システム監査技術者試験(AU)

平成 26 年春期 システム監査技術者試験 合格発表
アイテックコメント
(株)アイテック 教育研究企画本部 2014,6,20
4 月 20 日(日)に行われた平成 26 年春期の情報処理技術者試験について,応用情報技術者ほ
か高度系 5 試験の合格発表がありました。同時に発表された得点分布などの統計データをもとに,
システム監査技術者試験の合格発表コメントをお知らせします。
■システム監査技術者試験(AU)
〔平成 26 年春期のシステム監査技術者試験 統計情報〕
応募者
4,087 人
受験者
2,733 人
合格者
361 人
合格率
13.2%
平成 26 年春期のシステム監査技術者試験の合格率は 13.2%で,例年の 14%台の合格率に比べ
てやや低い結果となりました。まず始めに,新試験で従来の午前試験が分割された午前Ⅰと午前
Ⅱの試験の分析結果をお知らせします。
〔午前Ⅰ試験(高度試験の共通知識問題)〕
・高度試験に共通して出される問題 30 問は,従来どおり,すべて応用情報技術者試験(AP)か
ら選ばれています。これまで,AP の問題の中でも比較的素直で常識的な問題が選ばれていました
が,今回は少し難しめの問題が選ばれており,やや解答しづらかったといえます。
・過去問題の比率は約 6 割で従来どおりの比率といえ,新傾向問題も前回と同様で多くはありま
せんでした。
・分野別の出題比率は前回と同じで,出題範囲の中で 23 ある中分類からまんべんなく出題されて
いますが,重要な内容(中分類)からは複数出題されています。今回からセキュリティ分野を重
視した出題に変わりましたが,出題数は前回より 1 問増えて 4 問でした。
・新傾向問題は次の 3 問でした。
(新傾向問題)
問3 記憶領域管理アルゴリズムのベストフィット方式
問 25 BABOK の説明
問 26 ダイバーシティマネジメントの説明
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-1-
平成 26 年春期の高度試験共通 午前Ⅰ問題出題比率
H26春 高度共通 午前Ⅰ問題出題比率
7%
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10%
10%
13%
10%
基礎理論
コンピュータシステム
技術要素
開発技術
プロジェクトマネジメント
サービスマネジメント
システム戦略
経営戦略
企業と法務
10%
7%
27%
6%
〔午前Ⅱの専門知識問題〕
新制度の午前Ⅱ試験では,テクノロジ系問題も含まれることになりましたが,今回は 5 問の出
題がありました(前回は 6 問)が,このうち,セキュリティが 3 問を占めています。また,監査
の専門分野の出題数が 10 問で,前回の 11 問とほぼ同じです。
システム監査の事例として,セキュリティを中心とした技術を理解している必要がありますの
で,不足している知識については,日頃から知識を身につけていく必要があります。
新傾向問題としては,次の 2 問がありました。
問9 “受託業務に係る内部統制の保証報告書”の文書と作成者
問 24 TOC における DBR(ドラム・バッファ・ロープ)のドラム
平成 26 年春期のシステム監査技術者試験 午前Ⅱ問題出題比率
H26春 AU午前Ⅱ 問題出題比率
4%
12%
8%
4%
12%
3問
4%
8%
10問
8%
9 データベース
10 ネットワーク
11 セキュリティ
12 システム開発技術
15 サービスマネジメント
16 システム監査
19 経営戦略マネジメント
22 企業活動
23 法務
※出題数ありは重点分野
40%
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-2-
〔午後問題〕
・午後Ⅰ問題の出題分野とテーマは,次のとおりです。新試験から解答数が 3 問から 2 問に減り
ましたが,記述式の解答量が前回と同様に多いので時間的な余裕はあまりないと思われます。今
回の試験から,午後Ⅰ試験の出題数が 4 問から 3 問に減り,選択の幅が狭くなりました。
問1 情報システムの保守業務の監査(情報システム会社) 普通
保守業務の状況,予備調査の実施,本調査の実施,調査結果報告書の確認内容,テスト範囲・
障害対応のコントロール,報告書の記載項目,引継ぎ時の内容確認
問2 予算管理システムのプロジェクト計画・要件定義の監査(予算管理システム) やや易
システムに組込むべき機能,監査要点を満たすための追加事項,検討不十分な計画の事項,
研修計画の課題,本調査で実施すべき監査手続
問3 個人が所有するモバイル端末の業務利用の監査(自動車販売会社) 普通~やや難
セキュリティポリシ追加項目で想定したリスク,セキュリティ対策で想定したこと,運用コ
スト増加の理由,BYOD 実施率が低下する理由,ヘルプデスク業務の変化に応じた対策
・午後Ⅱ問題の出題分野とテーマは,次のとおりです。今回の試験から,午後Ⅱ試験は出題数が
2 問に減り,論文記述テーマも選択の幅が狭くなりましたが,問 1 はパブリッククラウドサー
ビスの利用に関する限定されたテーマだったため,経験のない受験者には解答しづらい問題だ
ったといえます。
問1 パブリッククラウドサービスを利用する情報システムの導入に関する監査について
利用システムの対象業務,利用する理由,サービスの内容,システムを導入するリスク,対
象業務の特徴,リスクに対して検討した対策,対策実施を確認するための監査手続
問2 情報システムの可用性確保及び障害対応に関する監査について
システムの概要,発生した障害内容と発生時の影響,可用性確保と障害対応のためのコント
ロール,可用性確保と障害対応の適切性を監査するための手続,確認の具体的ポイント
〔平成 26年春(特別) システム監査技術者試験
得点
スコア分布〕
午前Ⅰ試験
午前Ⅱ試験
午後Ⅰ試験
0
0
1
25
80
138
209
252
161
62
928
0
0
4
20
126
242
771
684
559
46
2,452
264.2%
66.0%
5
9
30
147
408
589
519
239
46
5
1,997
81.4%
0点 ~ 9点
10 点 ~ 19 点
20 点 ~ 29 点
30 点 ~ 39 点
40 点 ~ 49 点
50 点 ~ 59 点
60 点 ~ 69 点
70 点 ~ 79 点
80 点 ~ 89 点
90 点 ~ 100 点
計
対前試験比率
午前免除者(概数)
1,805
合格者数
午前Ⅰ60 点以上合計
午前Ⅱ60 点以上合計
午後Ⅰ60 点以上合計
午後Ⅱ-A 評価
361
684
2,060
809
361
午後Ⅱ試験
D
49
C
67
B
324
A
361
801
40.1%
合格者
361
45.1%
採点者数の割合 合格者数との差
73.7%
323
84.0%
1,699
40.5%
448
45.1%
0
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新試験制度で春期の試験で午前Ⅰ試験免除になった人がたくさん出ましたが,得点分布を分析
してみると,今回午前Ⅰ試験の免除者は概算で 1,805 人(66.0%)おり,7 割近くの人が午前Ⅱ
からの受験となりました。
得点分布を分析してみると,高度系共通の午前Ⅰ試験で基準点(60 点)以上の人は 684 人(受
験者の 73.7%)で,この結果は前回の 59.9%に比べて 14%ほど高くなっています。問題自体が
特に易しかった訳ではないので,午前Ⅰ試験対策がしっかり行った人が多かった結果と考えられ
ます。また,午前Ⅱ試験で基準点以上の人は 2,060 人(受験者の 84.0%)と非常に高い率になっ
ています。前回も 78.8%とかなり高く,受験者には易しい試験問題になっているといえます。
午後Ⅰで基準点(60 点)以上の得点者は 40.5%で,前回の平成 25 年春試験の 56.5%からかな
り下がっており,出題数が減少し選択の幅が狭くなった影響が出たものと思われます。また,午
後Ⅱで合格点の A 評価だった人は 45.1%で,昨年の 37.7%と比べると少し増加しており,午後Ⅱ
は出題数減少の影響はなかったといえます。
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(今回合格された人)
今回見事合格された方で,今秋の IT スキル標準レベル 4「ネットワークスペシャリスト,IT
ストラテジスト,システムアーキテクト,IT サービスマネージャ」の試験を目指す方は,午前の
試験が「共通知識」の午前Ⅰと「専門知識」の午前Ⅱに分かれます。ただし、午前Ⅰ試験に関し
ては免除になりますので,午前Ⅱの学習をなるべく早く開始しましょう。
初めて IT スキル標準レベル 4 の試験を受験する方には,書籍・e ラーニング(WEB 教材・WEB
テスト)・公開模試がセットになって試験範囲全体を短期間で万遍なく学習できる通信教育の
「WEB 午前Ⅰ免除コース」がオススメです。
その他,学習を進めていくにあたっては,通信教育以外にも午前試験対策に重点をおいた「宿
題メール」
。受験対策のプロ講師による午後試験対策に重点をおいたセミナーの「合格ゼミ」など,
学習アイテムを豊富に取り揃えております。通信教育に午後試験対策用に「合格ゼミ」を追加す
るなど組合せは自由自在なので,今春の受験で苦手意識のあった分野の弱点克服をしつつ,次の
ステップアップを目指しましょう。
(今回残念ながら不合格だった人)
まずは,自分がよく理解していない内容について早めの学習が重要です。午前分野が苦手な方
は,
「応用情報・高度共通 午前試験対策」や「応用情報技術者 最頻出問題集」などの書籍を活用
しじっくりと振り返り学習をしてください。
今回の午前試験の得点が 50 点~59 点だった方は,合格ラインまで“あと一歩”のところま
で実力がついていますので,身に付けた知識が薄れないうちに,早めに次回試験の対策を始めま
しょう。移動中などのスキマ時間で問題演習に取組める「宿題メール」なども活用してみてくだ
さい。
また,午後試験の得点が 60 点未満だった方は,確実に得点するために落ち着いて問題を解き,
解答が正しいかを検証する力を付けましょう。選択範囲が広がったことで解答し易い問題を選び
早めに対策を始めましょう。なお、午後試験に強くなるには,時間を決めた問題演習やアイテッ
クの模擬試験を会場で受験するなど,本番を想定した学習を行うのも効果的です。
再受験される方には,午前試験対策はポイント確認とトレーニング問題,午後試験対策は重要
ポイントを音声・スライドで解説などの充実した弱点補強に最適な演習型 e ラーニングコース
「WEB 演習コース」や,本番と同じ条件(出題形式・出題数・試験時間)で実施される模擬試験
を受験し,ベテラン講師による採点評価で自身の弱点を把握することができる「全国統一公開模
試」などがおすすめです。午前試験対策の「宿題メール」,午後試験対策の「合格ゼミ」などを組
み合わせれば,さらに合格へと近づくことができるでしょう。不足している知識や分野ごとに組
み合わせて補強して次回合格を勝ち取りましょう。
2014 年秋期試験対策の新しい書籍については弊社のホームページからご覧ください。
(http://www.itec.co.jp)
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■現在刊行済みの 2014 年用 試験対策書籍
・午前試験対策おすすめ書籍
・午後試験対策おすすめ書籍
・分野別予想問題集
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・問題演習おすすめ書籍
・論文対策おすすめ書籍
■今後の刊行予定書籍
・
「2014 秋 徹底解説 情報セキュリティスペシャリスト 本試験問題」
7/上旬 発売予定
直近の本試験の内容を理解して、出題傾向を把握するのに最適!!
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