第28回農業ジャーナリスト賞規定

第28回農業ジャーナリスト賞規定
2012 年 12 月吉日
規約
第1条(名称)
本賞は,農業ジャーナリスト賞と称する。
第2条(目的)
本賞は,農林水産業、食料問題ならびに農山漁村
の地域や環境に関する優れた報道(ルボルタージ
ュ、連載企画,出版物,放送番組等)を通じてジ
ャーナリストとして顕著な業績をあげたものを
表彰する。
第3条(受賞対象)
本賞の受賞対象となる作品は,毎年1月から 12
月までに発表されたものとする。
第4条(選考)
農政ジャーナリストの会が委嘱した選考委員会
で推薦された作品の中から農政ジャーナリスト
の会役員会で決定する。
第5条(表彰)
本賞は,賞状ならびに副賞とする,表彰は毎年農
政ジャーナリストの会の定期総会で行う。
第6条(受賞作品の公表)
本賞の受賞作品は、農政ジャーナリストの会機関
誌「日本農業の動き」に紹介する。
第7条(その他の事項)
その他本賞に関する事項は,農政ジャーナリスト
の会の協議で決定する,
選考委員(五十音順)
合瀬 宏毅
大多和 巌
大野 照夫
小田切 徳美
白石
好孝
西角 ますみ
浜
美枝
野村 一正
NHK解説委員
前農林中金総合研究所社長
元TBSテレビプロデューサー
明治大学農学部教授
農業者、白石農園園主
中央公論新社新プロジェクト編集長
女優、ライフコーディネーター
元時事通信解説委員
吉永 みち子
作家
農政ジャーナリストの会および農業ジャーナリスト賞について
農政ジャーナリストの会は 1956 年,農業,農政に関心を持つ一般紙,専門紙
誌,通信社、放送局,雑誌の記者,編集者,フリーのライター,執筆活動をし
ている研究者などで結成した自主組織です。4半期ごとにテーマを決め,研究
会を積み重ねて、その成果を機関誌『日本農業の動き』
(農林統計協会刊)とし
て年4回出版しているほか、国内・国外の共同取材や講演会なども随時開催し
ています。
会員は全国で310人。国際農業ジャーナリスト連盟(IFAJ)に加盟し
ています。会長は初代が団野信夫(当時朝日新聞),2代が遠藤太郎(同読売新
聞,3代が山地堆(同日本経済新聞),4代が古野雅美(同共同通信)、5代が
黒川宣之(同朝日新聞),6代が中村靖彦(同NHK)、7代が岸康彦(同日本
経済新聞),8代が中村靖彦(同NHK),9 代が須田勇治(同日本農業新聞)、
10 代が野村一正(同時事通信)、現在は合瀬宏毅(NHK)です。
農業ジャーナリスト賞は農政ジャーナリストの会が 1986 年に、創立 30 周年
を記念して設けたもので、毎年、その前年に発表された農林水産業、食料問題
ならびに農山漁村の地域問題などに関する優れた報道(ルポルタージュ、連載企
画、出版物、放送番組など)の分野で、ジャーナリストとして顕著な功績をあげ
たものを表彰してきました。審査に当たっての目安として、
「社会性」、
「独自性」、
「影響力」、「訴求力」などがあげられています。
参考
第27回農業ジャーナリスト賞受賞作品(2011年)
【受
賞】
「勧農鳥(ホトトギス)の憂い-農再生へ自由化時代」(信濃毎日新聞)
「ETV特集 原発事故に立ち向かうコメ農家」
(NHK、NHKエデュケーショナル、桜映画社)
<受賞作品概要>
勧農鳥(ホトトギス)の憂い-農再生へ自由化時代
平地から中山間地まで、多種多様な農産物が栽培され、日本農業の縮図といわれる長野
県の農業生産現場を、半年間にわたり丹念に追いながら、国内農業、農政問題をあぶり出
し、地域に根付いた地方紙ならではのきめ細かな取材で問題提起した点が評価される。連
載企画では、県内の先進的な農家など約1200人を取材して、試行錯誤を続ける生産者
や農協(JA)の姿をルポし、全国の単位農協組合長アンケートも実施した。
連載を通して農業を再生するために何が必要なのかを多面的な角度から検証し、政府が
主導する経営の大規模化だけでは農業が抱える根本的な問題は解決しないことを浮き彫り
にした。不安や絶望の先に、新たな方向性と取り組みなど、再生への希望も伝えている。
農業の現実を分かりやすい記事内容で読者に提供し、タイトルにも好感が持てる。生産者
の素朴なつぶやきから連載を始めたのも印象的だ。
ETV特集 原発事故に立ち向かうコメ農家
過去に経験したことのない原発事故による放射能の大量拡散という非常事態に立ち向か
う2つの米農家の戦いを追い続けた力作。事故直後から米農家に密着し、長期取材を通し
て「土壌汚染」
「除染」の問題点を指摘した。中でも、土壌汚染に対する法制度の「空白」
を問題提起したことは特筆され、省庁でタライ回しされ、翻弄される米農家のやり場のな
い怒りがよく伝わってきた。
汚染の実態と前例のない風評被害に苦悩する農家の無念さ、除染に挑む村の人々が映像
で生々しく描き出され、引き込まれる映像の力を感じる。農業や漁業は土地を離れて営む
ことはできない。豊かな自然の中で安心と安全と美味しさを追求してきた福島の米づくり
農家の苦悩は重い。制作者の意図が十分に伝わる取材内容で、放送後も一般の視聴者から
専門家まで反響が寄せられるなど、勇気を出して声を上げた米農家への共感の声が多数届
いた。
農業ジャーナリスト賞の変遷
過去27回(1985年~2011年)の受賞全作品
2012年12月吉日
○第27回(2011年)
・信濃毎日新聞社
「勧農鳥(ホトトギス)の憂い 農再生へ自由化時代」
・NHK、桜映画社
ETV特集「原発事故に立ち向かうコメ農家」
○第26回(2010年)
・宮崎日日新聞社
「口蹄疫に関する一連の報道」
・岐阜新聞社
「ぎふ海流」
・ABS秋田放送
「夢は刈られて~モデル農村の40年~」
・NHK名古屋放送局
「金とく
エコ田んぼ完結編」
○第25回(2009年)
・河北新報社
「漁場が消える-三陸・マグロ危機」
・新潟日報社
「朱鷺(トキ)の国から」
・中日新聞社
「農は国の本なり」
・山形放送テレビ 「田んぼは僕らの教室だ!」
○第24回(2008年)
・南日本放送
「やねだん~人口300人、ボーナスが出る集落」
・読売新聞社
「食ショック」
・日本農業新聞
「食料有事」
○第23回(2007年)
・中国新聞社
「ムラは問う」
・日本農業新聞
「田園立国」=特別賞
・テレビ静岡
「章姫~父が残したイチゴ」=特別賞
○第22回(2006年)
・河北新報社
「ニッポン開墾~中山間地からの発進」
・信濃毎日新聞社 「木曽・王滝『官』の村から」
・高知新聞社
「土佐ジロー20 歳 スーパーブランド鶏物語」
○第21回(2005年)
・北日本新聞社
「沈黙の春」
・札幌テレビ
「大地の選択~遺伝子組換え論争~」
・宇根
豊
「国民のための百姓学」(家の光協会)=特別賞
○第20回(2004年)
・読売新聞西部本社「棚田日和 いね・ひと・いのち」
・西日本新聞社
「食卓の向こう側」
・日本経済新聞社 ①「新・森林産業を築く」②「立て直せ 子どもの食」
・日本農業新聞
「わくわくドキドキ食の学校」
・岡山放送
「耕せど古里は~棚田に迫る危機~」
・宮城テレビ放送 「ミテちゃんねる 赤豚に賭けた男」
○第19回(2003年)
・河北新報社
「豊かさの死角 無登録農薬から考える」
・福島民友社
「食ふくしま新ふーど記」
・日本農業新聞 「新時代を耕す~農業復権への提言」
・上越タイムス社「上越の農力」
・NHK
「生中継
ふるさとの食にっぽんの食」
・南日本放送
「たのかんさあ歳時記」
○第18回(2002年)
・中国新聞社
「中国山地 明日へのシナリオ」
・日本テレビ
「ザ!鉄腕!DASH!!」
・家の光協会
「これでいいのか日本の食料」
(ジェームス・R・シンプソン著)=特別
賞
○第17回(2001年)
・山陽新聞社
「現代食考~豊かさの中で」
・熊本日日新聞社「有明海ノリ被害」
・日本農業新聞 「農業は生命産業」
・山形放送
「山形の群像 新世紀のISO農業」
・NHK
「たべもの新世紀 残したい 里の誇り 辛味大根」
○第16回(2000年)
・岩手日報社
「いわて
・愛媛新聞社
「身土不二」―えひめ農業の再興」
・信越放送
「誰が山を守るのか」―荒廃する信州の森
○第15回(1999年)
食・新世紀」
・静岡新聞社、南日本新聞社 合同企画「平成茶考」
・南日本新聞社 「かごしま黒豚物語」
・日本農業新聞 「国産時代」
・熊本県民テレビ「もっちゃんのお米を作りたい!」
・NHK
「知っていますか 子どもたちの食卓」
・農文協
「日本農書全集」=特別賞
○第14回(1998年)
・信濃毎日新聞社 「信州の農林業再構築への道」
・山陰中央新報社 「明日への手紙」
・日本農業新聞
「むらまちネットーー共生の新世紀」
・農文協
「増刊・現代農業<帰農4部作>」
・山形放送
「自然は僕らのステージ~山村留学の現場から~」
・福井放送
「かあちゃんたちは田舎のヒロイン」
・NHK
「食卓の王様」
○第13回(1997年)
・南日本新聞社 「新しい食と農のかたち」
・読売新聞社
「日本は安全か 食糧安保」
・河北新報社
「オリザの環」
・信越放送
「おてんとうさまのおかげだなむ」
・テレビ東京
「虹のかけ橋 台所と農民をつなぐ」
・酒井義昭
「コシヒカリ物語」(中公新書)
・軽部謙介
「日米コメ交渉」
(中公新書)
○第12回(1996年)
・上毛新聞社
「農 フロンティア」
・テレビ東京
「耕さない田んぼ」
○第11回(1995年)
・山陰中央新報社 「森は緑のダム」
・山野恭伸(日本農業新聞) 「畜産と環境」
・増井和夫(フリー)
「アグロフォレストリーの発想」
・NHK福岡放送局 「アメリカ遺伝子特許戦略」
・テレビ朝日
「紳助のこれが超花形ビジネスだ」
・テレビとうわ
「牛(べこ)とコスモス」
○第10回(1994年)
・河北新報社
「耕土荒廃」
・大分合同新聞 「われら″田民族″」
・山陽新聞社
「女性が変わる 地域が変わる」
・静岡新聞社
「揺れる静岡茶」
・十勝毎日新聞社「加工・新時代」
・NHK熊本放送局、熊本日日新聞社 「コメ新時代」
○第9回(1993年)
・琉球新報社 「虫と闘った男たち」
・中国新聞社 「農と林」
・東京新聞社 「コメ戦争シリーズ」
・朝日新聞社 「南郷の秋、田園に吹く風」
・地球百姓ネットワーク 「百姓天国」
○第8回(1992年)
・河北新報社 「考えよう農薬・減らそう農薬」
・
(社)農文協 「アメリカは自由貿易に反対する」
(現代農業緊急増刊)
・テレビ岩手 「ドキュメント’92 教科書を考える」
○第7回(1991年)
・高知新聞社
「山よ」
・南日本新聞社 「安心して食べたい」
・全国農業新聞 「農を歩く」
(写真集)
○第6回(1990年)
・河北新報社
「百姓元年」
・毎日新聞(大阪)
「ミカン王国は今」
・日本テレビ
「シリーズ 米」
○第5回(1989年)
・共同通信社
「木と語る」
・陸奥新報社
「リンゴ新時代」
・日本農業新聞
「むらルネサンスー21世紀への共生」
・門脇啓二(フリー)ルポルタージュ「さいはての海に生きる」
○第4回(1988年)
・信濃毎日新聞社 「危機の国有林」
・新潟日報社
「ムラの国際結婚」
・
(社)農文協
「日本の食生活全集」
○第3回(1987年)
・河北新報社
「揺らぐコメ・生きる道」
・中日新聞社
「挑戦・バケツ稲作」
・熊本日日新聞社「農家破産」
「熊本のコメ」
「負けられん」
・琉球新聞社
「沖縄農業の最先端」
○第2回(1986年)
・東奥日報社
「考えよう土づくり」
・朝日新聞社
「農の風景」
○第1回(1985年)
・中国新聞社
・日本農業新聞
・NHK
「新中国山地」
「家族
いまを生きる」
「食べもの ふしぎ?ふしぎ」
※農政ジャーナリストの会の創立30周年を記念して、1986(昭和61年)
に農業ジャーナリスト賞が設けられた。(前年公表の作品を選考対象に)