実験リサーチ! Linuxなし Cortex

RZ コーナ
キャッシュ ON ! リアルタイム高性能の世界をのぞく
なんて
男らし
い!
実験リサーチ! Linux なし
Cortex-A9プロセッサの実力
第 2 回 動作確認に欠かせない入出力プログラムを用意しておく
L1キャッシュを動作させてキャッシュの
ある世界とない世界の性能差を体験する
CEV-RZ/A1L
OSレスで
Lチカ
RZ/A1L Cortex-A9プロセッサ
MMU
SRAM
プログラム
L1データ・
キャッシュ
SDRAM
Cygwin
タイマ
GPIO
LED
L2キャッシュ
メモリ・コントローラ
プログラムの作成…
今回はモニタ用
プログラムを作成する
パソコン
CPU
L1命令
キャッシュ
中森 章
シリアル・コミュニケーション・
インターフェース(SCIF)
USBUART
変換IC
SPIコントローラ
シリアル・フラッシュ
(U-Bootを格納)
UARTとして使う
L2キャッシュを使ってSDRAMのアクセス速度に変化があるかを実験する
TeraTerm
USB
ケーブル
プログラムの
ダウンロード
・ダウンロード
・結果を表示
(U-Bootの機能)
RZ/A1Lのタイマを使用して
プログラム実行時間を計測
図 1 生 Cortex-A9 を味わうのに必須…各レジスタの状態をモニタする入出力関数を作る
実験環境の全体構成
前 回( 第 1 回,2014 年 12 月 号 )は Cortex-A9 内 蔵
RZ/A1L マイコン(ルネサス エレクトロニクス)入
門ボード CEV-RZ/A1L(コンピューテックス)を OS
ソフト)に対する入出力プログラムを作ってみます.
実験の構成を図 1 に示します.本連載では,入力関数
を使う場面は少ないのですが,各レジスタの状態をモ
レスで動かし,L チカする方法を説明しました.今
回 は さ ら に 一 歩 進 み,OS レ ス で マ イ コ ン 内 蔵 の
UART 機能を動かす関数を作ります.PC のコンソー
ルに対するモニタ用の入出力プログラムを作成し,
PC に文字を表示させたり,PC からの文字入力を受
け付けるようにします.ここで作成する出力関数は,
この後の連載でも使用します.
(編集部)
ニタする必要があるので出力関数が必須です.出力関
数がないと,実行したプログラムが暴走しているのか
正常動作しているのか判断がつかず,実行結果を知る
こともできません.
レジスタ状態のモニタに必須!
入出力プログラム
CEV-RZ/A1L ボードの u-boot 上でプログラムを実
行する方法は,前回の記事で説明しました.
今回はコンソール(Tera Term などのターミナル・
2015 年 1 月号
● 入出力の手順
CEV-RZ/A1L ボードでは,RZ/A1L マイコンに内蔵
されている図 2 の FIFO内蔵シリアル通信モジュール
(シリアル・コミュニケーション・インターフェース,
SCIF)のチャネル 3をUART 機能として使用していま
す.SCIF のチャネル 3は u-boot が初期化を行っていま
す.そのため,少々の手順が必要ですが,送信 FIFOレ
ジスタ(SCFTDR)や受信 FIFOレジスタ(SCFRDR)を
第 1 回 ウォーミングアップ…RZ でためす! 生 Cortex-A9 で L チカ(2014 年 12 月号)
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