平成26年5月12日(月) 「第6回 Generic Drug of the Year 2012」有山先生受賞記念講演 横浜市立大学における ジェネリック医薬品活用術 横浜市立大学附属病院薬剤部 小池 博文 協力:有山良一先生、薬剤部DI室・薬品管理室のスタッフの皆様 横浜市立大学附属病院(横浜市金沢区) <H25年度実績> 外来患者数 1,910人/日 平均在院日数 15.1日 病床利用率 86.5% 特定機能病院 がん診療連携拠点病院 薬剤部職員 正職員43名、非常勤6名 事務員4名 計53名 2 654床(一般612、精神26、結核16) 採用医薬品数の推移 1,800 450 全採用品目数 ジェネリック品目数 1,763 1,750 1,700 353 374 387 396 350 1,691 326 306 1,641 1,645 1,650 1,600 1,550 162 400 174 190 300 261 250 1,609 228 1,595 1,597 1,595 1,602 1,591 1,593 200 150 1,500 100 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 Yokohama City University Hospital 3 採用品目数(剤形別) 全採用数 GEに切替が可能な数 内用剤 674 340 195 国立大学附属病院 平均8.0%(H23年) 261 外用剤 63 実際のGE採用数 123 658 注射剤 179 138 1,593 全体 642 396 0 200 400 600 Yokohama City University Hospital 800 1,000 4 当院での医薬品採用ロジック 新薬を積極的に 使用 医薬品費の削 減・抑制 ジェネリック医 薬品に切り替え 5 薬価が高い 医薬品費が不足 Yokohama City University Hospital ジェネリック医薬品に必要とする 要素 ユーザーフレンドリー アドヒアランスの向上 医療安全の推進 経済的インパクト (メーカーの) 情報提供体制 堅固な安定供給体制(必須) 6 Yokohama City University Hospital ジェネリックへの切り替え基準 (薬事委員会におけるコンセンサス) すべての薬効群で切り替え 聖域は設けない 情報提供体制 ハイリスク薬については重点項目とする 抗がん剤は先発系メーカーのGEを優先する 切り替えのタイミング 一度に大量のGEを導入しない 製品名 原則として、製品名は一般名とする 競合品 著しい優劣がない場合、競争入札により決定 7 Yokohama City University Hospital 患者の利益を優先するために 内用、外用剤でもジェネリックを促進 経済的インパクトは少ないが、心理的なイン パクトは大きい いわゆる高付加価値型製剤は、注射剤よりも 種類が多い 病院で服用していれば、退院後も継続が容易 保険薬局からも「○○病院が採用していれば、 患者さんに説明しやすい。」との意見が GE全体のイメージアップ貢献度 内・外用薬 ≧ 注射薬 8 Yokohama City University Hospital 当院の後発医薬品シェア (数量ベース、EFファイルより) 85% 政府目標(60%)を大きく上回っている 80% 80.2% 75% 70% 65% 60% 9 (分母に準先発品を含む) 2014年1月 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 2013年1月 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 2012年5月 55% 当院での経済的インパクト 機能評価係数Ⅱ(0.0550)の内訳 保険診療係数 カバー率係数 後発医薬品係数 効率性係数 救急医療係数 複雑性係数 地域医療係数 0.01544 0% 20% 40% 60% 80% DPC包括金額 約40億円 × 0.01544 → 年間で約6,000万円の収入 10 (参考)病棟薬剤業務実施加算:0.0067 100% ジェネリック医薬品を医療安全に 活用 名称が何の 薬かわかり にくい 添加剤が 異なる デザイン や表示が 様々 GEのネガティブ要素 11 Yokohama City University Hospital 先発品と異なるこ とを活かして、 差別化を図ること が可能 ポジティブ要素 として考える! 名称が類似した医薬品への対策 一方の薬剤を採用削除する 薬剤師や看護師の取違防止に最も有効 いずれも必須薬剤で、削除できない場合も多い 薬剤を違う銘柄に切り替える 薬剤師や看護師の取違防止にかなり有効 ジェネリック医薬品を積極的に活用! 持参薬は薬剤師が確実にサポート ・ノルバスク錠 ・ノルバデックス錠 12 ・アムロジピン錠 ・タモキシフェン錠 Yokohama City University Hospital 12 安全管理上で問題となりやすい 使用上の注意 ○○分以上かけて点滴静注 他剤と混合しない 注射用水で希釈後、他の輸液と混合 PVCフリーの輸液セットを使用 フィルターをつけて(つけないで)投与する 溶解時、強く振盪しない 溶解液○○mL中、○○mLを秤取して投与 これらがラベルに印字されていることが望ましい 13 Yokohama City University Hospital おわりに 横浜市立大学附属病院では、有山先生が着任された2005 年より、本格的なGEの導入が始まった これまでの価格差や添加物の同一性といった議論から、患 者さんの視点、ひいては医療安全にもつながる手法でGE 選びを行ってきた 2007年には、薬事委員会での審議17品目すべてが薬剤 部からの申請だった これまで、有山先生が優れた特徴を持つGEの普及・啓発 を様々な学会や研修会等で講演した結果、今では多くのG Eが改善されてきている 14
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