防止対策
○ 院内感染防止対策が適正に実施されていないので改めること。
例:院内感染防止対策委員会に、病院長が出席していない。
:院内感染防止対策委員会の一部の委員の出席が少ない。
(出席しやすい曜日や時間などを検討すること。)
:院内感染防止対策委員会は設置しているが、月1回程度定期的に開催していな
い。
:検査部において作成する感染情報レポートが週1回程度作成されていない。
:職員や家族面会者に対して、手洗いの周知が図られていない。
:廃棄物保管容器の設置場所の変更を検討すること。
:廃棄物保管容器が他の医療機材の近くに設置されて、血液等が飛散しないような
対策が図られていない。
(3) 医療安全管理体制
○ 医療安全管理体制が適正に実施されていないので改めること。
例:職員研修の出席率が低い。
:職員研修が年2回程度実施されていない。
:医療安全管理委員会の一部の委員の出席が少ない。
(出席しやすい曜日や時間を検討すること。)
:安全管理の責任者等で構成される委員会が月1回程度開催されていない。
:医療安全管理委員会の委員及び開催等を定めた規程が作成されていない。
:インシデントの報告がされていない部署がある。
:医療事故発生時の対応方法のマニュアル記載が不十分。
(4) 褥瘡対策
○ 診療対策が適正に実施されていないので改めること。
例:診療計画の様式について、参考様式で示している項目を網羅していない。
:日常生活の自立度が低い入院患者について、定められた書式に準じた危険因子
の評価が行われていない。
:届出された専任の医師、看護職員以外の者が褥瘡対策に関する診療計画を作成
し、評価を行っている。
-4-
(5) 栄養管理体制
○ 栄養管理体制が適正に実施されていないので改めること。
例:栄養管理計画書が作成されていない。
:栄養管理手順書が作成されていない。
:必要な項目欄がない。(担当医師名の欄など)
:栄養状態の記録について、血液検査結果、体重の増減を記載していない。
:栄養管理計画を作成した患者について、栄養状態を定期的に評価し記録していな
い。
4 医学管理等
◎ 医学管理料の算定において、診療録に必要事項を記載していない又は乏しい例が認めら
れた。算定に当たっては、指導内容・治療計画等の診療録に記載すべき事項が、それぞれ
の医学管理料ごとに算定要件として定められていることに留意すること。
◎ 医学管理料について、算定要件を満たしていない例が認められたので改めること。
(1) 特定疾患療養管理料
① 管理内容及び療養上の指導の要点を診療録に記載していない又は乏しい例が認めら
れたので改めること。
② 管理内容の要点がゴム印のみで記載されている例が認められたので改めること。
③ 退院の日から1ヶ月を経過していない日に算定している例が認められたので改めるこ
と。
④ 特定疾患が主病でないにもかかわらず算定している例が認められたので改めること。
(2) 特定薬剤治療管理料
① 薬剤の血中濃度及び治療計画の要点を診療録に記載していない又は乏しい例が認め
られたので改めること。
② 薬剤の血中濃度及び治療計画の要点を診療録に記載していない日に算定している例
が認められたので改めること。
(3) 悪性腫瘍特異物質治療管理料
① 腫瘍マーカー検査の結果及び治療計画の要点を診療録に記載していない又は乏しい
例が認められたので改めること。
② 悪性腫瘍であると確定診断がされていない患者に対し算定した例が認められたので改
めること。
③ 初回月加算について、1回目の当該管理料を算定すべき月以外の月に算定している
例が認められたので改めること。
(4) てんかん指導料
① 診療録への診療計画の要点記載について、画一的な例が認められたので、患者個々
の状況に応じて記載すること。
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② 指導を行う専任の医師の標榜診療科を明確にすること。
③ 退院の日から1ヶ月を経過していない日に算定している例が認められたので改めるこ
と。
(5) 難病外来指導管理料
○ 診療計画及び診療内容の要点を診療録に記載していない又は乏しい例が認められた
ので改めること。
(6) 皮膚科特定疾患指導管理料
○ 診療計画及び指導内容の要点を診療録に記載していない又は乏しい例が認められた
ので改めること。
(7) 外来栄養食事指導料
① 診療録に医師が管理栄養士に対して指示した事項の記載がない又は乏しい例が認め
られたので改めること。
② 管理栄養士が指導を実施した時間を記録していない例が認められたので改めること。
(8) 高度難聴指導管理料
○ 指導内容の要点を診療録に記載していない例が認められたので改めること。
(9) 慢性疼痛疾患管理料
① 診療録にマッサージ又は器具等による療法を行った旨を記載していない例が認められ
たので改めること。
② 療養上必要な指導を行ってないにもかかわらず、月初めに機械的に算定している例が
認められたので改めること。
(10) がん性疼痛緩和指導管理料
○ 麻薬の処方前の疼痛の程度(疼痛の強さ、部位、症状、頻度等)、麻薬処方後の効果
判定、副作用の有無、治療計画及び指導内容の要点を診療録に記載していない又は乏
しい例が認められたので改めること。
(11) 生活習慣病管理料
① 療養計画書を患者へ交付していない又は患者の署名を受けていない例が認められた
ので改めること。なお、交付した療養計画書の写しは診療録に貼付すること。
② 患者の症状の悪化等がないにもかかわらず、出来高で算定している例が認められたの
で改めること。
(12) 診療情報提供料(Ⅰ)
① 交付した文書の写しを診療録に添付していない例が認められたので改めること。
② 紹介先の機関名を特定していない文書で算定している例が認められたので改めるこ
と。
③ 紹介元機関への再受診を伴わない患者紹介の返事について算定している例が認めら
れたので改めること。
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④ 診療情報提供書の様式について、別に定める様式で示している項目が全て網羅され
ていない様式を使用している例が認められたので改めること。
(13) 薬剤情報提供料
○ 患者に提供する文書に用法、用量、副作用、相互作用に関する情報を記載していない
例が認められたので改めること。
(14) 療養費同意書交付料
○ 同意書を交付する場合は、同意する施術の範囲及び往療について、みだりに同意を
行わないようにすること。
(15) 退院時薬剤情報管理指導料
○ 交付する文書に担当医師の氏名を記載していない例が認められたので改めること。
5 在宅医療
◎ 在宅医療について、必要事項を記載していない又は乏しく算定要件を満たしていない例が
認められたので改めること。
(1) 往診料
① 定期的ないし計画的に患家に赴いて診療を行った場合に算定している例が認められ
たので改めること。
② 同一患家内の二人目以降の患者に算定している例が認められたので改めること。
③ 往診の依頼があった旨を診療録等に記載するなど明確にするよう改めること。
(2) 在宅患者訪問診療料
○ 訪問診療の計画及び診療内容の要点を診療録に記載していない又は乏しい例が認
められたので改めること。
(3) 在宅時医学総合管理料
○ 在宅療養計画及び説明の要点等を診療録に記載していない例が認められたので改
めること。
(4) 在宅患者訪問看護・指導料
① 医師が行った指示内容の要点を診療録に記載していない例が認められたので改める
こと。
② 看護師等が行った指導及び看護の内容の要点を看護記録に記載していない例が認
められたので改めること。
(5) 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料
○ 医師が理学療法士等に対して行った指示内容の要点の診療録記載について、乏し
い例が認められたので改めること。
(6) 訪問看護指示料
① 訪問看護指示書への指示事項の記載について、乏しい例が認められたので改めるこ
と。
-7-
② 訪問看護指示書の写しを診療録に添付していない例が認められたので改めること。
③ 特別訪問看護指示書については、「別紙様式18」又はこれに準じた様式を使用する
こと。
(7) 在宅患者連携指導料
○ 他職種から受けた診療情報の内容及びその情報提供日並びにその診療情報を基に
行った診療の内容又は指導等の内容の要点及び診療日が診療録に明確に記載され
ていない例が認められたので改めること。
(8) 在宅自己注射指導管理料
○ 管理内容の要点の診療録記載について、乏しい例が認められたので改めること。
(9) 血糖自己測定器加算
① 自己測定した回数と異なる回数で算定している例が認められたので改めること。
② 自己測定が月20回未満にもかかわらず算定している例が認められたので改めること。
③ 診療録に測定回数を示す記録の添付がなく、記録結果の評価に基づく指導を実施し
ていない患者に対して算定している例が認められたので改めること。
(10) 酸素ボンベ加算
○ 携帯用酸素ボンベについて、医療機関への通院等に携帯用小型ボンベを使用して
いないにもかかわらず算定している例が認められたので改めること。
(11) 在宅人工呼吸指導管理料
○ 長期に渡り持続的に人工呼吸に依存せざるを得ない患者以外の患者について算定
している例が認められた。睡眠時無呼吸症候群の患者は対象とならないので改めるこ
と。
(12) 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料
○ 指導内容の要点を診療録に記載していない例が認められたので改めること。
(13) 在宅寝たきり患者処置指導管理料
① 指示事項、指導内容の要点を診療録に記載していない例が認められたので改めるこ
と。
② 当該処置に関する指導管理を実施した以外の日に算定している例が認められたので
改めること。
6 検査
◎ 検査について、不適切に実施された例が認められた。検査は、患者の個々の症状・所見に
応じ、必要な項目を選択のうえ段階を踏んで必要最小限の回数で実施すること。
(1) 必要以上に実施回数の多い例が認められたので改めること。
例:眼圧検査、尿沈渣、HCV 抗体定性・定量、トレッドミルによる負荷心肺機能検査。
:骨粗鬆症の確定診断がないにもかかわらず実施した NTX、BAP、骨塩定量検査。
(2) 尿中一般物質定性半定量検査
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○ 当該検査に係る判断料を算定している例が認められたので改めること。
(3) 尿中特殊物質定性定量検査
○ アルブミン定性を実施せずアルブミン定量を実施している例が認められたので改める
こと。
(4) 血液形態・機能検査
① 末梢血液像(自動機械法)で算定するべき例を末梢血液像(鏡検法)で算定している
例が認められたので改めること。
② 末梢血液一般検査において貧血の所見がないにもかかわらず実施した葉酸、ビタミ
ン B12 が認められたので改めること。
(5) 免疫血液学的検査
○ 人工腎臓開始後3ヶ月以上経過した患者に対し、当該検査(ABO 血液型、Rh(D)血液
型)を実施し算定している例が認められたので改めること。
(6) その他の微生物学的検査
○ 尿素呼気試験について、ピロリ菌の必要な検査が行われていない例が認められたの
で改めること。
(7) 検体検査判断料
○ 手術後医学管理料を算定する同一月内に算定できない検体検査判断料を算定して
いる例が認められたので改めること。
(8) 呼吸心拍監視
○ 観察した呼吸曲線、心電曲線、心拍数のそれぞれの観察結果の要点を診療録に記
載していない又は乏しい例が認められたので改めること。
(9) 経皮的動脈血酸素飽和度測定
① 対象患者以外の患者に算定している例が認められたので改めること。
② 医師の指示内容を診療録に記載していない例が認められたので改めること。
(10) 神経学的検査
① 検査不能な項目があった場合は、その項目について検査不能な旨を記載するよう改
めること。
② 専ら神経系疾患の診療を担当する医師として、地方厚生局長に届け出ている医師が
当該検査を行った上で、その結果を患者及びその家族等に説明した場合に限り算定で
きることに留意すること。
(11) 矯正視力検査
○ コンタクトレンズの装用を中止せず、眼鏡を処方した患者に対し当該検査を算定して
いる例が認められたので改めること。
(12) コンタクトレンズ検査料
○ コンタクトレンズの装用を目的に受診した患者に対して眼科学的検査を行った結果、
コンタクトレンズの装用を不可とした場合に、コンタクトレンズ検査料を算定している例が
-9-
認められたので改めること。なお、この場合は、実際に行った眼科学的検査の所定点数
を算定すること。
(13) 認知機能検査その他の心理検査
○ 「操作が容易なもの」については、検査及び結果処理が概ね40分以上要する場合に
算定すること。
7 画像診断
◎ 画像診断について、不適切に実施された例が認められたので改めること。画像診断は、
個々の患者の状況に応じて必要な項目を選択し、段階を踏んで実施し、必要最小限の回数
で実施すること。
(1) コンピューター断層撮影(CT撮影)
① エックス線写真撮影を実施せず、CT撮影を実施した例が認められたので改めること。
② 経管栄養カテーテル交換後の画像診断について、CT撮影を一律に実施している例が
認められたので改めること。
③ 造影剤使用加算において、経口造影剤を使用した場合に算定している例が認められ
たので改めること。
8 投薬等
◎ 投薬に当たっては、療養担当規則第20条(特に第2号)を遵守すること。特に後発医薬品
の使用を考慮するとともに、患者に後発医薬品を選択しやすくするように努めること。薬剤を
使用するに当たっては、その必要性を十分に考慮した上で、薬事法承認事項(効能・効果、
用法・用量)を遵守すること。また、適宜、治療効果判定を行い、漫然と投与することのないよ
う注意すること。
(1) 禁忌投与
① 重度の肝障害の患者に対するエクア錠の投与。
② 重篤な腎障害のある患者に対するビーフリード輸液の投与。
③ 高窒素血症のある患者に対するソルデム3A輸液、ヒシナルク3号輸液の投与。
(2) 適応外投与
① 胃炎の患者以外に対するナウゼリンOD錠の投与。
② 胃潰瘍、逆流性食道炎等以外の患者に対するタケプロンOD錠30・タケプロンカプセ
ル30の投与。
③ 腹膜透析患者で Hb11g 以上の患者に対するミルセラ注シリンジの投与。
④ 人工心肺のプライミング目的に使用した注射用ソル・メルコート 500 の投与。
⑤ 眼科手術における硝子体可視化目的のケナコルトーA筋注用関節腔内水懸注 40mg
の投与。
(3) 用法外投与
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○ ナウゼリンOD錠の頓用での投与。
(4) 長期漫然投与(適宜効果判定が行われずに漫然と行われている投薬)
① ファモスタジンD錠の投与。
② ネキシウムカプセルの投与。
③ ラベプラゾールNa 錠の投与。
④ メチクール錠の月余に渡る投与。
⑤ コバマミド錠の月余に渡る漫然投与。
⑥ 統合失調症に係るマイスリー錠の投与。
⑦ 胃潰瘍に係るファモチジンD錠の投与。
⑧ 逆流性食道炎に係るネキシウム、パリエット錠、タケプロンOD錠の投与。
(5) 過剰投与
○ アムロジピン錠は1日1回の投与となっているので留意すること。
(6) 処方料
○ 生活習慣病等の厚生労働大臣が別に定める疾患を主病としない患者に対し、特定疾
患処方管理加算を算定している例が認められたので改めること。
(7) 処方せん料
① 薬剤の一般的名称を記載した処方せんを交付した場合は、診療録に一般的名称で
処方が行われた旨を記載すること。
② 長期投薬加算について、別に厚生労働大臣が定める疾患を主病としない患者に対し
算定している例が認められたので改めること。
(8) その他
① 「do」という記載のみで、用量・処方内容が不明であるので改めること。
② 非ステロイド性抗炎症薬の併用投与に当たって副作用に留意すること。
③ ボグリボース OD 錠の投与に当たって食前に服用と指示しているが、食直前服用と指
示すること。
④ アリセプト D 錠の投与に当たって通常、3㎎から開始し、1~2週間後に5㎎に増量し、
経口投与することになっているので留意すること。
⑤ AZ 点眼液の投与に当たって1日1~数滴点眼と指示しているが、1日の投与回数を指
示するとともに、点眼数も具体的に(1回○~○滴)指示すること。
⑥ アクトス錠15㎎2錠を処方した例が認められたが、当該薬剤には30㎎ 1 錠の処方が
適正であるので改めること。
⑦ コリン作動薬と拮抗薬を同時に使用している例が認められたので、薬効に留意して投
与するよう改めること。
⑧ 経口投与が可能であるものについて、注射により薬剤を投与している例が認められた
ので経口剤を優先して投与を行うよう改めること。
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⑨ 投薬を実施するに当たり、診療内容及び診断根拠等を診療録に記載していない例が
認められたので改めること。
⑩ 薬価基準に収載されている医薬品は、薬事法承認事項(効能・効果、用法・用量、禁
忌等)の範囲内で使用した場合に保険適応となるものであり、承認事項は、医師の裁量
で変えられるものではないことに留意すること。
9 注射
◎ 注射に当たっては、療養担当規則第20条(特に第4号)を遵守すること。
(1) 適応外使用
○ 強力ネオミノファーゲンシー静注を適応外の患者へ投与している例が認められたので
改めること。
(2) 治療上の必要性がない又は乏しい注射
○ トリガーポイント注射については、診療上の必要性を十分に考慮した上で、段階を踏
んで回数等は必要の範囲内で行うこと。
(3) その他
① ノイロトロピン注射液の投与については、用法に留意して行うこと。
② ネスプ注射液の使用に当たっては、ガイドラインに沿って実施されているか確認するこ
と。
③ 点滴注射について、補液のみで必要なビタミン剤が投与されていないので留意するこ
と。
④ 精密持続点滴注射加算について、薬剤を注入する速度の指示が不明瞭な例が認め
られたので改めること。
⑤ 麻薬注射加算について、麻薬注射を行っていないにもかかわらず算定している例が
認められたので改めること。
⑥ カシロン静注は、鎮痛剤の経口投与が不可能な場合又は急速に症状を改善する必
要がある場合のみ使用することになっているので留意すること。
10 リハビリテーション
◎ 疾患別リハビリテーションの算定要件を満たしていない例又は記録が不十分な例が認めら
れた。医師は定期的な機能検査等を基に、その効果判定を行い、定められた様式に準じたリ
ハビリテーション実施計画を作成する必要がある。
また、リハビリテーションの開始時及びその後3か月に1回以上、患者に対して実施計画の
内容を説明し、診療録に説明の要点を記載すること。
① 摂食機能療法の実施に当たっては、実施計画を作成し、医師は定期的に摂食機能検査
をもとに効果判定を行うこと。
- 12 -
② 各区分におけるリハビリテーションの実施に当たっては、実施時刻(開始時刻と終了時刻)
の記録を診療録等に記載すること。
③ リハビリテーション実施計画書の様式について、項目が不足しているため、定められた様
式を参考に様式を改めること。
11 精神科専門療法
◎ 精神科専門療法料の算定において、必要事項を記載していない又は不十分な例が認めら
れたので改めること。
(1) 通院・在宅精神療法
① 治療方針、患者への指示事項の診療録記載について、乏しい例が認められたので改
めること。
② 診療に要した時間を診療録に記載していない又は画一的となっている例が認められ
たので改めること。
③ 特定薬剤副作用評価加算について、評価結果と決定した治療方針が診療録に記載
していない又は画一的に算定されている例が認められたので改めること。
(2) 標準型精神分析療法
○ 診療録への診療時間の記載が画一的に記載している例が認められたので、患者
個々の実態に応じて記載するよう改めること。
(3) 精神科ショート・ケア、精神科デイ・ケア
○ 診療録への要点記載について、乏しい例が認められたので改めること。
(4) 精神科退院指導料
○ 精神科退院療養計画書(別紙様式24)の記載に不十分な例が認められたので、患者
個々の実態に応じて記載すること。
(5) 精神科訪問看護・指導料
① 医師が保健師等へ行った指示内容の要点を診療録に記載していない例が認められ
たので改めること。
② 保健師・看護師訪問指導加算について、複数の保健師等又は看護補助者に指示し
た旨を記載していない例が認められたので改めること。
12 処置
◎ 処置の算定において、必要事項を記載していない又は乏しい例が認められたので改めるこ
と。
(1) 熱傷処置
○ 度数及び処置面積を算定根拠として診療録に記載すること。
(2) 人工腎臓(障害者等加算)
① 腹水・胸水が貯留している外来患者に算定している例が認められたので改めること。
- 13 -
② 透析中に頻回の検査、処置を必要としないインスリン注射を行っている糖尿病の患者
に算定している例が認められたので改めること。
(3) 瀉血療法
○ 実施後の血球数の検査が行われていない例が認められたので改めること。
(4) 皮膚科軟膏処置
○ 処置した範囲を診療録に記載していない例が認められたので改めること。
(5) いぼ冷凍凝固法
○ 個数・範囲等を算定根拠として診療録に記載すること。
(6) 睫毛抜去(多数)
○ 算定根拠(抜去した本数等)を明確にすること。
(7) 消炎鎮痛等処置
○ 医師の指示、実施した療法の診療録記載について不十分な例が認められたので、医
師の指示を明確にして記載の充実を図ること。
(8) 酸素加算
○ 酸素の購入価格の届出において、購入金額の計上に誤りが認められたので改めて届
出を行うこと。
13 手術・特定保険医療材料
◎ 手術の算定において、必要事項を記載していない又は不十分な例が認められたので改め
ること。
① 創傷処理の算定に当たり、処理した範囲を診療録に明確にすること。
② 患者又は家族に手術の内容を文書で説明し交付していない例が認められたので改める
こと。なお、交付した文書の写しは診療録に添付すること。
③ レーザーを用いて、いぼ焼灼法で算定するべきところを皮膚・皮下腫瘍摘出術(露出部)
で算定している例が認められたので改めること。
④ 内視鏡下手術において、算定できない内視鏡検査用フィルム代を請求している例が認め
られたので改めること。
⑤ 膀胱留置用ディスポーザブルカテーテルの算定において、24時間以上体内留置してい
ないのに算定している例が認められたので改めること。
Ⅱ 看護・食事に関する事項
14 看護
(1) 看護管理・病棟管理・勤務計画等
① 看護管理者について、看護管理業務に専念できるように環境整備を図ること。
- 14 -
② 看護基準及び看護手順を定期的に見直し、看護要員がいつでも活用できるよう整備して
おくこと。
③ 病棟勤務の看護要員の勤務実態の把握が正確に行われていないので、管理体制・チェ
ック体制の改善を図ること。
④ 非常勤職員は、常勤換算した人数で計算すること。
⑤ 月平均夜勤時間数について、夜勤専従者は除いて計算すること。
⑥ 看護職員1人当たりの月平均夜勤時間数が 72 時間を超えている月が認められたので改
めること。
⑦ 病棟と外来等を兼務する看護要員は、外来等に勤務した時間が病棟勤務時間から除外
されるほか、夜勤従事者としての人数も案分して計上されることから、勤務時間を適切に把
握し、看護配置数及び夜勤時間を管理すること。
⑧ 勤務実績表は入院基本料等に係る診療報酬の請求の根拠となる記録であることに留意し、
看護部の一担当者だけではなく、複数の担当者及び複数の部局において確認し、管理者
の決裁を受けるなど適正に管理すること。
(2) 看護記録・看護計画
① 注射・点滴等の指示について、不適切な取扱が認められたので改めること。
例:医師の指示を看護職員が転記している。
:指示を受けた者が誰であるのか管理されていない。
② 看護記録のサイン漏れが散見されたので、指示受領・実践記録等について漏れのないよ
う改めること。
③ 患者個人の経過記録は、情報開示を念頭に、誰が見ても看護実践過程(看護行為の実
施後評価を行うことで、看護内容が継続するような記録方法)が見える記録となるよう監査の
視点、監査項目、実施回数の見直しを図ること。
④ 立案した看護計画の実施結果について評価内容を診療録に記載していないため必ず記
載すること。
⑤ 入院診療計画書の看護計画は画一的な内容ではなく、個別性のあるものとし、かつ入院
時立案する看護計画と連動させること。
⑥ 看護計画の評価期間について、入院後から一律 3~6 ヶ月毎の評価になっている例が散
見されたので評価の充実を図ること。
⑦ 身体抑制マニュアルについて、早急に作成し職員に周知すること。
⑧ 不穏のある患者に対して身体抑制を実施する場合は、身体抑制の開始及び解除の時期
をその理由も含めて医師の指示を受けること。
⑨ 身体抑制を実施した場合には、看護計画を立案し、医療事故防止のために観察が行き
届く体制を構築すること。
(3) 外出・外泊・付き添い
- 15 -
① 外出・外泊許可書について、許可書の様式に医療機関の住所、電話番号等の連絡先を
記載すること。
② 外出・外泊許可書について、理由欄を記載していない例又は具体的な理由を記載してい
ない例が認められたので改めること。
③ 外出・外泊許可及び家族付添許可について、それぞれ「許可申請」と「許可書」とを区別
して作成し、「許可書」を患者・家族に交付すること。
④ 家族等の付添の管理が不適切であるので改めること。
例:付添の家族に看護業務を行わせている。
:届出された者とは別の者が付き添っている。
:付添が終了しているにもかかわらず、付き添っていることとして管理されている。
⑤ 家族付添許可について、許可基準を作成し関係職員に周知すること。
⑥ 家族付添許可について、付添許可期間を記入していない例が散見されたので適切に記
入すること。
(4) その他
① シーツ類を交換した実績を記録として残すこと。
② 救急用品及び薬品は、常時使用できる状態に整備しておくこと。
③ リネン室に清潔なリネン以外の物が保管されているので改めること。
④ 療養環境について、医療機械や看護必要物品が清潔・不潔の区別なく保管されている例
が認められたので、清潔物品保管棚等にカーテンや覆布などを利用するなど清潔・不潔の
区別を明確にすること。
⑤ 年度毎の看護教育計画に看護補助者独自の教育計画を盛り込むこと。
⑥ 看護部の理念及び目標を設定し、これを職員に浸透させ活動の評価を行うこと。
⑦ 看護補助者の院内研修について、基礎知識を習得できる内容の項目が不足している例
が認めたられたので、毎年計画的に実施すること。
15 食事
(1) 入院時食事療養(Ⅰ)又は入院時生活療養(Ⅰ)
◎ 食事も治療の一環であることに留意すること。
◎ 食事療養の内容については、医師を含む会議(栄養管理委員会)を定期的に実施し、検
討を加えること。
①
食事箋の記載事項について、乏しい例が認められたので、記載内容の充実に努め
ること。
②
検査値が要件となる貧血食等の特別食の食事箋には、検査値を記入すること。
③
特別食である減塩食は、一日当たりの食塩相当量を6g未満とすること。
④
特別食加算の算定について、流動食は治療食に該当しないので改めること。
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⑤
特別食加算の対象となる検査数値について、初回算定時及びその後定期的に確認
していない例が認められたので改めること。
⑥
栄養管理委員会の議事録について、管理者(院長)の決済を受け、適切に保存す
ること。
⑦
日々の検食の所見、喫食調査等を踏まえ、栄養管理委員会において食事内容の検
討を行う体制とすること。
⑧
検食は毎食、医師、栄養士(管理栄養士)により行い、その所見を検食簿に記載
すること。
⑨
検食簿の医師の所見欄について、記載が乏しいので、積極的に記載し食事の質の
向上に努めること。
⑩
予定献立表について、常食のみならず特別食についても管理者(院長)の承認(決
裁)を受けてから実施すること。なお、食事の提供が完了した後は、実施報告書(実
施献立表)として保管すること。
Ⅲ 請求事務等に関する事項
16 診療報酬請求
① 診療報酬の請求に当たっては、審査支払機関への提出前に必ず主治医自らが診療録
等と照合し、記載事項に誤りや不備がないか確認すること。
② 審査支払機関からの返戻・増減点連絡書は、内容を十分に検討し、以後の診療や保険
請求に反映させるとともに、診療部門と事務部門との連携を図り適正な保険請求に努める
こと。
③ 診療録の転帰の内容が診療報酬明細書に反映されていないので改めること。
④ 診療報酬請求事務について、算定要件の理解が不十分なため、請求時には診療録と
診療報酬明細書を適切に照合し、記載事項に誤りや不備等がないか十分に確認すること。
17 事務的取扱い
(1) 届出事項
○ 届出事項に変更があった場合は、その都度速やかに東北厚生局長へ変更(異動)届を
提出すること。
例:診療日、診療時間、診療科目、保険医の異動届(常勤・非常勤)
:施設基準に係る届出内容の変更
:保険外併用療養費に係る報告内容の変更
(2) 掲示事項
① 保険医療機関の掲示事項に関して、不適切な例が認められたので改めること。
- 17 -
例:届出している施設基準に係る事項を掲示していない
② 保険外負担について、費用徴収に係るサービス等の内容及び料金を院内の見やすい
場所に、患者にとって分かりやすく掲示すること。
③ 保険外併用療養費に関する事項(差額ベッドの場所及び料金等)について、院内の見
やすい場所に掲示すること。
④ 屋内禁煙が要件となっている施設基準について、屋内禁煙を行っている旨を保険医療
機関の見やすい場所に掲示すること。
(3) 一部負担金に係る事項
○ 一部負担金の取扱いにおいて、不適切な例が認められたので改めること。
例:自家診療に係る患者について一部負担金未収のまま納入督促も行われていない
:計算方法の誤り、診療録3号紙の記載誤り、記載漏れ
:管理簿等の作成がなく未収の一部負担金の管理が不十分である
:過不足があるにもかかわらず返金及び追加徴収が行われていない
(4) 領収証・明細書に係る事項
① 領収証の様式について、標準例で定められている内容を満たしていないので、各項目
について改めること。
② 電子請求を行っている保険医療機関は、正当な理由がない限り、項目ごとに記載した明
細書についても無償で交付すること。
③ 領収証、明細書を発行していない例が認められたので原則全ての患者に発行すること。
(5) 保険外負担に係る事項
① 療養の給付とは直接関係のないサービス又は物に関する費用の徴収に不適切な例が
認められたので改めること。
例:手技料等に包括されている材料等
:寝具のクリーニング代、シーツ代、冷暖房費等
:入院患者以外の患者が利用した差額ベッドの費用
② 療養の給付とは直接関係のないサービス等は、サービスの内容や料金を明示した文書
に患者の署名を受けることにより同意を確認のうえで徴収を行うこと。
(6) その他
① 被保険者証等のコピーを保有することは個人情報保護の観点から好ましくないので行わ
ないよう改めること。
② 診療録について、その完結の日から5年間保存を行うこと。
③ 診療録に労務不能に関する記載欄がないので、第一号(一)の1様式又はこれに準ずる
様式(療養担当規則第22条)に改めること。
④ 保険診療と保険外診療(自由診療)の診療録が区別されていないので、別冊又は別葉と
すること。
- 18 -