MMSセンサーを利用した効率的な 道路ストックの維持管理技術

MMSセンサーを利用した効率的な
道路ストックの維持管理技術
~多様な基礎データをデータベース化し、
道路ストックの維持管理を効率化~
国際航業株式会社
東日本事業本部 空間情報基盤技術部
横尾 泰広
道路管理(舗装)の課題
我が国の道路総延長:約127万km
うち、市町村道:約105万km(82%)
ボリュームが多く健全度把握が困難
道路には狭あい部分があり、従来の測定車両
では測定が困難
• 劣化状況や修繕状況の資料が散在
• 効果的な修繕計画が策定できない
•
•
•
•
2
「効率的な道路ストック維持管理」
 MMS計測による効率的な道路現況把握
 客観的な分析による損傷状況の解析・評価
 損傷状況の可視化よって効率的な維持管理を支援
データを取得する
ポイントがより明確に
・ トータルコストの縮減
・ 長寿命化の実現
履歴の蓄積
調査
評価
補修
補修
計画
予算、補修計画が容易
3
MMS技術の紹介
MMS(Mobile Mapping System)とは、道路上や沿道の
空間情報を移動しながら取得する計測システム
高精細3Dレーザ
データ取得
全方位画像撮影
前方画像撮影
後方路面画像
撮影
距離計による
自車位置測定
GNSS
IMU
4
MMS技術の特徴
 GNSS/IMUと距離計によって位置が分かる
 高精細画像によって路面状況が分かる
 3Dレーザ点群によって道路等の現況がわかる
 法定速度で計測するため、通行規制が不要
 短時間で現況調査できる
 道路現況の把握と老朽化診断の効率化、低コスト
 蓄積管理し経年変化にも活用できる
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MMSの仕様と取得データの例
搭載機器
仕 様
車両位置計測装置
POS LV 520(GNSS/IMU)
全方位カメラ
200万画素
デジタルカメラ
(静止画)
前方 3台
後方路面用 1台
(全て500万画素)
3Dレーザスキャナ
1.5~500m計測可能
30万発/秒(最大値)
6
MMSの路面性状調査概要
調査項目
解析資料
解析手法
解析結果
ひび割れ調査 道路路面画像
目視判読
道路オルソ画像
損傷レベルで
ランク分け
わだち掘れ
調査
レーザ点群
横断図
損傷レベルで
ランク分け
縦断凹凸
(IRI)
レーザ点群
GNSS/IMU
レーザデータ、 損傷レベルで
加速度計
ランク分け
パッチングや
ポットホール
道路路面画像
目視判読
道路オルソ画像
位置と数量を
カウント
7
MMSデータ解析:ひび割れ判読
• センサー後方の路面カメラを解析
• ひび割れ状況を目視検査
後方路面カメラの画像
ひび割れ評価図
8
MMSデータ解析:わだちぼれの解析
• 高密度レーザデータから横断線を作成
• 横断線よりわだちぼれ量を計算
レーザスキャナ(後方左右2台)
出典:
http://www.jacic.or.jp/kenkyu/11/11-07.pdf
9
MMSデータ解析:平坦性判読
• 進行方向(縦断方向)のでこぼこ具合
• 高密度レーザデータや高精度加速度センサーで
計測
10
出典: http://www.jacic.or.jp/kenkyu/11/11-07.pdf
10
MMSデータ解析による評価資料
•解析結果から総点検要領に基づく資料作成
– 様式A・B
様式A
•沿道画像
•損傷状況に応じた位置図
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沿道画像
路面評価マップ
様式B
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可視化による効率的な修繕計画
 調査結果をGIS上に展開
 施工記録や舗装構成等の既存資料を入力
 過年度成果や周辺データと比較による効果的な維持管
理計画を立案
損傷レベルの割合を路線
ごとに可視化
➢ 検索路線の表示
➢ 補修履歴図の表示
➢ 路線現況図の表示
道路標示_路側線
100%
90%
3.7%
16.8%
13.8% 15.3% 14.0%
13.9%
20.2%
12.1%
18.2% 16.1%
7.9%
7.6%
8.5%
8.1%
11.2%
18.0%
9.7%
26.5%
24.9%
12.5% 11.1%
80%
46.5%
40.0%
54.1%
38.8%
70%
27.9% 35.6% 31.7%
43.8%
60%
比率
61.7%
37.6%
20.5%
22.0% 32.9%
50%
65.8%
81.8%
51.0% 35.7%
73.8%
82.6%
40%
79.0% 80.8%
33.3%
30%
49.8%
50.7%
50.3%
51.5%
42.2%
20%
32.3%
56.4%
50.2%
46.8%
53.3%
20.2%
15.9%
0%
上り
13.6%
10.1%
0.0%
下り
2.8%
計
大川~磯辺
0.0%
上り
46.2%
37.8%
10%
5.5%
54.6%
31.3%
0.0%
下り
0.0%
計
磯辺~白保
4.3%
0.0%
上り
0.0%
下り
0.0%
計
白保~伊原間
0.0%
上り
0.0%
下り
0.0%
計
伊原間~富野
区間
0.0%
上り
0.0%
下り
0.0%
計
富野~ヨーン
6.9%
0.0%
上り
0.0%
下り
0.0%
計
ヨーン~新川
0.0%
上り
0.0%
下り
0.0%
計
新川~大川
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本技術を活用したA県での事例
可視化による活用事例
データの構成
ひび割れ
わだち掘れ
平坦性
路面性状評価結果
現況写真
路面性
状調査
結果
GISに蓄積
高精細画像
画像
路面評価マップ
施設台帳
年間工費の推移
健全度分布の推移
2,500
点検履歴情報
既存資料
健
全
度
分
布
1,500
1,000
比
率
)
)
工事履歴情報
百
万
円
2,000
(
(
年
間
工
費
合
計
500
25
80%
20
60%
15
40%
10
20%
5
0%
0
2062
2060
2058
2056
2054
2052
2050
2048
2046
2044
2042
2040
2038
2036
2034
2032
2030
2028
2026
2024
2022
2020
2018
2016
2014
2062
2059
2056
2053
2050
2047
2044
2041
2038
2035
2032
2029
2026
2023
2020
2017
2014
0
100%
長寿命化シミュレーションによる予測
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その他の利活用事例
道路台帳補正の基礎資料として → 現地作業の効率化
レーザ点群データの解析によって → 点検作業の効率化
道路台帳図の作成
⇒ 公共測量成果レベル500の地形図作成が可能
道路表示の点検
道路標示の劣化点検
道路台帳地形の取得
レーザデータによる反射強度画像
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まとめ
MMSを用いた効率的な道路現況把握の
効率化、低コスト化
解析結果の見える化による
具体的な維持補修計画の策定
対症療法型管理から予防保全型管理へ転換
効率的な道路ストックの維持管理技術により
更新ピークの平準化トータルコストの縮減
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