動物用医薬品 要指示 グレーサーバスターの概要 ●推奨ワクチネーションプログラム 製法及び性状 本剤は、ヘモフィルス・パラスイス長野N11- 2株(血清型2)およびZK- 長崎- 2株(血清型5) 1mL のそれぞれを製造用培地で培養、ホルマリンで不活化した後に遠心集菌し、それらの菌体浮遊 2∼4週 1mL 液にアジュバントとして、水酸化アルミニウムゲルを添加したものです。 30日齢以上 静置すると沈澱を認めますが、振盪すると均一で灰白色の不透明な液体となります。 成分及び分量 ワクチン 1mL中 主 ヘモフィルス・パラスイス 剤 (2)対象豚が、次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質等を考慮し、 投与の適否の判断を慎重に行うこと。 長野N11-2株(血清型2) (シード) 剤 ・疾病の治療を継続中のもの又は治癒後、間がないもの。 ヘモフィルス・パラスイス ・交配後間がないもの、分娩間際のもの又は分娩直後のもの。 ZK-長崎-2株(血清型5) (シード) ・明らかな栄養障害のあるもの。 ………………………………(総菌数)5×10 個以上 8 不活化剤 アジュバント 溶 剤 ・他の薬剤投与、導入後間がないもの。 ホルマリン……………………………………………2.5μL以下 (3)本剤の投与後、少なくとも1∼2日間は安静に努め、移動や激しい運動は避けること。ま 水酸化アルミニウムゲル(アルミニウム量として) ………………………………0.92∼1.62mg た、温度管理等に十分に注意し、豚に与えるストレスの軽減に努めること。 リン酸緩衝食塩液……………………………………残量 2 副反応 効能又は効果 副反応が認められた場合には、速やかに獣医師の診察を受けること。 ヘモフィルス・パラスイス血清型2菌及び5菌の感染によるグレーサー病の予防 3 相互作用 用法及び用量 本剤には他の薬剤(ワクチン)を加えて使用しないこと。 30日齢以上の豚に2∼4週の間隔で1回1mLずつを2回、筋肉内に注射する。 4 適用上の注意 使用上の注意 (1)注射部位を厳守すること。 【一般的注意】 (2)注射器具は滅菌又は煮沸消毒されたものを使用すること。薬剤により消毒をした器具又は 他の薬剤に使用した器具は使用しないこと(ガス滅菌によるものを除く。)。なお、乾熱、 (1)本剤は要指示医薬品であるので獣医師等の処方せん・指示により使用すること。 高圧蒸気滅菌又は煮沸消毒等を行った場合は、室温まで冷えたものを使用すること。 (2)本剤は定められた用法・用量を厳守すること (3)本剤は効能・効果において定められた目的にのみ使用すること。 (3)注射器具(注射針)は原則として1頭ごとに取り替えること。 (4)本剤はシードロットシステムにより製造され、国家検定を受ける必要のないワクチンであ (4)注射部位は消毒し、注射時には注射針が血管に入っていないことを確認してから注射する こと。 るため、検定合格証紙による封かんがされていない。 (5)ワクチン容器のゴム栓は消毒し、無菌的に取扱うこと。 【使用者に対する注意】 (1)誤って人に注射した場合は、患部の消毒等適切な処置をとること。誤って注射された者は、 (2)使用期限が過ぎたものは使用しないこと。 本ワクチン成分の特徴 抗 原 ヘモフィルス・パラスイス (血清型2及び5) 人獣共通 感染症の 当・否 (3)一度開封したワクチンは速やかに使用すること。使い残りのワクチンは雑菌の混入や効力 アジュバント 微生物の 生・死 否 【取扱い上の注意】 (1)外観又は内容に異常を認めたものは使用しないこと。 必要があれば使用説明書を持参し、受傷について医師の診察を受けること。 微生物名 ヘモフィルス・パラスイス(2・5型)感染症(アジュバント加) 不活化ワクチン(シード) ・発熱、下痢、重度の皮膚疾患など臨床異常が認められるもの。 ………………………………(総菌数)5×108個以上 主 1回接種後 2∼4週 有無 低下のおそれがあるので、使用しないこと。 (4)使用時よく振り混ぜて均一とすること。 種類 (5)ワクチン瓶は破損するおそれがあるので、強い衝撃を与えないこと。 水酸化アルミ ニウムゲル 有 死 本ワクチン株は、不活化されており感染性はない。 (6)開封時にアルミキャップの切断面で手指を切るおそれがあるので注意すること。 (7)使用済みの容器は、地方公共団体条例等に従い処分すること。 (8)使用済みの注射針は、針回収用の専用容器に入れること。針回収用の容器の廃棄は、産業 廃棄物収集運搬業及び産業廃棄物処分業の許可を有した業者に委託すること。 本ワクチンに関するお問い合わせは下記までお願いします。 株式会社 科学飼料研究所 動薬部 【保管上の注意】 〒370-1202 群馬県高崎市宮原町3-3 (1)小児の手の届かないところに保管すること。 TEL:027-347-3223 FAX:027-347-4577 (2)直射日光又は凍結は品質に影響を与えるので、避けること。 (2)事故防止のため、作業時には防護メガネ、マスク、手袋等を着用すること。 貯蔵方法 (3)作業後は、石けん等で手をよく洗うこと。 2∼10℃に保存 【豚に対する注意】 有効期間 1 制限事項 (1)本剤の投与前には健康状態について検査し、重大な異常(重篤な疾病)を認めた場合は注 射しないこと。 製造後2年3カ月間(最終有効年月は外箱及びラベルに表示) 包装 1ガラスバイアル 100mL(100頭分) 安全性が高いアルミニウムア ジュバントを使用しており、 アジュバントは注射後20日 以内に消失するため、休薬期 間の設定はありません。 製造販売元 〒104-0045 東京都中央区築地一丁目12番 6号 http://www.kashiken.co.jp/ 動薬部 札幌事業所 関東事業所 南九州事業所 TEL. TEL. TEL. TEL. 027- 347 - 3223 FAX. 027- 347 - 4577 011-214-3656 東北事業所 TEL. 019-637-6050 027-346-9091 北九州事業所 TEL. 096-294-8322 099-482-3044 2012.10 2価ワクチン 日本で多く発生しているヘモ フィルス・パラスイス血清型 2および5をそれぞれ培養・ 不活化した不活化ワクチンで す。 ヘモフィルス・パラスイスの 血清型2および5の感染によ るグレーサー病の発症を予防 し、グレーサー病対策に優れ た効果を示します。 グレーサーバスター開発の経緯 グレーサーバスターの有効性 グレーサー病は、ヘモフィルス・パラスイス(Haemophilus 試験区分 parasuis)菌によって引き起こされる豚の全身性感染症であり、多発性線 SPF豚を用いて、 「グレーサーバスター」をそれぞれ1.0mLずつ4週齢(30日齢以上)時及びその2週後の6週 齢時に2回注射した子豚に対する有効性の確認試験を実施しました。 維素性漿膜炎、関節炎および神経症状を伴う髄膜炎が主な症状です。日和 見感染的傾向が強く、急激な温度変化や輸送後、群編成の後など、環境の 変化と強い因果関係があります。特に離乳直後から肥育前期の弱齢期に多 出生 4週齢(30日齢以上) 6週齢 発する傾向が強く、世界各地で発生が見られます。 8週齢 10週齢:剖検 長野N11-2株:2型攻撃 養豚場の中でも特に清浄性の高いSPF豚群に本菌が侵入すると重大な被害を起こすため、これら豚 グレーサーバスター注射 (2型攻撃) 群の飼育においては本病に対するワクチン注射による免疫プログラムが重要になります。さらに、一般 長野N11-2株:2型攻撃 農場でのヘモフィルス・パラスイスの浸潤率は高いことから、本菌が常在している一般農場にSPF農 場から豚を導入した場合には、本病に起因すると考えられる事故率の上昇や生産性の低下が予測されます。 ワクチン非注射 (2型攻撃) ZK-長崎-2株:5型攻撃 今後、農場の清浄化及び大規模化が進行すると予想されることから、本病による事故率の低減および グレーサーバスター注射 (5型攻撃) 生産性の向上のために必要不可欠と考え、「グレーサーバスター」の開発を行いました。 なお、 「グレーサーバスター」はJA全農家畜衛生研究所との共同開発製品です。 ZK-長崎-2株:5型攻撃 ワクチン非注射 (5型攻撃) グレーサーバスターの安全性 生残率および解剖所見 ●生残率 試験区分 出生 4週齢(30日齢以上) 臨床症状 体温測定 5週齢 6週齢 7週齢 臨床症状 体温測定 「グレーサーバスター」を注射した区では全頭 生残し、病変も見られませんでした。 一方、ワクチン非注射区では、全頭死亡し、 グレーサー病に特徴的な病変が見られました。 グレーサーバスター注射 臨床症状 体温測定 臨床症状 体温測定 3日 4日 「グレーサーバスター」注射 5日 6日 グレーサーバスター注射(1回目注射後) グレーサーバスター注射(2回目注射後) ワクチン非注射(1回目注射後) ワクチン非注射(2回目注射後) 41.0 7日 a 40.0 ワクチン非注射 試験群 第2回目注射【6週齢】後 1日 2日 グレーサーバスター注射(5型攻撃) ワクチン非注射(2型攻撃) 80 ワクチン非注射(5型攻撃) 60 40 0 ●ワクチン注射後の体温推移 第1回目注射【4週齢(30日齢以上)】後 2日 グレーサーバスター注射(2型攻撃) 0 ●解剖所見 ●臨床症状 1日 100 0 臨床症状および体温推移 グレーサー バスター注射 100 20 ワクチン非注射 試験群 100 生 残 率︵ % ︶ SPF豚に「グレーサーバスター」を1.0mLずつ4週齢(30日齢以上)時及びその2週後の6週齢時の2回注射し た子豚に対する安全性の確認試験を実施しました。 3日 4日 5日 ワクチン非注射 「グレーサーバスター」を注射した区では、病変 は見られませんでしたが、ワクチン非注射区では、 グレーサー病に特徴的な胸水の貯留、胸腔内の線維 素析出および肺の癒着が見られました。 39.0 6日 グレーサー バスター注射 7日 38.0 ワクチン非注射 0 1 2 3 4 5 6 7 ワクチン注射後経過日数(日) a:臨床症状を示した豚数/供試豚数 グレーサーバスター注射区およびワクチン非注射区のいずれも臨床症状は観察されず、またワクチン注射に起因 すると思われる体温の上昇も観察されませんでした。 このことから、 「グレーサーバスター」の安全性が確認されました。 このことから、「グレーサーバスター」を注射することで、血清型2および5の ヘモフィルス・パラスイス感染によるグレーサー病の発症が抑制され、死亡率が 顕著に低下することが確認されました。 GLB
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