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「アフリカ」
でつながる
地球を
考える
∼愛・地球博から8年∼
ボランティア活動を終えて
多くの人と出会えたこのイベントは楽しいだけではなく、学
5月18日・19日、愛知県あま市にて
「AMAFRICA
(アマアフリカ)
2013」
が開催されました。
「わたしに出
ぶ こ と も 多 く あ り、個
来ること、わたしでも出来ること」
を合言葉にアフリカに思いを寄せることを趣旨とするこのイベントは、
昨年に引き続き今年で2回目の開催でした。アフリカを支援する団体やアフリカの文化・芸術を伝える人々、
アフリカに魅せられた人々など多くの人のつながりによって開催されたこのイベントのそもそものきっか
人的には今後もアフリ
千種高校インターアクトクラブ 、副部長の
青山純也さん
*2
けは、愛・地球博フレンドシップ事業*1でした。愛・地球博
(以下、万博)
から8年、
「アフリカ」
をキーワードに
た。
ワールドカップ
AMAFRICAの仕掛人、
実行委員会代表の浅野晴美さん
が勉強を続けられ、大人になった時に育った村や国を変えられる
ような、そんな人材になれるように教育面で長くサポートしてい
きたいという願いが、このプロジェクトには込められています。
きっかけはマリ共和国の太鼓
カに関わりがありませんでし
万博のフレンドシップ事業をきっかけとした文化交流はやが
た。どうしてこんなにハマっ
て「アフリカ」というキーワードによって結びついた個人や支援
た の か、私 自 身 に も わ か ら な
団 体、高 校 生 等 の 多 く の ボ ラ ン テ ィ ア に よ っ て 支 え ら れ た
いです」AMAFRICA実行委員
AMAFRICAというイベントへと発展しました。AMAFRICAの
会 代 表 の 浅 野 さ んは、笑 い ま
イベントコンセプトは「わたしに出来ること、わたしでも出来る
す。
こと」
です。一人ひとりが無理をせず、できることを継続的に行っ
で甚目寺町(現あま市)の交流
代表の浅野さん
相手国になったのは、アフリカのマリ共和国。もともと音楽好
集められた資金がその
ワ ー ル ド カ ッ プ。あ る 飲 料 水
ていく中で、いずれはあま市に限らず、
「愛知で、中部で、アフリ
カを考えよう」
というメッセージを込めたイベントを開催したい
そうです。
まま西アフリカ学校プロジェクトに活用されることで、アフリ
メーカーが募集した、日本代表
カ支援に貢献できているのだということを実感できたそうで
戦のピッチに旗を持って選手
す。
部活動としては、今後は世界各国料理を紹介するイベントを
ラッグベアラーに当選したの
行ったり、小学校で英語を教えることを通じて国際理解につな
が、青山さんとアフリカとの出
副部長の青山さん
会いでした。その企画の一環で
カの太鼓(ジェンベ)演奏のワークショップに参加した際、マ
行うNPO法人アサンテナゴヤという団体でボランティア活動を
行っていますが、その団体でAMAFRICAのことを知り、在学す
る愛知県立千種高校のクラブのメンバーにボランティアをしな
いかと持ちかけたところ、みんなが「面白そう!」
と支持してくれ
分かれ、北・南・東・西・中央アフリカについてそれぞれ自由にテー
の中で「甚(じん)ベ楽団」というジェンベの楽団を立ち上げ、
マを設定して調べました。多かったのは各地域の料理や観光地
いろいろな場所で演奏会を行っていたそうです。そうした活
だったそうですが、調べたことを見やすく、わかりやすく1枚の
動を続けるうちに、アフリカに関心のある人や支援団体、個人
パネルにまとめました。2年生は西アフリカ学校プロジェクトが
の演奏家等とのつながりが生まれ、そこから生まれたのがア
現地でどのように進行していったかを説明するためのパネルを
フリカを考えるイベント、AMAFRICAでした。
作成し、それらをイベント会場に展示し、多くの来場者に見ても
来場者と一緒にアフリカの音楽とダンスで盛り上がるステージ
西アフリカ学校プロジェクト
万博のフレンドシップ事業から始まった文化交流が、人々
の手によって受け継がれ、多くの人が関わるイベントへと結
実しました。アフリカを知り、関わることになったきっかけは
様々ですが、
「アフリカ」というキーワードでつながり、集(つ
ど) った人々の手で開催されたAMAFRICA。主催者や関係者
だけでなく、来場者も巻き込んだファイナルのステージダン
十分に勉強した上で参加するよう、1年生は5つのグループに
にとりつかれてしまいました。そして自ら町の国際交流協会
* * *
になったそうです。現在はケニアを中心として、アフリカ支援を
まずはアフリカを知ろう
!
リの人々の演奏する太鼓の音に音楽の原点を感じ、その魅力
がるような、ボランティア活動を行っていきたいそうです。
アフリカについて調べる機会があり、これが興味を持つきっかけ
たこともあり、参加を決めました。
きだった浅野さんは、事業の一環として町で開かれたアフリ
スには、アフリカの大地が持つ力強さと太陽のまぶしいほど
の明るさを感じました。
ここで紹介した団体のHP
・AMAFRICA http://amafrica2013.jimdo.com/
・NPO法人アサンテナゴヤ http://asante-nagoya.com/
・NPO法人ジャパンアフリカトラスト http://jat-jp.org/
らうことになりました。
イベントに参加していた
アフリカ出身の方にも
お話を伺いました。
ジェンベの音色のように魅力的な文化が多数ある一方で、
アフリカは様々な問題を抱えています。浅野さんたちは、イベ
01
オマリさん
(タンザニア出身)
アフリカの野生動物や人々
サンドラさん
(ケニア出身)
IAC作成のパネル(AMAFRICA会場内にて)
*1 一市町村一国フレンドシップ事
NPO法人ジャパンアフリカトラス
業:県内の市町村が、愛知万博の公
ントで販売したTシャツの売上金の一部を寄付金として、アフ
の生活などを色鮮やかに描く
リカを支援する「西アフリカ学校プロジェクト」を立ち上げま
タンザニア生まれのポップアート
「ティンガティンガ」
の画家である
ト
(JAT)
のブースでケニアのドーナツを作っていたサンドラさんは、留学
ら参加する人たちを、それぞれの
した。プロジェクト最初の支援は、ギニアにある貧しいの子ど
オマリさんは、2010年に来日し、現在では滋賀県を拠点に活動して
生として来日し、現在は日本の企業に勤めています。大学の友人を通じて
た事業。
もたちが通う学校でのトイレづくりでした。約300人の生徒
います。日本人の奥様の友人を通じてAMAFRICAのことを知り、
JATの活動を知り、ケニアのために日本でできることはないかと考えてい
に対して1つしかないトイレの数を増やすため、副代表が現地
ブース出展という形でイベントに参加していました。主催者や来場
たこともあり、メンバーになりました。東アフリカで近代農業の指導など
に行き、地元の人々の協力とともに、一緒にトイレを作ったそ
者の人々の優しさや、とてもきち
の農業支援を行うJATのマーケティングアドバイザーとして、また料理教
二本の柱として活動する部活動。
うです。
「現地を見て、聞いて、手元に集まったお金で何がで
んとまとめられたイベントであ
室やアフリカ文化を伝える勉強会等に携わっています。AMAFRICAには、
生徒がボランティアとして参加。
きるかを考え、自分たちができることを実行していくことが、
ることに感心したそうです。楽
ステージでのファッションショーモデルやJATのブースのお手伝いとして
長期的な持続可能な支援の形だと思う」と浅野さんは語りま
しく参加できたので、機会があれ
参加しており、
「本当に楽しい!」
と笑顔で答えてくれました。いずれはケ
す。今のアフリカを変えることはできないけれど、子どもたち
ば来年もぜひ参加したいと語っ
ニアに帰り、日本で学んだことを生かしていきたいと語るサンドラさん。日本とケニアの人々をつなぐ架け橋
てくれました。
として活躍されることと思います。
2013.7 ニック・ニュース
ティンガティンガアーティストのオマリさん
地球を考える ﹁アフリカ﹂でつながる ∼愛・地球博から8年∼
地球を考える ﹁アフリカ﹂でつながる ∼愛・地球博から8年∼
多くの人とのつながりの中で
万博のフレンドシップ事業
部 員 た ち は、こ こ で
南 ア フ リ カ で 開 催 さ れ た
と一緒に入場するというフ
「それまで、まったくアフリ
行っていきたいと青山
さんは語ってくれまし
きっかけは2010年の
つながり合い、このイベントに参加した人々の思いをお伝えします。
カにかかわる活動を
式参加国とペアになって、外国か
地域でもてなし、国際交流を図っ
*2 千種高校インターアクトクラブ
(IAC)
:ボランティアと国際交流を
今回のAMAFRICAに総勢40名の
アフリカや西アフリカ学校プロ
ドーナツを作るサンドラさん
ジェクトに関するパネル展示や会
場整備、受付などを行った。
2013.7 ニック・ニュース
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