「ぽ∼れ ぽ∼れ 」通巻 415号付録 ●2015年 2月25日発行 「ぼけ 」ても安心して暮らせる社会を Contents 1 ♢ 表紙 ♢ 中四国ブロック会議に参加して ♢ 地区だより ∼岡山地域から∼ 4 ♢ 認知症介護家族交流事業in勝央町 5 ♢ 岡山県民公開医療シンポジウム報告 6 岡山県支部版 ♢ 2017年ADI国際会議開催を目指して 7 No. 173 2015. 2 ♢ ニュース短信 8 ゆっくり、やさしく、おだやかに pole-pole(スワヒリ語) 2 ∼3 三大名園の一つと謳われる後楽園の正月恒 例の丹頂飛翔行事に出向いた。(岡山市) 標高430m臥牛山の山頂に備中松山城はあ り、日本最高地に位置する。その山麓に我が 母校の高梁高等学校がある。霧は高梁川の清 流がもたらす恵み。(高梁市) 写真撮影 妻井 令三 介護家族の集いのご案内 ・岡山地域 ・井笠地域 ・倉敷地域 ・笠岡地域 3 月13 日 3 月19 日 3 月27 日 3 月 3日 ( 金 ) 13:00∼15:30 ( 木 ) 13:00∼15:00 ( 金 ) 10:30∼12:30 ( 火 ) 13:00∼15:00 岡山市保健福祉会館 4 F ほのぼのルーム 笠岡市認知症介護研修センター (金浦中学校裏) くらしき健康福祉プラザ 1F・102 会 議 室 サンライフ笠岡 第2研修室 (笠岡市在住の方を対象に) ◇この会報は、岡山県共同募金会の一部助成により発行しています。◇ 「ぽ∼れ ぽ∼れ 」通巻 415号付録 ●2015年 2月25日発行 会創立35周年の年、 2017年ADI国際会議を展望して・・ ∼第23回 中国・四国ブロック会議∼ 主催 島根県支部 開催日 H27年1月17日 (土)∼18日 (日) 会場 「パルメイト出雲」 島根県出雲市今市町2065 冬将軍到来の寒い季節の中、当日、岡山県支部から参加した7名(妻井・尾崎・景山・中嶋・中村・清田・ 坂本)は、「特急やくも」の車中にて、雪景色を楽しみながらお昼前に出雲市駅に到着。「出雲そば」 の昼食後、会場の「パルメイト出雲」に移動。午後13時30分から本部役員、中四国9県から、総 計50名余の参加を得て、島根県出雲市で第23回中国・四国ブロック会議が開催されました。 H7年1月17日に発生した阪神・淡路大震災から今日でちょうど20年。開会直後、各震災犠牲 者のご冥福を祈り全員で黙祷を捧げました。 【記/坂本 恵子(コールセンター相談員)】 第 1 日目 1月17日(土) 島根県支部の黒松代表の歓迎挨拶、島根県、出雲 めに」という検討議題に入り“地域の会員を増や 市の来賓挨拶に続いて高見代表からは、今年は会創 すには”という項目で、岡山県支部の妻井代表は、 立35周年を迎えること、2017 年日本で開催予定 「支部発足して16年の歴史の中で、地域包括支援 のADI(世界アルツハイマー病協会)国際会議の センターやケアマネなどの相談所が制度的に整っ 開催経緯と趣旨について説明がありました。 てきたことや、介護家族の意識変化もあって、こ のところ5年程はマンネリ化してきた。入会促進 次に 2014 年度ブロック会議共通議題の「全国本 は役員と会員がチームを組んでの促進が必要と考 人交流会の地域での開催について」は事前に実施さ える」と県支部としての取り組みを話した。また、 れた各県支部アンケートを基に、各県からの報告と ADI国際会議を前向きに取り組もうという意見 課題に対しての意見交換が行われました。高見代表 が出されました。 からは既に年2回実施している富山県支部での開催 状況の説明があり、交通の利便性の問題等もあり、 この交流会以外に、より身近な場所での開催が出来 ないか、ブロック毎や支部などでの開催を協議して 欲しいという提案がありました。岡山県支部では「参 加希望者の掘り起こしから始める必要があるが、ブ ロックごとの開催が良い」とアンケートに回答しま した。 続いてブロックの独自議題「地域の協力を得るた - 2 - 「ぽ∼れ 懇親会 18:15∼20:15 ぽ∼れ 」通巻 415号付録 ●2015年 2月25日発行 “中国・四国ブロック会議に 初めて参加して” 宿泊したホテルから徒歩5分の距離にある地元で 美味しいと評判の創作料理のお店「ビストロBC倶 2日目の会議が終了し、さぁ、せっかく一 昨年に60年に一度の「平成の大遷宮」、そし て昨年10月には出雲大社の禰宜、千家国麿 氏と高円宮典子様とのご成婚があり慶事に沸 く出雲に来たのだから縁結びの神様にお参り しよう。でも今更、縁結びは・ ・と話していると、 島根県支部の方から「縁結びは男女や若い人 だけではないのよ。ゆるんだ縁を結び直しに 行くのよ」と言葉をかけてもらった。 当初は行く予定のなかった男性二人(中嶋・ 中村)も私達(景山・清田・坂本)の仲間に なり5人で、一畑電鉄に乗って「出雲大社」 に参詣した。何故か男性陣は「縁結びのお守 り」も買われたとか。息子さんや娘さんへの プレゼント・・・かな? 楽部」が今回の懇親会の会場であった。島根県支部 の黒松代表が「こんなに大勢の人の参加があるとは 思わなかった」と恐縮されていたが、バイキング形 式のフロアは50名余が座ればもう一杯で、壁側の 席の人は料理を取りに行くのも少し不自由な感じ で、熱気がこもるような雰囲気だった。 島根県と言えばまず「安来節」。参加者からの要 望もあり、安来節のプロだという方の演技が披露さ れた。私は滑稽でユニークなドジョウ掬いの妙技を 堪能できたが、後で聞くと、後ろの席の人はよく見 えなかったらしい。続いて、「石見神楽」のDVD がスクリーンで上映された。他県から嫁いできた島 根県支部の方が、数ある社中の中で一番感動したと いう「松原社中」演じる「大蛇」という演目は、華 やかで創作性があり、さすが是非、見て欲しいと勧 められただけの事はある。皆、スクリーンを見上げ ながら少々、首が痛くなりながらもじっと観賞して いた。「次回は舞台で是非、神楽の迫力を生で楽し んでもらいます」と嬉しい黒松代表の言葉もあった。 第 2 日目 1月18日(日) しっかり時刻表を見て、帰りの「特急やく も」に十分間に合うようにしていたつもりが、 何がどう間違ったのか、一畑電鉄からJRの 乗継時間が5分しかないというアクシデント に見舞われた。しかし、これも神様のお蔭か 日頃の善行の賜物なのか、皆、老体に鞭打ち 数百メートルは走ったが、何とか飛び乗るこ とが出来、無事岡山に帰った。 よいリハビリになりました。皆様、ごめん なさい。 (坂本) 2日目はブロック独自の議題「地域の協力を得 るために」どうすればよいかを1日目に引き続き 協議した。 各県支部からの現状報告、意見交換を中心に行 われました。 また、第6期介護保険制度について各県での把 握状況について意見交換があったが、各県とも、 まだ把握が進んでない状況のようでした。パブリッ クコメント(県民公開意見収集)についても把握 していたのは2県でした。 *地域推薦理事の選出 広島県支部の村上代表(本部理事)が退任され、 後任に徳島県支部の大下代表が選出されました。 - 3 - 「ぽ∼れ ぽ∼れ 」通巻 415号付録 ●2015年 2月25日発行 岡山のつどい から 新春の“つどい”2015年1月9日 新春は参加者皆さんの元気な歌声からスタート!! 尾崎副代表のハーモニカ伴奏にのせて心の底から、お腹の底から、 思い出の歌を合唱し前向きな気持ちに!! お正月前後の過ごし方の様子、それぞれのお雑煮の違いを語る!! Aさん78歳の妻を在宅介護 転倒・肋骨骨折・復帰後の生活? Bさん 83歳のOB(2年前に夫を看取った) 今年は38歳になりました! 開口一番に「人間の体は強いものですね!」 毎回の“つどい”へ参加し、後輩へアドバイス ★お正月は曾孫が来た。(同居している娘の孫) 曾孫は孫よりさらにかわいい。 ★他人の目と自覚年齢の開きに戸惑う:バスの 中で「おばあちゃん」と声を掛けられ自分のこと とは思えなかった。気持ちは83歳の逆読みで38 歳。1月の「心の交流会」ではボーリングに挑戦 し、健闘!「今年は顔にしわが出来たから、32歳 です!」と挨拶され、ますます解放された自由を 満喫し、元気を周りに分け与えて下さいます。 ★散歩コースを天候により変更:11月21日に 布団につまずき転倒し肋骨4本骨折したが3日 後には散歩に出かけており、痛みも無くなった。 今は寒いから雨の日や寒さが強い時は年末に開 店したイオンモールへ行き上から下へウインド ショッピングをしながら、3時間位過ごす時も ある。自然の中もいいけどこれもよさそう。 ★お正月の準備を合理的に:例年お正月は2人 の息子家族(それぞれの妻と小学生の孫2人) が集まりお正月を祝う習わしだが、妻が何時も 作っていたおせち料理を期待するのは無理なの Cさん 79歳夫在宅介護 (レビー小体) 体重増加に悩む で、デパ地下ショッピングで賄う。家族それぞ れがオードブル皿を用意し、デパ地下の食品コー ナーに行き、自分が食べたいもの・好きな料理 ★68 ㎏→73 ㎏ に 増 加:ご飯を減らすのはかわ をとって盛り付けレジへ。みんなで会食をして いそう。週2回リハビリで通院・週2回デイケア に通っているが他の日は体を動かす方が良いの か休ませる方が良いのか迷っている。 ★アドバイス:F・G・Hさんから毎日歩いた方が 良いのでは? 無理のないように少しずつ歩く距 離を伸ばしては?レビー小体の場合は奥様が一 緒に誘導すると効果が出るのでは?等。バランス の良い食事と適度な散歩を勧めます。 完食!好きなものを選んだから、残るはずはあ りません! ★元日には、お雑煮は男子が作る習わし(九州 男子):平素の妻の働きを元日だけは休んでもら ういたわりの表れで?スルメを入れるのが特徴 とか。お父さんの得意の「おでん」・「カレー」 を3日分煮込んでおく。みんな喜んで食べまし た!! ★家族との団らんを大切に!:大人の家族はマー Dさん 昨年102歳の母を、自ら立ち上げた グループ・ホームで看取ったOB ジャンを楽しむ。息子の嫁にも楽しんでもらう ため、私がマージャンを教えました。大分わかっ てきて4人で楽しめるようになりました。私は ★グループ・ホームの「お節から、お雑煮」まで全 て自分で料理して提供した。 ★グループ・ホームではできるだけ毎日外を歩く ように誘導している。外を歩くことで意識レベル も上がってくるのを実感しています。 コーチ役で、楽しんでいます。孫たちは「百人 一首」を妻と楽しんでいました。5日間泊まっ たので疲れたが、息子たちは近所に居るので声 を掛けるとすぐ来てくれる心強い存在です。 お正月前後の準備を工夫し楽しみながら実 践なさっている様子が目に浮かびます。 - A・Dさんともに外の空気に触れながらの 散歩の効用を説かれました。 (記/清田) 4 - 「ぽ∼れ 岡 山 県 助成事業 ぽ∼れ 」通巻 415号付録 ●2015年 2月25日発行 認知症介護家族交流事業 in 勝央 わ わ わ ∼語り合おう 和もう つながろう 認知症介護の 話和輪 ∼ 勝央町役場健康福祉部 小林 愛実 去る平成 27 年 1 月 27 日、勝央町総合保健福祉センターにて開催したところ、54 名の介護家族、 民生委員、町民等の参加がありました。今回の事業は、地域包括支援センター、町民生委員協議会、 「家 族の会」岡山県支部、美作県民局と協働で開催をしました。 認知症について、介護家族、民生委員、地域住民など様々な立場で理解し、語り合うことができま した。今後も、認知症の人、家族を地域全体で支え合えるように支援の輪を広げていきたいと思います。 第一部として、「家族の会」岡山県支部の妻井代 座談会では、参加者の約半数が参加し、それぞ 表より「認知症とは・・・?」と題して認知症と れの介護の状況や悩み等を語り合いました。「介護 はどんな病気で、どんな症状が現れるのか、また をしたと満足できるような生活をするためにはど 認知症の人と向き合う中での心構えなどをご講演 うしたらよいかと考える」「認知症ということを地 いただきました。介護家族の話の中では、参加者 域の人に伝え、外を歩いていたら教えてもらうよ の中にも大きくうなずいている方もいました。参 うにした。今は認知症の人を介護している人が自 加者からは「認知症の意味、内容を再認識できた」 分のところへ相談に来て、自分の経験談を話すこ 「認知症のことがよく分かった。寄り添うことです とも増えてきた」等お互いの悩みや思いを共感し、 ね」「介護は教科書通りにはいかないが今日の勉強 励ましあっていました。 「もっと時間が欲しかった」 「たびたび交流会をして、みんなで励ましあいなが で底に流れる気持ちの持ち方がとても参考になり ら介護をしたい」といった声も聞かれました。また、 ました」等の意見が聞かれました。 介護家族以外の参加者からも「認知症について自 分もなる可能性があり、人との付き合い方等もう 一度勉強しようと思った」「体験談を聞いてこれか らの参考になった」「行政・地域が連携していくこ とが大切」 「初参加です。スタートラインにのった」 等の声が聞かれ、認知症の理解へのきっかけになっ たようです。 第二部として、「家族の会」岡山県支部の尾崎副 代表から「介護体験報告」と題して奥様が認知症 になった経緯をはじめ、今現在の介護につながる までの苦悩と工夫等をお話いただきました。最後 に、尾崎副代表の奏でるハーモニカに合わせて「故 郷」「青い山脈」を参加者全員で合唱しました。参 加者からは「毎日家にいるので久しぶりに歌った」 「思うように介護できなかった実の父のことを思い 出し涙が出た」等の感想があり、会場は温かい雰 囲気に包まれました。 - 5 - 「ぽ∼れ 大 ぽ∼れ 」通巻 415号付録 ●2015年 2月25日発行 きく変わる医療と介護の仕組み! −これからの社会保障(年金・医療・介護・少子化対策)はどうなるか? 第 6 回 岡山県公開医療シンポジウムに参加して 主催 岡山県医師会 岡山県病院協会 参加 医師代表者 行政トップ 団体関係者 平成27年2月1日(日)岡山衛生会館 三木記念ホールに於いて実施される。約270名が聴講。 岡山県医師会の江澤和彦理事司会により、一般社団法人・医療介護福祉政策研究会フォーラムの中村 秀一理事長の基調講演に始まり、6人のシンポジストが順番に登壇、一人15分程度それぞれの分野 について語る。「認知症の人と家族の会」からは、尾崎善規が参加した。 【基調講演】[我が国の社会保障の方向とあるべ 武久顕也市長から、市民病院建設にかける思いを語 き姿−医療介護を中心に−]と題し、中村秀一理事 られる。 長が講演された。①社会保障の現状、給付費 115 兆 【患者の立場から見るリウマチ医療の現状 2,000 億円 (2014 年度 )②少子高齢化、この半世紀 課題】日本リウマチ友の会岡山県支部、斉藤映美 の 変 化 (1990 年⇒2012 年 ) 総 人 口 9015 万 人⇒ 支部長から、高価医薬費使用の実態について語られ る。 12,751 万人、100 才以上高齢者 154 人⇒54,397 人 ③1990 年以降の社会保障、社会保障制度改革推進 【大きく変わる医療と介護―これからの病 改革」の枠組み、2014 年・社会保障の充実予算、 院の役割―】岡山県病院協会、難波義夫会長から、 団塊の世代が 75 才以上となる2025 年以降、医療と 診療報酬の改定、「医療介護総合確保推進法」等の 介護で、需要と供給のミスマッチが生じると指摘さ 改正⑤ 医療と介護の改革⑥社会保障制度改革国民 れる。 法・自助、共助、公助の適切な組み合わせ④「一体 【自分らしい旅立ちを用意してますか!家 行)⑦医療介護総合確保推進法、先の通常国会で成 に帰りますか!】岡山県内科医協会、福岡英明 会議報告書、国保の保険者(市町村⇒都道府県に移 立(6月18日)効率的で質の高い医療、地域包括 会長から、3人の事例を出され、診療の質を高める ケアシステムの構築(介護保険法の改正)⑧今後の との思いを語られる。 進め方、2015 年介護報酬法の改定、第6期介護保 【今 認知症を取巻く環境】認知症の人と 険事業計画のスタート、医療保険制度改正法案の提 家族の会副代表、尾崎善規からは、認知症介 出、地域医療構想の策定(都道府県)2016 年診療 護家族の苦労話しと効果的な介護手法から始 報酬の改定、2017 年診療報酬の改定(消費税対応)? まり、医師の診断後継続的な支援が出来るの 2018 年診療報酬・介護報酬の同時改定、医療計画・ は「家族会」と説明。第6期介護保険制度で 介護保険事業計画の同時策定、2020 年プライマリー サービスが減少、介護保険料も上がる、10 バランスの黒字化(目標)と講演される。 年後には認知症の人が約 700 万人に達すると 【今後の岡山県の医療提供体制について】 した国の推計を語り、専門医の不足も課題と 岡山県保健福祉部、伯野春彦部長が、地域格差によ なる中、電話相談などの活動を通して支援す る高齢化のスピードなどが異なり、地域の実情に応 ると述べた。全員登壇のシンポジウムについ じた医療と介護の提供体制を構築していきたいと語 ては、司会者の質問に答えた。 る。 【瀬戸内市の地域包括と市民病院】瀬戸内市、 - (副代表 尾崎善規) 6 - 「ぽ∼れ ぽ∼れ 」通巻 415号付録 ●2015年 2月25日発行 2017年ADI国際会議開催を目指す臨時・支部代表者会議開催 認知症 次の時代へ 世界がつながる 日本でつながる ∼認知症の人も介護者も尊厳ある人生が送れるように∼ 岡山県支部会報1月号の「諸活動・ニュース短信」で既報の、標記の件に関する全国支部代表者会 議が1月24日(土)、京都市の全国手話研修センター・コミュニティ嵯峨野3階「嵐山」で開催された。 「急拠の招集にもかかわらず、全支部が結集して下さったことに感激した」と高見代表が冒頭語りか けて、会議が始まった。準備期間2年間しかない状況にもかかわらず、この会議開催に臨む各県支部 の関心の強さが結集している雰囲気が溢れていた。 「岡山県支部会報」は昨年12月号の巻頭言で「“認 知症”と言われ出して10年」の記事で、10年前に開催した「第20回 A D I 国際会議・京都・ 2004」の果たした意義を掲載しているが、認知症問題が国内のみならず世界的な課題に浮上してい る時期に、前回開催から12年しか経っていない日本の「家族の会」にその要請が急遽打診されたこ とを注目したい。2004 年の会議には予想を上廻る66の国から 600 人以上を含む 4,000 人以上の参 加。岡山県からも 120 名が参加した。 【ADIとは?その活動と国際会議について】 【本部提案趣意―高見代表】 ◇ 会議開催の背景 鷹巣典代国際交流専門委員より、ADI紹介の 認知症問題が世界的課題となり、2012 年WHO DVD 上映と概要説明が行われた。 は“世界は老い始めた”と前置きし「各国政府は ADIの概要:全世界79のアルツハイマー協会の 公衆衛生の最優先課題に、認知症対策を講じるべ 連合体。ADIの目的は、新しいアルツハイマー協 き」と勧告。2013 年冬、英国キャメロン首相の主 会を設立すること、各アルツハイマー協会を発展 催で「G8認知症サミット」が開催され、2014 年 させること。そして認知症への関心を世界的に高 わが国でも後継イベントが開催された。これに合 めること。1984 年設立、1992 年日本加盟。 わせて安倍首相が認知症に対する国家戦略策定を ADIはアメリカで非営利組織として登録して 宣言し、今年1月新オレンジプランが策定された。 おり、事務所はロンドンにある。公用語は英語。 ◇ 日本開催の経過 2017 年には、南アフリカ開催が決定していたが、 【国際会議開催と具体的な支部への呼びかけ】 を片山禎夫理事(国際交流専門委員長)が行った。 昨年秋のADI理事会で南アフリカの伝染病問題 や政治状況などから開催中止となり、11月4日に 【質疑応答から】 認知症サミット日本後継イベント来日中のADI ▽参加費はまだ未定、家族の参加できる可能な料 マーク事務局長が高見代表に日本開催を打診した。 金設定を…の要望が多く出る。今から積立案も。 ◇ 日本開催の意義と目的 ▽各支部のPR・参加動員対策・その他翻訳・通訳 2004 年世界に先駆けて「痴呆(dementia)」を「認 等のボランティアについても協力を…。 知症」に替え、サポータ養成などの取り組みや、 “当 ▽介護専門職の発言も取り上げて…等 事者の思いを汲み取るケアへの挑戦”としてパー 活発な質疑や意見提案が交わされた。多くは、夫々 ソンセンタードケアの実践普及に挑んでいるケア がどう取り組むかという立場からの発言が多く“本 水準の高まりなどの意義や、全国に県支部を持つ 部がやるから付き合えばよい、ではなく支部の取 までになった「家族の会」の存在意義など誇るべ り組みを持って参加しよう‼”という姿勢で臨も き資源となっていることが挙げられる。 うという意見に集約された会議であった。(妻井) - 7 - 「ぽ∼れ 認知症疾患医療センター検討会議開催 ぽ∼れ 」通巻 415号付録 ●2015年 2月25日発行 ノートルダム清心女子大学で 認知症サポータ養成講座 岡山県は、12月26日標記会議を開催し た。国の進めるセンター設置方針に従って、 3年前岡山県は、岡山大学病院・慈圭病院・ 川崎医科大学付属病院・倉敷平成病院を指定 していた。それらが3年を経て、指定継続の 検討会議を行ったもの。1年半になる「たい ようの丘ホスピタル」(高梁市)も併せて審査 対象とされた。夫々の病院の活動報告は、予 想以上に病院特性を活かし、独自の活動が取 り組まれており、今後の認知症医療にたいす る信頼を期待させる報告が感じられた。 ノートルダム清心女子大学では、超高齢社 会の中、認知症に対する理解の重要性から、今 年も認知症サポータ養成研修を実施した。講 師に「家族の会」妻井県支部代表が招かれ、 「認 知症の理解と接し方」を78名の学生に講義 した。岡山市高齢福祉課の高祖さんも参加し、 岡山市の認知症の取り組みとオレンジリング の意義を説明した。なお、2名の学生が、 「 家族 の会の活動状況を聴取したい。」と申し込まれ てきた。 岡山市立万富公民館で認知症講座 オアシス早島でアルツハイマー型認知症 の母の介護体験から」をテーマに講話 岡山市万富公民館では、 「万富はつらつ大学」 で2月2日に、 “認知症にどう向きあう”をテー マに講座を実施した。寒風のすさぶ中130名 もの地域住民の方々が来場、「あなたの老後が 見えますか?」と題した「家族の会」妻井県 支部代表の講話を聴講した。事後、認知症に 関する資源などについて県や市の施策状況へ の質問が出された。また、家族の対応への個 別相談がある等、熱心な聴講ぶりが伺われた。 早島町地域包括支援センターでは2ケ月毎 に介護家族の集いを開催している。1月16日 (金)に「家族の会」武南恵美子 倉敷地域役員が 招かれ、介護体験の講話を行った。その後、参 加者5名と交流し、現状を分かち合った。昨年 12月2日(火) 「 認知症」公開講演会・シンポジ ウム(参加者307名)が開催され、 「 認知症を 支える地域づくり」のシンポジストとして招 かれ、間を置かずの要望だった。 予告 認知症の人と家族の会岡山県支部 平成27年度定期総会 日時 平成 27 年 4 月 25 日(土)10:00∼12:00 場所 県総合福祉・ボランティア・NPO会館(705号室) ※ 総会終了後 懇親会を予定しています(会費 3,000 円程度) ※ 詳細は次号でご案内致します。会員の皆様の多数のご参加をお願い致します。 【 編集後記 】 先月号の悪夢の続きです。相談で深刻 な状況が、 “ 若年認知症の人を抱えている 家族”からひしひしと伝わってくる事で す。岡山を取り巻く周辺各県は、今回のよ うに国が旗振りするかなり前から対応を 進めているのに、と悔しいやら情けない やら・・・。しかし、そんなことばかり言っ てはおれない。 「当事者や家族の視点を大 切に」という行政の言葉を信じることにして前を向いて進 むしかない。 (景山/記) おかやま認知症コールセンター/ 次回は第4火曜日 3 月 24 日 ( 火 ) 10:00∼14:00です。 多数の皆さんの ご参加を… TEL . ( 086 ) 801-4165 (晴れて一番 - 8 - 良 い 老 後)
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