2013年度 FD報告書 - 京都造形芸術大学 通信教育部 サイバーキャンパス

2013年度 FD報告書
2014年9月
京都造形芸術大学 通信教育部
京都造形芸術大学大学院 芸術研究科(通信教育)
2013年度 FD報告書
目次
2013年度FD報告書について
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2013年度 FD報告資料(教務編)
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2013 年度 FD 報告資料(学生支援編)
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2013 年度 FD 報告資料(研究室運営編)
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2013年度 FD報告書について
通信教育とは対面授業と添削を前提とした自宅学習からなる教育プログラムであり、社会人を対象とすることから、変化
し続ける社会状況に絶えず対応しなければなりません。それゆえ、授業の内容や運営方法については教員と職員が一
丸となって日々改善していく必要があります。2013年度も更なる改善を目指して、教育理念や教育目標といった展望、
授業アンケートやサイバーキャンパスを通して寄せられた学生のみなさんからのご意見やご要望をもとに、各コースにお
いて目標を掲げて次年度計画を策定し、学習環境整備のために様々な施策を実施いたしました。全学的にはFD(ファカ
ルティ・ディベロプメント)活動として教育力向上研修会を実施し、教員間での意見交換を図るとともに新たな教授法の開
発に取り組みました。今後についても学生のみなさんにとって実りある教育の場を提供するため、継続してさまざまな活
動を推進してまいります。
報告書は昨年度と同様に教務編、学生支援編、研究室運営編から構成されています。教務編では、学生のみなさんに
ご協力いただいた授業アンケートの集計結果が報告され、続いてスクーリング科目の受講状況やテキスト科目の提出状
況、評価分布をコース別・科目群別にまとめています。こうしたアンケート結果を分析するとともに、その結果は昨年の内
容と比較するなどして教育の質の向上をはかり、より効果的な授業設計や課題内容などの検証に活用されています。学
生支援編では、はじめに学生支援イベントや学習会支援、学生創作研究助成金制度などの実施について報告されてお
り、今後もみなさんの学生生活向上に向けてさまざまな支援を継続していきます。続いて『雲母』やサーバーキャンパス
の利用状況とアンケート調査についてまとめられており、その分析結果は『雲母』の補助教材として機能や、サイバーキャ
ンパスが学生のみなさんにとって有益な学習情報の提供の場として機能しているかなどの検証に活用されています。最
後の研究室運営編では、授業アンケートの分析結果にもとづき、カリキュラム改訂と教材の改善、学生による授業評価
の改訂と活用、特別講義や学習相談会の開催、円滑なカリキュラム運営の取り組みなど、よりよい学びの場を実現する
ための数々の学習支援について報告されています。
近年にみるスマートフォンやタブレットの普及など、従来のインターネットにくわえて通信手段は日々進化しています。さら
に少子高齢化による新しい社会構造における生涯学習の必要性の増加など、日々変化していく環境のなかで通信教育
の持つ役割、社会的責任は大きくなっています。質の高い安定した学びの場を提供することがますます求められる時代
に通信教育の可能性を追求していくことは通信教育部にとって最重要課題だと考えます。今後も学生のみなさんにご協
力いただいた授業アンケートの結果を分析しながら検証を怠ることなく、教職員一同、継続的に改善に取り組んでまいり
ます。
通信教育部FD委員長 金子典正
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2013年度 FD報告資料(教務編)
2013年度 授業アンケート報告
本学通信教育部では、学生の皆さんの授業への取り組みに関する状況と学習全般に関する率直な意見を把握すること
により、各科目における学習内容と指導法の検証を行ない、授業内容をより充実させていくことを目的として授業アンケ
ートを実施しました。2013年度の授業アンケート集計結果をお届けします。
なお、本報告は、本学の学内情報誌『雲母』2014年8月号に掲載されたものです。
アンケート結果をうけて
授業アンケートの結果報告も今年で3年目となりました。まずは自宅学習の合間やスクーリング後の時間を利用してア
ンケートに回答してくださった学生の皆さんに心よりお礼を申し上げます。ご協力いただきありがとうございます。
アンケートの目的は、各授業に対する皆さんの率直な意見を把握するとともに、それらを次年度に反映させて授業を
より充実させていくことにあります。いうまでもなく集計結果は教員たちにとって大変重要なデータです。またアンケート中
の自由記述欄は皆さんの声がダイレクトに教員や事務局スタッフに届く重要なコミュニケーションの場として機能していま
す。そこに記された厳しい意見や学びに対する喜びの言葉は教員にとって授業を振り返るための貴重な材料であり、事
務局スタッフにとってはより良い授業運営に欠かせないものとなっています。
それでは以下、2013年度の授業アンケートの集計結果について報告したいと思います。ここでは全体集計の概要に
ついて述べます。3学科のコースごとの集計結果と考察は各コースのページをご参照ください。
はじめに、皆さんが提出してくださったアンケートの総数は16,478票に及びました。このうちテキスト科目は1,941票、ス
クーリング科目は14,537票でした。これらに対してテキスト科目の総課題数は16,541件、スクーリング受講者数は
19,620人であり、アンケート回収率はテキスト科目が11.7%と低く、スクーリング科目が74.0%という比較的高い結果と
なりました。テキスト科目の回収率が低いことはアンケート実施開始時から続く傾向であり、これは課題提出後にアンケー
トを提出するテキスト科目特有の回答形式が影響していると考えられます。この問題については次年度から改善できるよ
うに通信教育部の教務委員会で検討を開始しています。
次にアンケートの項目を順にみていくと、「Q1. この授業についてどう思われましたか」に設けられた5つの質問に対して
「そう思う」「まあそう思う」という比較的良好と考えられる回答をされた方は、「Q1-1. シラバスは内容が明確でわかりや
すい」「Q1-2. テキストの内容や教材は適切だった」ではテキスト科目、スクーリング科目ともに約8 割に達している数値
が得られ、これは3年連続ほぼ同じ結果となりました。「Q1-3. 教員の添削内容(指導)はわかりやすい」「Q1-4. この課
題は今後の役に立つ」ではテキスト科目、スクーリング科目ともに約9割の方が良好な回答をされた満足度の高い結果
が得られました。「Q1-5. 総合的に見て、授業内容はわかりやすい」においては全体平均でテキスト科目では74.7%、ス
クーリング科目では88.7%の良好な回答が得られました。
こうした集計結果は任意提出のアンケートの結果です。もちろん通信教育部に所属する全ての学生の皆さんの意識を
反映したものではありませんが、満足度の高い結果は毎年のアンケートを分析した我々教員の施策が実を結んだ現れと
受け止め、今後も継続できるように努力していきます。一方、次ページの棒グラフをみてお分かりのように科目やコースご
との集計結果をみると数値に差異が生じています。またシラバスやテキストに関する評価は相対的に低いものとなってい
ます。皆さんから届いた貴重な回答や意見を生かすべく、これらの結果を次年度の取り組むべき改善の検討材料として
真摯に受け止め、すでに教務委員会や各コースにおいて議論が進められています。
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ご承知の通り学生の皆さんには今年度もアンケートの回答をお願いしております。設問は昨年と同様に授業の評価、
自由記述欄、履修の進捗状況や学習目的に分類できます。授業に対する満足度という指標は確かに一定の評価基準
になりますが、一方で「わかりやすい」という評価方法については一部見直しの声があがっています。また履修の進捗状
況の項目などは重複のためか空欄で提出されているものが目立ってきています。先に述べたテキスト科目の低回収率
の問題とあわせて、学生の皆さんの意見や学習の成果が教員や事務局スタッフにより具体的に届くように教務委員会で
は次年度に向けて工夫をしていきます。
授業アンケートは今後の通信教育部の授業内容の向上、皆さんの学習環境向上にとって欠かせないものです。さら
には未来の通信教育部にとって、未来の皆さんの後輩達のためにも大きく役立ちます。これからもご協力のほどよろしく
お願い申し上げます。
教務部長 金子典正
■芸術学コース
毎年この季節になると、授業アンケート(昨年の分)を読ませていただいて、それにたいして、回答なり見解なりを書か
せていただいています。
読ませていただいて、おおむね、授業(スクーリング科目+テキスト科目)は順調に遂行されていると拝察できますが、
なかには個別に問題をご指摘していただいてもいます。わたしが気づきました範囲で以下に書かせていただきます。
テキスト科目において、同一科目を複数の教員が添削や講評を担当している場合、教員間で評価の基準にばらつき
がある、との指摘がありました。評価の基準については、担当者相互のあいだで共通の認識をもつように申し合わせがな
されていますが、それでもまったく一人でおこなった場合と同様になるわけではありません。そういう意味で、ばらつきがで
て仕方がない面があります。科目の特性や目的を再確認したうえで、なにを第一義的に評価すべきなのか、担当者のち
がいをこえて、適正に添削や講評がなされるようにさらに努力しなければならないと考えています。
テキスト科目において、テキストが(さっぱり理解できないほどに)むつかしい、という指摘もいただきました。たしかに、読
むのにむつかしいテキストもあるかと思います。その場合、「むつかしさ」もいろいろあると思います。まず、テキストには「専
門用語」というのがでてきます(美術史の場合ですと、「遠近法」「イコノロジー」「黄金分割」などの用語です)。辞書を丹
念に引くなりして、概念を正確に把握し、用語に慣れていただくしかありません。また、論文調のテキストには、なによりも
論理性が求められます。目で追ってなんとなく感じがつかめるという性質のものではありません。テキストに敷きつめられ
た論理性には、やや複雑で込みいったものもあるかと思います。著者の論理構造にできるかぎり食いついていっていただ
きたいと思います。ちなみに、研究者は作家ではなく、面白い文章を書くとか、リズムがあって読みやすい文章を書くとか、
そういう配慮はなされていないことが普通です。
「授業アンケート」の結果は数値化されて教員のもとにとどきます。わたしたちはそれをおおいに参考にさせていただい
て、授業の改善につとめなければなりません。ただ、日頃から生身で学生と対しています立場からしますと、数値に表れ
ない部分ももちろん重要です。見えないところで、学生と教師が真に有意義な幾度もの交流が生まれていることでしょう
か。数値化されたとて〈食べログ〉ではありません。学生の皆さんには、たんに人の噂とか臆断に迷わされることなく、自分
自身で自分自身の求めるべき学問や研究を見つけだしていってほしいと思います。
また、学問はかならずしも「わかりやすい」ものではありません。常に、明瞭に端正に表れるものではありません。ときには、
歪な形や怪異な姿で表れることもあるでしょう。ただただ衝撃としておとずれることもあるでしょう。それに、研究者はかな
らずしも雄弁家ではありません。どうしても吃音になったりしばしの沈黙がつづいたりすることもあるでしょう。それはむしろそ
の人の誠実さを物語っているのではないでしょうか。「わかりやすさ」の彼方に学問の深淵を一瞬でものぞいていただきた
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いと思います。
以上です。ご協力ありがとうございました。
梅原賢一郎
■歴史遺産コース
2013年度の授業アンケートを拝見いたしました。お忙しいなか、授業アンケートにお答えいただいた多くのみなさんに感
謝申し上げます。
2013年度については、今回のアンケート結果を見ると、授業内容についてはほとんどの科目が、おおむね良好な評価
を頂戴することができたように思います。ただし、一部の授業については、やや厳しい評価がみられ、これについては今後
改善が必要と思われるものもございました。次年度、全学的にカリキュラム改編が行われますが、ご意見を参考に、さら
に修正や改善を進めていきたいと思います。
なお、2013年度に改善を図りました授業のひとつ、「文化遺産学1(文化財学基礎)」であらたに実施した仏像修理工
房の見学については、たいへん好評を得ました。授業内で学んだ知識を実際の現場で確認したり、貴重な文化財がどの
ように修理されていくのかを目の当たりにする機会となり、学生のみなさんも熱心に質問されていた姿を思い出しました。
一方、文化財が並んだ工房スペースは決して余裕のあるものではなく、文化財のすぐそば、ぎりぎりの場所に入れていた
だいた私たちが、不用意な立ち居振る舞いをして事故をおこしては取り返しがつかないと緊張もいたしました。物珍しさや
興味本位だけでない自覚がこうした授業を支えていると思います。お陰さまで無事にしかも実りある授業となったのは、受
講されたみなさんの意識や努力によるところも大きいと思いました。
今後もよりよい授業の組み立て、わかりやすく充実した授業内容をめざして取り組んでいきたいと思います。どうぞ今後
ともアンケートにご協力いただきますようお願い申し上げます。
栗本徳子
■文芸コース
授業アンケートへのご協力をありがとうございました。
文芸コースのスクーリングでは、ワークショップやグループ学習といった授業形式が部分的に取り入れられています。昨
年までは、こうした「参加型」の授業に戸惑いを覚える方が見受けられたのですが、今年は皆さんのあいだに浸透していく
のが感じられました。
「ワークショップは大変でしたが、がんばりました」
「通信制の学生なので、他の学生と交流する時間が少なく、孤立を感じてしまうこともあるので、他の受講生の方の意
見を聞いたり、お話できることはとても貴重な時間だと思います」
「あきることのない授業だった。マイクを回して読ませたり、感想・意見を聞き回るやり方も、適度な緊張感を保つことが
でき、快く授業に参加できた」
といった意見が大半でした。
今年は、授業レベルについての意見がいくつか見られました。
「書き方がわからない人にとっては役に立つと思うが、書ける人にとってはそうでもないかもしれない」
これは「やさしすぎる」という指摘ですが、反対に「むずかしすぎる」というコメントもあります。
「話を聞くことがメインになるので集中し続けなければならず、メモを取りたくても展開が早いため、多少疲れます」
実は、どちらもおなじスクーリング科目についてのコメントです。人気のあるスクーリングなだけに、授業設計の難しさにつ
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いて考えさせられます。難易度については、シラバスの「授業計画」で授業内容が提示されていますので、できればここ
でレベルを把握してください。
テキスト科目のアンケートは回答数が少ないために、貴重な資料となっています。おおむね好意的な感想で占められ
ており、昨年話題になった、原稿への「赤入れ」も自然に受け入れられているようです。
「発想力を試されている課題で、自分でも思わぬ力を見つけられた気がしました」
このような発見をより多くの人に味わってもらえたら幸いです。
今後もアンケートへのご協力をお願いいたします。
中村亮二
■和の伝統文化コース
昨年度(2013年度)の「和の伝統文化」コースが担当する授業に関するアンケートを拝見しました。たくさんの回答を
いただき、ありがとうございました。テキスト科目・スクーリング科目とも概ね好評だったようで安心いたしました。もちろん、
授業あるいはコース運営全体をより良くするための要望や提案等も多々いただきましたので、今後の授業設計や運営に
反映させて行きたいと思っています。
今回のアンケートで比較的多かったのは「シラバス表記」に関するコメントでした。特に本コースでは数多くの学外スクー
リングがあり、しかも寺院や茶室などやや非日常的な場所を訪れる機会が多いのですが、その際の注意点や持参物など
についてもう少し詳細かつ丁寧な案内が必要だというご意見がありました。次年度以降のシラバスは、これらの点に十分
配慮して作成したいと思います。
またこれも主に学外スクーリングに関連する事ですが、集合場所などの「案内地図」がいまいち分かりにくいという指摘
も幾つかいただきました。そういえば確かに昨年度も私自身迷った受講生の方を迎えに行ったことが何度かありました。
この点についても今後出来る限り改善したいと思います。
また例年見られるのは授業内容が「難しすぎる」というご意見です。テキスト科目のレポート課題、スクーリングの実技や
レポート、いずれも難しいと感じる方が少なからずおられるようです。ただ同時に「平易すぎる」、「得るものが少ない」という
意見もありますので、このあたりのバランスは非常に難しいと感じています。ひとくちに「和の伝統文化」と言っても多岐に
わたっていますので、例えば茶の湯の知識は十分有していても舞台芸能については全く知らない、あるいはその逆といっ
たように様々な学生さんが同じ授業を受ける以上、難易度に関する問題はある程度致し方ないことかもしれません。た
だ折角学費と時間を使って大学で学ばれている以上、今後も基本的には初心者に合わせるのではなく一定のレベルを
保った授業を運営していきたいと思います。予習の仕方、勉強の進め方、あるいは内容自体に関する質問はどの教員も
歓迎いたしますので、是非少し難しめの課題にも積極的に取り組んでいただきたいと思います。
今後も常により良い授業を目指すコースにしていきたいと思っていますので、今年度もアンケートにご協力いただきます
ようよろしくお願いいたします。
井上治
■日本画コース
皆さんからのアンケート、今回も姿勢を正して拝読いたしました。日本画は、テキスト科目もスクーリング科目もほとんど
の課題が、数値上では概ね満足していただけているようで、本当に嬉しく有難く感じました。
テキスト科目・スクーリング科目ともに、1、2 年次の皆さんからは、「DVD やシラバスの作品例は課題と同じものにして
ほしい」、「絵具の塗り方や筆運びなど基本的な技術、技法のDVD があるとよい」、また、模写や最初の鉛筆写生のスク
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ーリングなどでは、「ぶっつけ本番で慣れた頃に終わることが勿体ないので、簡単な予習の課題がシラバスにあるとよい」
といった、技術の習得のための資料の充実を望むご意見が多く、通信教育という孤独な状況の中で、皆さんが手探りで
必死に、ご自身の描写力や技術、技法を伸ばしていこうとしている様子が伝わってきて、身が引き締まる思いがしました。
今年度から、1 年次の2 課題の参考作品は課題と同内容のものにしていますが、更に、質・量ともに分かりやすくより実
践的なシラバスを目指して改善していきたいと思います。
また、2、3年次の皆さんからは、制作にはどこまでの写生が必要なのかといった、絵画制作の本質に関わる悩みや戸
惑いが感じられる記述もいくつかありました。このことは、誰もが多かれ少なかれ感じていることと思います。絵には正解が
なく、また、すぐに自分なりの答えが出ないときもあり苦しいところなのですが、日常生活の中でより多くの作品を鑑賞し、
友人・教員をはじめ多くの人とのコミュニケーションを気長にとっていくうちに視野が広がり、感性も自ずと育ってきます。
私たちも、スクーリング以外でも学習相談会や懇親会などを開き、皆さんとじっくりやり取りしながら直接お話ができる機会
を少しでも多く設けていきたいと考えています。
皆さんからのご意見は謝辞も苦言もすべて真摯に受け止め、高評価に甘んずることなく、皆さんがもっともっと描くことに
興味を持ち、そして楽しんで学んでいただけるよう、教員も精進努力したいと思います。今後ともご意見をよろしくお願い
いたします。
佐々木るり子
■洋画コース
2013年度のアンケート回答数は、洋画コーススクーリング科目が美術科総回答数5,500中1,090、同じく洋画コース
テキスト科目が美術科総回答数1,042中291で昨年より5~8%回答数が増えていました。皆さんのご協力を心より感謝
します。
洋画コーステキスト科目のアンケート集計結果は質問項目全体を通じて、【1.そう思う】と【2.まあそう思う】の高評価の
割合が80~95%と昨年を上回り、洋画コーススクーリング科目でも90%平均に向上しています。勿論、個々の課題や
授業の中では、マーク・自由記述には手厳しい指摘箇所も幾分はありますので、それらも無視せず、個々の反省材料と
しても捉えていきたいと考えています。
全体としては、【教員の指導はわかりやすい】、【この講義、課題は今後の役に立つ】、【総合的に見て、授業内容はわ
かりやすい】の項目について、平均的に90%を超える高評価がでており、研究室としても努力してきた甲斐があり一層の
励みとなります。その他では、学習の目的が従来の趣味教養中心から、専門的研究、就職、仕事に活用、資格取得な
どへの志向が増えるなど、皆さんの意識の変化も垣間見え、より一層の責任を感じた次第です。
今回いただいたアンケートを一枚ずつ読み取りながら、自由記述や低評価の部分には、質問票でのやりとりなど、現場
で解決できそうなことも多いように感じました。ともすると遠慮や、成績を心配されてということがあるのかもしれませんが、
決してそのようなことはありませんので、その都度解決できる部分は解決していければと思います。
私たちが教育力を向上させ、皆さんの学習を円滑にするためのアンケートだということを理解していただき、解らぬところ
は訊ね、希望は教員に直接云えるようなフランクな関係を作っていければと考えています。是非これからも皆さんと協力
し合って、洋画コースならではの信頼関係を築いていきたいと願っています。
山河全
■陶芸コース
昨年度に学生の皆さんから提出していただいたアンケートについて報告します。
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テキスト科目ですが、課題の解釈が難しい、シラバスの表現が難しいという意見が少なからずありました。シラバスの表
記については改善していきますが、課題として、簡単に方法なり表現が見つかるものではあまり勉強にはならないと思い
ます。色々調べることや、想像力をたくましくして考えることで自身の個性的な表現につながっていきます。どうしてもきっ
かけがつかめないというのであればサイバーキャンパスに参考例がありますのでそれを見ることもヒントになるかもしれませ
ん。ただあくまでヒントであり、自身の作品は自身で考えてください。また、自宅で作っていくうえで土の乾燥状態の把握が
難しいといった意見もありました。土の管理は大変重要なことですがなかなか言葉で伝えるのは難しい面があります。スク
ーリングでの体験を自宅での学習に生かしてください。土を堅くしすぎて失敗したり、あるいは柔らかすぎて形が崩れたりと
いった失敗もあるかもしれませんが、失敗は成功のもとです。
スクーリングに関しては卒業制作など複数の教員が担当している場合、教員によって意見が違う場合もあります。どち
らが正しいというわけではなく、いろいろな角度から見た場合、これも可能だし、別の方法もある場合があり、いろいろな見
方があるということを理解してください。土は生き物という言い方をする人もいますが、土との接し方でいろいろな反応をし
てくれます。これが絶対正解というものはありません。
3年次の3日間スクーリングには黒陶・楽焼成、釉薬、学外スクーリングなどユニークなスクーリングもありますが、学外
スクーリングは普段の大学では味わえないその土地ならではの制作ができたり、地元の作家の話が聞けたりと魅力的で
あったという意見も多くありました。
また、施設面での改良もアンケートを参考にすることが多々あります。今年度から、悠悠館2階の奥に女子用更衣室を
用意しましたのでご利用ください。
最後に評価基準ですが、テキスト科目、スクーリング科目とも評価は相対的な物でなく絶対評価です。ただ、担当する
教員の視点によって多少の差は出るものですが、同じ科目では評価基準に差が出ないように配慮しています。
今年度も皆さんのご意見を参考にしたいと思いますので、アンケートに是非ご協力ください。
清水六兵衛
■染織コース
アンケートを書いてくださった皆さん、ありがとうございます。アンケートが届くとその都度読んで授業運営に役立ててお
ります。今回あらためて染織コース全体の科目について読み直してみました。率直なご意見や厳しいご指摘など貴重な
ものばかりです。
テキスト科目については、通信教育としてのカリキュラムや課題のあり方を問い直す上で、アンケートが大変重要な情
報となっております。嬉しかったのはQ2に「まったくの初心者で不安に感じていたがシラバスにそって進むと出来上がった。
大変だったが一人ですべてできたことに感激した。(要約)」と書いてくださった人がいたことです。また、「再提出になり辛
かったが力がついたのがわかった。」との記述もありました。皆さんが真摯に課題に取り組む姿が伝わってきて感銘を受
けました。一方で「シラバスの文章でわかりにくい点があった。」「もっと詳しい説明が必要。」「質問票の回答を待つ時間
がなく自分の判断で進めてしまった。」という記述もありました。シラバス等の教材がさらにわかりやすいものになるよう検
討をしていきます。
スクーリング科目については、授業後の高揚した気持ちがそのまま伝わってくるような記述が多くありました。「休み時間
も忘れるくらい没頭した。」「一つ一つの疑問にわかりやすく回答があり理解できた。」「今後の参考にならないことは一つも
なかった。」「他の学生の作品を見たり話しあったりすることができて刺激になった。」等、スクーリングで学べる成果を実
感されていることがわかります。一方で「時間に追われて完成させるだけで精一杯だった。」「技法についての配付資料
があればよかった。」「持参物に不要なものがあった。」「わかりにくいものがあった。」等の記述もありました。授業の到達
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目標と進め方を検証し、シラバスの記述を精査していきます。
卒業制作にも多くの意見をいただいています。3月の卒業制作展には力作が並びますが、制作の途中には様々な苦
労があります。スクーリングで大学に来るタイミングと内容を検討し、学生の皆さんが全力で作品制作に当たれるよう改
善していきます。
染織コースで学ぶ皆さんがより生き生きと取り組めるよう、これからも授業アンケートにご協力ください。
久田多恵
■写真コース
今年も、昨年度の全アンケートが集計されました。皆さんご協力ありがとうございました。テキスト科目のアンケート数は
少ないのですが、スクーリングでのアンケートはたくさん回答していただきました。嬉しいことに2013年度の結果は良好と
いえます。
2012年度以前入学の在学生の皆さんはすでにご存知だと思いますが、2013年度からシラバス表記を一新しました。
それまでのテキスト科目とスクーリング科目に分けた章立てから、両科目を併記させた年次ごとの記載に変更しました。
これによりテキスト課題とスクーリングでの実習の関連が明確になり学習体系がわかりやすくなったと思います。記載内容
や文言の改善もありその結果、学生の皆さんの満足度が上がったと考えています。
美術科の中でも写真コースは、教養としてあるいは専門的研究や現職に生かすために学習している方の多いコースで
す。今後は理解しやすいだけではなく、より専門的で高度なこともカリキュラムに取り込んでいきたいと思います。全体的
に良好で向上しているというアンケート結果でしたが、皆さんの学習の進捗状況は芳しいとは言えません。昨年度よりは
向上していますが、今年は奮起していただきたいと思います。またアンケートで複数の指摘があったことで、特記しておき
たいことがあります。それはスクーリング受講時のマナーのことです。具体的には“ スクーリング中の携帯通話”や“ 授業
とは関係のない質問を教員に問う” などがありました。研究室でも適宜、指摘対応してきますが、授業は皆さんで共学、
共有するものです。皆さんの受講マナーの向上に期待しています。
他にも具体的な要望などたくさんの意見が寄せられました。すでに今年の授業から改善していることもあります。次年度
から2017年度にかけて更なる改編と改善を目指しています。多くの方に将来性を含んだ授業内容とより良い学習環境
を提供して教員と共に写真を究めていきたいと考えています。ご期待ください。
田中仁
■情報デザインコース
スクーリングの最終日、作品制作からプレゼンテーション、合評を終え、お疲れのところ、毎回授業アンケートに丁寧に
お答えいただきありがとうございます。情報デザインは情報を伝える相手の立場に立って考えることが大切だとお話しさせ
ていただいているように、カリキュラム設計や授業計画は学生の皆さんの視点で問題点の改善に取り組むことが大切だと
考えています。しかし、どうしてもコーススタッフ側の視点になってしまいがちですので、この授業アンケートでは我々が普
段見落としがちな点に気付かされることが多く、毎年とても役に立っています。あらためて、皆さんのご協力に感謝しま
す。
2013年度はカリキュラムの大きな変更はありませんでしたので、概ね昨年度同様の良い評価をいただきました。また、
アンケートを見る限りでは大きな混乱もなくコース運営ができたのではないかと安堵しております。しかし、厳しいご意見や
ご指摘がなかったわけではありません。カリキュラムの変更がなかったからこそ、我々が気付かない学生の皆さんならで
はのご意見でした。その中には、シラバスに記載されている課題意図や制作条件、事前課題の内容がわかりにくく、スク
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ーリング受講にあたって不安や戸惑いを感じることがあったとのご意見がありました。グラフィックデザインクラスとイラスト
レーションクラスと二つのクラスを抱え、平面表現から映像・立体表現、アナログからデジタルと幅広い専門領域を持つ
情報デザインコースでは、さまざまな専門用語が飛び交い多種多様な授業内容が展開していますので、言葉の意味や
ニュアンスを揃えることが難しいのですが、貴重なご意見をしっかりと受け止め、今後のカリキュラムやシラバスに反映さ
せていきます。今後とも授業アンケートへのご協力をお願いするとともに、お気付きの点など遠慮なく研究室までご意見
をお聞かせください。
授業の終わりにお願いしているということもあり、授業アンケートの回答数はスクーリング科目に対するもののほうが多く
あります。スクーリングでは授業中の皆さんとの会話や皆さんの表情から授業への思いを感じ取ることができます。ですが、
テキスト科目はそれがかないません。スクーリング科目とテキスト科目が二本柱であってこそ通信教育です。テキスト科
目も皆さんのご意見を踏まえて改善を図っていきたいと思いますので、テキスト科目のアンケートにもご協力くださいます
ようお願いいたします。
上原英司
■建築デザインコース
毎回のテキスト科目の履修やスクーリングの受講に際し、アンケートにご協力をいただきありがとうございます。アンケー
トから読むことができる皆さんからの率直な感想や意見は添削や授業担当教員のみならず、毎月のコース会議でもその
都度確認をし、すぐにフィードバック可能なものについてはできるだけ早急に対応を行うように心がけています。しかしなが
ら、改めて積み重ねられた2,300枚を超えるアンケートシートと年間集計結果を目前にすると、これほど多くの学生の皆さ
んが建築を学ぶということに意欲をもって貴重な時間を費やしていることの重みを実感します。コースではその思いにで
きるだけ応えられるように、社会がいま「建築」に求めるところの役割を俯瞰し、皆さんが「建築」を学ぶことの意義を考え
ながらカリキュラムを構築すること、そして様々なコミュニケーションメディアを活用した効果的な学習環境の改善をこれ
からも継続して検討し、実践していきます。
2013年度について振り返ると、現行のカリキュラムは成熟の域に達したこともあり、全体的な満足度は比較的高いと言
えます。また、ここ数年の経年変化をたどってみてもそれぞれの評価は改善傾向にあるか、高いところで安定しているよ
うです。その中で強いてあげるならば、シラバスについての「わかりやすさ」についてはまだまだ改善の余地があるようです。
「わかりやすさ」が「厚み」に反比例するということではないでしょう。それでも、私がコース運営に参加するようになった7年
前と比較するとシラバスの厚みは2分の1程になった気がします。科目が整理されて授業の絶対数が減少したこともその
一因でしょうが、以前のシラバスは電話帳に例えられるくらい重くてとても持ち運びのできるような代物ではなかった記憶
があります。とはいえ、当時も現在もそうですが、やみくもにダラダラと課題について文章を書いているようなことではありま
せん。唯一の正解や絶対的に正しいアプローチが決してない「設計」のプロセスについて、テキストを読むことでは決して
身につくことのない手法やモノの捉え方を初学者でもできるだけわかるように課題を通して伝えるためにシラバスに盛り込
んできた結果であり、それは履修の仕組みに関する記述についても同様です。シラバス1冊のなかで、「履修の仕組み」
「課題の内容」「学習のポイント」を同時にわかりやすく伝えようとすればするほど、中身が増大し複雑化してしまう。そんな
状況もあり、サイバーキャンパスやWebサテライトを活用して内容を分散、整理することで「読みやすさ」や「わかりやすさ」
について改善を行ってきました。
皆さんにとって学習環境の中心にあるバイブルであるシラバスのあり方については、これから大きな枠組みの中で再構
築していく必要を感じています。もちろん、誤植といった小さなミスの積み重ねで皆さんに迷惑をかけることのないよう十
分に注意をしていきます。教授法についても絶対的な解がない中で試行錯誤を繰り返していきます。
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皆さんの授業アンケートの記述は、テキスト科目、スクーリング科目に関わらず、我々にとっての羅針盤でもあります。
引き続きご協力をお願いします。
岸川謙介
■ランドスケープデザインコース
テキスト科目、スクーリング科目へのアンケートのご協力、まことにありがとうございます。アンケートは学生の皆さんがど
こに満足しどのように改善してほしいのかを吸い上げる貴重な機会として、また、教員が皆さんの履修の進捗状況の概略
を把握する場としても機能しています。アンケート結果の要約を報告します。
テキスト科目については、「シラバスの内容のわかりやすさ」「テキストや教材の適切さ」「教員の添削」の項目において8
~9割が「わかりやすい・まあ分かりやすい」と高い評価でした。テキスト科目の履修状況を年次別にみると、「全て履修
済み、進んでいる」が1年次40%、2年次25%、3年次17%、これに対し、「まったく進んでいない」が1年次11%、2年次
26%、3年次36%と、年次が進むにつれテキスト科目の履修状況が進んでいないことが読み取れます。したがって、ス
クーリングごとに提出を促すこと、不明な点があれば早めに質問票を利用して問題を解決してゆくことを勧めてゆきたいと
思います。
スクーリング科目においても「シラバスの内容のわかりやすさ」「配布資料や教材の適切さ」「教員の指導」「今後役に立
つか」などの項目で8~9割近くの高い評価が得られており、これからも基礎的教育、最新情報の提供など努めてゆき、
学生の皆さんの期待に応えてゆきたいと思います。
最後に、学習の目的についてみると、やはり専門職に就きたい、現職に活用したいという希望が8割近く、この傾向もこ
れまでと大きな差は現れていませんでした。したがって、卒業にむけて専門知識・技術の習得とともに、社会が求めてい
る人材育成を考えた新しいランドスケープデザインの動向を提示してゆきたいと思います。
髙梨武彦
■空間演出デザインコース
空デの皆さん、こんにちは。2013年度もアンケートにご協力いただきましてありがとうございました。おかげさまで多くの
回答をいただくことができました。集計とデータ解析が終了しましたので、気になった点をコメントさせていただきます。
まず、テキスト科目ですが、これについては例年回答数が少なく(2012年度は9件)、コメントに窮することが多かったの
ですが、2013年度は過去最多の回答(24件)をいただくことができました。ただ、そうは言ってもまだまだ回答数は少ない
ためコース全体としての傾向をつかむことは難しいのですが、その24件では「この課題は今後の役に立つ」が87.5%と、全
13コースの中でトップの評価をいただいています。この結果は、空デの学びが皆さんの中にしっかりと吸収されたというこ
とで、研究室一同、大変喜んでいます。しかし、その反面、「シラバス、テキストの内容」の評価は芳しくなく、バランスが悪
い印象を受けます。こうした点については、更に改善していきたいと思います。
次に、スクーリング科目ですが、こちらは概ね例年通りの結果となりました。こちらも「シラバスの内容、配布資料」は、ま
だまだ高い評価をいただけていません。WEB教材も含め、より皆さんにとって最適な学習環境を整えられるよう努力して
いきます。また、自由記述欄に書いていただいているメッセージについては、スクーリング後に担当教員とも共有し、見直
しが必要な点は次のスクーリングに向けて改善を進めています。
最後に、履修の進捗状況ですが、特に1・2年次の遅れが顕著に現れています。これは2012年度も同様だったのです
が、おそらく3年次編入で入学された方が、「最短2年間での卒業」というペースからの遅れを感じておられるのではない
かと推測しています。「スクーリングは順調に進むけれど、テキスト科目が…。」というお話をよく耳にします。もし、そうした
| 11
履修のペース配分で悩みを抱えていらっしゃることがあれば、オープンゼミなどで、直接教員に相談してください。もちろ
ん、その他の質問や悩みも受け付けています。
研究室では、授業アンケートを受けて、皆さんの充実した学びのために、更に努力していきたいと思います。それでは、
今年度も授業アンケートへのご協力をどうかよろしくお願いいたします。
川合健太
■総合教育科目
みなさん、このたびは授業アンケートへのご回答ありがとうございました。4千件を超える貴重なご意見を拝見しましたが、
幸いその多くは授業に肯定的なものでした。それについてはある程度安堵しております。ただ、科目によっては必ずしもそ
うではなく、また授業にそれなりに満足しているとお書きのかたも、同時に授業に関して厳しいご指摘をしてくださっている
こともしばしばありました。いただいたご意見は、真摯に受け止め、教員間で共有して今後の改善に役立たせていただきま
す。
テキスト科目に関しては、丁寧な添削講評を高く評価してくださっているものが多くありました。特に演習系の授業での
指導は好評でした。ただし、講義系、演習系問わず、シラバスの表記についての改善のご要望が目に付きました。課題
で何が求められているかわかりにくい、という点については、シラバスの作成にあたって文言や表現でもう少し工夫ができ
ないか考えさせていただきます。また講評文について、レポートのどこを直せばよいか明記されていない、という声があり
ました。さらにまた、わずかですが誤字や乱筆のご指摘などもいただき、全くお恥ずかしい限りです。文面を介した授業で
は講評の意図を伝えることは最重要の点ですので、正確な日本語はもちろん、評価の根拠については、あらためて教員
間で気をつけさせていただきます。
スクーリング科目について多くご指摘のあったのは、配付資料の不備や、準備物の指示の不足についてでした。通信制
のスクーリングは、かけがえのない授業機会ですので、授業準備段階での遺漏がないよう重々チェックをさせていただき
ます。シラバス記載の授業進行計画が変更されることについても疑問視される方がいらっしゃいました。対面授業では、
学生と教員の生のやりとりが肝心ですので、ある程度はその場での進行変更は必要です。ただ、その場合も、そうした変
更の理由が受講生のみなさんに納得できるような形で変更して参りたいと思います。
みなさんのアンケートは授業向上のために非常に重要です。どうぞ今後ともご協力をくださいますよう、お願い申し上げ
ます。
上村博
■教職課程
アンケートに回答してくださった皆さん、ありがとうございました。
その内容をご紹介すると、スクーリング科目については満足度が高く、教材研究や生徒指導法を実際に学ぶことがで
きた、学生同士の意見交換や交流の機会になったというものでした。特に「教育実習・介護等体験事前指導」について
は、現場のエキスパートによる指導、先輩から直接聞ける教育実習報告も大いに役立ち、意識を高めたというものでし
た。
テキスト科目については、丁寧な添削を通じて、教育について深く考えることができた、実技科目では、頑張ったのに何
度もD評価になったというご意見もありました。美術科の教師には十分な実技力が必要不可欠なので、学生さんの努力
は認めても、実技力向上のためには厳しくせざるをえないことが分かりました。
学生の皆さんからの率直なご意見をいただくことで、教職課程の学習環境を、これまで以上に充実したものにさせてい
| 12
ただきたいと思っていますので、今年度もアンケートへのご協力、どうかよろしくお願いします。
森田実穂
■博物館学芸員課程
いま、アンケートのことを考えながら、ふと思い出したものがあります。その昔、と言っても、20年ほど前のことなのですが、
母校の大学生協の学食のそばの掲示板に貼り出されていた伝言のことで、そこには、お手洗いに鉄製の支柱を取り付け
ました、と書かれてありました。それは、ある学生からのたっての要望に応えた次のような結果報告でした。その学生は、
お手洗いを利用するとき、いつも何かしっかりしたものを掴んで用を足しているのですが、そのときは支柱がなかったので、
とても困っていたのでした。だから彼は、アンケート用紙に支柱を取り付けてください、と書いたのです。そのアンケート用紙
を見た生協の職員はおそらく、これではいけないと、これは大変だと、強く思ったのでしょう。掲示板に私が目にした回答
書には、さっそく取り付けましたので、これからは安心して用を済ましてください、という趣旨のことが書かれてあったと記憶
しています。
さて、先ごろ、この原稿をつづるにあたり、みなさんから届いたアンケート用紙が整理されている小部屋で、一枚一枚、
何が書かれてあるかを確認していて思ったのは、相変わらず、シラバスに関する厳しい意見が多い、ということでした。実
際、少しでも分かりやすく、よりよいシラバスにしようと、さまざまに試行錯誤を繰り返してはいるのですが、なかなかすべて
の方に分かりよいものにはならない、というのが、アンケートから得た実感です。
そこで、これまでの改善の努力のさらなる一歩として、シラバスが分かりにくくて困る、という言葉を、今年からは、お手洗
いに支柱がなくて困る、というのと同等に受け止めて
みれば、どうなるのだろうか、と考えてみました。いわゆるアンケートというものは、大別すると、要望か批判か感謝かにな
りますが、人を動かすアンケートというのは、上述の学生の切羽詰まった声のように、本能的・生理的なものであればある
ほど、受け取る側をかつてなく本気にさせるところがあるのではないかと思うからです。そもそも、お手洗いに対するアンケ
ートと学習教材に対するアンケートは、まったく種類が違うものですし、対処の仕方も違ってきます。それでも、違うもの同
士を並列してみることによって、いままでは考えも付かなかったような劇的な改善が、あくまでも意識のレヴェルにおいて
ですが、あり得るのかもしれないと思うのです。
そのようなことを漫然と想像しながら、今年、その次の年と、シラバスに対するみなさんの要望が一つでも多く、丸くなっ
てゆくことを、心から期待してやみません。シラバスが難しくて窒息しそうだ、とまで書かないとしても、どうぞ今後とも、貴
重なご意見を遠慮なくお聞かせください。
有木宏二
■臨床美術士課程
5 級スクーリングでは「制作が楽しい」「多くの作品が見られた」という声が目立ちました。専門的な美術経験が無いとい
う不安を抱いていらっしゃる方も多いのですが、スクーリングを通してその不安感も和らいでいっていると感じられます。5
級テキスト科目ではレポートの書き方が難しいという声が多くありました。レポートにまとめるというと難しく感じますが、自分
の考えを整理する機会と思って書いてみてください。また通信教育という仕組みで学習することへの不安も多くありました。
もっともなことです。対面で学ぶ機会は限られますが、分からないことは「学習に関する質問票」(『学習ガイド 2014』
p.289)やメールで研究室に問い合わせ(詳細は『学習ガイド 2014』pp.164~168 をご参照ください)、繰り返し制作する
などして内容をよく消化するようにしてみてください。シラバスの内容はより分かりやすいものとなるよう検討し毎年更新し
ていきます。
| 13
4 級スクーリングではロールプレイングが良かったという声が多くありました。実施する立場に立つと急に難しく感じるもの
ですが、講師による具体的な実践の話なども貴重な情報となっているのではないでしょうか。4 級の学習は年度末に向
けてタイトなスケジュールですが、セッションの基本を実習の繰り返しの中で学んでいっていただければと思っています。
秋山一郎
| 14
【資料:2013 年度授業アンケート集計結果】
■調査方法等
[調査方法]記述式アンケート
テキスト課題の添削返却時にアンケート用紙を同封、スクーリング科目の授業終了時、それぞれにアンケート用紙を配
布・回収(授業終了時、窓口提出、郵送、FAX など)
[実施期間]2013 年 4 月~2014 年 3 月 20 日【必着】
■対象および回答科目群・回答数
[対象]2013 年度通信教育課程学習者
[回答科目群・回答数]
科目群
総合教育科目
教職科目
博物館学芸員科目
臨床美術士科目
大学院科目
学部共通専門教育科目
芸術学科共通科目
芸術学
歴史遺産
文芸
和の伝統文化
日本画
洋画
陶芸
染織
写真
アニメーション
情報デザイン
建築デザイン
ランドスケープデザイン
空間演出デザイン
合計
テキスト科目
467
25
11
49
31
568
67
40
47
64
6
170
107
43
65
55
5
37
26
34
24
1,941
スクーリング科目
3,531
25
142
108
107
995
240
156
228
1,015
610
571
527
763
55
1,374
2,171
887
1,032
14,537
アンケート項目は、「Q1. この授業についてどう思われましたか」「Q2.今後の参考のため、この授業で良かったとこ
ろ、難しかったところ、困ったところなど、お気づきの点がありましたら具体的にお聞かせください」(自由記述)「Q3.
通信教育部での学習全般についてお尋ねします」についてでしたが、集計結果としては、「Q1. この授業についてど
う思われましたか」を科目群ごとのものを掲載します。
| 15
[テキスト科目] Q1-1.シラバスは内容が明確でわかりやすい
[テキスト科目] Q1-2.テキストの内容や教材は適切だった
| 16
[テキスト科目] Q1-3.教員の添削内容はわかりやすい
[テキスト科目] Q1-4.この課題は今後の役に立つ
| 17
[テキスト科目] Q1-5.総合的に見て、授業内容はわかりやすい
[テキスト科目] Q1-6.準備や事前学習を含め、授業にしっかりと取り組めた
| 18
[スクーリング科目] Q1-1.シラバスは内容が明確でわかりやすい(WEB 教材含む)
[スクーリング科目] Q1-2.配布資料や教材は適切だった
| 19
[スクーリング科目] Q1-3.教員の指導はわかりやすい
[スクーリング科目] Q1-4.この講義、課題は今後の役に立つ
| 20
[スクーリング科目] Q1-5.総合的に見て、授業内容はわかりやすい
[スクーリング科目] Q1-6.準備や事前学習を含め、授業にしっかりと取り組めた
| 21
2013 年度版 FD 報告資料(学生支援編)
2013 年度の学生支援に関する FD 活動は、昨年度と同様に、学習支援及び教育相談、学習会及び学生創作研究
助成金制度の実施、学生支援イベントの開催を中心におこなわれた。
まず学習支援として、学習補助教材『雲母』については、前年度からの発行方針・企画内容に変更はなかった。今年
度より、瓜生山同窓会入会の卒業生には全員送付していたものを希望者のみとしたが、1,400 名程度の発送数だったも
のが 300 名弱となった。大きく数が減少したことになるが、これは『雲母』送付を登録制にすることにあわせ、サイバーキ
ャンパス上に電子(PDF)版『雲母(デジタルキララ)』を公開したことも大きな要因と考えられる。スマートフォンなどの携
帯端末でどこでも手軽に見ることができるということで、卒業生・修了生だけでなく在学生からも好評を得ている。
『雲母』「サイバーキャンパス」の学生の利用状況については、昨年に引き続きアンケートを実施した。
『雲母』については、「毎号読む」という学生が 9 割を超える高い講読頻度となっており、満足度が保たれていることが確
認された。
「サイバーキャンパス」の利用頻度は昨年度をさらに上回る約 8 割の学生が月 1 回以上閲覧しており、毎日利用すると
いうヘビーユーザーが 1 割弱も存在する。満足度も「やや不満足」「不満足」が約 1 割まで減少し、2011 年度の大幅な
リニューアルによる新しいサイバーキャンパスは概ね学生に受け入れられ軌道に乗ったと言えよう。今後もさらなるコンテ
ンツの充実を目指し、学生のニーズに耳を傾けていく。
学生から寄せられる質問・教育相談などの問い合わせは、インターネットの普及により電子メールの比率が高まってい
る。電子メールによる問い合わせへの回答方法は、今年度開設した芸術教養学科(卒業までの全カリキュラムをインタ
ーネットで履修する)のプラットフォーム airU 上の相談窓口(コンシェルジュ)と既存学科・大学院とで共有しているが、今
後、さまざまな問い合わせ内容により迅速により適切な対応ができるよう更に検討を進めていく。
全国各地の学生が自主的に組織する学習会への支援として、今年度は 18 件の教職員の派遣をおこなった。担当し
た教職員からは、学習意欲向上の契機となっていると学習会支援の大切さが報告されている。今後も『雲母』「サイバー
キャンパス」での活動内容紹介、教職員派遣など学習会活動をフォローしていく。また、学生の創作・研究を支援する学
生創作研究助成金制度は今年度も継続し、2 件について助成金が交付された。
学生支援イベントについては、例年通り「卒業生・修了生全国公募展」「瓜生山懇親会」などの夏期スクーリング期間
中の催し、「秋の収穫祭」「東京懇親会」を学生交流の場作りを目的として実施した。第 4 回目となる全国公募展は 68
作品(65 名)が入選、8 日間の会期中に述べ 1057 名の来場者となった。最終日の受賞作品発表の場でもある「瓜生
山懇親会」には約 180 名の方が参加され、短い時間であったが、出品作品を囲んで在学生と卒業生・修了生、そして
教職員との交流の場となった。本展覧会の企画・展示は学芸員課程(科目等履修)の博物館実習のスクーリングとして
おこなわれ、実際の展覧会を通した実践的な授業内容として特色のある授業となっている。併催された「学長特別講
義」では、本年度から学長に就任された尾池和夫学長に「日本列島の自然」をテーマにご登壇いただいた。参加者は
90 名。
「秋の収穫祭」は、太宰府市、大阪市、山形市の三都市で開催され、75 名の方に参加していただいた。山形市では本
学姉妹校の東北芸術工科大学で東日本大震災について考える企画を開催、未だ終わらぬ東北の復興は今後も収穫
祭の重要なテーマとなるであろう。東京懇親会は、千住博藝術学舎長による特別講義に約 160 名が参加。次年度も継
続して開催する予定である。
その他、緊急時の対応および連絡体制の整備が次年度にむけての課題となっている。より安全な学びの環境作りを目
指し取り組んでいく。
通信教育部学生部長 上原英司
| 22
・学生の属性情報
2013 年度在籍者は、通信教育部 5,739 名、大学院修士課程 176 名、科目等履修生(学部)157 名、
合計 6,072 名。
2013年度在籍者数一覧
■通信教育部芸術学部
区分
(本科・交流校)
コース
芸術学
歴史遺産
文 芸
和の伝統文化
日本画
洋 画
本科
本科
本科
本科
本科
本科
阿佐ヶ谷美術専門学校
合計
本科
本科
本科
本科
本科
京都芸術デザイン専門学校
創形美術学校
情報デザイン
長野美術専門学校
阿佐ヶ谷美術専門学校
合計
建築デザイン
本科
ランドスケープデザイン 本科
空間演出デザイン 本科
芸術教養学科
本科
総 合 計
陶 芸
染 織
写真
アニメーション
学習者
396
296
199
212
450
349
7
356
184
273
223
25
424
8
16
2
3
453
718
242
261
581
4,869
2005年度生~2013年度生
在籍者
休学者
(学習+休
学)
89
485
61
357
40
239
23
235
72
522
45
394
0
7
45
401
24
208
44
317
47
270
8
33
116
540
1
17
0
2
0
3
0
8
117
570
186
904
50
292
64
325
581
870
5,739
左記のうち
卒業者
39
35
24
5
44
38
0
38
40
28
15
2
20
4
8
1
0
33
50
30
17
400
■大学院芸術研究科(通信教育)芸術環境専攻(修士課程)
領域
芸術環境研究
美術・工芸
環境デザイン
分野
学習者
芸術学
歴史遺産
文芸
芸術環境計画
日本画
洋画
陶芸
染織
建築デザイン
25
11
8
18
17
28
7
3
35
1
14
167
庭園・ランドスケープデザイン
日本庭園
総 合 計
2010年度生~2013年度生
在籍者
休学者
(学習+休
学)
1
26
2
13
0
8
2
20
1
18
0
28
1
8
0
3
2
37
0
1
0
14
9
176
左記のうち
修了者
6
3
1
4
13
11
8
2
19
4
0
71
■科目等履修(学部)
名称
卒業後資格履修(教職)
特修生
学芸員課程
臨床美術士(4・5級)課程
総 合 計
在籍者
3
8
95
51
157
| 23
・通信教育課程における学習支援・教育相談
1.2013 年度の『雲母』について
発行方針・連載企画内容について前年度から変更・追加等がなかったこともあり、編集委員会において議論となる案
件も特になかった。あえて特記事項をあげると、それまで通信教育部卒業生で瓜生山同窓会に入会した者には全員に
定期送付していたのを、2013 年度より希望者のみ送付(1 年毎の更新制)とした。
2012 年度最終号(2013 年 3・4 月号)に「継続送付希望アンケート」を同封して希望者を募ったが、それまで 1,400
名程度の発送数だったものが 300 名弱となった。
2.2013 年度のサイバーキャンパスについて
瓜生山同窓会会員への『雲母』送付を登録制とすることにあわせ、2013 年度より、デジタルキララ(『雲母』誌面の
PDF)を、全ページ分サイバーキャンパスに表示することとした(それまで巻末投稿欄等は未掲載)。卒業後もサイバーキ
ャンパスのログインアカウントは有効であるため、冊子が送付されなくても情報を得ることができるようにするための対応で
あったが、スマートフォンやタブレット等で外出先からサイバーキャンパスを閲覧する者も多いようで、在学生からも好評
を博した。他のコンテンツ等は前年度から変更なし。
(付記)
・2013 年度の『雲母』・サイバーキャンパス利用アンケート調査を、『雲母』2014 年 3・4 月号(2013 年度最終号)に調
査票を同封して実施した。調査結果は、『雲母』2014 年 8 月号(7/25 発行)に掲載する。
3.学生から寄せられる問い合わせ等
2013 年度、卒業までの全カリキュラムをインターネット上で履修する芸術教養学科が開設された。当然、事務局への
質問・問い合わせ等も原則として電子メールによって行われる。芸術教養学科では、履修のプラットフォームとなる airU
上に相談窓口となる「コンシェルジュ」を設けているが、既存 3 学科や大学院においても、電子メールによる質問・問い合
わせは、Mail Dealer(昨年度の本報告書に記載したメールグループウェア)により、芸術教養学科と同様の対応を取って
いるため、効率的に処理できている。
・学習会、学生創作研究助成金制度
1.学習会について
従来からの学習会活動支援を踏襲した。一定の基準を満たす活動(学習生が 10 名以上参加する学習会)に対して、
学習会からの要望に基づき教職員派遣(業務出張)を実施した。2013 年度は教職員派遣申請を 20 件受け付けし、こ
の内 18 件の申請に対して教職員を派遣した。
教職員派遣を行った場合には、「学習会教職員派遣交通費精算書兼報告書」の提出を、対応した教職員に求めてい
る。学習会での指導内容や成果、学習会の今後の展開等についての報告を、これからの学習会対応に反映させている。
担当した教職員からは、学習会支援の大切さが報告されている。「テキスト課題の学習会や、デッサン会など、会員同士
で学習の補完に役立てている。」「卒業生・上回生から新入生へのアドバイスが実りあるものとなっている。」「(学習会は)
院生の研究意欲をより深く刺激する効果があるように感じる。」「教員の参加により、各自の置かれた課題を見直し、新た
な目標に向けての意欲が生まれる契機となったのではないか。」「(学習会は)月一度の交流の場として、お互いの現在の
情報交換や、OBOGの近況報告の場としても有意義であろう」
教職員派遣を受けた学習会には、「学習会教職員派遣報告書」の提出と、『雲母』「サイバーキャンパス」への投稿を
| 24
求めている。活動内容を公開することは、他の学習会の参考にもなるであろうし、学習会未加入者の学習会への参加を
促すことにもつながる。2013 年度は『雲母』「サイバーキャンパス」への投稿が 15 件(未投稿 3 件)あった。
通信教育部開設当初に活動を開始した学習会で、今でも現役学生が一定数以上参加していて、活動が継続されて
いる団体が幾つかあるが、東京・名古屋・大阪等の大都市圏中心である。在学生数も多い関係で自然な流れではあるが、
北海道など地方で活動している学習会についても、フォローする必要性を感じている。通信教育部で卒業を目指すため
には、学習を「コツコツと継続させる」ことが重要である。学習会への参加は、孤独に陥りがちな学生のサポートに繋がる。
学習会は学生の自主的活動ではあるが、その活動をサポートすることは学習意欲の活性化にもつながる。47 都道府県
に住んでいる学生を、漏れなくフォローするための効果的な方策の立案は困難であるが、学生が自主的に参加している
学習会での学生間交流は、学習継続率を高めることにつながると思われる。
2.学生創作研究助成金制度について
2013 年度の学生創作研究助成金制度は 4 件の応募があり、6 月度の学生委員会にて審査し、結果 2 件が採択さ
れた。最終的な助成金額は、「実施報告書」をもとに 2014 年 2 月度の学生委員会にて審査を行い決定した。
・申請件数:4 件(個人申請 3 件、グループ申請 1 件)
・申請者所属(グループ申請の場合は代表者):修士課程 3 件(芸術環境計画分野 1 件・洋画分野 1 件、建築デザ
イン分野 1 件)、通信教育部 1 件(ランドスケープデザインコー
ス 1 件)
・採択件数:2 件(個人申請 2 件)
・採択者所属:大学院(建築デザイン分野 1 件、通信教育部 1 件(ランドスケープデザインコース
1 件)→最終助成件数:大学院(建築デザイン分野 1 件、通信教育部 1 件(ランドスケープデザインコース 1 件)
・審査委員:金子典正、久田多恵、松井利夫、大西宏志、中路正恒、有木宏二、梅原賢一郎、高梨武彦、田村蘊(以
上、学生委員会)
・審査ポイント:①企画内容の質の高さ、②地域への波及効果、③予算計画の具体性、④申請書全体の完成度 等。
以上の点に留意し、総合的に評価した。
2013 年度採択申請一覧
件数
1
2
内容
申請内容
福島県二本松市の空と風景調査・研究
対象地域
福島県二本松市
申請者
通信教育部 ランドスケープデザインコース ※個人申請
助成金額
34,000 円(申請金額:34,000 円 → 助成暫定金額:34,000 円)
申請内容
おかしなまちのおかしなおみせ―まちづくりワークショップ―
対象地域
石川県金沢市
申請者
大学院 建築デザイン分野 ※個人申請
助成金額
98,000 円(申請金額:98,000 円 → 助成暫定金額:98,000 円)
助成合計金額
132,000 円(申請金額:132,000 円 → 助成暫定金額:132,000 円)
※一次審査で不採択 2 件
1.『サウンドスケープ』(大学院 芸術環境計画分野)
2.『それぞれの現在展 かたちの気配―消せないかたち』(大学院 洋画分野)
| 25
学生支援イベント(夏期スクーリング期間中の催事(全国公募展他)、秋の収穫祭、東京懇親会)
1.夏期スクーリング期間中の催事(全国公募展他)
卒業・修了後も芸術に関わりを持ち、各地で制作・研究活動を継続させられる人材を育てることは、通信教育課程の
目標の一つであり、卒業生・修了生が制作・研究活動に打ち込んでいる姿を在学生に見せることは、大きな教育効果も
期待できる。「京都造形芸術大学通信教育課程 卒業生・修了生全国公募展」は博物館学芸員資格課程(科目等履
修)のスクーリング(「博物館実習 2」8/10(土)~8/14(水))としても位置づけられている。作品の搬入から展示作業ま
で一連の作業を、実際の展覧会を通して経験することは非常に有意義であり、教学面からもこのスクーリングは重要であ
る。以上の理由により、2010 年度から連続して「卒業生・修了生全国公募展」を開催している。
全国公募展の応募を募るための広報活動は、『雲母』「サイバーキャンパス」を中心に実施している。最終的に 79 作
品(65 名)の応募があった。通信教育部学生委員会が応募資料(完成作品の写真等)を元に審査を行い、68 作品(65
名)が入選した。
入選作品の種別としては、コンペ部門では洋画や日本画の平面作品(44 作品)、陶芸等の立体作品(15 作品)が多
く、タペストリ・着尺(6 作品)、文芸(1 作品)となり、建築デザインやランドスケープデザインの模型、設計や、映像作品の
応募はなかった。デザイン系分野出身者を念頭に置き設けているカテゴリーについて、前年度に続いて応募がなかった。
本年度から設けた展覧会公式ポスターについても応募がなく、次年度以降この分野をどのように取り扱うのか検討する
こととなった。
また、計画系・研究系の応募を促すために、2011 年度に設けた「ポスターセッション部門」には 2 件の応募があった。
卒業生の中には在学中から盛んに制作活動を行い、卒業後も継続して個展・グループ展を開催している者も多く、そ
のことは、『雲母』「サイバーキャンパス」に、展覧会や受賞報告等の多数の投稿が寄せられていることからも窺える。しか
し、それと比較すると本公募展への応募は少ない様に思われる。誰からも応募してみたい、と思われるような魅力のある
企画としなければ、今後も継続させることは難しいことが予測される。
本公募展の来場者数は、8 月 17(土)から 8 月 24 日(土)までの 8 日間の会期中、延べ 1057 名、一日平均 132.1
名であり、過去 3 年間よりも 1 日当たりの入館者は増えている。大学が決定する「賞」(大賞/1 名、優秀賞/2 名)は、展
示作業が終了した 8 月 15 日(金)から 8 月 18 日(月)までの間に、通信教育部教員が審査し決定した。「来場者賞」(2
名)は、展覧会期間中の来場者による投票で決定した(有効投票数 1049 票)。受賞者全員に、展覧会最終日に開催
した「瓜生山懇親会」の場で賞状・賞金を手渡した。
「瓜生山懇親会」の参加者は約 180 名であった。展覧会に出品した卒業生・修了生も多く参加していたため、自身の
作品についての説明や教員からの作品解説もあり、楽しく過ごせた 1 時間であったと思われる。なお、夏期スクーリング
期間中には、上記以外にも毎年実施している「学長特別講義」を開催した。本年度から学長に就任された尾池和夫学
長にご登壇いただいた。「日本列島の自然」をテーマに
熱く語っていただき、参加者は 90 名。
2.秋の収穫祭
2013 年度は、太宰府市、大阪市、山形市の 3 市で開催した。最初の開催は太宰府市。九州国立博物館の常設展
の楽しみ方についての特別講義と、一定数の参加が見込めるワークショップの開催。本学の大阪での拠点である「大阪
サテライトキャンパス」での開催も恒例となり、一定の集客も見込めることから、次年度も開催したい。本学姉妹校の東北
芸術工科大学では東日本大震災について考える企画を開催した。開催地は違うが、3 年連続で「3.11」について考える
企画を開催したことになる。東北の復興はまだの状態であり、今後も継続してこのことを考え続けたい。
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開催地区
九州地方
近畿地方
東北地方
2012 年度
11/2(土)(太宰府市)
11/3(日祝)(大阪市)
11/16(土)(山形市)
大阪サテライトキャンパス
東北芸術工科大学、山
公開講座
会場
懇親会
九州国立博物館
形藝術学舎
開催(福岡市内)
開催なし
・九博で美を味わう―展 ・大阪の芸能―義太夫
示室の歩き方」
内容
公開講座
の世界
・「点描で秋を味わう」
開催(山形市内)
・東北芸術工科大学 キ
ャンパスツアー
・「3.11 後の東北で美術
を学ぶといこと。-「ともに
合計
つくる」から考える」
田村薀(空間演出D)
梅原賢一郎(芸術学)
松 井 利 夫 ( 芸 術 環 境 計 井上治(和の伝統文化)
金子典正(芸術学)
上田篤(空間演出D)
画)
担当者
河野一隆(九州国立博物 竹本友香(女流義太夫演 宮本武典(東北芸術工科
館)
奏家(語り))
大学)
鶴澤津賀榮(女流義太夫
演奏家(三味線))
受講生
公開講座
25 名
41 名
懇親会
13 名
-
キャンパスツアー6 名
公開講座 9 名
5名
75 名
18 名
3.東京懇親会
12 月 7 日(土)に、東京サテライトキャンパスにて恒例となっている東京懇親会を開催した。本年度は 2 部構成で実
施し、通信教育部の学生と卒業生、約 160 名が参加した。第 1 部では、千住博藝術学舎長による特別講義と、「一汁
一菜の器プロジェクト」実施報告を計画していたが、千住博藝術学舎長の講義が予定時間を大幅に超える熱のこもった
ものとなり、「一汁一菜の器プロジェクト」実施報告は次年度へ持ち越しとなった。第 2 部は立食パーティーを実施した。
実施する時間帯も考えて、乾き物に缶ビール、ソフトドリンクといったカジュアルなものを用意した。また、少しでも東北の
支援になればと、東北地方の名物も、昨年度に引き続き用意した。
例年、12 月の第 2 日曜日に東京地区で入学説明会を開催する。この説明会にはコース教員と資格課程担当教員
が出席するため、説明会の前日に東京懇親会を実施している。京都では 8 月の瓜生山懇親会、12 月は東京懇親会と、
京都と東京での開催もルーチン化しており、在学生、卒業生へも浸透しており、次年度も学生募集のスケジュールに変
更がなければ、東京懇親会はこの時期に開催したい。
| 27
【資料:『雲母』・サイバーキャンパス利用アンケート調査報告】
1.調査方法:以下の二つの方法で実施
(1)アンケート調査票(A4 用紙):『雲母』2014 年 3・4 月号合併号(2 月 25 日発行)に同封
(2)アンケート調査フォーム:実施期間中サイバーキャンパス(事務局からのお知らせ)に開設。
[実施期間]2014 年 2 月 25 日(火)~4 月 25 日(金)
①回答者の所属と回収結果
2.『雲母』講読頻度
① 購読頻度
| 28
② 満足度[総合]
③ 満足度[コース別]
| 29
3.サイバーキャンパス利用状況
① インターネット環境の有無
② 利用頻度
③ 満足度[総合]
| 30
④ 満足度[コース別]
| 31
2013 年度版 FD 報告資料(研究室運営編)
2013 年度各研究室と教務グループの FD に関する取り組みは、2011 年度から継続して以下 4 点を挙げる。
① カリキュラム改訂と教材の改善
② 学生による授業評価(授業アンケート)の改訂と活用
③ 特別講義や学習相談会等、通信教育特有の自宅学習をフォローできる仕組みの充実
④ 講師会や授業事前打ち合わせによる円滑なカリキュラム運営の取り組み
カリキュラム改訂と教材の改善
・芸術学科では、より効率的で体系的な指導および授業運営を行うため、芸術学コース、歴史遺産コース、和の
伝統文化コースにおける「論文研究1」および「論文研究2」の二科目を、3 コース合同での開講として 2 年目とな
り、「卒業研究」も 2013 年度より合同開講となった。コースの内容に依らない柔軟なクラス分けによって学生の研
究テーマに最適化された運営となり、今回初めてこの開講形式での卒業生を排出した。
・芸術学科では、一つのコースに限らず、他のコースにおいても学生に有用な授業内容であると思われる科目は、
複数のコースでの合同開講とし、より幅広い学生に授業を提供できるようにした。
・芸術学科では Web を利用した授業について、社会人にとって利便性が高い一方、PC の扱いに不慣れな学生に
とってはハードルが高く、受講生が減少している状況を鑑み、対面式の授業に改変を行った。
・美術科では写真コースで使用しているテキストを改訂し、DVD で配布した。
・デザイン科では、10 講時の対面授業と事前課題 5 講時でスクーリングを構成している。学生への事前課題の教
材提供について、デザイン科全コースで Web サテライトを活用するよう、情報デザインコース、ランドスケープデザ
インコース(1.2 年次)についても準備、実施が行われた。
学生による授業評価(授業アンケート)の活用について
2011 年度より教務委員会が主体となり、テキスト科目・スクーリング科目それぞれについて、各科目の学習内
容と指導方法の具体的な検証のため、アンケート調査を行っている。2012 年度より改訂されたアンケートについて、
授業内容の影響度をコースごとに相関分析を用いて継続して評価を行っている。また 2013 年度より、卒業時のア
ンケート調査を実施し、卒業する学生の満足度をカリキュラムに反映することとした。
全体平均をひとつの基準として結果を見てみると、コースごとに「授業の総合評価への影響度は高いにも関わら
ず、満足度が相対的に低いもの」にばらつきが見られた。アンケートの集計結果は各コースの改善すべき項目のプ
ライオリティをある意味反映していると捉えられ、今後の授業内容の改善に活かすことができると思われる。集計結
果だけを取り出してそこから全体に関わるような問題点を抽出することは難しいが、全体を通して見えるコースごと
の特徴を、それぞれ授業改善のための施策を検討する際の判断材料のひとつとして活用できる。経年変化を見る
ためにも、引き続き同様の方法で授業アンケートの実施を進める。
アンケートの回収、取りまとめについては、昨年度から引き続き、テキスト科目については大学窓口に設けた回収
箱での回収、郵便・FAX による回収を行っているため、2 ヶ月ごとに事務局にてアンケートを取りまとめており、スク
ーリング科目については、授業終了時に回収している。その後、教務委員会で集計を行い、アンケート全体から抽
出された改善点等を各研究室と共有し、研究室において更に分析・改善が行われている。すぐに着手できる事案
であれば次回スクーリングから改善し、大きな見直しが必要な場合は次年度での改善に向けて年度計画策定時
| 32
に検討し、反映させている。テキスト科目のアンケート回収率の改善については教務委員会で検討し次年度に向け
て改善策を提案している。
学習相談会、特別講義、見学会などの開催
各研究室では、学習相談会や特別講義など、スクーリング時以外にも学生が直接教員に学習相談ができる機会
を設けている。
■2013 年度大学院(領域別)、学部(コース別)の実施状況
<学部>
学生数(併修生除く)
特別講義
在籍者
休学者
学習者
京都
学習相談会
東京、他
京都
その他*
東京、他
京都
東京、他
回
人数
回
人数
回
人数
回
人数
回
人数
回
人数
総合教育
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
教職課程
―
―
―
―
1
12
―
―
―
―
―
―
臨床美術士
―
―
―
―
1
1
1
1
―
―
―
―
学芸員課程
―
―
―
―
1
2
1
1
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
2
10
―
―
―
―
―
―
―
―
1
32
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
芸術学
369
77
446
1
歴史遺産
280
43
323
―
文芸
199
26
225
1
和の伝統文化
235
34
269
―
―
―
―
―
―
―
日本画
444
61
505
―
―
―
―
―
―
2
20
―
洋画
338
46
384
―
―
―
―
3
61
1
3
2
陶芸
166
25
191
―
―
―
―
2
3
―
―
―
―
―
―
染織
266
41
307
―
―
―
―
2
3
―
―
―
―
―
―
写真
232
53
285
1
30
1
40
1
7
1
5
4
20
4
13
情報
520
117
637
1
15
1
30
3
20
3
20
1
20
1
10
建築
705
200
905
2
130
2
120
3
60
3
61
15
35
15
35
ランド
232
64
296
2
70
3
140
1
6
1
3
―
空間演出
266
78
344
―
1
25
2
15
1
10
11
50
11
61
4,252
865
5,117
6
10
375
20
190
14
124
33
215
34
161
総合計
15
―
15
―
245
2
20
90
―
―
―
*課題説明会、合評会・研究発表会、見学会、情報交換会等
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<大学院>
学生数
特別講義
在籍者
休学者
学習者
京都
学習相談会
東京、他
京都
その他*
東京、他
京都
東京、他
回
人数
回
人数
回
人数
回
人数
回
人数
回
人数
芸術環境研究領域
60
4
64
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
美術・工芸領域
56
3
59
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
―
環境デザイン領域
48
4
52
―
―
―
―
―
―
―
―
1
10
1
10
164
11
175
0
1
10
1
10
総合計
0
0
0
0
0
0
0
*課題説明会、合評会・研究発表会、見学会、情報交換会等
2013 年度、研究室主催の学習相談会や特別講義などは、学部で開催数総計 117 回、参加人数総計は
1310 人となり、昨年の 164 回開催、1613 人と比較すると、開催回数は 17 回減少し、動員数も約 303 名下回る
結果となった。 動員数を減らしている学習相談会については、どの点において学生のニーズに合わないのかを検
証し、社会人学生の学習サポートができるよう開催時期、時間帯、開催内容を再検討する。
一方、大学院は主催となる学習相談会や特別講義は 2013 年度は行っていない。一部の領域ではスクーリング
で実施する合評会の一般公開も行っており、本学通信教育部を広く周知すると共に学生募集の面においても効果
的である。
講師会、授業事前打ち合わせの実施
■講師会
各研究室では年度末から年度初めにかけて、主に非常勤講師を対象として開催し、コースの教育方針の共有、ス
クーリングの運営方法、テキスト科目課題の添削方法等、円滑な授業運営を行うために必要な情報の共有、問題
点の確認などを行っている。コースによっては期中においても、科目群毎あるいは授業形態毎に適宜開催し、問題
点の早期解決、次年度へ向けた改善点の確認、意見交換を行っている。
■科会議、研究室会議
教育方針に沿ってカリキュラム運営が適切に行われているか、科内での統一を図るため、概ね月 1 回、科単位で
会議を行っている。代表教授会での報告事項、審議事項の周知、各コースからの提案に対する科としての取り組
みについて討議、運営業務に係る情報共有の場となっている。研究室会議についても定期的に開催しており、科
への提案事項の検討や情報の共有、コース所管科目運営上の問題解決策を検討するなど、年度計画策定にと
って核心的な協議の場となっている。
■授業事前打ち合わせ
新規開講科目については、テキスト科目、スクーリング科目とも授業内容や授業進行、評価基準について打ち合
わせ・確認を行っている。また、開講後も必要に応じて適宜打ち合わせの場を設けている。また、複数開講の科目
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については、授業内容や評価基準に齟齬の出ないよう、事前打ち合わせで確認している。
テキスト科目においては、新規担当教員には、過年度の当該科目や関連科目の添削事例や試験問題を確認して
もらう。当該科目を所管する研究室の教員および事務職員より、通信教育での授業の大半を占めるテキスト科目
の特性と運営上の注意事項について、シラバスやテキスト、『添削・採点のしおり』などを資料としながら説明を行っ
ている。また、科目担当教員とは別に添削担当教員がいる場合には、添削や評価の基準設定や添削内容の平準
化のための打合せを行う。
スクーリング科目においては、教員間での情報共有を徹底し円滑な授業運営を行うため、担当教員、スクーリング
アシスタント、事務職員にて授業進行、機材や資料、学生情報などについて入念な打ち合わせを行っている。新
規担当教員については、事前にスクーリング見学なども行っている。
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