Journal Club 2012.4 Heijboer Journal Club 2012.4 Heijboer Accuracy of 6 Routine 25-Hydroxyvitamin D Assays: Influence of Vitamin D Binding Protein Concentration Annemieke C. Heijboer1,*, Marinus A. Blankenstein1, Ido P. Kema2 and Madelon M. Buijs3 1Department of Clinical Chemistry, VU University Medical Center, Amsterdam, the Netherlands; 2Department of Laboratory Medicine, University Medical Center, Groningen, the Netherlands; 3Medial Diagnostic Centers, Hoofddorp, the Netherlands. *Address correspondence to this author at: Department of Clinical Chemistry, VU University Medical Center, De Boelelaan 1118, 1081 HZ Amsterdam, the Netherlands. Fax +31-20-4443895; e-mail [email protected]. ジャーナルクラブ 6 種の 25-ヒドロキシビタミン D 測定のルーチン分析での精度:ビタミン D 結合タンパク 質濃度の影響 ■要旨 【研究背景】近年、ビタミン D の広域な病態生理学的重要性が認識されるようになり、25-ヒドロキシビタミン D [25(OH)D] への関心が増加するきっかけとなった。結果として、25(OH)D 検査の処理能力が臨床検査室にとって課題となり、 25(OH)D 測定の自動分析が現在では可能になった。この研究の目的は、これらの分析方法の結果をアイソトープ希釈法 /オンライン固相抽出液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析(ID-XLC-MS/MS)法と比較することにより、精度と信頼 性を検証することにある。我々は様々な濃度のビタミン D 結合タンパク質(DBP)サンプルを使用し、その影響に特に注目 した。【方法】5種類の自動分析器(Architect, Centaur, iSYS, Liaison, Elecsys)と1種類の RIA(Diasorin)を抽出して使用 し、そして ID-XLC-MS/MS 法をもちいて 51 名の健常人、52 名の妊婦、50 名の透析患者、50 名の集中治療患者の血漿 サンプルを 25(OH)D 濃度の測定に使用した。また ELISA 法を用い、これらのサンプルの DBP 濃度を測定した。【結果】 多くの 25(OH)D 分析は、ID-XLC-MS/MS 法により測定された 25(OH)D 濃度と有意な偏差を示した。予想通り、健常人と 比較して DBP 濃度は妊婦のサンプルで高値を示し、集中治療患者で低い値を示した。全自動 25(OH)D 分析5種類のう ち4種類において、DBP 濃度と ID-XLC-MS/MS による偏差との間に逆相関の関係がみられた。【結論】多くのイムノアッ セイによって測定された 25(OH)D 値は、DBP 濃度に依存する誤差に悩まされていた。よって、25(OH)D の測定結果を解 釈する場合、測定方法を慎重に考慮する必要がある。 ■本文 ビタミン D 充足は骨粗しょう症や骨軟化症の予防だけではなく、近年癌や自己免疫疾患(1-3)などその他の疾患の予 防にも重要な役割を示すことが示唆されている。よって臨床検査室は、25-ヒドロキシビタミン D[25(OH)D]4 濃度の測定 1 Journal Club 2012.4 Heijboer 依頼を数多く受けるようになった。もともと 25(OH)D の分析は、有機溶媒での抽出、最適な基質を用いた検体の再構成、 そしてイムノアッセイによる定量が行われている。代替的な方法は HPLC(6)である。これらの方法は労力を要することか ら、25(OH)D 測定の自動化が望ましく、多くの自動化測定法が近年開発された。 25(OH)D 測定でもっとも困難な点は、25(OH)D をビタミン D 結合タンパク質(DBP)から遊離することである。25(OH)D を結 合タンパク質から分離するために用いられる有機溶媒は、多くのイムノアッセイやタンパク結合分析と互換性がない。分 離の代替方法は考案されているが、自動化法が 25(OH)D を DBP から分離する効果が十分であるかどうか明らかではな い。 この研究の目的は、6種のルーチンビタミン D 分析法とアイソトープ希釈法/オンライン固相抽出液体クロマトグラフィー/ タンデム質量分析(ID-XLC-MS/MS)法を比較することにより、現在可能な 25(OH)D 分析法の精度を検証すること、そし て健常人だけではなく様々な範囲の DBP 濃度を示す患者からの血漿を用いることで、循環 DBP 濃度の違いによるそれ ぞれの分析法の検出感度を評価することにある。 ■サンプル EDTA 入り血漿と血清を使用済み血液から得た。血漿と血清用の血液は 51 名の健常人、52 名の妊婦、50 名の透析 患者、50 名の集中治療室患者(IC)からのものである。この 4 つの対象者グループの男女比と年齢範囲は、それぞれ 23/28 の 20 - 64 歳、0/52 の 19 - 40 歳、24/26 の 33 - 89 歳、28/22 の 18 - 89 歳であった。すべてのサンプルは同様 に扱われた。遠心分離後、血漿と血清は分注され、ブラインド分析が行われるまで-20℃で凍結保存された。検体の保 管期間は 2 か月以内である。IC 患者からは EDTA 入り血液サンプルのみ採取した。妊婦からの血漿、血清サンプルは分 娩前スクリーニング(妊娠 9 - 14 週)において採取された。透析患者の血液は通常の透析の直前に採取された。 ■方法 ID-XLC-MS/MS による 25(OH)D 測定は、VU University Medical Center の内分泌研究室で行われた。始めに、 25(OH)D を独自のタンパク質分解バッファーを用いて結合タンパクから遊離した。遊離の完了は透析実験によって確認 された。重水素化内部標準(IS)[25(OH)D3-d6]が添加され、サンプルを混合した。サンプルは抽出され、XLC-MS/MS [a Symbiosis online SPE system (Spark Holland)]と Quattro Premier XE タンデム質量分析機(Waters Corp.)を連結して分 析した。我々は患者血漿での検体/IS ピーク面積比と、0 - 100µg/L (0 - 400nmol/L)間の濃度の 25(OH)D2 と 25(OH)D3、 そして固定濃度の IS が添加された BSA-PBS バッファーでの検体/IS ピーク面積比を関連付け、血漿 25(OH)D2 を定量 した。定量下限(LOQ)は 1.6µg/L(4.0nmol/L)、アッセイ内 CV は<6%、そして 10 - 72µg/L(25 - 180nmol/L)間での3つの濃 度でのアッセイ内 CV は<8%であった。25-ヒドロキシビタミンDの結果の精度は、レファレンス法によるスタンダードとコント ロールの測定により規定した。25(OH)D2 と 25(OH)D3 はそれぞれ別々に測定された。 ルーチン 25(OH)D 分析 我々は 25(OH)D 濃度を 6 種のルーチン分析法によって測定した。そのうち 5 種類は自動分析法であり、Architect i2000SR (Abbott Diagnostics; lot no. 01511A00)、Centaur XP (Siemens Diagnostics; lot nos. 66758002 と 10491994)、iSYS (25-Hydroxy VitaminD; IDS; lot no. 727A)、Liaison (25-OH-VitaminD Total; Diasorin; lot no.125651B)、Modular Analytics E170 (Elecsys Vitamin D total; Roche Diagnostics; lot no. 270910MP)によって測定された。もう一つの分析は抽出後の RIA (Diasorin; lot no. 125783C) であった。iSYS、Liaison、 Modular による測定は Medical Diagnostic Centers において、 2 Journal Club 2012.4 Heijboer Architect、Centaur、 RIA による測定は VU University Medical Center の内分泌研究室で行われた。 すべての分析は EDTA 入り血漿で行われたが、iSYS はメーカーによると血漿での分析は適していないとのことから血 清で行われた。 アッセイ内 CV は 10 - 44µg/L (25 - 110nmol/L)間の3つの濃度において、Architect、Centaur、iSYS、Liaison、Modular、 RIA を使用した場合、それぞれ<8%、<10%、<8%、<8%、<13%、<11%であった。 6 種すべてのルーチン分析は競合アッセイであり、サンプル中の 25(OH)D は分析特異的抗体へ、また Elecsys Vitamin D total assay では遺伝子組み換え DBP への結合により、標識された 25(OH)D と競合する。 DBP 分析 我々は ELISA (R&D Sytems)を用い、EDTA 血漿で DBP 濃度を測定した。分析内変動は 249µg/mL で 4.3%であった。 ■統計分析 ルーチン分析によって測定されたすべての 25(OH)D 濃度は、それぞれの患者グループ内で ID-XLC-MS/MS によって 測定された濃度と比較した。相関係数 (Pearson) を算出し、Passing-Bablok 回帰分析を行った。25(OH)D と DBP 濃度 は患者グループ間で、ノンパラメトリックに比較した。すべての統計分析は MedCalc によって行われた。P 値は≤0.05 を統 計的に有意な差があるとして用いた。 ■結果 203 名の研究参加者のうち 11 名のみ(5 名の健常者、1 名の IC 患者、2 名の妊婦、3 名の透析患者)で ID-XLC-MS/MS による 25(OH)D2 が測定可能であった。これらの対象者での 25(OH)D2 濃度は 1.2 - 6µg/L (3-15nmol/L) の間であった。これらのサンプルにおいて、25(OH)D2 と 25(OH)D3 濃度は総 25(OH)D 濃度を反映するために加えられ、 6 種の 25(OH)D 分析との比較に使われた。 Table 1 は Passing-Bablok 回帰方程式によって得られた傾きと切片、ルーチン 25(OH)D 分析と ID-XLC-MS/MS 法をそ れぞれの患者グループごとに比較したときの相関係数を示している。それぞれの患者グループでの Passing-Bablok 回 帰分析グラフと、25(OH)D 分析は Supplemental Data として、この論文のオンライン版 http://www.clinchem.org/content/vol58/issue3 に掲載されている。 すべての 25(OH)D 法によって測定された健常人、妊婦、2 種類の患者グループでの 25(OH)D 濃度の平均値は Fig.1 に 示されている。 妊婦は有意に高い DBP 濃度 [358 (143) µg/mL]を示し、IC 患者は優位に低い DBP 濃度 [155 (67) µg/mL]を、健常人 [275 (89) µg/mL]と比較して示し (P<0.001) 、一方で透析患者での DBP 濃度 [241 (103) µg/mL]は健常人と比較して有 意な差を示さなかった (Fig.2)。DBP 濃度と、ID-XLC-MS/MS 法からそれぞれの分析方法の偏差との相関と相関係数は Fig.3 に示している。 3 Journal Club 2012.4 Heijboer Table 1. 各対象者グループにおいて、それぞれの 25(OH)D 分析法と ID-XLC-MS/MS を比較した時の Passing–Bablok 回帰分析による相関係数、傾き、切片 Slope Intercept, nmol/La r Healthy individuals 1.09 4.8b 0.94 Pregnant women 0.89 7.6b 0.96 Dialysis patients 0.50b 18.8b 0.84 1.00 10.0 b 0.82 Healthy individuals 0.55b 16.7b 0.94 Pregnant women 0.45b 14.0b 0.88 Dialysis patients 0.37b 21.3b 0.86 IC patients b 18.3 b 0.83 Healthy individuals 0.83b 0.33 0.97 Pregnant women 0.76 b −3.6 0.92 Dialysis patients 0.60b 5.0b 0.97 c ND ND Healthy individuals 1.07 2.8 0.93 Pregnant women 0.94 2.6 0.92 Dialysis patients 0.72b 9.9b 0.93 IC patients 1.29 9.2 0.81 Healthy individuals 1.00 0.0 0.92 Pregnant women 0.98 −3.5 0.92 Dialysis patients 0.80b −1.6 0.93 0.91 −6.2b 0.91 Healthy individuals 0.89 6.13b 0.97 Pregnant women 0.98 2.43 0.91 Assay and patient group Architect IC patients Centaur 0.62 iSys IC patients ND Liaison Elecsys IC patients RIA Dialysis patients 0.82 IC patients 0.98 b b 0.92 4.9b 0.94 6.8 a 25(OH)D 濃度を ng/mL へ変換するには 0.4 をかけた b 有意に 1.00(傾き)と 0.00(切片)から差がある(P <0.05) c ND、Not Determined 4 Journal Club 2012.4 Heijboer Fig.1. 健康人 (n=51), 妊婦 (n=52), 透析患者 (n=50), and 集中治療室患者 (n=50)において、 25(OH)D 濃度 [mean (SD)] を異なる方法で測定。 iSYS を使用している集中治療室患者の血漿では、25(OH)D を測定していない. 25(OH)D 濃度の ng/mL への変換には 0.4 をかける Fig.2. 健康人、妊婦、透析患者、集中治療室患者での血中循環 DBP 濃度 *P <0.001 5 Journal Club 2012.4 Heijboer Fig.3. 6 種のルーチン 25(OH)D 分析法と ID-XLC-MS/MS の違いと DBP 濃度の相関係数 ( R )。Architect (P< 0.005)、 Centaur、iSYS、 Liaison (P< 0.0001)において、 相関は統計的に有意差があった。 25(OH)D 濃度の ng/mL への変換は 0.4 をかける ■考察と結論 この研究の中で検討された様々な 25(OH)D 分析法による 25(OH)D 濃度間で、大きな違いが認められた。 今回認められた違いは、いくつかの 25(OH)D 分析法の標準化に問題があるのではないかと示唆している。近年 Thienpont のグループは、メーカーと検査ラボがそれぞれの分析法を較正できるレファレンス法の候補を発表し、今回の 研究でも ID-XLC-MS/MS 法の標準化がその検討に使われた。 Centaur 分析において、濃度依存差(低い濃度域で虚偽の高値を示し、高い濃度域で虚偽の低値を示すこと)がすべて の患者グループで見られた。Centaur 分析はつい最近導入されたものであり、この分析方法についてのデータは文献中 には記載されていない。Siemens Diagnostics の協力により測定は繰り返され、データは裏付けられた。その他の分析で も透析患者グループにおいて、このような濃度依存差が示された。Siemens Diagnostics によると、低濃度に対応するよう に調整された新しい Centaur 25(OH)D 試薬がまもなく発表されるとのことである。 6 Journal Club 2012.4 Heijboer 回帰分析により、患者グループ間の結果に有意な差があることが分かった。われわれは患者グループ間での DBP 濃度 の偏差が、実際の差の原因であると仮定した。 DBP はエストロゲン依存産生の為、妊婦では DBP 濃度が上昇する (11-13)が、今回の研究でもそれは証明された。妊 婦は平均して健常者よりも ID-XLC-MS/MS で測定された 25(OH)D 濃度が高い。これは妊婦での高い DBP 濃度が原因 の可能性があるが、妊婦に対するビタミン D 補給の推奨によるものかもしれない。 敗血症や臓器機能不全を伴う重症患者は DBP 濃度が低く(15,16)、われわれのデータとも一致する。DBP 濃度低下は、 IC 患者での平均 25(OH)D 濃度 (ID-XLC-MS/MS で測定されたもの)の有意な低下の原因かもしれない。 DBP は非常に多形性の血清タンパクであり、3 種類の一般的な対立遺伝子と 120 以上のまれな変異体が存在する。 我々は DBP 濃度を測定したが、DBP の種類における区別をつけなかった。DBP の種類により 25(OH)D への親和性がそ れぞれ違うかもしれないが、血漿サンプルでの結合親和性の違いを招き、理論上では変異体を持つ人では更に大きな 違いになると考えられた。しかしながら、DBP 変異体間で結合親和性が違うかどうかはまだ議論中である。 DBP 濃度変動が自動化 25(OH)D 分析にとって問題になる可能性は議論されているが、DBP 濃度と 4 種の完全自動化イ ムノアッセイ検査と ID-XLC-MS/MS による 25(OH)D 濃度の偏差との逆相関関係を示したのは、この研究が始めてであ る。これらの完全自動化分析法においては、比較的高濃度の DBP を含む血清から、すべての 25(OH)D が抽出されたわ けではないようである。そのような不完全抽出により、虚偽の低 25(OH)D 濃度を招く。完全自動化 Roche 分析法と、今回 この検討に用いられた RIA は、ID-XLC-MS/MS の結果と比較して DBP 濃度依存差を示さなかった。RIA においては、 RIA 前の完全な抽出操作が要因と考えられる。 これらを考慮すると、すべての患者グループの 25(OH)D 測定において、すべての分析法が適しているわけではないこと が我々のデータから示唆された。 我々の透析患者における DBP 濃度は、健常人グループのものと違いが見られず、これは文献でのほかのデータとも一 致する。標準濃度域内の DBP 濃度にも関らず、この透析患者グループにおいて ID-XLC-MS/MS で得られた 25(OH)D 濃度と、多くのルーチン分析で得られたものには違いがあった。明記すべきは、この患者グループのすべての対象分析 法での回帰分析は 1.00 から有意に差のある傾きを示した。これらの偏差の原因については推測することしかできない。 例えば、25(OH)D 結合の平衡状態や、分析試薬の存在により、尿素が結合タンパクから 25(OH)D の遊離を阻害する可 能性がある。この問題を解決するためには更なる検討が必要である。 結合タンパクから 25(OH)D を分離する問題に加えて、イムノアッセイとタンパク結合分析における 25(OH)D3 と 25(OH)D2 の特異的交差反応性も潜在的な問題点である。しかしながら 25(OH)D2 は、我々の地域では栄養素サプリメントとして一 般的に使われておらず、検査に用いたサンプルの中で 25(OH)D2 を含んでいたのはほんのわずかな数のサンプルだっ た。よってこの潜在的な問題は、分析方法間で見られた違いに対して影響を与えるものではなかった。 異なる 25(OH)D 分析法間での 25(OH)D 測定値の違いが、臨床的な意味をもつのかという点についてはまだ疑問が残る。 我々の研究は、欠乏症や不足のカットオフ値を選択する場合の 25(OH)D 分析の重要性を示している。なぜならばビタミ ンD充足や欠乏の割合は、分析法に非常に依存しているからである。例えば IC 患者の 20%は、ID-XLC-MS/MS で測定 した場合はビタミン D 充足となるが、Liaison 分析で測定した場合 52%が充足となる。妊婦の場合、ID-XLC-MS/MS で測 7 Journal Club 2012.4 Heijboer 定した時 67%が充足となるが、Centaur の場合 24%、iSYS の場合 25%のみ充足である。それぞれの患者グループと、 25(OH)D 測定方法ごとの欠乏[25(OH)D < 12µg/L (<30nmol/L)]、不足[25(OH)D 12-20µg/L (30-50nmol/L)]、充足 [25(OH)D >20µg/L (≥50nmol/L)]の割合は、オンラインの Supplemental Figure に示されている。今回検定された 25(OH)D 測定方法間差は大きいものであり、現在 25(OH)D サプリメントを服用するよう推奨されている患者数は、25(OH)D 測定に 使われている方法に依存しており望ましいものではない。 臨床検査室は現在可能な 25(OH)D 測定の分析上の問題点を認識すべきで、新しい分析法を導入する場合は厳しい目 を持つべきである。また、充足のカットオフ値や 25(OH)D サプリメントのアドバイスをする立場にある医師、研究者、査読 者、また官庁は、結論を導いたり、決定を下す前に、検討に使われた 25(OH)D 測定法について注意深く考慮する必要が ある。 結論として、25(OH)D 測定に使われたいくつかの分析法は標準化されておらず、ID-XLC-MS/MS で測定された結果と明 らかに異なった結果が報告されている。特に様々な患者グループによって重大な違いがあり、DBP 濃度や、未だ解明さ れていない阻害因子に依存している。 ■謝辞 我々は Jose Vingerhoed、Frans Martens、そして VU University Medical Center の Medical Diagnostic Center と Endocrine Laboratory の技術者のすばらしい技術サポートに感謝したい。更に、Abbott Diagnostics、Diasorin、IDS、Roche Diagnostics からの無償での 25(OH)D 試薬提供に感謝する。Siemens Diagnostics R&D Systems は試薬を割引して提供 してくれた。 (訳者:加藤 久美子) Footnotes 4Nonstandard abbreviations: 25(OH)D, 25-hydroxyvitamin D; DBP, vitamin D–binding protein; IC, intensive care; ID-XLC-MS/MS, isotope dilution/online solid-phase extraction liquid chromatography/tandem mass spectrometry; IC, intensive care; IS, internal standard; LOQ, limit of quantitation Author Contributions: All authors confirmed they have contributed to the intellectual content of this paper and have met the following 3 requirements: (a) significant contributions to the conception and design, acquisition of data, or analysis and interpretation of data; (b) drafting or revising the article for intellectual content; and (c) final approval of the published article. Authors' Disclosures or Potential Conflicts of Interest: No authors declared any potential conflicts of interest. 8 Journal Club 2012.4 Heijboer Role of Sponsor: No sponsor was declared. Received for publication September 27, 2011. Accepted for publication December 2, 2011. © 2012 The American Association for Clinical Chemistry References 1. Armas LA, Heaney RP. Vitamin D: the iceberg nutrient. J Ren Nutr 2011;21:134–9. 2. Bouvard B, Annweiler C, Salle A, Beauchet O, Chappard D, Audran M, Legrand E. Extraskeletal effects of vitamin D: facts, uncertainties, and controversies. Joint Bone Spine 2011;78:10–6. 3. Thacher TD, Clarke BL. Vitamin D insufficiency. Mayo Clin Proc 2011;86:50–60. 4. Justova V, Starka L, Wilczek H, Pacovsky V. A simple radioassay for 25-hydroxycholecalciferol without chromatography. Clin Chim Acta 1976;70:97–102. 5. Bouillon R, Kerkhove PV, De MP. Measurement of 25-hydroxyvitamin D3 in serum. Clin Chem 1976;22:364–8. 6. Gilbertson TJ, Stryd RP. 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