//小児科// 部長 金澤 正樹 〔 平 成 22 年 度 部 門 目 標 〕 ・年間入院病床利用率 75% 以 上 ・ 学 術 雑 誌 へ の 論 文 投 稿 ( 科 内 筆 頭 著 者 ) を 年 間 5報 以 上 と す る 。 1 業 務 ( 診 察 ) 体制 平 成 22年 度 の 小 児 科 は 、 常 勤 医 8名 と 後 期 研 修 医 3名 お よ び 非 常 勤 医 3名 の 構 成 で し た 。 2 業 務 ( 診 察 ) スタ ッ フ 小児科部長 :金澤正樹 副部長 :地引利昭 所属医師 :安齋聡、橋本祐至、阿部克昭、永井文栄、後藤文洋、鈴木敏洋 後期研修医 :公平愛生、井出智之、山崎明香 非 常 勤 医 師 :( 外 来 ) 黒 崎 知 道 、( 外 来 ) 坂 尾 詠 子 、( 外 来 ) 高 橋 弘 昭 3 業 務 ( 診 察 ) 実績 千葉市の地域中核病院として小児2次医療を遂行しました。具体的には、1次・3次医 療機関との連携、小児専門外来の実施(循環器、アレルギー、感染、呼吸器、神経、消化 器 、代 謝 )、小 児 救 急 へ の 貢 献 と し て 千 葉 市 小 児 夜 間 救 急 の 2 次 医 療 機 関 と し て 輪 番 を 365 日担当しました。教育に関しては、千葉大学の卒後臨床研修の協力病院として初期研修医 の 教 育 を 行 い ま し た 。小 児 科 主 催 の 公 開 カ ン フ ァ レ ン ス を 平 成 22 年 度 6 回 行 い ま し た( 奇 数 月 第 3 金 曜 日 )。地 域 貢 献 と し て は 千 葉 市 主 催 の「 ぜ ん 息 児 水 泳 教 室 」に 常 勤 医 が 交 代 で 管 理 医 師 と し て 毎 回 参 加 し ま し た 。そ の 他 千 葉 市 主 催 の 4 ヶ 月 検 診 へ の 医 師 派 遣 、千 葉 市 の小中学生の心臓二次検診への医師派遣も継続しております。 小 児 科 病 床 数 は 48 床 で 、 平 成 22 年 度 年 間 延 入 院 患 者 数 は 11,526 名 で し た 。 1 日 平 均 入 院 患 者 数( 病 床 利 用 率 )は 31.6 名( 65.8% )で し た 。急 性 疾 患 が 多 い た め 、平 均 在 院 日 数 は 7.5 日 で あ り 短 期 入 院 が 多 い の が 特 徴 で す 。 一 方 、 新 入 院 患 者 数 は 、 1529 名 で し た 。 診療科別では最も多い入院患者数でした。 当 直 医 が 対 応 し た 外 来 患 者 数 は 1273 名 で し た 。 そ の う ち 時 間 外 の 入 院 患 者 数 は 648 名 で し た 。 こ れ は 全 年 間 新 入 院 患 者 数 の 42.4% で し た 。 月 平 均 は 54.0 名 で し た 。 時 間 外 の 千 葉 市 夜 間 救 急 初 期 診 療 所 か ら の 紹 介 は 648 名 で し た 。こ の よ う に 時 間 外・当 直 時 間 帯 で の入院が多いのが特徴であり、確実に交代で当直を組める体制の維持が必須であり、時間 外救急重症患者が複数受診した場合の当院のバックアップ体制の整備や、より多くの夜間 対応可能な医師並びに看護職員の人数の確保が望まれます。 平 成 22 年 度 の 外 来 の 延 患 者 数 は 18,581 名 で 、 1 日 平 均 は 76.4 人 で あ り 、 前 年 度 並 び に 前 々 年 度 の 外 来 の 延 患 者 数( 平 成 21 年 度 は 20,228 名 で 、1 日 平 均 は 84 名 、平 成 20 年 度 は 20,902 名 、 1 日 平 均 103 名 ) と 比 較 し 、 減 少 傾 向 を 認 め て お り ま す 。 入院患者の疾患の内容は呼吸器系の疾患が最も多く、次に感染症でした。この2疾患で 全 体 の 半 数 以 上 を 占 め て い る の は 例 年 と 同 様 の 傾 向 で し た 。疾 患 名 で は 肺 炎 が 最 も 多 く (平 成 22 年 度 は 285 名 )、 胃 腸 炎 ( 200 名 )、 気 管 支 喘 息 ( 192 名 ) の 順 で し た 。 そ の ほ か 、 て ん か ん ・ け い れ ん の 発 作 時 の 受 け 入 れ 人 数 も 多 い ( 103 名 ) の も 特 徴 と い え る と 思 い ま す。 4 1 年 間 の 経 過と今 後 の 目 標 平 成 22 年 度 の 目 標 で あ る 入 院 病 床 利 用 率 75% 以 上 に つ い て は 、実 際 の 入 院 病 床 利 用 率 が 平 成 22 年 度 (65.8 %)に 留 ま り 、目 標 は 達 成 さ れ ま せ ん で し た 。救 急 車 に よ る 時 間 外 受 け 入れや入院は増加しているものの、全体の新入院患者数は減少傾向でした。平均在院日数 はほぼ横ばい傾向が続いています。疾患毎についても解析しましたが変化はありませんで した。 新 型 イ ン フ ル エ ン ザ の 流 行 で 平 成 21 年 度 は イ ン フ ル エ ン ザ 患 者 の 入 院 が 多 数 あ り ま し た( 81 名 、他 主 病 名 に よ る 登 録 患 者 も 含 め れ ば 実 数 は 100 名 以 上 )が 、平 成 22 年 度 は 例 年 よ り む し ろ 少 な い 人 数 14 名 で し た 。 ま た 全 国 的 な 傾 向 と 一 致 し て お り ま す が 、 川 崎 病 の 患 者 は 増 加 し て お り ま す ( 平 成 21 年 度 か ら 1 年 で 、 58 名 ⇒ 62 名 と 増 加 )。 院 内 感 染 予 防対策や重症患者への対応などにより個室確保などのベッドマネージメントには常に苦慮 しております。小児科病棟の個室は4床のみで、個室が必要な患者が増えれば増えるほど 病 床 稼 働 率 が 伸 び な い と い う 事 情 が あ り 、毎 日 、急 性 期 を 脱 し て 安 定 し た 患 者 さ ん を 2、4、 6 床 部 屋 に 移 動 し 個 室 を 確 保 す る 努 力 を し て い ま す が 、時 間 外 の 受 診 患 者 が 増 え て い る 他 、 ウイルス疾患毎の迅速抗原検査の普及に伴う疾患別の部屋割りの種類数の増加があり、患 児を入院加療か外来加療か判断する際に病室の状況も考慮しなくてはいけないことが多く なってきています。 入院患者数を増加させるため1次・3次医療機関との連携をよりいっそう密接にし、入 院 患 者 の 受 け 入 れ が 円 滑 に 行 わ れ る よ う 努 力 を 続 け ま す 。 平 成 22 年 度 の 学 術 学 会 雑 誌 へ の 原 著 論 文 の 収 載 数 は 科 内 筆 頭 者 で 2 報( 邦 文 )で し た 。年 間 5 報 以 上 と す る 目 標 は 達 成 されておらず、今後もこの目標を継続し情報発信を活発にしていけるよう努力していきた いと考えています。 教育研修病院としての性格を反映して、当科も様々な形で医学生や若い医師の受け入れ を 行 っ て い ま す 。 平 成 22 年 度 は 千 葉 大 学 協 力 型 や 青 葉 管 理 型 な ど 含 め て 様 々 な 形 で の 初 期 研 修 医 を 計 17 名 受 け 入 れ ま し た 。後 期 研 修 医 と し て は 平 成 21 年 4 月 か ら 来 ら れ た 1 名 並 び に 平 成 21 年 4 月 か ら 来 ら れ た 2 名 の 計 3 名 の 先 生 が 小 児 科 研 修 を 続 け て お ら れ ま す 。 毎週水曜日午後の病棟カンファレンスを患者の診療の検討並びに学習の場としております。 この時間に学会や研究会で学んだことの報告、地方会や院内での公開カンファレンスの予 演 な ど を 行 う ほ か に 、 発 表 者 の 自 己 研 鑽 も 兼 ね た 研 修 医 用 の レ ク チ ャ ー を 平 成 22 年 4 月 より開始しました。このレクチャー内容は電子カルテ内に保存し、電子カルテ端末のある ところならどこでも開いて再度学習できるようにしてあります。後期研修施設としてさら にプログラムを充実し、小児科専門医を目指す若い医師にスタッフ一同貢献していきたい と考えています。 //新生児科 / 部長 大塚 春美 〔平成22年部門目標〕 収容不能を入院依頼の20%以下にする。 1 診療体制 新 生 児 集 中 治 療 室 ( NICU) 1 2 床 を 有 し 、 2 4 時 間 で 新 生 児 の 救 急 医 療 に 対 応 し て い ま す。平成22年4月より師長が松川菜穂美となり、産科部長飯塚美徳先生たちと協力し、 6月より地域周産期医療センターとなった。 2 診療スタッフ (敬 称 略) 医師常勤スタッフは、大塚春美、今井郁子、岩松利至、鈴木康浩の4名で1年間のロー テ ー タ ー と し て 千 葉 大 よ り 齊 藤 直 樹 、当 院 小 児 科 よ り 朽 名 悟 の 2 名 。半 年 交 替 で 東 京 女 子 医 大 本 院 よ り 金 子 裕 貴 、佐 原 真 澄 、花 谷 あ き 、鏑 木 陽 一 郎 、さ ら に 新 し く 東 京 都 北 社 会 保 険 病 院 よ り 高 橋 教 、今 成 英 司 ら の 後 期 研 修 医 が 研 修 し た 。初 期 研 修 医 で は 藤 田 真 裕 子 、秋 本( 飯 田 )由 紀 子 、濱 中 紳 策 が 1 ~ 3 ヶ 月 研 修 し た 。看 護 師 は 松 川 師 長 と 主 任( 庄 司 、福 富 、 伊 東 、 川 村 ) を 含 め た 4 9 名 に 増 員 、 他 に 看 護 助 手 ( 杉 山 、 竹 内 、 立 﨑 )、 臨 床 心 理 士 の 藤 嶋 加 奈 ( 週 2 回 )、 医 療 ク ラ ー ク 鈴 木 が 勤 務 。 3 診療実績 入院数は312名と前年の279名より増加、院内出生が70%を占めた。死亡例は3 名 の 超 低 出 生 体 重 児( 出 生 体 重 1 0 0 0 g 未 満 )で 、死 因 は 自 宅 分 娩 、頭 蓋 内 出 血 、1 8 トミソリー。 1) 入院数 出生体重 312名 (院内 入院数 死亡数 ~ 999g 20 3 1000~1499g 21 1500~2499g 220名 70%) 在 胎 (周 ) 入院数 死亡数 22~24 6 2 0 25~27 8 0 165 0 28~32 41 1 2500~ 106 0 33~36 134 0 合計 312 3 37~ 123 0 合計 312 3 2 ) 入 院 依 頼 (院 外 よ り ) 267件 ①入院 81件 (内訳) 分娩立会+搬送 10件 新生児救急搬送 9件 救急車 62件 ②他院収容・相談 168件 ③入院不能 18件 (他院収容 11件) 院外よりの入院依頼は母体搬送も含め267件、入院不能は18件で依頼の6.7%と 年度目標20%以下を達成できました。 4 主な 出 来 事 ( 平成 2 2 年 度 ) 1)地域周産期センターとして稼働 (6月) 看護師を5名増員し新生児治療回復室入院医療加算ベッド18床に。 産科も千葉大、帝京市原病院の協力を得て連日当直体制となった。 2)在宅人工換気目的で仮死後脳症の児が静岡へ転院 (8月) 里帰り分娩で人工換気中の児が沼津市立病院へ新幹線で転院。 産科医療補償制度申請2例目 3 ) 第 200 回 海 浜 病 院 公 開 カ ン フ ァ レ ン ス (10月27日) 新生児科演題 ① 1絨毛膜2羊膜双胎の1児に高 K 血症を認めた例 ② 当院の産科医療補償制度申請例 4)臨床病理検討会 (岩松) (大塚) (2月23日) ① 胎児徐脈で緊急帝切した成熟新生児 (平島 聡子) ② 発熱を主訴に日齢8に入院した成熟新生児 ③ 早産で出生後著明な呼吸障害を呈した極低出生体重児 (古川 傑) (長岡 孝太) 5)新生児蘇生講習会 NCPR ガ イ ド ラ イ ン 2 0 1 0 年 版 グ レ ー ド ア ッ プ 講 習 会 も 追 加 開 催 (2月)
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