被覆材を使用しての効果

2013/6 e ラーニング
褥瘡対策委員会研修
<当院で使用する褥瘡用外用剤>
赤 黒→黒
肉芽形成剤
上皮化促進剤
浸
出
液
が
尐
な
い
時
~アクアセルAg、ハイドロサイトADジェントル
ハイドロサイト、エスアイエイドを使用して~
平成24年度 症例検討会
褥瘡対策委員会
浸
出
液
が
多
い
時
<一般的な被覆材>
<一般的な被覆材>
赤 黒→黒
炎 症
黄
赤
ピンク(白)
上皮形成
ポリウレタンフィルム(テガダーム、マルチフィクス)
Ⅲ度
ハイドロジェル
(アプリパック)
ハイドロポリマー
(ティエール)
アルギン酸塩
(ソーブサン)
シリコーンゲルドレッシング
シリコーンゲルドレッシング
(エスアイエイド)
(エスアイエイド)
Ⅱ度
ピンク(白)
赤
感染制御剤
被覆材を使用しての効果
Ⅰ度
黄
薄いハイドロコロイド
(ディオアクティブET)
Ⅳ度
<当院で使用する被覆材>
・ポリウレタンフォーム
(ハイドロサイト
ハイドロサイトADジェントル)
・ハイドロファイバー
(アクアセルAg)
ハイドロコロイド
(ディオアクティブCGF)
ポリウレタンフォーム
(キャビティ)
<当院で使用する被覆材>
Ⅰ度
Ⅲ度
テガダーム、マルチフィクス
創傷用外用薬+ガーゼ+フィルム
薄いハイドロコロイド
(ディオアクティブET)
Ⅱ度
Ⅳ度
<これまでの褥瘡の処置方法>
赤 黒→黒
黄
<Ⅱ度(真皮)に適応する被覆材>
赤
ピンク(白)
ディオアクティブET
・創の保護、湿潤環境の維持、治癒の促進
・浸出液の多い創には不適応
・10cm 966円/枚
入院時
ゲーベンクリーム+ガーゼ+フィルム
デブリードメンド2回、皮膚切開術1回施行
クロマイソルベース+ガーゼ+フィルム
エスアイエイド
・シリコン使用しているため、被覆
材と創傷面のずれが尐ない。
・皮膚から離れる際に創傷面とそ
の周囲皮膚の損傷リスクを軽減す
る。
・皮膚の弱い高齢者に適応
・10cm 273円/枚
<Ⅲ度(皮下組織)に適応する被覆材>
症例 患者A
アクアセルAg
・抗菌効果に優れた銀イオンを含有しており、創
傷の浸出液と細菌増殖の両方をコントロールする。
・中等度の浸出液量に適応
・10cm 1300円/枚 リボンタイプ:1142円
83歳 男性
病名:脊髄梗塞
現病歴:3月に直腸癌に対して手術施行(S状結腸ストマ増設)し5月に入院。
術後、腹部正中創および殿部創の部分的な哆開あり。
また、殿部に褥瘡あり。正中創はMRSA感染起こしている。
ハイドロサイト
・高い吸収力がある。
・クッション性により創部への物理的衝撃を緩和する。
・10cm 1470円/枚
褥瘡危険因子
・日常生活自立度:B-1
・基本動作能力:ベッド上自力体位変換:できる
座位姿勢の保持:できる
除圧:できない
・病的骨突出:なし
・関節拘縮:なし
・栄養状態低下:あり (Alb: 3.1~3.2)
・皮膚湿潤:あり
・浮腫:なし
ハイドロサイトADジェントル
・高い吸収力がある。
・シリコンにより肌に優しく、脆弱な皮膚にも使用
・皮膚の弱い高齢者に適応
・770円/枚
1
2013/6 e ラーニング
入院時
褥瘡対策委員会研修
入院6日目
・サイズ:4×3cm
ストーマ
・サイズ 4×2.5cm
・持参のアクアセルAgがなくな
り、ゲーベンクリーム、さばき
ガーゼ挿入しハイドロサイト
で保護する。
・持参のアクアセルAg挿入し、シ
ングルパットにて保護
*パウチからの便もれあり、正中
創汚染。また、パウチから下
痢便がもれることで、1日1回
パウチ交換をすることにより、
ストーマ周囲炎を起こしてし
まった。
正中創
入院27日目
入院14日目
・2週間のゲーベンを使用したが
改善みられず。
・午後の処置にアクアセルAgを使
用する。
アクアセルAg使用後の方が創内
部の血流の改善あり、発赤も軽
減しているため、アクアセルAgの
使用を1日2回に変更する
・1日2回洗浄することで、ハイドロ
サイトの汚染が減尐したため、エ
スアイエイドに変更する。
入院53日目
入院75日目
治癒
入院60日目
入院時
褥瘡
殿部創
ポケット
サイズ 1.0×0.5 cm
入院7日目
<褥瘡>
・サイズ 2×2 cm
・真皮までの損傷
・浸出液多い
・前医よりディオアクティブCGF貼用して
いるため、継続してディオアクティブ貼
用する。
<殿部創>
・サイズ 6×2cm(ポケットを含む大きさ)
・前医ではアクアセルAgを使用していた
が、当院ではまだ導入していなかった
ため、ゲーベンクリームを塗布しハイド
ロサイトを使用する。
入院20日目
<褥瘡>
ポケット
・ディオアクティブではズレが生じ
るため、殿部創とともにハイドロサ
イト貼用する。
<殿部創>
・変化なし。
発赤
2
<褥瘡>
・治癒する。
<殿部創>
・サイズ 5cm(ポケットを含む直径のみ)
・創離開部自体は小さくなっているが、
ポケット
ポケットのサイズは変化なし。
・肉芽形成してきたため、プロスタン
ディン軟膏へ変更する。
・フィルムによる皮膚の発赤みられた
ため、ハイドロサイトADジェントルへ
変更する。
2013/6 e ラーニング
入院32日目
入院60日目
褥瘡対策委員会研修
症例 患者B
67歳 女性
病名:脳梗塞
現病歴:くも膜下出血発症し、開頭クリッピング術施行。その後脳梗塞発症。
仙骨部に褥瘡あり、シャント不全による嘔吐・高血圧により同一体位の時間を長くとる
ことで、褥瘡の悪化を起こした。シャント調整のために転院し、
花弁状切開術施行された。
創離開部
<殿部創>
・サイズ 3cm(ポケットを
含む直径のみ)
・創離開部は0.5cmに縮小
している。
・ハイドロサイトADジェント
ルに変更したことで、発
赤が軽減している。
褥瘡危険因子
・日常生活自立度:C-2
・基本動作能力:ベッド上自力体位変換:できない
座位姿勢の保持:できない
除圧:できない
・病的骨突出:あり
・関節拘縮:あり
・栄養状態低下:あり(Alb: 2.9~3.5)
・皮膚湿潤:あり
・浮腫:あり
ポケット
・経管栄養法
<殿部創>
・創離開部消退
・発赤消失
・保湿剤のみ塗布する。
入院1ヶ月後
入院時
赤 黒→黒
黄
赤
赤 黒→黒
ピンク(白)
黄
赤
ピンク(白)
入院時:ゲーベンクリーム+さばきガーゼ+ガーゼ保護
さばきガーゼ
ポケット
4日後、浮腫が消失
過度の湿潤環境で浮腫
のある肉芽組織
ポケット
さばきガーゼを中止し、
ハイドロサイトのみとする。
D3e3s9i1g1n0P9=37点
まとめ
• 創傷治癒には良好な湿潤環境を保つことが
重要であり、そのためには正しい評価と適正
な被覆材を選択することが重要である。
• 適切な被覆材を使用することでコストを削減
することができ、また、患者さんの負担が軽
減できる。
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