信濃川下流 河川水辺の国勢調査 <H26春調査速報> ○河川水辺の国勢調査とは? 河川環境の整備と保全を適切に推進するため、河川の自然環境に関する基礎情報 の定期的、継続的、統一的な収集整備を図るために行います。 主に一級河川の直轄区間の河川及びダムを対象とし平成2年度より実施しています。 ○調査対象及び調査実績は? 魚類、底生動物、植物、両生類・爬虫類・哺乳類、陸上昆虫類等の6項目を5年で一 巡します。(ダムはプランクトン含め7項目実施) 平成26年度、信濃川下流では植物調査、空間利用実態調査を実施します。 平成26年度信濃川下流水辺現地調査 国土交通省 北陸地方整備局 信濃川下流河川事務所 河川空間利用実態調査 春季調査速報(1/2) (1)調査目的 河川水辺の国勢調査の一環として、信濃川下流直轄管理区間において河川空間利用状況の実態を把握することを目的とし た調査であり、適切な河川管理を行うために役立てられます。 (2)調査実施状況 ・調査実施日(春季):平成26年4月29日、5月5日、5月19日 ・調査範囲:信濃川の河口~約47㎞ ・調査方法:①定点観測調査・・・調査範囲内の8箇所において、日の出から日没までの利用者数を、2時間ピッチで、利用場所 (堤防・高水敷・水際・水面の4区分)、利用形態(散策等・水遊び・釣り、スポーツ等)ごとに集計しました。 ②区間観測調査・・・調査範囲全域を対象に、1日に1回、1kmピッチで、利用場所、利用形態ごとに利用者数を集計 しました。 調査実施状況① :定点観測調査 調査実施状況② :区間観測調査 図. 定点観測調査、区間観測調査位置図 1 平成26年度信濃川下流水辺現地調査 国土交通省 北陸地方整備局 信濃川下流河川事務所 河川空間利用実態調査 春季調査速報(2/2) ※今回調査結果は速報値であり、今後修正されることがあります。 (3)調査結果(速報値) 平成26年度調査における、一日あたりの利用者数は、4/29が約8,000人、5/5が約6,000人、5/19が約7,000人であると推計さ れました。 利用形態別の利用者数の内訳は、散策等が大部分を占め、次いでスポーツの利用が多い結果となりました。なお、平成21 年度における利用者数には有料施設調査の人数(4/29:362人、 5/5:1499人、 5/18:462人)が含まれていますが、平成26年 度における利用者数には有料施設調査の人数は含まれていないため、調査を行い次第追加する予定です。 特に5/5は前回調査と比較すると利用者数が大きく減ってますが、要因は前回やすらぎ堤の調査地点においてイベントが開 催されており、多くのイベント参加者がおりましたが、今回は調査地点でのイベント利用がなかったことが考えられます。 また、今回の結果から平日においても6,000人を超える人々に利用頂いていることが分かりました。 16,000 (人) 散策等 散策等 その他 14,000 水上スポーツ H21年度 12,000 H26年度 水遊び 水泳・その他 水遊び・その他 10,000 釣り 水面 水際 スポーツ 8,000 散策の例 水遊びの例 陸上スポーツ ※H26年度の利用者数に は有料施設における人数 を含んでいない。今後追 加予定。 6,000 4,000 7/27~1/19は 今後調査予定 2,000 0 4/29 (休日) 晴 釣りの例 スポーツの例 5/5 5/18 7/26 7/27 (休日) (平日) (休日) (平日) 平成21年度 晴 曇のち晴 曇のち雨 雨 平成21年度 11/3 (休日) 1/11 (休日) 晴時々曇一時雨 晴時々曇 4/29 (休日) 晴 5/5 5/19 7/27 7/28 (休日) (平日) (休日) (平日) 曇のち雨 晴 平成26年度 平成26年度 11/3 (休日) 1/19 (休日) 図. 日毎の利用者数の推計値(速報値) (4)今後の予定 今後は、夏季に2回、秋季に1回、冬季に1回の計4回の調査を実施し、一年間の利用者数を推計する予定です。また、「川の 通信簿」を7~8月に実施する予定です。 2 平成26年度信濃川下流水辺現地調査 国土交通省 北陸地方整備局 信濃川下流河川事務所 植物調査 春季調査速報(1/2) ※今回調査結果は速報値であり、今後修正されることがあります。 (1)調査目的 河川水辺の国勢調査の一環として、信濃川下流直轄管理区間において植物の生育実態の把握することを目的とした調査 であり、適切な河川管理を行うために役立てられます。 (2)調査実施状況 ・調査実施日(春季):平成26年5月27~29日 ・調査範囲:信濃川の河口~約47㎞ ・調査方法:調査地区内を歩きながら、出現する種を目視(木本は必要に 応じて双眼鏡を使う)により確認し、種名を記録しました。重 要種及び特定外来生物が確認された場合には、確認位置 と生育状況(株数、分布状況等)を記録しました。 (3)調査結果(速報値) (1/2) 全体として信濃川下流では、ヨシ、マコモなどの抽水植物や アゼナルコ、ヤガミスゲ、イ、セリ、ゴキヅル、オオマルバノホ ロシなどの草本やオオタチヤナギ、タチヤナギ、エゾノキヌヤ ナギ等のヤナギ類が多くみられました。 一部の水路や人工的なワンド、池では、ヒシ、アサザ、クロ モ、マツモなどの水草類がみられました。 エノキ、オニグルミなどの樹林では、ヤマミゾイチゴツナギ、 キンギンボク、リョウメンシダ、キヅタ、サンショウ、サカゲイノ デなど樹林生の種類が多くみられました。 春季に確認すべき種類として、重要種のヤガミスゲ、ミコシ ガヤ、カワヂシャなどのほか、ヤマミゾイチゴツナギ、トボシガ ラ、カニツリグサ等のイネ科、アゼナルコ、ビロードスゲ等のカ ヤツリグサ科スゲ属など春季が開花・結実期である植物が多 く確認されました。 調査実施状況①:踏査 樹林 水路 アサザ クロモ ヤガミスゲ ミコシガヤ 調査実施状況②:箱メガネに よる水中の水草類の確認 池 マツモ カワヂシャ 3 平成26年度信濃川下流水辺現地調査 国土交通省 北陸地方整備局 信濃川下流河川事務所 植物調査 春季調査速報(2/2) ※今回調査結果は速報値であり、今後修正されることがあります。 (3)調査結果(速報値) (2/2) ・重要種 現地調査の結果、重要種に該当する植物として9科10種 が確認されました。 【重要種の写真】 アカメヤナギ タコノアシ サジオモダカ 表1. 確認された重要種一覧(速報値) No. 科 名 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ヤナギ科 マツモ科 ユキノシタ科 ミツガシワ科 ゴマノハグサ科 オモダカ科 トチカガミ科 ミクリ科 カヤツリグサ科 種 名 アカメヤナギ マツモ タコノアシ アサザ カワヂシャ サジオモダカ クロモ ミクリ ヤガミスゲ ミコシガヤ 合 計 : 9科10種 重要種の選定根拠 全国 新潟県 新潟市 VU VU VU NT VU VU NT VU EN NT NT NT VU VU VU NT NT NT NT NT VU VU 4 9 9 【特定外来生物の写真】 ・特定外来生物 現地調査の結果、特定外来 生物に該当する植物として、湿 地に生育するオオカワヂシャ、 日当たりのよい草地などに生 育するアレチウリ、オオキンケ イギクが確認されました。 ※特定外来生物とは、外来生 物(海外起源の外来種)であっ て、生態系、人の生命・身体、 農林水産業へ被害を及ぼすも の、又は及ぼすおそれがあるも のの中から指定されます。 (環境省HPより引用) オオカワヂ シャ オオキン ケイギク 表2. 確認された特定外来生物一覧(速報値) ) ミクリ ※全国:「環境省第4次レッドリスト」(2012年) 新潟県:「レッドデータブックにいがた-新潟県の保護上重要な野生生物-」(2001年) 新潟市:「大切にしたい野生生物―新潟市レッドデータブック―」(2010年) ※EN:絶滅危惧Ⅰ類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、NT:準絶滅危惧 アレチウリ No. 科 名 種 名 1 1 ウリ科 アレチウリ 2 ゴマノハグサ科 オオカワヂシャ 3 キク科 オオキンケイギク 合 計 : 3科3種 0 2 3 ● ● ● ● 3 1 4 0 地 区 5 6 0 ● ● 2 7 8 9 ● 0 ● 1 1 (4)今後の予定 今後は、7月に夏季調査、9~10月に秋季調査を実施する予定です。次回の夏季調査では、夏季に開花・結実期となり確認適 期となるカヤツリグサ科や、水草類の確認に特に留意して行います。 4
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