化学反応の原理 [pdf]

中和反応
1
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アレニウスによる酸・塩基の定義 {
酸 水に溶けて H + を出す物質
−
塩基 水に溶けて OH を出す物質 中和反応 酸 + 塩基 −
→ 塩+水
−
イオン反応式 H + OH
+
−
→ H2 O
例
HCl, H2 SO4 , CH3 COOH
例
NaOH, Ca(OH)2 , NH3
例
HCl + NaOH −→ NaCl + H2 O
例
CH3 COOH + NaOH −→ CH3 COONa + H2 O
例
HCl + NH3 −→ NH4 Cl
+
–
−
⇀
塩基がアンモニア NH3 である中和反応はやや特殊. NH3 は水溶液中で NH3 + H2 O −
↽
−
− NH4 + OH と電離して塩基性を示す.
そこで, アンモニアは一旦水を加えて塩基 NH4 OH と考え, 後で水を取り除く.
–
例 塩酸とアンモニア水の中和反応 H+ Cl – + NH+
−→ NH4 Cl + H2 O
4 OH −
両辺から H2 O を除くと HCl + NH3 −−→ NH4 Cl
結局, アンモニアの中和反応では, アンモニウムイオン NH+
4 の塩のみができる.
例 硫酸とアンモニア水の中和反応 H2 SO4 + 2 NH3 −−→ (NH4 )2 SO4

酸と塩基をそれぞれ陽イオンと陰イオンに分け, 別のイオンと組み合わせればよい. 例 H+ Cl− + Na+ OH− −−→ Na+ Cl− + H2 O
 結局, 酸の陰イオンと塩基の陽イオンが結びつく ことになり, これを 塩 という. 塩基と塩が全くの別物であることに注意して欲しい.



 重要なのは, 反応前の物質が与えられただけで, 化学反応式を自分で作成できること である. 問 HCl と Zn(OH)2 を混ぜると?

 まず, 与えられた反応前の各物質の特性は何かを考え, 次に 物質がその特性を持っているとき, どういう反応が起こるかを原理から考える.

 HCl は酸, Zn(OH) は塩基なので, 混ぜると中和して水ができるはずである. よって, 2 HCl + Zn(OH) −−→ ZnCl + 2 H O を作成できる.

2
2
2
2

 何も考えずに適当にイオンを組み合わせていただけの人は反省しよう. それでは, 他のより複雑な原理に基づく化学反応式を作成することは難しい.


 塩から逆に反応前の酸と塩基を推定する ことも重要である.
NaCl は, 陽イオン Na+ に OH− を組み合せ, 塩基 NaOH 由来の塩だとわかる. また, 陰イオン Cl− に H+ を組み合わせ, 酸 HCl 由来の塩だとわかる.
酸化物と水の反応
2
{
酸化物の分類 非金属の酸化物 酸性酸化物 例
NO2 , CO2 , SO3 , SO2
金属の酸化物 塩基性酸化物 例
Na2 O, K2 O, CaO, BaO
酸性酸化物
塩基性酸化物
酸性酸化物

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
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


+水 −
→ 水酸化物 +水 −
→ オキソ酸 オキソ酸
例
Na2 O + H2 O −→ 2 NaOH
CO2
H2 CO3
(炭酸)
例
CaO + H2 O −→ Ca(OH)2
SiO2
H2 SiO3
(ケイ酸)
例
SO3 + H2 O −→ H2 SO4
例
P4 O10 + 6 H2 O −→ 4 H3 PO4
例
3 NO2 + H2 O −→ 2 HNO3 + NO
NO2
HNO3
(硝酸)
P4 O10
H3 PO4
(リン酸)
SO2
H2 SO3
(亜硫酸)
SO3
H2 SO4
(硫酸)
Cl2 O7
HClO4
(過塩素酸)
CO と NO は非金属の酸化物だが, 例外的に 中性酸化物 である. また, 両性金属 Al, Zn, Sn, Pb の酸化物は両性酸化物 となる.
塩基性酸化物と水の反応の根幹は, イオン反応式 O 2− + H2 O −−→ 2 OH− である.
O 2− が H2 O から H+ を 1 つ奪い取り, 互いに中間の OH− となって安定すると考えられる.
ただし, 酸化物が常温の水と反応するのは, アルカリ金属とアルカリ土類金属の酸化物に限られる.
酸性酸化物も塩基性酸化物と同様の規則だと仮定すると, CO2 + H2 O −−→ CO(OH)2 となる.
CO(OH)2 は見慣れない化学式だが, 少し順序を変えると炭酸 H2 CO3 に他ならない.
結局, 酸性酸化物に水を加えると, オキソ酸 (分子中に酸素を含む酸) ができる.
ただし, 水酸化物はイオン結合だが, 非金属元素からなるオキソ酸は共有結合である.
なお, どのようなオキソ酸ができるかは暗記 しておかなければならない.
さらに, NO2 のみ HNO3 に加えて NO ができる特殊な反応であるため, 暗記を要する.
問 BaO に水を加えると?
BaO は金属の酸化物なので塩基性酸化物であり, 水と反応すると水酸化物が生じるはずであるから BaO + H2 O −−→ Ba(OH)2
問 Cl2 O7 に水を加えると?
Cl2 O7 は非金属の酸化物なので酸性酸化物であり, 水と反応するとオキソ酸が生じるはずであるから Cl2 O7 + H2 O −−→ 2 HClO4

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3
酸化物の中和反応
{
酸化物の分類 塩基性酸化物
酸性酸化物
酸性酸化物

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非金属の酸化物 酸性酸化物 例
NO2 , CO2 , SO3 , SO2
金属の酸化物 塩基性酸化物 例
Na2 O, K2 O, CaO, BaO
+酸 −
→ 塩 + 水 + 塩基 −
→ 塩 + 水 + 塩基性酸化物 −
→ 塩 例
CaO + 2 HCl −→ CaCl2 + H2 O
例
Na2 O + H2 SO4 −→ Na2 SO4 + H2 O
例
CO2 + Ca(OH)2 −→ CaCO3 + H2 O
例
SiO2 + 2 NaOH −→ Na2 SiO3 + H2 O
例
CO2 + CaO −→ CaCO3
塩基性酸化物, 酸性酸化物は, それぞれ酸, 塩基と中和反応する. 酸性酸化物と塩基性酸化物も中和反応するが, この場合 水は生じない.
 これらの反応は, 次のような段階を踏んで反応したと考えることができるが, 実際には一発で作ればよい.



CaO + H2 O −−→ Ca(OH)2
(塩基性酸化物 + 水 −−→ 水酸化物)

 例 CaO と HCl の中和反応 +) Ca(OH) + 2 HCl −−→ CaCl + 2 H O (塩基である Ca(OH) が酸 HCl と中和反応)

2
2
2
2


CaO + 2 HCl −−→ CaCl2 + H2 O




CO2 + H2 O −−→ H2 CO3
(酸性酸化物 + 水 −−→ オキソ酸)

 例 CO と Ca(OH) の中和反応 +) H CO + Ca(OH) −−→ CaCO + 2 H O (酸である H CO が塩基 Ca(OH) と中和反応)
2
3
2
3
2
2
3
2
2
2


CO2 + Ca(OH)2 −−→ CaCO3 + H2 O




CO2 + H2 O −−→ H2 CO3
(酸性酸化物 + 水 −−→ オキソ酸)



−
−
→
Ca(OH)
(塩基性酸化物 + 水 −−→ 水酸化物)
CaO
+
H
O
2
2
 例 CO と CaO の中和反応 2

+) H2 CO3 + Ca(OH)2 −−→ CaCO3 + 2 H2 O (オキソ酸と水酸化物が中和反応)



CO2 + CaO −−→ CaCO3



 問 Al2 O3 に HCl を加えると?

 Al O は塩基性酸化物, HCl は酸であり, 中和反応して塩と水ができるはずであるから Al O + 6 HCl −−→ 2 AlCl + 3 H O
2 3
3
2
 2 3
 ※ 塩と水ができるとわかればすぐに Al O + HCl −−→ AlCl + H O を書くことができる. その後係数を考えればよい.

2 3
3
2


 問 SO2 に KOH を加えると?

 SO は酸性酸化物, KOH は塩基であり, 中和反応して塩と水ができるはずであるから SO + 2 KOH −−→ K SO + H O

2
2
2
3
2

 ※ SO2 由来の塩の陰イオンは SO32− である. SO2 からできるオキソ酸が H2 SO3 だからである.

 原理の理解がない人は, 適当に SO + 2 KOH −−→ K S + H O などとして訳がわからなくなる.
2
2
2



 問 CO2 と BaO を反応させると?
CO2 は酸性酸化物, BaO は塩基性酸化物であり, 中和反応して塩ができるはずであるから CO2 + BaO −−→ BaCO3


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4
強酸 (強塩基) による弱酸 (弱塩基) の遊離反応
酸・塩基の強弱 c http://examoonist.web.fc2.com/
⃝
{
強酸・強塩基 電離度がほぼ 1 の酸・塩基
(水溶液中ではほぼ 100%電離)
弱酸・弱塩基 電離度が小さい 酸・塩基
(水溶液中では一部のみが電離)
強酸
HCl (塩酸) H2 SO4 (硫酸) HNO3 (硝酸)
弱酸
CH3 COOH (酢酸) H2 S (硫化水素) H2 CO3 (炭酸) H2 SO3 (亜硫酸)
代表的な酸・塩基 強塩基
NaOH KOH Ca(OH)2 Ba(OH)2
[アルカリ金属の水酸化物とアルカリ土類金属の水酸化物]
弱塩基











NH3 (アンモニア)

中和反応・酸化還元反応と並ぶ最重要反応原理 であり, 酸・塩基の強弱の違いと代表的な酸・塩基が前提知識となる.
3 大強酸 (塩酸・硫酸・硝酸) さえ覚えておけば, それ以外は基本的には弱酸である. ただし, HF 以外のハロゲン化水素 HBr, HI は強酸である. 




反応原理の根幹を成すのは, 酸・塩基の強弱で陽イオンと陰イオンの相性が異なる ことである.


強酸の HCl 分子が 100 個あれば, 水溶液中では 100 個ほぼすべてが H+ と Cl− に電離する.


+
2−
一方, 弱酸の H2 S 分子が 100 個あれば, 水溶液中では数個だけが H と S に電離する.

言い換えると, 強酸・強塩基は陽イオンと陰イオンの仲が極めて悪く, 弱酸・弱塩基は割と仲が良い.
塩 FeS と強酸 H2 SO4 の反応を考える. 両者を混ぜると, 水溶液中には Fe 2+ , S 2 – , H+ , SO42 – が混在することになる.
すると, 4 種の化合物 FeS, H2 S, FeSO4 , H2 SO4 が生成される可能性が考えられる.
ここで, 強酸 H2 SO4 の陽イオン H+ と陰イオン SO42 – の相性は極めて悪い.
一方で, 弱酸 H2 S の陽イオン H+ と陰イオン S 2 – の相性は割と良い.
すると, 必然的に H2 SO4 が分解し, H2 S が生じる方向に反応が進行することになる.
つまり, FeS + H2 SO4 −−→ FeSO4 + H2 S のような反応が起こるわけである. 当然ながら, 逆方向の反応は自然には起こらない.
以上が大まかなイメージだが, より厳密には次のようになる.
まず, 塩 FeS がどんな酸と塩基から生じるかを考える.
Fe 2+ と S 2 – に分離し, それぞれに OH – と H+ を組み合わせる.
すると, H2 S + Fe(OH)2 −−→ FeS + 2 H2 O のような中和反応で生じた塩だとわかる.
FeS は弱酸 H2 S から生じた塩であるから, FeS は「弱酸由来の塩」といえる.
弱酸由来の塩に強酸を加えると, 必然的に強酸が分解し, 弱酸が生成する. また, 残りのイオンをまとめると強酸由来の塩ができる.
結局, 以下のような反応原理が導かれる. 塩基に関しても同様である.
強酸による弱酸の遊離反応
弱酸由来の塩
+ 強酸 −
→ 強酸由来の塩 + 弱酸 例
ZnS + 2 HCl −→ ZnCl2 + H2 S
例
CaCO3 + 2 HCl −→ CaCl2 + H2 O + CO2
例
Na2 SO3 + H2 SO4 −→ Na2 SO4 + H2 O + SO2
強塩基による弱塩基の遊離反応
弱塩基由来の塩
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
+ 強塩基 −
→ 強塩基由来の塩 + 弱塩基 例
NH4 Cl + NaOH −→ NaCl + NH3 + H2 O
普通にいくと, 2 例目は CaCO3 + 2 HCl −−→ CaCl2 + H2 CO3 だが, 炭酸 H2 CO3 は直ちに分解する.
よって, 化学反応式には H2 CO3 とは書かず, H2 O + CO2 と書く ことになる. 同様に, 3 例目の 亜硫酸 H2 SO3 も直ちに H2 O + SO2 に分解する.
また, 塩基の例も NH4 Cl + NaOH −−→ NaCl + NH4 OH となるが, NH4 OH は NH3 + H2 O と書く.








この反応原理における酸・塩基の強弱は絶対的なものではなく, あくまで 相対的なもの である.


H2 CO3 と CH3 COOH は両方弱酸だが, 酸の強さは CH3 COOH > H2 CO3 である (有機化学) から, 次のような反応も進行し, 逆反応は起こらない.


NaHCO3 + CH3 COOH −−→ CH3 COONa + H2 O + CO2 (より弱い酸である炭酸の塩) + (炭酸より強い酢酸) −−→ (より強い酸の塩) + (より弱い酸) 



問 Na2 CO3 に HCl を加えると?



HCl は強酸, Na2 CO3 は弱酸 H2 CO3 由来の塩であるから, 弱酸の遊離反応 Na2 CO3 + 2 HCl −−→ 2 NaCl + H2 O + CO2 が起こる.


HCl が強酸であることはすぐに気付く. そこで, 「弱酸の遊離かも」と思いつつ Na2 CO3 の特性を考えると, 正に弱酸の塩だったわけである.




問 NH4 Cl と Ca(OH)2 を反応させると?
Ca(OH)2 は強塩基, NH4 Cl は弱塩基 NH3 由来の塩であるから, 弱塩基の遊離反応 2 NH4 Cl + Ca(OH)2 −−→ CaCl2 + 2 NH3 + 2 H2 O が起こる.
5
揮発性酸の遊離反応
酸の揮発性 {
濃硫酸のみ
濃硫酸以外の酸 c http://examoonist.web.fc2.com/
⃝
不揮発性 (蒸発しにくい)
揮発性 (蒸発しやすい)
塩 NaCl と濃硫酸を混ぜると, 水溶液中には Na+ , Cl – , H+ , SO42 – が混在することになる.
すると, 4 種の化合物 NaCl, Na2 SO4 , HCl, H2 SO4 が生成される可能性が考えられる.
加熱すると, 揮発性の酸である HCl だけがどんどん蒸発し, 反応系から取り除かれる.
すると, HCl を増やそうとする方向に反応が進行する (ルシャトリエの原理).
よって, NaCl + H2 SO4 −−→ NaHSO4 + HCl ↑ のような反応が起こることになる.
加熱
ここで, HCl + NaOH −−→ NaCl + H2 O より, NaCl は揮発性酸 HCl 由来の塩である.
結局, 以下のような反応原理が導かれる.
揮発性酸の塩
+ 不揮発性酸 −
→ 不揮発性酸の塩 + 揮発性酸 ↑ 例
NaCl + H2 SO4 −−→ NaHSO4 + HCl ↑
例
CaF2 + H2 SO4 −−→ CaSO4 + 2 HF ↑
加熱
加熱
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
˙
希硫酸と濃硫酸は別物 である. 希硫酸は単なる強酸だが, 濃硫酸になると不揮発性を示す. そこで, 単なる硫酸ではなく, 濃硫酸と書いている
.


1 例目は Na2 SO4 まではいかずに NaHSO4 で止まっているが, 2 例目は CaSO4 まで進行している.


−
この理由は, 酸の強さ という観点からとらえられる. 硫酸は, H2 SO4 −−→ H+ + HSO−
−→ H+ + SO42− のように二段階で電離する. 
4 , HSO4 −

−

酸としての強さ (H+ の放出しやすさ) は, H2 SO4 (第 1 電離) > HCl > HSO4 (第 2 電離) である.




ここで, 例の反応は, 元々は弱酸の遊離反応 であったと考えられる. HCl 由来の塩 NaCl に H2 SO4 を加えると, より弱い酸 HCl が遊離する.


−
+
このとき, HCl は第 2 電離よりは強いので, HCl を差し置いて HSO4 が H を放出することはない.



それゆえ, NaHSO4 で反応が止まり, Na2 SO4 にはならないのである.



ただし, HCl も強酸であるため, この HCl の遊離反応は平衡状態になり, 効率よく進まない.



そこで, 加熱により揮発性酸 HCl を追い出すことで, 反応を右に押し進めてやることになる.


化学平衡が変化を相殺する方向に移動すること (ルシャトリエの原理) を利用するわけである.



−

酸としての強さが H2 SO4 > HSO4 > HF であることを考慮すると, 2 例目はもはや当然だろう.


硫酸の第 2 電離が HF の電離より起こりやすいため, CaSO4 まで完全に反応が進行する.


弱酸 HF の遊離反応とも考えられるが, 加熱で追い出すため, 揮発性酸の遊離反応に分類される.




問 NaNO3 に濃 H2 SO4 を加えて加熱すると?


濃 H2 SO4 は不揮発性酸である. また, NaNO3 は揮発性酸 HNO3 由来の塩である.


−

よって, 揮発性酸の遊離反応 NaNO3 + H2 SO4 −−→ HNO3 + NaHSO4 が起こる. なお, 酸の強さは, H2 SO4 > HNO3 > HSO4 である.

加熱
揮発性酸の遊離反応に関しては, ここで取り上げた 3 つをおさえておけば済む.
6
沈殿生成反応
BaCl2 と H2 SO4 を混ぜると, 水溶液中には Ba 2+ , Cl – , H+ , SO42 – が混在することになる.
すると, 4 種の化合物 BaCl2 , BaSO4 , HCl, H2 SO4 が生成される可能性が考えられる.
このうち, BaSO4 のみイオン結晶が沈殿する. そして, 沈殿することで, BaSO4 が反応系から除外されることになる.
すると, BaSO4 を増やそうとする方向に反応が進行する (ルシャトリエの原理).
よって, BaCl2 + H2 SO4 −−→ 2 HCl + BaSO4 ↓ (Ba 2+ + SO42 – −−→ BaSO4 ↓ ) のような反応が起こることになる.
陽イオン
+ 陰イオン −
→ 沈殿 ↓ 
例
CuSO4 + 2 NaOH −−→ Na2 SO4 + Cu(OH)2 ↓ (Cu 2+ + 2 OH − −−→ Cu(OH)2 ↓ )
例
Pb(NO3 )2 + H2 S −−→ 2 HNO3 + PbS ↓ (Pb 2+ + S 2− −−→ PbS ↓ )
例
2 AgNO3 + 2 NaOH −−→ 2 NaNO3 + Ag2 O ↓ + H2 O
(2 Ag + + 2 OH − −−→ Ag2 O ↓ + H2 O)
沈殿生成反応は, 原理自体は非常にわかりやすい.
しかし, どの陽イオンとどの陰イオンの組合せが沈殿するかは完全に暗記 である.
これは, 無機化学 (金属元素) で学習することになるので, ここでは詳細を取り上げない.

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

 3 例目は, 単純に考えると AgOH となるはずである.


 しかし, AgOH や Hg(OH)2 は不安定なので, 直ちに酸化物と水に分解される(暗記).
2 AgOH −−→ Ag2 O + H2 O, Hg(OH)2 −−→ HgO + H2 O [(酸化物 + 水 −−→ 水酸化物) の逆反応]











7
酸化還元反応
c http://examoonist.web.fc2.com/
⃝
酸化数の決め方
単体中の原子
0 とする. 例 H2 の H, Al 原子などは全て 0.
単原子イオン
イオンの価数に等しい. 例 Na+ (+ 1), S 2 – (− 2)
H : + 1, O : − 2 とし, 合計が 0 となるよう定める.
例
H2 SO4 の S の酸化数 (+ 1) × 2 + x + (− 2) × 4 = 0 ∴ x = + 6
化合物中の原子
例外 水素化合物の H の酸化数は − 1 例
NaH の H の酸化数は − 1
例外 H2 O2 の O の酸化数は − 1
多原子イオン
H : + 1, O : − 2 とし, 合計がイオンの価数となるよう定める.
例
NH+
4 の N の酸化数 x + (+ 1) × 4 = + 1 ∴ x = − 3
酸化還元反応 電子 e – の授受が起こる反応. 酸化と還元は必ず同時に起こる.
{
酸化剤と還元剤 酸化剤
還元剤
電子を奪い, 相手を酸化する. 自身は還元される.
電子を与え, 相手を還元する. 自身は酸化される.
酸化剤
過マンガン酸イオン
(酸性条件)
過マンガン酸イオン
(中性・塩基性条件)
反応前後の物質 (酸化数)
MnO4– (+7)
−→
Mn 2+ (+2)
MnO4– (+7)
−→
MnO2 (+4)
Cr 2O72−
還元剤
反応前後の物質 (酸化数)
H 2 (0)
−→
2 H + (+1)
硫化水素
H2 S (−2)
−→
S (0)
二酸化硫黄
SO2 (+4)
−→
SO42− (+6)
(COOH)2 (+3)
−→
2 CO2 (+4)
H2 O 2 (−1)
−→
O 2 (0)
2 I− (−1)
−→
I2 (0)
(+2)
−→
Fe 3+ (+3)
水素
シュウ酸
(+6)
−→
2 Cr
HNO3 (+5)
−→
NO2 (+4)
希硝酸
HNO3 (+5)
−→
NO (+2)
鉄 (II) イオン
熱濃硫酸
H2 SO4 (+6)
−→
SO2 (+4)
スズ (II) イオン
Sn 2+ (+2)
−→
Sn 4+ (+4)
Cl 2 (0)
−→
2 Cl − (−1)
チオ硫酸イオン
2 S 2O32− (+2)
−→
S 4O62− (特殊)
過酸化水素
H2 O 2 (−1)
−→
2 H2 O (−2)
二酸化硫黄
SO2 (+4)
−→
S (0)
酸素
O 2 (0)
−→
2 H2 O (−2)
オゾン
O 3 (0)
−→
H2 O + O2 (−2)
二クロム酸イオン
濃硝酸
塩素

3+
(+3)
過酸化水素
ヨウ化物イオン
Fe
2+

酸化剤と還元剤は 反応前後の物質を丸暗記 しておき, それを元に以下に示す手順で酸化還元反応式を作成することになる.
 言い換えると, 反応前後の物質さえ暗記しておけば, 酸化還元反応式は作ることができる.







−
2−
 H2 O2 は原則酸化剤だが, 強力な酸化力を持つ MnO4 や Cr2 O7 が相手の場合は還元剤となる.

SO2 は原則還元剤だが, 強力な還元力を持つ H2 S が相手の場合は酸化剤となる.
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⃝
<過マンガン酸カリウムの硫酸酸性溶液と過酸化水素水の酸化還元反応式>
[1] 半反応式の作成 (電子 e – を含む反応式)
1. 反応前後の物質を書く (要暗記).
MnO4− −−→ Mn 2+ (酸化剤)
H2 O2 −−→ O2 (還元剤)
2. H2 O で O の数を合わせる.
MnO4− −−→ Mn 2+ + 4 H2 O
H2 O2 −−→ O2
3. H で H の数を合わせる.
MnO4−
H2 O2 −−→ O2 + 2 H+
4. e – で総電荷を合わせる.
MnO4− + 8 H+ + 5 e− −−→ Mn 2+ + 4 H2 O
+
+ 8 H+ −−→ Mn
2+
+ 4 H2 O
H2 O2 −−→ O2 + 2 H+ + 2 e−
[2] イオン反応式の作成 酸化剤の半反応式と還元剤の半反応式から電子を消去する.
2 MnO4− + 16 H+ + 10 e−
−−→
2 Mn 2+ + 8 H2 O
5 H2 O2
−−→
+
5 O2 + 10 H + 10 e 2 MnO4− + 5 H2 O2 + 6 H+
−−→
2 Mn 2+ + 8 H2 O + 5 O2
+)
(酸化剤の式 × 2)
−
(還元剤の式 × 5)
[3] 酸化還元反応式の作成 イオンが余らないように, 反応に関係しないイオンを加える.
イオンが余らないように, 両辺に K+ と SO42 – を加えると
2 KMnO4 + 5 H2 O2 + 3 H2 SO4 −−→ 2 MnSO4 + 8 H2 O + 5 O2 + K2 SO4

KMnO4 の H2 SO4 水溶液と H2 O2 の酸化還元反応式を作成する. 強力な酸化力を持つ MnO−
4 が酸化剤となり, H2 O2 が還元剤となる.
 それ以外のイオン K+ , H+ , SO 2− は, とりあえず無視する.
4



 最初の 半反応式の作成 が最も厄介で, 酸化剤・還元剤ともに 4 段階を踏んで作成する.

 両辺の O の数, H の数, 総電荷を順に合わせていく ことで, 半反応式が完成する.

 結果, 電子を受け取る酸化剤は左辺に, 電子を与える還元剤は右辺に e− がくる. また, 半反応式の電子 e − の数は, 両辺の酸化数の差に等しくなる.


2+
 実際, MnO−
(+2) における酸化数の差 5 が, 5 e− と対応している.
4 (+7) → Mn


 酸化剤と還元剤の半反応式を作成後, 電子を消去してイオン反応式 を作成する. 単純に, 連立方程式を解くように e− を消去すればよい.



 直接反応に関与しないイオン K+ , SO 2− を両辺に加えてイオンをなくせば, 酸化還元反応式 となる.
4


2−
−
+
+
 まず, 左辺の MnO4 , H に着目して K と SO4 を加え, 左辺からイオンをなくす.

2−
+
 つまり, 2 個の K と 3 個の SO4 を左辺に加え, 2 KMnO4 , 3 H2 SO4 とする.

 この反応の H+ は H SO 由来のものであるから, H+ に SO 2− を組合せたわけである.

4
2
4

 硫酸酸性条件がなければ, 水に由来する H+ と考え, OH− を組み合わせることになる.

 次に, 同数のイオンを右辺にも加える 必要がある. すぐに 2 Mn 2+ には陰イオン SO42− を 2 個組み合わせればよいことに気付く.
後は残った 2 個の K+ と 1 個の SO42− を組んで K2 SO4 にすると, 酸化還元反応式が完成する.
以上が酸化還元反応の根幹だが, 特殊なものとして次のような反応がある.
いわゆる酸化 例 S + O2 −−→ SO2 例 CH4 + 2 O2 −−→ CO2 + 2 H2 O (有機化学)
いわゆる還元 例 SiO2 + 2 C −−→ Si + 2 CO 例 Fe2 O3 + 3 CO −−→ 2 Fe + 3 CO2
金属単体の反応 (イオン化傾向) 例 Zn + CuSO4 −−→ ZnSO4 + Cu
ハロゲン単体の反応 例 H2 + F2 −−→ 2 HF 例 2 KBr + Cl2 −−→ Br2 + 2 KCl
加熱
自己酸化還元反応 例 NH4 NO2 −−→ 2 H2 O + N2


反応前後で酸化数が変化する反応はすべて酸化還元反応だが, すべての酸化還元反応をいちいち半反応式から作る必要はない.
 以上のような特殊なものは, 直接的に化学反応式を作成すればよい.







 酸化物ができるいわゆる酸化や, 逆に酸化物から単体を得るいわゆる還元も酸化還元反応である.



 イオン化傾向 Zn > Cu に起因して起こる Zn + Cu 2+ −−→ Zn 2+ + Cu も酸化還元反応である.





 ハロゲン単体の酸化力 F2 > Cl2 > Br2 > I 2 に起因する反応も酸化還元反応である.



−
−
 (酸化力が強い) = (自身は還元されやすい) より, 2 Br + Cl2 −−→ Br2 + Cl が起こる.





 同一物質が酸化剤にも還元剤にもなる反応を自己酸化還元反応 という.





+
−
−
 例は, NH4 中の N (−3) から NO2 中の N (+3) に 3 e が受け渡されて N2 (0) となるものである.

自己酸化還元反応は種類も少ないので, 基本的には出てくるたびに丸暗記することになる.
































8
錯イオン形成反応
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⃝
錯イオン 金属の陽イオンに分子や陰イオンが配位結合してできたイオン.


共有結合するための 2 個の電子が一方的に供給される結合を配位結合という.


 水溶液中の金属イオンは電子が欠乏して不安定な状態にあるので, 非共有電子対をもつ分子や陰イオンと配位結合して錯イオンになると安定できる. 
+
+
例 [Ag(NH3 )2 ] NH3 分子の N がもつ非共有電子対で配位結合している. H3 N : → Ag ← : NH3
配位子 金属イオンに配位結合する分子や陰イオン.
配位子
OH –
NH3
H2 O
CN –
S2 O32 –
名称
ヒドロキシド
アンミン
アクア
シアニド
チオスルファト
配位数 (金属イオンと結合可能な配位子数) と錯イオンの立体構造
Ag+
Zn 2+ Cu 2+
配位数 2
配位数 4
直線形
Ag+
Al 3+ Fe 2+ Fe 3+ Ni 2+
正方形 (Cu
2+
配位数 6
正四面体形 (Cu
)
Cu 2+
NH3
2+
以外)
正八面体形
Fe 2+
Zn 2+
CN –
NH3
NH3
[Ag(NH3 )2 ] +
[
[Cu(NH3 )4 ] 2+
[Zn(NH3 )4 ] 2+
[Fe(CN)6 ] 4 –
中心金属の価数が大きいほど配位子を強く引きつけ, 配位数が大きくなる傾向がある.
目安の 1 つは中心金属イオンの電荷の 2 倍だが, 参考程度である. 実際, Fe 2+ と Ni 2+ は 6 である.
]
代表的な錯イオン 配位子
金属イオン
Al 3+
OH –
[Al(OH)4 ] –
(無色)
テトラヒドロキシドアルミン酸イオン
2+
[Zn(OH)4 ] 2 –
(無色)
テトラヒドロキシド亜鉛 (II) 酸イオン
Sn 2+
[Sn(OH)4 ] 2 –
(無色)
テトラヒドロキシドスズ (II) 酸イオン
2+
2–
(無色)
テトラヒドロキシド鉛 (II) 酸イオン
Zn
Pb
NH3
[Zn(NH3 )4 ] 2+
(無色)
テトラアンミン亜鉛 (II) イオン
2+
[Cu(NH3 )4 ] 2+
(深青色)
テトラアンミン銅 (II) イオン
Ag+
[Ag(NH3 )2 ] +
(無色)
ジアンミン銀 (I) イオン
2+
[Ni(NH3 )6 ] 2+
(青紫色)
ヘキサアンミンニッケル (II) イオン
Cu
Fe 2+
[Fe(CN)6 ] 4 –
ヘキサシアニド鉄 (II) 酸イオン
3+
[Fe(CN)6 ] 3 –
ヘキサシアニド鉄 (III) 酸イオン
[Ag(S2 O3 )2 ] 3 –
ビス (チオスルファト) 銀 (I) 酸イオン
Fe
S2 O32 –


















[Pb(OH)4 ]
Zn 2+
Ni
CN –
錯イオン
Ag+
錯イオンの名称 [配位子の数詞 → 配位子名 → 金属 → (酸) イオン]
配位子の数詞 1:モノ 2:ジ 3:トリ 4:テトラ 5:ペンタ 6:ヘキサ なお, 「ビス」は「ジ」と考えておけばよい.
全体の電荷が陰イオン の錯イオンの場合のみ, 「酸イオン」となる. また, Al の場合のみ, 「アルミニウム (III)」ではなく, 「アルミン」とする.







−

OH と錯イオンを作るのは, 両性金属のイオン である. ゴロ合わせ あ (Al) あ (Zn) すん (Sn) なり (Pb) と溶ける両性金属.


NH3 と錯イオンを作る金属イオンのゴロ合わせ 銀 (Ag) 子 (Co) に (Ni) どう (Cu) もあえん (Zn)



2−
2+
−
錯イオンの電荷は, 中心金属イオンと配位子の電荷の合計 である. 例 [Zn(OH)4 ] Zn の + 2 と OH の (−1) × 4 を合計して「2 − 」となる. 




[Al(OH)4 ] − は, 実際には 4 個の OH− に加え, H2 O が 2 個配位し, [Al(OH)4 (H2 O)2 ] − となっている.
よって, 配位数は 6 で, 正八面体構造をとる (H2 O を無視すると正方形).
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錯イオン形成反応
金属の単体や化合物
+ 配位子 −
→ 錯イオン Cu 2+ + 4 NH3 −→ [Cu(NH3 )4 ] 2+
例
水酸化物の錯イオン形成反応
例 Al(OH)3 の沈殿に多量の NaOH 水を加えると, 沈殿が再び溶解する.
{
イオン反応式 Al(OH)3 + OH − −→ [Al(OH)4 ] −
化学反応式 Al(OH)3 + NaOH −→ Na[Al(OH)4 ]
例 Zn(OH)2 の沈殿に多量の NH3 水を加えると, 沈殿が再び溶解する.
{
イオン反応式 Zn(OH)2 + 4 NH3 −→ [Zn(NH3 )4 ] 2+ + 2 OH −
化学反応式 Zn(OH)2 + 4 NH3 −→ [Zn(NH3 )4 ](OH)2
酸化物の錯イオン形成反応
例 Ag2 O の沈殿に多量の NH3 水を加えると, 沈殿が再び溶解する.
Ag2 O + H2 O
+) AgOH + 2 NH3
−−→ 2 AgOH
(酸化物 + 水 → 水酸化物)
−−→ [Ag(NH3 )2 ]
+
+ OH
Ag2 O + 4 NH3 + H2 O −−→ 2 [ Ag(NH3 )2 ]
+
−
×2
+ 2 OH
−
Ag2 O + 4 NH3 + H2 O −−→ 2 [ Ag(NH3 )2 ](OH)
(イオン反応式)
(化学反応式)
両性元素の単体の錯イオン形成反応
例 Al に NaOH 水を加えると溶解して水素が発生する.
−−→ 2 Al(OH)3 + 3 H2
2 Al + 6 H2 O
−
+) Al(OH)3 + OH
−
2 Al + 2 OH + 6 H2 O
−−→ [Al(OH)4 ]
−
−−→ 2 [ Al(OH)4 ]
(単体 + 水 → 水酸化物 + 水素)
×2
−
+ 3 H2 (イオン反応式)
2 Al + 2 NaOH + 6 H2 O −−→ 2 Na[Al(OH)4 ] + 3 H2 (化学反応式:両辺に Na+ を 2 個)













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















通常, 水溶液中の金属イオンは, 単独では存在せず, アクア錯イオンとして存在 している.
つまり, 実際は [Cu(H2 O)4 ] 2+ として存在しているものを, 普段 Cu 2+ と書いているのである.
これに H2 O よりも相性のよい配位子を加えると, H2 O と置き換わって新たな錯イオンができる.








また, 多くの金属イオンは, 少量の塩基を加えると水酸化物の沈殿を作る(詳細は無機化学).


一部の沈殿は, NaOH 水や NH3 水を過剰に加えると, 錯イオンを形成して再び溶解する.



錯イオン関連では, 沈殿が再溶解する反応や両性元素単体と塩基の反応の式がよく問われる.


これらの反応式は, 水酸化物の錯イオン形成反応を基準に作成する とよい.


酸化物や単体は, 一旦 水と反応して水酸化物ができる と考える.



その後, 水酸化物が錯イオンを形成する反応式と合体 させ, 中間生成物の水酸化物を消去する.

イオン反応式は, 水溶液中で電離するものはイオンに分けて, あまり電離しないものは分けずに書く. 


よって, 沈殿物は分けずに書き, 完全に電離する錯イオンの化合物はイオンで書く.




金属単体と水から水酸化物と水素ができる反応は酸化還元反応である.


3+
−
−
−
半反応式 Al −−→ Al + 3 e (還元剤) と 2 H2 O + 2 e −−→ 2 OH + H2 (酸化剤) から作成できる. 


ただし, いちいち半反応式から作成せずとも, 容易に化学反応式を書くことができる.



錯塩 (錯イオンを含む塩) は, 錯イオンが陽イオンでも陰イオンでも, 錯イオンを先に書く.



例 Na[Al(OH)4 ] テトラヒドロキシドアルミン酸ナトリウム
例 [Zn(NH3 )4 ](OH)2 テトラアンミン亜鉛 (II) 水酸化物