各薬剤の重大な副作用と妊婦・授乳婦への危険度

主な副作用
患者に確認すべき症状
対策と PAのチェックポイント
嘔気・嘔吐
食欲がない,ムカムカする,食べた 約 30%の人にみられる。1∼2週間で耐性が
できるため,オピオイド鎮痛薬を い始める
ものを吐く
と同時に,制吐薬を少なくとも1∼2週間は
用する。制吐薬としてはプロクロルペラジ
ン(ノバミン),ハロペリドール
(セレネース),
トラベルミンなどが有効である
腸音(消失:イレウス)
眠気
日中でもウトウトする,眠い,
ぼーっ 約 20%程度にみられる。治療開始時や増量時
としている,食事中や会話の途中で にみられることがあるが,3∼5日で消失す
ることが多い。眠気が非常に強い場合は,減
も眠ってしまう
量したり,オピオイドローテーションを行う
意識レベル(↓),胸郭・腹部運動,SpO욽
呼吸抑制
息苦しい,息切れ,呼吸が弱い・少 初期投与時,増量時は夜間の睡眠中の呼吸数
ない,不規則な呼吸
を数えておく。10回以上/1 間を目安とす
る。投与量の減量や重篤の場合は酸素吸入,
ナロキソンの投与を行う
呼吸数(1
0回以下/
1 間は注意)
せん妄
おかしなことを言っている,見えな 減量を行うが減量が困難な場合は薬剤を変
いはずのものが見えている,うろう する。あるいはクエチアピン,ハロペリドー
ろ歩き回る,支離滅裂な行動を取る ル,リスペリドン等の投与を行う
どきどきする,脈がみだれる,めま 定期的に心電図検査および電解質検査を行
不整脈
(メサペイン) いやふらつき,気を失う
う。休薬,減量または中止
脈拍(不整脈)
各薬剤の重大な副作用と妊婦・授乳婦への危険度
薬剤名
重大な副作用
妊婦[授乳婦]
モルヒネ塩酸塩水和物,オ
プソ,アンペック坐剤,パ
シーフ,MSコンチン,カ
ディアン,ピーガード,MS
ツワイスロン
・依存性,呼吸抑制,錯乱,せん妄,無気肺,気管支けいれ
ん,喉頭浮腫,麻痺性イレウス,中毒性巨大結腸
・腸管麻痺(パシーフ)
・肝機能障害(カディアン)
・ショック,肝機能障害(MSコンチン,ピーガード,MSツ
ワイスロン)
C・D
授 △]
[⃝
オキノーム,オキシコンチ ショック,アナフィラキシー様症状,依存性,呼吸抑制,錯
ン
乱,せん妄,無気肺,気管支けいれん,喉頭浮腫,麻痺性イ
レウス,中毒性巨大結腸,肝機能障害
B・D
授 △]
[⃝
イーフェンバッカル,アブ 依存性,呼吸抑制,意識障害,ショック,アナフィラキシー,
ストラル舌下,デュロテッ けいれん
プ MT,ワンデュロ,フェン
トス
C・D
授 ○]
[⃝
メサペイン
ショック,アナフィラキシー,依存性,呼吸停止,呼吸抑制,
心停止,心室細動,心室頻拍,心不全,期外収縮,QT 長,
錯乱,せん妄,肺水腫,無気肺,気管支けいれん,喉頭浮腫,
腸閉塞,麻痺性イレウス,中毒性巨大結腸,肝機能障害
−
レペタン坐剤
呼吸抑制,呼吸困難,舌根沈下,ショック,せん妄,妄想,
依存性,急性肺水腫,血圧低下から失神
禁忌/C
6
0
4 鎮痛薬
No.
重大な副作用
妊婦[授乳婦]
ノルスパンテープ
薬剤名
呼吸抑制,呼吸困難,ショック,アナフィラキシー様症状,
依存性
C
ソセゴン,ペンタジン
ショック,アナフィラキシー様症状,呼吸抑制,依存性,無
顆粒球症
C
トラマール,トラムセット
配合
・ショック,アナフィラキシー,けいれん,依存性,意識消
失
・中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群,急性汎発性発
疹性膿疱症,間質性肺炎,間質性腎炎,急性腎不全,喘息
発作の誘発,劇症肝炎,肝機能障害,黄疸,顆粒球減少症
(トラムセット配合)
C
授 ○]
[⃝
服用( 用)を忘れたとき
・思い出したときすぐに服用(
用)する。次回の服用(
セゴン,ペンタジン:3時間以上)をあけて服用(
用)は指示された服用間隔(ソ
用)する。
(2回
を一度に服用(
用)しないこと)(オプソ,アンペック,レペタン坐剤,ソセゴン,ペンタジン)
・思い出したときすぐに服用する。あとは指示どおりの時間に服用する。
(2回
を一度に
服用しないこと)
(モルヒネ塩酸塩水和物,MSコンチン,オキシコンチン,オキノーム)
・思い出したときが食間(前の食事から2時間以上で次の食事まで1時間以上)ならすぐ
に服用する。(2回
を一度に服用しないこと)
(ピーガード)
・思い出したときすぐに服用する。
(2回
を一度に服用しないこと)
(パシーフ,カディ
アン,MSツワイスロン)
・突出痛時のみ 用するので,痛くなければ
用しない。
(イーフェン,アブストラル)
・思い出したとき,通常の手順に従って貼る。
(2回
を一度に
用しないこと)
(デュロ
テップ MT,ワンデュロ,フェントス,ノルスパン)
・思い出したとき(トラムセット:4時間以内)すぐに服用する。ただし次の服用時間が
近いときは忘れた
は服用しない。
(2回
を一度に服用しないこと)
(トラマール,ト
ラムセット)
その他備
配合剤成
:トラムセット(トラマドール塩酸塩,アセトアミノフェン)
メサペインの特徴:メサドンはモルヒネと同様に μオピオイド受容体を介して鎮痛
作用を示すが,モルヒネ等,他の μオピオイド受容体作動薬との
差耐性が不完全で他のオピオイド鎮痛薬の等鎮痛比は確立して
いない。このため,他のオピオイド鎮痛薬で鎮痛が得られない症
例,耐性発現している症例等でも有効であることが期待されてい
る。
オピオイドとは:中枢神経(脳や脊髄)のオピオイド受容体に作用して効果を現す薬
の
称。ペンタジン,レペタンなどの一部の非麻薬鎮痛薬もオピオ
6
1
鎮
痛
薬
用
上
の
注
意
イ)
・この薬の服用中に力がぬける,体がだる➡
い,冷汗,手の震え,眠気,意識の低下な
どの症状がある場合は必ずご相談くださ
い(リスパダール,インヴェガ,セロクエ
ル,ジプレキサ)
・この薬の服用中に感染症または感染の徴➡
候(発熱,のどの痛み等かぜに似た症状)
がある場合には必ずご相談ください(ク
ロザリル)
・この薬の服用により体重が増えることが
あるのでその場合には食事内容を改善し
たり,運動をするなどしてください
・この薬は,水やジュースなどに混ぜて飲➡
むこともできますが紅茶,烏龍茶,日本茶
およびコーラには混ぜないでください
(リスパダール内用液)
・この薬は,白湯,湯冷ましまたはジュース➡
等に混ぜて飲むこともできますが煮沸し
ていない水道水,紅茶,ウーロン茶,緑茶,
玄米茶,味噌汁,エビアンやヴィッテル等
のミネラルウォーターには混ぜないでく
ださい(エビリファイ内用液)
・希釈後はなるべく速く, 包品は1回で
い切ってください(リスパダール内用
液,エビリファイ内用液)
・この薬は食後に服用してください(ルー➡
ラン,ロナセン)
・この薬は口の中で溶けますが溶けた後,➡
唾液または水で飲み込んでください(リ
スパダール OD,ジプレキサザイディス,
エビリファイ OD)
・この薬はかみ砕かずに必ず水などの飲み➡
物と一緒にお飲みください。また の中
に薬の外側の が混じることがあります
が心配ありません(インヴェガ)
・この薬は服用直前まで PTPシートまた➡
はブリスターシートから取り出さないで
ください(インヴェガ,ジプレキサザイデ
ィス)
・白内障手術前に眼科医に本剤服用歴を伝➡
えてください(リスパダール,インヴェ
ガ)
・アドレナリンを
用中の方は必ずご相談➡
警 参照(エビリファイ)
低血糖になることがあるため(投与中止し適
切に処置)
無顆粒球症,好中球減少症の可能性があるた
め(ただちに血液検査)
茶葉抽出飲料やコーラは混合すると配合変化
により沈殿物ができ,含量が低下するため
煮沸していない水道水:塩素により含量が低
下するため
茶葉由来飲料および味噌汁:混濁・沈殿を生
じ含量が低下するため
一部の 度の高いミネラルウォーター:混濁
を生じ,含量が低下するため
空腹時投与の吸収は,食後投与と比較して低
下するため
口腔粘膜からの吸収で効果発現を期待する製
剤でないため唾液または水で飲み込む
徐放性製剤のため, 割投与しないこと。また
外皮は内部の不溶性成 と一緒に糞 中に排
泄される
シートから取り出し一包化調剤は避けること
・浸透圧による薬物放出制御システムを利用
した製剤で,吸湿により薬物放出挙動が影
響を受ける可能性があるため(インヴェガ)
・吸湿性であるため(ジプレキサザイディス)
α욼アドレナリン拮抗作用のある薬剤服用で
白内障手術中に術中虹彩緊張低下症候群の報
告。術中・術後に眼合併症を生じる可能性があ
るため
併禁参照
1
1
0
7 抗精神病薬
No.
ください
・この薬を服用中にたばこを吸うと薬の作➡
用が弱くなるので控えてください(ジプ
レキサ,クロザリル)
・抗真菌薬,抗エイズ薬をお飲みの方は必➡
ずご相談ください(ロナセン)
・放射線療法,化学療法をされている方や➡
長時間効果のある抗精神病薬の注射やノ
ルアドレナリンを 用中の方は必ずご相
談ください(クロザリル)
この薬の服用中にアルコールを飲むと➡
薬の作用が強く出るので控えてください
この薬の服用中にグレープフルーツ➡
ジュースは飲まないでください(ロナセ
ン)
この薬の服用中にカフェインをとらな➡
いでください(クロザリル)
この薬の服用中は頻回に血糖値測定を➡
受けるため受診しましょう(セロクエル,
ジプレキサ,クロザリル,エビリファイ)
用
上
の
注
意
警
禁
喫煙は肝薬物代謝酵素を誘導するため,本剤
のクリアランスを増加し,血漿中濃度を低下
させるため併用注意
併禁参照
〃
相互に中枢抑制作用増強させるため併用注意
本剤の血中濃度が上昇し作用が増強するおそ
れがあるため併用注意
本剤の血中濃度が上昇するため併用注意
参照
高血糖による糖尿病性ケトアシドーシスや
昏睡等発現のチェックのため
・興奮,誇大性,敵意,非協調性,緊張,衝動
性の調節障害等の陽性症状を悪化させるこ
とがある(他の治療法に切り替える等適切
に処置)
(リスパダール,ルーラン,ロナセ
ン,インヴェガ)
・著しい血糖値の上昇から,糖尿病性のケトアシドーシスや昏睡等の重大な副作用が発
現する場合があるので血糖値の測定等十 に行う。またその旨を患者や家族に十 に
説明し,口渇,多飲,多尿,頻尿等の異常の場合,投与を中断し,受診するよう指導(セ
ロクエル,ジプレキサ,クロザリル,エビリファイ)
・統合失調症に精通し,無顆粒球症,心筋炎,糖尿病性ケトアシドーシス,糖尿病性昏睡
等の重篤な副作用に対応でき,かつ CPMS웬に登録された医師・薬剤師のいる登録医療
機関・薬局で登録患者の CPMS웬基準が満たされた場合のみ投与。治療上の有益性が危
険性を上回り投与継続が適切か定期的に判断。CPMS웬に準拠し血糖値等測定。糖尿病
治療に精通する医師と連携し対応。糖尿病性ケトアシドーシス・糖尿病性昏睡の場合は
投与を中止し,インスリン投与など適切な処置を行う。患者か代諾者に文書で説明,同
意を得て投与開始。原則,投与開始後 1
8週間は入院管理下で投与,無顆粒球症等の重
篤な副作用発現を観察(クロザリル)
・糖尿病またはその既往歴・危険因子を有する患者には,治療上の有益性が危険性を上回
る場合のみ投与(エビリファイ)
・併用禁忌薬剤投与中,本剤過敏症既往
・パリペリドン過敏症既往(リスパダール)
・昏睡状態,バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下(クロザリル以外)
・糖尿病またはその既往(セロクエル,ジプレキサ)
・CPMS웬登録前(4週間以内)の血液検査で白血球数 4,000/mm웍未満または好中球数
が2
,000/
mm웍未満,CPMS웬の規定を遵守できない患者,CPMS웬血液検査中止基準で
本剤投与中止経験,無顆粒球症・重度の好中球減少症既往,骨髄機能障害,重度の痙攣
1
1
1
警
抗
精
神
病
薬
服用を忘れたとき
・思い出したときすぐに服用する。ただし次の服用時間が近いとき(アビリット,ドグマ
チール:1日3回服用の場合4時間以内)
は忘れた
は服用しない。
(2回
を一度に服
用しないこと)
その他備
過量投与時の症状
トフラニール
三
環
系
四
環
系
そ
の
他
アナフラニール
アモキサン
けいれん,昏睡,急性腎不全等
ノリトレン
昏睡,錯乱,異常高熱,けいれん,嘔吐等
ルジオミール
眠気,混迷,情動不安,けいれん,低血圧,不整脈,呼吸抑制,発汗,乏尿等
テシプール
血圧低下,不整脈,精神障害,けいれん,呼吸抑制等
デジレル
眠気,嘔吐,心電図異常,持続性勃起,呼吸停止,けいれん発作,立ちくらみ,ふ
らつき等
レスリン
アビリット
ドグマチール
デプロメール
S
S
R
I
S
N
R
I
N
a
S
S
A
眠気,混迷,情動不安,けいれん,低血圧,不整脈,呼吸抑制,発汗,乏尿等
トリプタノール
ルボックス
パキシル
パーキンソン症候群等の錐体外路症状
悪心・嘔吐,下痢,眠気,めまい等
副作用
の項にあげる症状の他,発熱,不随意筋収縮および不安等
ジェイゾロフト
傾眠,悪心・嘔吐,
レクサプロ
死亡例の報告あり,めまい,振戦,セロトニン症候群,けいれん,悪心・嘔吐,低
血圧, 脈,QT 長,不整脈,低 Na血症等
脈,振戦,不安,焦燥,興奮,浮動性めまい等
トレドミン
嘔吐,呼吸困難,
サインバルタ
傾眠,昏睡,セロトニン症候群,発作,嘔吐,
リフレックス
レメロン
脈等
脈
脈,高血圧または低血圧を伴う見当識障害および鎮静作用等
1
4
8
9 抗うつ薬
No.
別表[禁忌]
類
商品名
項目 緑 三 心
内 環 筋
障 系 梗
抗 塞
う の
つ 回
薬 復
過 初
敏 期
症
쐍
既
往
歴
︶
Q 尿 M
T 閉 A
O
長
阻
症
害
候
薬
群
投
与
中
M 褐
A
O 色
阻 細
害
薬 胞
投 腫
与
中 の
あ 疑
る い
い
は
投
与
中
止
後
1
4
日
以
内
本
剤
過
敏
症
쐍
既
往
歴
︶
○ ○ ○ ○ ○
○
○
○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○
○
○ ○ ○
○
○
○
○
三環系
トフラニール
アナフラニール
トリプタノール
アモキサン
○ ○ ○
○ ○ ○
○ ○ ○
○
○
四環系
プロチアデン
アンプリット
ノリトレン
ルジオミール
テトラミド
その他
SSRI
○ ○
○
○ ○
○ ○
○
テシプール
デジレル,レスリン
サ
キ
ナ
ビ
ル
メ
シ
ル
酸
塩
投
与
中
ピ
モ
ジ
ド
投
与
中
チ
ザ
ニ
ジ
ン
投
与
中
ラ
メ
ル
テ
オ
ン
投
与
中
プ
ロ
ラ
ク
チ
ン
高
度
の
肝
障
害
高
度
の
腎
障
害
泌
性
下
垂
体
腫
瘍
抗
う
つ
薬
○
○ ○
○
○
○
アビリット,ドグマチール
デプロメール,ルボックス
パキシル
ジェイゾロフト
レクサプロ
トレドミン
SNRI
サインバルタ
け
い
れ
ん
性
疾
患
・
こ
れ
ら
の
既
往
歴
○
○ ○ ○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○ ○
*
NaSSA リフレックス,レメロン
○
○ ○
○
○
○
○
○
○ ○
*:コントロール不良の閉塞隅角緑内障
1
4
9
付録2
主なフィジカルアセスメントのポイント
などがある。脈拍の正常域の目安は成人
6
0
∼10
0回/ ,乳幼児 8
0
∼1
20回/ であ
る
頻脈:10
0回/ 以上
徐脈:6
0回/ 以下
①橈骨動脈の触診方法
・第2∼4指の3本指をそろえて橈骨内
側の拍動にあてる
・両側の橈骨動脈を同時に触れて左右差
の有無を確認する
・一側で不整の有無を確認する
・3本の指を
って緊張度を見る(指で
動脈を脈拍が感じられなくなるまで押
したときどのくらいの力で拍動が触れ
なくなるかということ。強い力が必要
なときを
脈,弱い力で十
なときを
軟脈という)
・脈拍を 15秒間数え4倍する
(リズムに
注意し不整脈があれば1
間数える)
②上腕動脈
左手で患者の右肘を支え,右手で肘関
節のくぼみよりやや内側を3本の指で触
れる
③
頸動脈
下顎角より甲状軟骨(のど仏)へ向か
って2∼3 cm 下の部位を3本の指で触
れる。同時に両方を抑えた場合,副
感
神経興奮を引き起こし心停止を起こす可
能性があるので,2カ所を同時に抑えな
い
④足背動脈
第3趾の根元と内果を結んだ中点を3
本の指で触れる。橈骨動脈が触れるのに,
足背動脈が触れにくい場合,閉塞性動脈
化や重症糖尿病で血管障害が引き起こ
1
0
4
9
付
録
2
主
な
フ
ィ
ジ
カ
ル
ア
セ
ス
メ
ン
ト
の
ポ
イ
ン
ト
っている可能性大。血小板凝集抑制薬や抗凝固薬,末梢循環動態改善薬などが処方さ
れている患者は四肢末梢の色調(血流低下の場合は暗赤色になる)や冷感,痛みの有
無などとともに,足背動脈が蝕知できるか,左右差がないかチェックする
3.呼吸
呼吸は肺の伸縮によって,体内へ酸素を取り入れ二酸化炭素を排出する運動のこと。
この運動は肺自体の運動ではなく,呼吸筋(肋間筋・横隔膜など)により胸郭内腔が拡
張・収縮することによって行われる。正常呼吸数は成人で,毎
1
2
∼18回,小児で 20
∼3
0
回である
頻呼吸:2
0回/ 以上(呼吸不全・発熱・肺炎など)
徐呼吸:1
2回/ 以下(睡眠剤の多量服用,脳圧亢進など)
無呼吸:安静時呼気で一時的に停止(睡眠時無呼吸症候群)
呼吸数の測定方法
・胸郭または腹部を観察し呼吸数を数える
・30秒間測定し2倍する
・呼吸の深さ,型,リズムも観察する
4.血圧
血圧とは動脈を流れる血液が血管壁に及ぼす圧力の大きさで,心臓が血液を全身に送
るため収縮・拡張することによって変化する。血圧を規定する主な因子は,心拍出量と
末梢血管抵抗である。心臓が収縮したときの血圧が収縮期血圧
(=最大血圧)
,心臓の拡
張期の血圧を拡張期血圧(=最小血圧)という
成人における血圧値の
類
類(mmHg)
収縮期血圧
至適血圧
<1
20
正常血圧
拡張期血圧
かつ
<8
0
<1
2
0∼1
2
9
かつ/または
<80∼84
正常高値血圧
1
3
0∼1
3
9
かつ/または
85∼89
쑿度高血圧
1
4
0∼1
5
9
かつ/または
90∼99
쒀度高血圧
1
6
0∼1
7
9
かつ/または
100∼109
쒁度高血圧
≧1
8
0
かつ/または
≧110
≧1
40
かつ
<9
0
(孤立性)収縮期高血圧
(日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会・編:高血圧治療ガイドライン 2
014,ライフサイエン
ス出版,201
4より)
5.意識レベル
意識レベルとは
意識の明瞭度 , 意識の内容
の二つを数値的に表すための指標で
ある。意識レベルを表すのには J
(J
)
と GCS
(Gl
)
CS
apanComaSc
al
e
as
gow ComaSc
al
e
等がある。JCSは主に日本で最も
われている指標で,急性期意識障害を評価するスケ
1
0
5
0