平成26年7月号(PDF 約702KB)

7
月号
2014 年
みなみ共済
http://www.minamikyousai.jp
日本医療機能評価機構認定病院
金沢区における災害時の
医療体制と当院の役割について
ここでは、金沢区防災計画に基づき、地震などの大規模な災害が発生し多くの傷病者(要救助者)が
発生した場合の体制を紹介します。金沢区のみなさんは、従来の地域医療救護拠点(区内10カ所)
が廃
止しされたため、症状の重さにより病院や診療所などの医療機関や地域防災拠点(瀬ヶ崎小学校ほか
26カ所)
などの避難所で診療を受けることとなります。区は、医師会・薬剤師会・看護職と連携して医
療救護隊を編成し、診療場所を固定して行う定点診療と避難所などを回る巡回診療を組み合わせて主
に軽傷者への医療を行います。横浜南共済病院の役割は、その医療救護隊の参集場所(集合場所)
とし
て病院の一部を提供し、また、後方で医療救護隊の医療が円滑に進められる支援をします。他方、災害
医療拠点病院としてスムーズに重症患者を受け入れて治療したり、搬送拠点やDMAT活動拠点となり、
災害死を防ぐ役割を担っています。患者さまに於かれましては、私共、医療者が分担しながらそれぞれ
の役割を行うことで、皆様へ必要な医療を提供する体制を構築する構想を、ご理解いただき診療を受け
て頂きたいと願っております。また、横須賀、逗子、葉山、三浦半島地区の患者さまに対しましても、同
様の医療が提供できるよう努力をして参ります。
下記に、医療提供体制のイメージをお示しします。
DMAT(災害派遣医療チーム)
:災害時に迅速に対応する専門的な研修を受けた医療チーム
病 気 あ れ こ れ
骨髄異形成症候群
血液内科 五味 聖二
原因不明の貧血や白血球や血小板などの血球減少
がみられることが多いのですが、初期には貧血だけ、血
があり、経過中に急性骨髄性白血病に移行しやすい病
小板減少だけというように1系統のみのこともよくありま
態があることは知られていました。そんな病態が 1982
す。血球減少を来す疾患は血液疾患だけではなく、ま
年に骨髄異形成症候群(Myelodysplastic syndrome:
た血液疾患でも自己免疫性疾患などによる非腫瘍性の
MDS)として概念がまとめられ、遺伝子検査などの進
ものもあるので、鑑別診断には血液専門医による血球
歩と共に病態が徐々に明らかにされつつ現在に至ってい
形態観察や骨髄検査、染色体分析などが必要です。
ます。
患者さんの多くが高齢者のため腫瘍細胞を十分に排
MDS は①血球形態の異常、②無効造血(血球に欠陥
除できる治療ができ難いこと、そして確定診断時にはす
があるため寿命が短くてすぐに壊れてしまう=細胞死・
でに正常造血幹細胞がきわめて少なくなっているため正
アポトーシスの亢進)
、③急性白血病への進展、を特徴
常造血の回復が難しいことが治療を困難にしています。
とする疾患群であり、その本質は造血幹細胞レベルの
治癒が期待できる治療は現在でも同種造血幹細胞移
変異によるクローン性増殖と考えられています。植物に
植のみですが、高齢者は一般的にはその適応がありませ
例えれば、枝葉の病気ではなく根から病気になっている
ん。急性白血病化した患者さんに増殖を抑える目的で抗
と考えると分かりやすいでしょうか。白血病や悪性リン
がん剤治療を行ないますが、その有効率や効果持続期
パ腫と同様に腫瘍性疾患であり、異常クローンの増加に
間の点でまだ満足できるものではなく、また感染症など
伴って次第に骨髄での正常造血が抑制されていくために
の併発症が致命傷になることも多いため、輸血療法な
血球減少がおこるものと考えられています。
どの保存的治療が主体にならざるをえないのが現状で
血球には赤血球、白血球、血小板という 3 系統の細
す。病態の解明が進みさらに治療法の進歩が望まれま
胞があります。MDS では2あるいは3系統の血球減少
す。
◉診療の実績◉
入院
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10 月 11 月 12 月
平成25年度
1月
2月
3月
1 日平均患者数 464.7 488.5 454.6 485.5 508.7 486.6 504.1 505.8 482.5 482.7 506.2 507.4
13,940 15,142 13,639 15,049 15,769 14,598 15,626 15,173 14,956 14,964 14,173 15,729
月延患者数
11.9
12.7
11.9
11.4
11.8
12.3
12.0
12.2
12.2
12.7
12.3
12.4
平均入院日数
外来
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10 月 11 月 12 月
1月
2月
3月
1 日平均患者数 1,380.0 1,435.3 1,467.1 1,423.8 1,335.3 1,494.8 1,404.8 1,463.4 1,522.9 1,515.9 1,424.2 1,511.4
月延べ患者数 28,980 30,141 27,875 31,324 29,377 28,401 30,906 29,267 28,935 28,803 27,059 30,228
平成 25 年度
紹介率
逆紹介率
69.0%
41.7%
夏期のクールビズ実施について
地球温暖化対策の一環として、当院でも節電を実施します。
院内のエアコンの設定温度は原則 28℃とし、5 月 1 日から 10 月 31 日まで職員は「クールビズ」期間とさ
せていただきます。
何卒ご理解とご協力を賜りますようよろしくお願いいたします。
発 行:国家公務員共済組合連合会 横浜南共済病院
〒 236-0037 神奈川県横浜市金沢区六浦東1―21―1
電話 045 – 782 – 2101 URL: http://www.minamikyousai.jp