仕様書(PDF形式、201kバイト) - 日立GEニュークリア・エナジー株式会社

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日立GEニュークリアエナジー(株)
H26.02.26
PPS-FJ-3018 Rev.0
日立 GE ニュークリアエナジー(株)
原子力予防保全技術部
原子力サービスプロジェクト
仕様書
1. 件名
高性能多核種除去設備 現地据付工事
2. 適用範囲
本書は、上記の高性能多核種除去設備を設置するための整備事業に関する現地据付工事、
現地試験、現地調査、及び工事計画設計についての要求事項を述べたものである。
3. 目的および概要
日立 GE ニュークリアエナジー(株)(以下 HGNE とする。)は、東京電力福島第一原子力発電
所の汚染水対策に関する研究及び開発を促進することにより、速やかな事故収束及び原子
力災害からの復興に資することを目的に活動を進めている。本件は、発電用原子炉等廃炉・
安全技術開発費補助事業のうち、平成26年度分発注計画の位置づけである。
4. 適用法規及び規格類
この仕様書によって定められる作業にあたっては、以下の準拠すべき法令、規則、指針等
(特に指定する場合を除き、その最新版)を適用するものとする。なお、法令、規則、指針の
規定に相違が見られる場合には、発注者と協議の上、対応方針を定めることとする。
(1)
労働基準法及びこれに関する規則、告示等
(2)
建設業法
(3)
労働安全衛生法
(4)
電気事業法及び同施行規則
(5)
日本規格学会、発電用原子力設備規格 設計・建設規格/溶接規格
(6)
電気設備に関する技術基準を定める省令
(7)
JIS,JEM,JEC,JEAC,JEAG,JCS
(8)
ASME,IEC,IEEE
(9)
ISO
(10)
建築基準法、消防法、道路交通法
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5. 発注者の供給範囲
社給材料,貸与機器等の有無および受注者の実施すべき管理項目等については以下の通り。
(1) 工事用電力:有(無償)
工事用電力は、現地工事計画設計において受注者は発注者へ要否の連絡を行う。発注者
は東京電力(株)と調整後、発注者指定の動力用電源盤より電力を供給する。接続,切り離
しについては,所定の手続きをとること。使用可能な電源容量については別途協議とする。
なお,発注者の供給範囲は発注者が指定した電源盤までとし,これ以降は受注者の責任と
負担による(本工事用電源ケーブルの道路横断部の埋設等が必要な場合や,他工事との干
渉等による電路移設或いは受電元の変更等が発生した場合も本項範囲内において適宜対
応することとする)。
また,近傍に動力用電源盤がない場合には,受注者側でエンジン発電機等を検討する。
(2) 工事用用水:有(無償)
工事用用水は、現地工事計画設計において受注者は発注者へ要否の連絡を行う。発注者
は東京電力(株)と調整後、発注者指定の給水源より工事用用水を供給する。使用可能な給
水量については別途協議とする。発注者の供給範囲は発注者が指定した給水源までとし,
これ以降は受注者の責任と負担による。なお,工事内容により,ろ過水を使用できない場合
の工事用用水の確保及び試験における用水の供給可否については,別途協議し方針を決
定する。
(3) 工事用圧縮空気:無
(4) 貸与機器:無
揚重機等については,現地工事計画設計において受注者にて吊荷重、作業半径等の必要
な仕様を満たす揚重機を準備すること。
(5) その他社給材料:無
なお,詳細は受注者決定後に別途調整するものとする。
6. 実施内容
6.1 現地工事
現地工事は、原則として東京電力(株)発行図書工事共通仕様書(改訂12)」による。
但し、福島第一原子力発電所特有の事由により受注者が同仕様書の一部または全部
の適用除外を希望する場合は、両者協議の上、別途定めるものとする。
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(1) 工事実施場所の作業環境整備
現地工事実施場所は、以下の全てを考慮することとし、受注者の責において、作業環境
の整備(作業体制の構築、作業員の手配、防護装備の適切な選択、放射線管理、熱中
症対策等を含む安全管理、工程管理、エリア調整、工事に必要な車両の手配等)を実
施するとともに、運営上必要な経費を適切に計画すること。
但し、これらの整備のうち、発注者による調整が不可欠と判断される事項がある場合に
は、それが判明した時点で速やかに発注者にその内容を報告し、指示を仰ぐこと。
福島第一原子力発電所構内の目安の雰囲気線量は以下とする。
a.ヤード
(目安の雰囲気線量当量率:0.10mSv/h)
b.免震重要棟 (目安の雰囲気線量当量率:0.01mSv/h 未満)
上記に記載の雰囲気線量当量率は目安であり、工事を実施する時点での雰囲気線量
当量率を示すものではないことから、実際の作業に当たっては、作業の都度、作業エリ
アの雰囲気線量当量率をサーベイすること。尚、福島第一原子力発電所構内全面マス
ク着用省略可能エリアについて、入札者の要求に応じて別途対応する。
(2) 安全対策
安全対策については、東京電力(株)発行図書工事共通仕様書(改訂05)における第 5
項「安全の確保および環境の保全」及び「安全対策仕様書」による。
但し、福島第一原子力発電所特有の事由により受注者が同仕様書の一部または全部
の適用除外を希望する場合は、両者協議の上、別途定めるものとする。
当該工事における安全対策仕様書に基づく適用事項は次の通り。適用となる安全対策適用
事項は,工事施行要領書に必要事項を記載する。(■:適用項目)
■高所作業
■高圧・高温部近接作業 ■有害物取扱い作業
□粉じん作業
□閉所作業
□水上・潜水作業 ■車両系重機等作業
■火気作業
■危険物取扱い作業
■溶接・溶断作業
■重量物取扱い作業
■充電部近接作業および停電作業
□酸素欠乏危険作業
(3) 保安対策
保安対策については、東京電力(株)発行の福島第一原子力発電所における「放射線
管理仕様書(平成26年7月8日改訂01)」による。
但し、福島第一原子力発電所特有の事由により受注者が同仕様書の一部または全部
の適用除外を希望する場合は、両者協議の上、別途定めるものとする。
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(4) 現地工事実施に係る留意事項
a.作業員の安全管理、被ばく管理等
工事実施場所は通常の原子力発電所と比較し、作業環境(ガレキの散乱状況、工事
インフラの整備状況、雰囲気線量当量率、防護装備等)が著しく異なることが想定され
ることから、作業員の安全管理、被ばく管理等については、一段の配慮を行うこと。
また、受注者は、労災保険を付保すること。
b.他作業との干渉
工事実施期間中は、地震災害後の復旧に向けた各種作業が各所にて行われている
ことから、作業規制状況の確認、揚重機通行エリアの確保等については、干渉等によ
る作業遅延が極力回避されるよう、発注者との連絡を密にすること。
c.入所時教育等
入所時教育及び放射線防護教育の実施結果については、「作業員名簿」に実施日及
び実施内容を記載すること。
d.排水の処理
排水が発生する場合は、別途発注者が指示する方針に従うこと。
e.受注者が仕様を特定する材料の扱い
受注者が調達する材料等のうち、受注者が仕様を特定するものが含まれる調達を行
う場合は、受注者に対して仕様の提出を求め、その内容を設計図書等に反映するこ
と。
6.2 現地工事設計
機器の輸送,荷受、据付,試運転,検査等の現地工事に係る現場調査,工程・工法検討,
資機材・人工の必要数量検討及び設計業務を実施すること。また、工事工程については提
案書に記載し発注者へ提示すること。
6.3 現地据付工事物量
現地主要工事据付物量を下表6-1に示す。詳細図および参考資料については、入札
者の必要に応じて別途対応するものとする。
なお、工事物量は詳細設計の進捗により変更する可能性がある。
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番号
名称
員数
単位
1
空気圧縮機
1
基
2
空気レシーバタンク
2
基
3
供給タンク
2
基
4
機器ドレンサンプタンク
1
基
5
処理水タンク
2
基
6
試薬(HCl)タンク
1
基
7
試薬(NaOH)タンク
1
基
8
前処理フィルタスキッド
2
基
9
吸着等ユニット
4
基
10
昇圧ポンプ
8
台
11
試薬供給ポンプスキッド
2
基
12
試薬供給ポンプスキッド
2
基
13
試薬補給ポンプ
2
台
14
中性能フィルタ装置
1
基
15
処理水移送ポンプ
2
台
16
ドレンサンプポンプ
1
台
17
橋型クレーン
1
基
18
コントロール盤
1
面
19
PI/O 盤
3
面
20
リレー盤
2
面
21
サーバ盤
2
面
22
放射線モニタ盤
1
面
23
監視操作盤
1
面
24
高圧変圧器
2
面
25
480V 分岐盤
6
面
26
MCC
14
面
27
橋型・給気切替盤
2
面
28
送風機
2
台
29
給気処理装置
1
台
30
パッケージエアコン
2
台
31
排気ルーバ
1
台
32
送風機制御盤
1
面
33
配管設置(保温材取付含む)
1
式
34
配管サポート・埋金設置
1
式
5/9
備考
35
雑動力分電盤
2
面
36
ケーブル敷設
1
式
37
電路・トレイ他設置
1
式
38
照明器具
13
灯
39
計装空気作動弁
16
台
40
計装機器設置
1
式
41
付帯工事
1
式
表6-1 主要工事据付物量
6.4 輸送・保管
受注者は,機器等の輸送,荷下ろし,必要に応じた二次運搬を含め、現地における保管を適
切に行うこと。この場合において,機器の輸送は陸送を原則とするが,海上輸送が発生する
場合においても輸送に特殊車両等を用いる場合は,受注者の責任において必要な手続きを
行うこと。
6.5 試験・検査および試運転助勢
(1) 受注者は,実施場所において発注者の指示により必要に応じて試験・検査助勢を行うこと。
受注者は,「東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核燃料
物質の防護に関する規則」に基づく使用前検査,溶接検査の助勢を行うこと(事業者検査を
含む)。なお,該当する検査を発注者が実施しなかった場合または別途助勢の不要を受注
者に指示した場合は,この限りではない。
(2) 試運転助勢
受注者は、本設備における試運転作業に対しても助勢を行う。
7.実施期間
現地工事予定期間 : 平成26年4月19日~平成26年11月30日
(本仕様書における設備の性能確認試験開始日は平成26年10月01日とする。)
なお、詳細工程は工事の進捗に伴い変更する場合があるが、その場合は発注者と協議し決定す
る。
8.受注者の管理体制
受注者は建設業法、労働安全衛生法、労働者派遣法、その他法令に基づき適切な管理体制
を組成するものとする。
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(1) 統括安全衛生責任者の選任
(有)
(2) 管理技術者の選任
(有)
(3) 工事体制
工事体制を下記する。受注者は発注者と工事に対し連絡を密に取れる体制を構築する。ま
た、安全管理、品質管理、工程管理を含む工事管理体制を構築する。
HGNE
工事監理員
(発注者)
(調整業務)
東京電力(株)
工事請負契約
受注者
統括安全衛生責任者
(元請)
監理技術者
表8-1 工事体制
9.品質保証に関する事項
(1) 品質保証
据付対象機器の要求据付精度を満足すること。据付場所は福島第一原子力発電所構
内であり警戒区域内であるため、据付対象機器は警戒区域外において荷卸を実施し、
二次運搬が発生する場合があるが、その際の保管においても受注者は製品の品質確
保を適切に実施するものとする。特有の事由により受注者が適用除外を希望する場合
は、両者協議の上、別途定めるものとする。
(2) 資格等に関する要求事項
非破壊試験(浸透探傷試験)の業務及び必要資格については以下の通りとする。
業
務
試験結果の解釈
(判定)
作業内容
資格
(1項目以上に該当すること)
試験結果を解釈し,評価(判定)す ・NDT レベル 2 以上
る。
・NDI 2 種以上
作業員を監督・指導して職務を遂行 ・NDT レベル 2 以上
する。
試験作業
・NDI 2 種以上
監督
・PT については,客観性のある
認証制度により認証された社内
認証制度に基づく認証者
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当該部品(部位)の試験開始から完 ・NDT レベル 1 以上
了まで作業を実施する。
作業
・NDI 1 種以上
NDT レベル 1(NDT 1 種)の有資格者 ・PT については,社内認証制度
は,NDT レベル 2(NDI 2 種)以上の有 による認定者もしくは企業協議
資格者の監督の下で,作業を実施す 会による認定者
ることができる。
その他必要資格等に関する要求事項については,受注者が提出する見積仕様書の技術審
査をもって確認・決定する。
10.実施箇所ならびに実施場所等
(1) 実施箇所
東京電力株式会社 福島第一原子力発電所
(2) 実施場所
福島県双葉郡大熊町大字夫沢字北原 22 番地
福島第一原子力発電所構内 高性能多核種除去設備工事計画予定地
11.知的財産の管理
「知的財産の管理」に関する追加要求事項:有
発注者は,本契約の履行によって得た技術情報について,本契約に関連する他の契約(本契約
を分離・分割した場合はその契約を含む)を完成させるために必要な範囲に限り,当該関連契約
の当事者および当該当事者の関係者に対し,開示することができる。
本作業の実施のために発注者から提供する情報その他の当該業務の実施において知りえ
た情報についてはその秘密を保持し、また当該業務の目的以外に利用しないこと。
12.検証および検収条件
発注者は,受注者が施工した結果を確認する検査(立会検査,抜取立会検査,記録確認検査)お
よび受注者から提出された図書と発注者要求仕様との整合性確認により検証を行う。検証の結
果,受注者が施工した結果を確認する検査に合格していることおよび発注者要求仕様を満足して
いることを検収条件とする。
13.その他
13.1 仕様の変更等
本仕様書にて定めのある各種仕様(設備容量・許認可対応等)については,機器(設備)の設
置までの間の状況の変化,官庁折衝・対外対応状況等により変更が生じる可能性がある。そ
の場合,発注者は受注者に対して書面にて変更内容を通知することとし,本変更により生じる
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受注者の提示事項(納期,工法,運転方法等),費用等の変更,その他の事項については,両
者協議の上,別途定めるものとする。
13.2 福島第一原子力発電所特有の事由の考慮
福島地震,津波及びその他の原因により,福島第一原子力発電所構内の各建屋・設備には
多大な損傷が認められ,福島地震の発生前とはプラント全体の状況が著しく異なっている。よ
って,本仕様書に定める業務を遂行するに当たり,想定外の事象が発生し,それが福島第一
原子力発電所特有の事由によるものと判断される場合,その対応を両者協議の上,別途定め
るものとする。
13.3 解釈及び疑義
発注者及び受注者は,各業務の実施に当たり,本仕様書に定めのない事項及び協議が必要
な事項が確認された場合,書面にてその内容を提示し,対応について両者協議の上,別途定
めるものとする。
14.参考図書
入札者の必要に応じ別途対応するものとする。
9/9