EHIME えひめトレード &トレンド TRADE & TREND ● エヒメフォーカス 「アジア人財資金構想」について ● ニューストピックス 中国におけるM&A ● 貿易投資 Q&A 税関の書類審査と貨物検査について ● 海外ビジネス 香港見聞録・ベトナム訪問記 ● 会員紹介 三浦工業㈱/日泉化学㈱ ● 協会からのお知らせ 国際ビジネス支援講座開催のご案内 2008 (社)愛媛県産業貿易振興協会 秋 号 VOL.2 愛媛大学「アジア人財資金構想」(経済産業省)実施事業 -新たな留学生就職支援をめざして- 国立大学法人 愛媛大学長 小松 正幸 ⑴ 「アジア人財資金構想」とは 経済産業省及び文部科学省では、日本企業に就職 意志のある能力・意欲の高いアジア等の留学生に対 し、ビジネス日本語教育・日本ビジネス教育・インタ ーンシップ・就職支援等を行う「イノベーション人 材育成プログラム」を平成19年度から開始しました。 このプログラムを通じ、経済団体・企業・大学等の 連携・協力によって地域における中小企業等のグロ ーバル化に対応する戦略の展開を図ることを目的と しています。 愛媛大学は本事業実施大学として採択され、経済 産業省により選考された第1期生、第2期生合わせ て16名の留学生に対し、本学国際交流センターを中 心に以下の教育・事業を実施しております。 業へ就職後、スムーズなコミュニケーションや高 度のディスカッションを可能とする日本語教育を 行います。 また、日本企業文化に対する理解を促進するた め、日本企業の仕事の進め方、人材育成の考え方・ 意義等に関するビジネス教育をあわせて実施しま す。 ② インターンシップ事業 受入企業を開拓して、それらの企業ニーズと留 学生の資質・専攻・ニーズとのマッチングを図ると ともに、受入プログラムの作成支援、インターン シップ中の進捗確認、事後フォローアップ等を行 うことで実践的能力を効率的に習得するインター ンシップを実施します。 ③ 就職支援事業 留学生に対して、就職活動のカウンセリング、 企業情報提供、就職ガイダンス等を実施します。 また企業に対して、留学生の受け入れ環境の整備 を支援するセミナー等を開催します。 ⑵ 教育・事業の内容(大学・大学院を卒業・修了 するまでの2年間で270時間実施) ① ビジネス日本語・日本ビジネス教育 高度な日本語運用能力を修得するとともに、企 「アジア人財資金構想」の概要 2 中国におけるM&A ㈱伊予銀行上海駐在員事務所 所長代理 はじめに 中国投資の方法としては、これまで合併・合作・ 独資のいわゆる三資企業や外商投資株式会社を新規 に設立する方法が主流でしたが、 最近の傾向として、 M&A方式を利用して既存の会社を買収する形での 投資が増えてきています。公表されたM&A取引件 数は、06年上半期879件から07年上半期1,063件、取 引総額も同期間で190億米ドルから340億米ドルへ増 加しています(表1) 。 中国でM&Aを利用した投資が増えている理由 に、国有企業の再編成の方法として売却が進められ ていることや近年関連法が整備されつつあることが 挙げられます。 中国でのM&Aについて日系企業による中国企業 のM&Aを中心に、最近の中国M&A事情を交えな がら解説します。 中国商務部発表によると07年の中国企業の対外直 接投資金額は187億2千万米ドル、前年度比6.2%の 増加で、うちM&Aによるものは61億米ドルと投資 総額の32.6%を占めています。 昨今の人民元切上げ基調が、中国企業の対外直接 投資に拍車をかけている要因にもなっています。 また、最近では中国企業が海外において外国企業 を買収する案件も増加しており、実際に日本でも、 工作機械メーカーが中国企業の出資を受け傘下企業 になるという事例が発生しています。 表1 中国におけるM&A件数および取引総額 (除く香港) 2006年 上半期 879件 190億米ドル M&A件数 取引総額 2007年 上半期 1,063件 340億米ドル 2. 中国におけるM&Aの歴史 ⑴ 1990年まで 中国は公有制経済を本質とする社会主義国家で あり、私有が認められるのは生活品等一定の範囲 に限られていました。そのため、国有企業をはじ めとする公有化された企業を外国企業に売却する ことは企業の私有化を認めることとなるため、中 国政府は長く企業買収を認めていませんでした。 しかし、 78年に鄧小平が打ち出した「改革開放」 政策により、79年7月に 「中外合資経営企業法」 が公布され、中国資本と外国資本との合弁会社設 立が認められました。この法律は、計画経済シス テムの下、国家プロジェクトの実施を目的とする 国有企業が主流な中、利潤を追求する資本主義的 企業の誕生を認める革命的な法律でした。 当時の中国政府の思惑は、外資との合弁会社設 立により外国から資金を取り込み、先進技術を吸 収することにありました。 このような限定的な私有制の容認は、時間の経 過とともに徐々に緩和されていき、86年には外国 資本単独の独資企業の設立が認められるようにな りました。 ⑵ 1990年以降 92年に市場の競争原理を導入する 「社会主義市 場経済」が確立され、改革開放と外資導入の動き に伴って証券市場が創設され、外資による株式市 場への参入の土台ができました。95年8月、日本 企業が協議買収を行いA株上場企業の筆頭株主と なったのが、本格的な外資によるM&Aの始まり と言われています。 しかし、95年9月に 「上場企業の国有株と法人 株の外商への譲渡を暫定的に停止する通知」が交 付され、上場企業が外資と株式の協議譲渡を行う ことは禁止されました。 その後、WTO加盟を目前に控えた99年から再 び緩和が始まり、国有企業や上場企業の買収を外 資に認める法律が相次いで公布され、間接的では あるものの外資による買収が可能となりました。 そして、06年9月に「外国投資者の国内企業に関 する規定」が施行され、外資によるM&Aのルー ルが整いました。 中国投資の主な形態 直接投資型 形態 間接投資型 外国法人 (駐在員事務所、支店) 現地法人 (外商投資企業) 投資性会社 M&A 加工貿易 補償貿易 リース貿易 技術移転 合弁企業 合作企業 独資企業 外商投資 株式会社 来料加工 進料加工 世界からの対中直接投資 契約額 実行額 件数 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 年 度 50,000 45,000 40,000 35,000 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 件 数 契約額・実行額/億㌦ 2,000 1,800 1,600 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 日本からの対中直接投資 100 80 契約額 実行額 件数 3,000 2,500 2,000 60 1,500 40 1,000 20 0 3,500 件 数 契約額・実行額/億㌦ 120 500 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 年 度 武智 秀泰 1. 最近のM&A事例 ⑴ 新規中国進出に際して、同業種の中国企業を 買収し現地法人化 ⑵ 当初合弁企業として設立した現地法人を、経 営独占のため合弁相手側の株式買収のうえ独資 現地法人化 ⑶ 現地法人を清算する手段として、別の外資系 企業または中国内資企業に売却(株式全部・一 部譲渡) 0 06年9月の「外国投資者の国内企業に関する規 定」には、株式交換による企業買収を可能とする ことが盛り込まれています。今後、外資系企業が 株式交換の方法により中国企業を買収するケース 2005年の件数と実行額は金融機関の投資を算入し修正発表 (2006年2月24日付) 2006年より契約額は発表されなくなりました。 3 が増えてくると予想されます。 す。 ⑴ 持ち分・株式の買収 市場における株式取得、上場会社の非流通株の 協議譲渡、非流通株の競売による買収、国際競争 入札などがあり、持ち分・株式を買収して所有者 になるタイプのM&Aです。市場における株式取 得として、株式公開買付(TOB)も可能であり、 今後注目されるところです。 ⑵ 資産買収 ターゲット会社の持っている営業用の資産など を買収することによってその企業を自分の支配下 に置くという類型のM&Aです。 ⑶ 合併 ある企業と企業が合体して一つの法人になる形 で、既存のターゲットの重要な部門を自分の下に 取り込むという手法です。 3. 中国におけるM&Aのメリット ⑴ M&Aを行う狙い A.新規事業の加速 (時間を買うことができる) B.不得意分野の補強・シェアの拡大 C.収益率改善 D.資金の有効活用 ⑵ 外資系企業が中国でM&Aを行うメリット A.迅速な投資が可能であること すでに存在している企業を買収することか ら、新規に会社を設立し操業開始までの時間的 コストはかなりの部分で短縮されます。 通常中国では、会社設立手続きを始めてから 操業開始するまで、 「企業設立認可申請」や「企 業登記申請」など様々な許認可事項があり、相 当の日数を費やさなければなりません。 B.中国で事業を展開するために必要なライセ ンスが手に入りやすいこと 対象企業の組織、人材、設備、販売網などを まとめて入手することで、中国での事業展開の 土台を当初から得ることが可能です。特に、電 気やガス、水道などの公共事業や等級制で厳し い制限のある建設関係事業は新たに免許を取得 することは困難ですが、免許を持っている企業 を買収することでその手間が省けます(表2) 。 6. M&Aの留意点 外資系企業が中国企業のM&Aを行う場合に は、一般的なM&A実務に加え、以下の点に留意 しなければなりません。 ⑴ 資産査定(デュー・ディリジェンス) (表3) 不透明になりがちな中国側企業の土地、建物、 設備などの権利関係を明らかにし、現場の労働状 況、環境対策などの現状を把握する必要がありま す。 表3 デュー・ディリジェンスの調査対象 表2 中国におけるM&Aの手順 組織 株式 契約 資産 労働 許認可 関連取引 訴訟 環境 ①証券会社等ファイナンシャルアドバイザーの選定 ②ターゲット企業への打診 ③守秘義務契約の締結 ④デュー・ディリジェンスの調査 ⑤基本ストラクチャーの合意、正式契約 ⑥第三者機関による資産調査 ⑦取引の公告、競争入札・競売(国有企業の場合) ⑧契約締結 ⑨許可申請 ⑩許可 ⑪契約実行 会社概要、内部機構、子会社・関連会社等 株式発行状況、主要株主等 製造、貿易、販売、購入、担保、ローン等 不動産、機械等動産、負債等 雇用契約、就業規則、労働組合等 許認可取得、コンプライアンス等 グループ企業間取引等 訴訟、紛争等 規制の有無、行政処分等 ⑵ 資産評価の検討 国有企業の資産評価については、国有資産を外 資系企業に対しあまりに安く売ってはならないと の考え方のもと、 「企業国有財産譲渡管理暫定規 則」により、買収価格はその評価額の90%を下回 ってはいけないこととなっています。その資産評 価結果を慎重に検討する必要があります。 ⑶ 政策変動についての事前確認 せっかく買収しても、地方政府の都市計画や環 境保護など政策上の変動で、立ち退きを余儀なく されるケースが年々増えています。事前に行政部 門へ打診を重ねるなど、リスクヘッジを図る必要 があります。 ⑷ 労務管理への配慮 買収手続きは順調に進んだけれど、管理職クラ スの従業員が一斉に辞めてしまったため、販売拠 点との連絡がスムーズに行かなくなった。などと いうことのないように、中国の労務管理事情に十 分配慮し、新たな経営が軌道に乗るまではターゲ ット企業側のキーパーソンを継続雇用できる体制 構築など配慮が必要です。 4. M&A対象会社 ⑴ 国有企業 中国政府の政策として赤字国有企業の再編が課 題となっていることから、M&Aの対象として重 視されています。歴史的にみて、中国における土 地所有というのは法的に文書化されていないた め、国有企業買収を検討する場合、土地関連の注 意事項が多くなり、土地所有の歴史などを確認す る必要があります。 ⑵ 上場企業 上場企業は株式が公開されているかという観点 からの分類であり、多くは国有企業が該当します が、外商投資企業や私営企業の上場会社もありま す。上場会社をターゲットとして買収を行う場合 には、 「新会社法」 、 「新証券法」 、 「外国投資者の 国内企業に関する規定」など厳しい規制対象とな ります。 一般的に上場企業の買収では、 合意による買付、 公開買付、子会社・中間的な会社を通じての間接 的買収、 第三者割当というような方法があります。 おわりに 競争が激しい中国市場において、M&Aは中小 企業が時間をかけずに足元を固める非常に魅力的 な手段といえます。しかし反面、M&Aの関連法 規の整備の遅れや、財務・法務監査等の体制の未 整備など多くの課題があります。 財務諸表の信憑性および簿外リスクも大きいこ とから、実務においては監査法人など専門家に相 談のうえ、デュー・ディリジェンスを十分に行い、 価格の納得性、リスク極小化を図る慎重な対応が 必要です。 ターゲットを選択する際の情報収集の場とし て、中華全国工商連合会M&A公会があります。 これは、中華全国工商連合会が04年9月に設立し た協会で、同連合会に加盟する企業を対象に、中 国内外企業とのM&Aを進めることを主目的に、 資金調達や資産評価、コンサルタント業務などを 行っています。日本でも、M&Aセミナーを開催 するなど様々な情報発信に取り組んでいるようで す。 5. M&A手法 大きく分けて以下の3つの分類方法がありま す。買収対象会社とM&Aの手法により、関連す る法律が多岐にわたる場合があり、注意が必要で 4 貿易投資 . Q 輸入の場合、税関は書類の審査と貨物の検査を行うと承知していますが、それぞれどういう視 点から行うのか、教えてください。 輸入申告がされると税関長は当該輸入申告につ . A 3.本船検査:外国貿易船舶に積載したままの 場合(小麦、木材など) いて、品目分類、関税率、関税額が正しいこと、 輸入禁制品に該当しないことを確認するととも 4.検査場検査:税関の検査場(通常の場合) に、他法令による規制をクリアしているかを確認 検査は税関長が指定した場所で行うものとする します。 が、指定された場所以外で検査を受けようとする 者は、税関長の許可を受けなければなりません。 税関長は、関税法に基づき、 (1)他の法令で当該貨物の輸入に関して許可 ・承認などを必要とする条件があるものに なお、NACCS(通関情報処理システム)で輸 は、その条件を満たしているか否か、 入申告した場合は、下記のように3区分されます。 (2)輸入に際して検査などが義務付けられて 区分1:無税または免税の場合、または関税の いるもので、公的機関の検査に合格した旨 納期限延長制度や口座振込方式の適用 の証明書の提示が必要なものについて検査 を受けている場合、直ちに輸入許可さ 済か否か、 れます。但し通関書類を税関に提出期 限が決められており、輸入申告の日か について、提出された輸入申告書および添付書類 ら3日以内となっています。(期限の の記載内容に基づき書類審査を行います。 末日が行政機関の休日に当たるとき は、その翌日までとなります) 一方、貨物の検査は、商品が輸入申告書類の内 区分2:書類審査扱いとなり、税関に通関書類 容に合致するものか、法律で決められた基準に適 を提出して審査を受けます。 しているかなどの確認が必要と認めた場合に以下 区分3:税関員による現物検査が必要となりま の方法で実施されます。 す。 1.見本検査:数量の確認が不要のもの 2.全部検査:品質・数量の確認が必要なもの 3.一部検査:一部の検査で貨物全体が確認で 根拠法令:関税法 きるもの 関係機関:各地税関 http://www.customs.go.jp/ 出所:「貿易・投資相談Q&A」『ジェトロ海外情 検査の場所は、原則として以下の通りです。 報ファイル』より転載 1.現場検査:税関検査場への持込が困難な貨 物の場合(大型機械など) (まとめ:堀元敏勝/愛媛県産業貿易振興協会) 2.艀中検査:艀に積んだままの状態の場合 (木 材、化学薬品など) 5 海 外 ビ ジ ネ ス ⑴ 香港見聞録 2.存在感を出す愛媛の柑橘 さっそく、現地の主要なスーパーの一つを見学し た。まず、目に飛び込んできたのは、ワゴンに積ま れた、温州みかんだった。「愛媛産には 愛がある。」 このなじみのあるキャッチコピーが書かれたポスタ ーがワゴンの背面に立てかけられ、別のポスターに は、英語で、「Japan Ehime Mikan Orange」とい う見出しの下に、みかん畑の写真と、愛媛と温州み かんの説明が英語で書かれていた。 このスーパーでは、「青森フェア」 も開催されて おり、スーパーの最前面には、「青森フェア」 の装 飾されたコーナーが設置され、りんごやりんごジュ ースが販売されていた。 温州みかんのワゴンは、その 「青森フェア」 のコ ーナーの隣に設けられ、なかなか良い位置にあった。 買って食べてみる。味は、やや水っぽいが、それ 以外は愛媛で食べるのと遜色ない。網の袋に8個入 って、23香港ドル、日本円で約350円(1香港ドル =約15円)。当然と言うべきか、日本より若干高め である。 日本国内における物流と異なり、農林水産物(食 品)の輸出の場合、生産者→(農協)→輸出商社→ 輸入商社(卸売業者)→小売店が物流の基本となる。 輸出商社等から輸入商社の間は、コンテナに積んで 船で輸送することが多いが、この輸送料(主にコン テナ代)がかかることと、生産者と消費者との間に 入る事業者がそれぞれマージンを上乗せして、次の 相手に販売していくので、必然的に、国内販売より も高くなってしまう。 なお、香港は、“フリーポート”といわれるよう に、関税はかからないから、他の国に輸出する場合 は、これらに加えて関税がかかることに注意する必 要がある。 他の店舗でも、愛媛産と明記された温州みかんが 販売されていたので、表にまとめてみた。 愛媛県経済労働部管理局 産業政策課貿易海運係 主任 尾田 裕明 私は愛媛県庁で県内企業の輸出促進業務に携わっ ているが、最近は、愛媛の安全、安心で高品質な、 食品や農林水産物の海外への販路開拓に力を入れて きている。「香港」 は、急速な経済発展と大陸から の観光客で旺盛な購買力を有する魅力的な市場と聞 いており、以前から、一度現地に行って、この目で 確かめたいと思っていた。 2月上旬、仕事でつきあいのあった、神戸の輸出商社 の声掛けで、香港に行く機会を得て、現地へ向かった。 【香港の概要】 ○人 口:約690万人 ○面 積:約1,103㎢ ○公用語:中国語(広東語)、英語 ○政 体:中華人民共和国香港特別行政区 (97年の返還後、50年間は、資本主義体制が維持 される。 ) 1.第一印象 香港に行く前は、香港のイメージは、中華系の雑 多な街の雰囲気が頭にあったものの、実際に現地に 行ってみると、想像以上に空気は澄み、大通りは、 長期間のイギリス統治の影響か、整然としていた。 一方、通りから一本裏に入ると、威勢のいい露天 商の声が響く、 路地裏の賑やかさが感じられた。「水 は飲まないほうがよい。」知人にそうアドバイスを 受けていたが、屋台で買った人参ジュースを飲む。 腹を下すか心配していたが、結局、問題なかった。 そう、香港は、近代的な街並みとアジアの雑踏が 混在した都市である。 ヴィクトリア・ピークから眺める景色は、新しく 建てられるビルやマンションにより、毎年、景色が 変わるそうだ。ここの夜景は、“百万ドルの夜景” と形容される香港随一の観光スポット。昼間も、相 当な人の数がいたが、見晴らしのよい眺めに、観光 気分を味わった。 店舗 A店 場所 沙田 B店 沙田 C店 尖沙咀 品 目 価 格 温州みかん (8個入り袋) 23香港ドル (約350円) 紅まどんな (12個入り贈答用) 約268ドル (約4,000円) 温州みかん (8個入りパック) 19ドル80セント (約300円) 温州みかん (6個入り袋) 12ドル80セント (約200円) ※1香港ドル=約15円 ヴィクトリア・ピークから眺めた香港市街 ワゴンに積まれた愛媛産温州みかん 6 3.農林水産省の“常設店舗” 上記表のB店では、日本の農林水産省が設置して いる“常設店舗” (日本産の農林水産物や食品を販 売するコーナー)において、日本産の果実(いちご、 柿、りんご、柑橘など)や野菜(キャベツ、大根、 ほうれん草、エノキダケなど)が、日本のスーパー と遜色がない程度の品揃えで販売されていた。 その“常設店舗”で、一際目を引いたのが、「富 士柿」だった。透明のパックに2個入って、26香港 ドル(約400円) 。富士柿は、オレンジ色に熟れてお り、棚の上段から下段に並べられ、客は、興味深そ うに手にとって、高い確率で買い物籠に吸い込まれ ていた。 後日、 “常設店舗”の受託事業者に確認すると、 和歌山産で年間約400万円販売されたとのこと。愛 媛の柿も期待できるかもしれない。 また、「柑橘王国」 愛媛の、期待の新品種 「紅ま どんな」 も販売されていた。化粧箱に12個行儀よく 収められ、268香港ドル(約4,000円)。1個当たり、 400円弱とかなり高めである。自分もまだ食べたこ とがない。カットフルーツに適しているそうで、一 度、味見したいものである。 も、“値ごろ感”の範囲で、かつ、品質が良けれ ば売れる可能性が高い。 ○他の商品も定番は、おおよそ決まっている。 ・フルーツ類は、苺、メロン、葡萄など甘いもの。 ・野 菜類は、甘藷、かぼちゃ、キャベツ、白菜、 大根、きゅうりなど。 ・水産物は、サーモン、ハマチなど。 ・揚げたものは、揚げたてであれば、だいたい売 れる。たこ焼き、お好み焼きなど。 5.受容される日本文化 香港では、日本や日本的なものが受け入れられて いるようだ。 街を歩くと、寿司店やラーメン店が目につくし、 「日本城」 という名前のホームセンターや、「優の良 品」 と、わざわざ、平仮名を間に挟んだ名前の菓子 屋もあった。試しに、その菓子屋に入ると、「アー チンドチョコレート」 なるものが売ってあり、買っ て食べてみたら、チョコレートの中には、アーモン ドらしきものが入っていた。 また、あるスーパーでは、旧正月の虎や竜の飾り 物と並んで、神社の鳥居のオブジェがあり、記念撮 影ができるようになっていたのには、驚いた。 “常設店舗” 旧正月を祝うポスター 富士柿 6.まとめ 香港に行って、あらためて思ったことは、 ・地理的に日本と近いこと。 ・日本文化に好意的(寛容的)であること。 ・富裕層が増えていること。 ・関税がかからないこと。 から、愛媛から食品や農林水産物を輸出する潜在性 を秘めた市場だと感じた。また、日本から香港へ物 流ルートを持っている輸出商社も多い。しかし、継 続的に、商品を海外に輸出するため(小売店の定番 商品になるため)には、商品の魅力もさることなが ら、前述のバイヤーも言っていたが、「生産者・メ ーカーも小売店でフェアを打つなど小売店と協力し て販促活動を行ってほしい。」 ということも大きな ポイントであろう。 結局、海外でも国内でも、生産者・メーカーが行 う販売努力は同じことのように感じた。ぜひ、愛媛 の生産者やメーカーの方も、経済が持続的に発展し ている、香港を含めてアジア地域に販路を拡げてほ しい。私も、微力ながら、そのお手伝いができれば、 幸いである。 紅まどんな 4.香港バイヤーの話 今回の旅行では、神戸の輸出商社の仲介で、ある 現地の小売店のバイヤーに話を伺う機会を得た。要 約すると、 ○当店では、所得が中級から上級クラスをターゲッ トとした店づくりをしている。この層、特に、女 性は、「美容」 や 「健康」、「高付加価値」 という ことに大きな関心を寄せている。 ○彼らは、「日本」 に対する憧れや良いイメージを持 っている。彼らが 「日本」 と聞いてまず思い浮かべ るのは、温泉と食事。そういう意味で、北海道が 最も彼らを惹きつける。次に九州が受け入れられる し、九州の人も頑張ってプロモーションをしている。 ○彼らに商品を販売するためのポイントは何か。ま ず、品質の良い商品が売れる。彼らは、日本での 小売価格を知らないせいか、日本より高い値段で 7 海 外 ビ ジ ネ ス ⑵ ベトナム訪問記 トナム南部のホーチミン市は雨期と乾期を持つ熱帯 性気候帯にあり、4月、5月が最も高温の時期です。 滞在中の一日の気温は25℃〜35℃でした。 空港から旅行会社手配の小型バスで市内中心部の 3星ホテルへ移動いたしました。日曜日の午後でし たので、名物のバイクの大洪水には出会いませんで した。中心部までの約40分間の街の風景は清潔感は 増しているものの雰囲気はそれほど変わっていませ んでした。すれ違う自動車が格段にきれいになって いたことが驚きでした。そして気が付きましたのは 低い場所での電柱間の電線の多さです。電力事情の 悪さの現われではないかと考えました。 フジワラ化学㈱ 貿易部 武方 智喜 4月6日㈰〜4月10日㈭の日程でベトナム・ホー チミン市へ出張しました。1997年2月以来11年ぶり の訪問でした。目的は内外装仕上材の製品輸出のた めの商談と現状調査でした。同国向けには1993年〜 1996年の間、直接輸出が出来ていましたが、現地取 引先の事業転換により中断したまま10年が経過して しまいました。取引は消滅していましたが、連絡は 取れる状態にありました。その間他の数社と交渉を 行いましたが、成功しませんでした。 以前の取引先が一昨年より不動産関連の事業を始 め、再び弊社製品にも関心を持ってくれまして、輸 出再開に向けての交渉を行ってきました。今年に入 り、建設ラッシュのホーチミン市の状況をぜひ見る べきとの要請がありました。実績がない中での出張 は困難ですが、会社の理解を得てこの時期の出張が 実現しました。 今回の移動ルートは西条市の自宅を06:00出発- 松山空港(07:55) -関西空港(11:00)-ホーチミン 空港(14:20着;日本時間16:20着)でした。松山空 港国際便の上海経由或はソウル経由も考えられまし たが、費用面と乗継の利便性を考えて関西空港経由 になりました。航空運賃とホテル代金が含まれてい て、現地完全自由の旅行会社パッケージツアーに参 加しました。 電柱間の低い場所に張られた多数の電線。危なくない? 初日の夕食は現地駐在の日本人とこちらの希望で 日本食レストランにて情報収集をさせてもらいなが ら料理を楽しみました。今回、朝はホテルのバイキ ング朝食(3回)にしましてフォー(ベトナム風う どん)、生春巻き等のベトナム料理を楽しみました。 昼食、夕食は滞在中7回とりましたが、6回日本食 で1回ベトナム料理でした。なぜベトナムで日本料 理かとの批判を受けるものと思いますが、レストラ ンの内装の壁にどのようなものが使われているのか にとても興味がありました。一般のペンキ仕上げが 主体で、板張り、クロス仕上げが少々でした。畳の 部屋も用意されていましたが、そちらもペンキが塗 られていました。本物の日本風を追求するのであれ ば、ぜひとも和風塗り壁仕上げにして欲しいもので あると考えてしまいました。ただお客様は雰囲気よ りは料理が全てということなのかもしれません。今 後の販売攻撃対象の一つが見えてきました。 2007年8月新装オープンしたホーチミン空港 昨年の8月に新装オープンしました近代的な空港 ターミナルビルが出迎えてくれました。10年以上前 の薄暗いターミナルが思い出され年月の経過を実感 しました。搭乗客は約100人くらいでした。仕事だ と思われる日本人は30人くらいでした。家族での赴 任の方も3組見かけました。2004年1月1日より15 日以内の観光及びビジネスを目的とする入国のビザ が免除になっていまして、とても簡単にパスポート に入国スタンプをもらえました。ただし往復航空券 または第3国行き航空券の提示が必要でした。関西 空港で預けた荷物を引き取り、税関検査場へ進み全 ての手荷物をX線にて透視してもらい、中身のチェ ック無しで手続きを終了いたしました。冷房で快適 なターミナルビルの外へ出ますと快晴で30℃は超え ているだろうと思える熱気の歓迎を受けました。ベ ホーチミン市内の風景 2日目はジェトロ・ホーチミン事務所、大手銀行 ホーチミン支店、大手商社ホーチミン事務所を訪問 し日本語での情報収集ができました。ベトナムへの 日本からの投資は1995年ころが第一次ブームで大企 業中心に進出いたしました。 8 そしてチャイナ・プラス・ワンということが言わ れ始め2006年からの第二次投資ブームは中小企業が 主導している状況です。ベトナムでの立地は、ハノ イ周辺の北部が大企業、南部のホーチミン周辺が中 小企業との傾向が強くでています。銀行の情報によ りますと、現在も引き続き日本からの進出計画があ るもののホーチミン市内での土地の手当てができな くて様子を見ている企業が多々あるようです。 いました。この地域は、週末ホーチミンから多くの 人々が押し寄せてくるそうです。同行の社長が、こ の物件内の一戸建て住宅3棟を購入している関係で、 建設責任者も好意的に応対してくれました。広い面 積ではありませんが、ゴルフ場のクラブハウスに3 種類の製品の使用を検討しようとの返事をもらうこ とができました。今後は社長が詳細を打ち合わせ、 獲得に向けて動いてくれることを期待しています。 2008年1月〜 3月の消費者物価上昇率は前年同期比 で16.4%になっていて、特に食料品と建築資材などの 生活関連品の上昇が目立っています。加速しているイ ンフレを抑制するために政府は1月以降、金融引き締 め、価格制限、輸出制限等の政策を打ち出しています。 現場訪問後、海沿いのレストランにて心地よい海 風を感じながら昼食をとりました。今回の滞在中、 朝食以外では初めてのベトナム料理(イカのてんぷ ら、海鮮焼きソバ等)でした。ここでも普段見慣れ ている瀬戸内海との比較をしてしまっていました。 雄大で美しいのですが、やはり島が見えないことに 物足りなさを感じてしまいました。 3日目は10年以上前に取引関係のありました会社 の社長に面会し、不動産事業の現状、今後のわが社 製品への取り組み方針等を聞かせてもらいました。 ホーチミン市内は、オフィスビル、集合住宅、一戸 建て住宅等物件が多数あり、わが社の仕上げ材料も 有望であるとの見解を示してくれました。自社の投 資物件への採用とともに、開発業者、建設会社等へ の売込みで拡販を目指す考えです。 面談後、市内中心部、郊外の建設状況の見学に案 内してもらいました。高層ビルやその他の建設現場 が多く見かけられましたが、ついつい中国上海と比べ てしまっていました。2005年の初めの時点で上海に おける16階建て以上の高層ビルは4,000棟を超えてい たとのことですので、市場規模の違いを実感いたし ました。ホーチミン市内は、上海市と同じように街中 を大きなサイゴン川が流れていて、市の南側が新興 住宅地として開発が進んでいます。すばらしい外観 の住宅に驚きました。そのような高級住宅の内装にわ が社製品を売り込まねばと希望が湧いてきました。 伝統的なベトナム料理 夕方のホーチミン市内の混雑を避けるために帰路 も途中一回の給油で休憩しただけでひた走り17:30に ホテルへ無事帰り着きました。あわただしくチェッ クアウトをしまして18:30に現地日本人駐在員と日本 料理店で最後の夕食を取りました。改修工事の計画 がありましたらとわが社の製品を宣伝いたしました。 深夜の夜行便に乗るために旅行会社手配の車で空 港へ向かいました。夜遅くまでバイクがにぎやかに 走っていました。空港到着後無事出国手続きを済ま せ待合所で搭乗を待ちました。定刻に出発し7:30関 西空港へ到着、乗り継ぎで10:30松山空港へ無事帰 り着きました。 最終日の4日目はホーチミン市の東、約200㎞の 南シナ海沿岸のリゾート地“パンティエ”のリゾー ト村建設現場へ前述の社長と同行宣伝に出かけまし た。ホーチミン-ハノイを結ぶ片側一車線の国道1 号線をベトナムで生産されたフィアットである時は 100㎞以上のスピードでひた走り4時間弱のドライブ を楽しみました。ホーチミン市はメコンデルタの上 に広がっていますので、市内では山を見ることがで きません。毎日石鎚山系を見て生活をしている者に とりまして物足りなさを感じていましたが、道中な だらかな山々の出現にうれしくなってしまいました。 途中たくさんの大型バスとすれ違いましたが、その ほとんどが韓国製でした。車体にハングルが表示さ れたまま通行していました。10数年前は日本からの 中古バスが主流で、○○市営バス等の名前が残され たまま堂々と走っていたのをなつかしく思い出しま した。中古建設機械もあふれていましたが、これら は日本語とハングル表示の2種類が主流でした。 BRICs経済研究所のエコノミスト・門倉貴史氏が、 BRICsに続くグループとして提唱したVISTA(ヴ ィスタ)として以下の5カ国が注目されています。 V ベトナム、 I インドネシア、 S 南アフリカ、 T トルコ、 A アルゼンチン 識字率が東南アジアの中では高い90%で、現状賃 金が「世界の工場」といわれる中国の3分の1程度 で済むため、先進国の企業が生産拠点を中国から移 し始めています。生活面での住環境への関心も高く なるものと予測されます。 今回南のホーチミン市だけの訪問でしたが、わが 社製品にも十分にビジネスチャンスがあるものと実 感しました。愛媛発の建材を10年ぶりにベトナム市 場に復活できるよう再挑戦いたします。 コバルトブルーの南シナ海が眺められるリゾート 村はゴルフ場、ホテル、一戸建住宅の工事が進んで 9 会 員 紹 介 億円の15%程度となる。 2)中国における製造会社 (三浦工業設備(蘇州)有限公司) 三浦グループの、韓国、台湾、カナダ、上海に続 く世界で5番目の海外生産工場。三浦工業が100% 出資する独資企業。日本で製造するボイラーと同じ 高品質を確保するため、最新鋭の設備を導入。現 在の生産品目はボイラー及びボイラー薬品・水処理 装置・水処理剤等のボイラー関連商品、将来的に は船舶用焼却炉・医療用滅菌装置・各種排ガスボ イラ等の製造販売を計画している。日本で構築して きたハードとソフトの技術を投入し、中国での省エ ネ・低公害対策をリードできる企業を目指している。 ・資本金(登録資本金):600万米ドル ・従業員数:190名 ・生産能力:ボイラー年間生産 1,000台 3)シンガポールにおける販売会社 (Miura South East Asia) 1982年以降、韓国、台湾、中国に現地法人を立 ち上げ、小型貫流ボイラーの製造販売を行ってき た。一方、アセアン地域においては、約30年前よ り、日本からの輸出やノック・ダウン方式による 事業展開を行ってきた。近年経済成長著しいアセ アン地域における一層の事業展開を図り、インド とオセアニアを視野に入れ、各種ボイラーの販売 及びメンテナンス事業強化のため、シンガポール に全額出資の新会社を立ち上げたもの。また、舶 用事業部門を新会社内に立ち上げ、舶用ボイラー のサービス向上をめざす。 4)米国における製造会社 (Miura Manufacturing America Co.) 1987年カナダ・オンタリオ州に製造販売会社 Miura Boiler Co. Ltd.を、1991年には米国カリフ ォルニア州に販売会社Miura Boiler, Inc.を設立 し、小型貫流ボイラーの販売を行ってきた。これ までも省エネルギー、窒素酸化物や二酸化炭素な どの排出抑制が可能な商品が好調に推移してき た。昨今の原油価格の高騰や米国内の環境規制の 強化を背景に、燃費効率の良いボイラーの需要が 更に高まってきた。今後更に省エネルギーと環境 対策の必要となる北米のみでなく、経済成長著し い中南米を視野に入れて、新会社(製造会社)を 米国ジョージア州に設立したもの。2009年1月の 事業開始後は、Miura Boiler, Co.、Miura Boiler, Inc.を含めた3社体制で、製造、販売、メンテナ ンス部門を強化しシェアー拡大を図る。 ・投資額:10億円 ・工場敷地面積:50,000㎡ ・建物:10,000㎡ ・生産能力:ボイラー年間生産 1,000台 ・設立:2008年6月 三浦工業株式会社 本 社:愛媛県松山市堀江町7番地 設 立:昭和34年5月1日(創立 昭和2年12月) 事業内容:小 型貫流ボイラー・舶用 ボイラー・食品機械等製 福島広司 造販売・メンテナンス等 国際事業本部 代 表 者:高橋 祐二 取締役本部長 資 本 金:95億4,400万円 従業員数:3,360名(平成20年3月末…三浦グループ) 1.業務内容紹介 小型貫流ボイラー及び関連機器、水管ボイラーお よび冷熱機器、水処理装置および薬品を含むボイラ ー等販売事業とメンテナンス事業が基幹業務。ボイ ラー等販売事業が67.2%、メンテナンス事業が32.8 %の割合となっている。 (同社ホームページより) 2.国際化の現状 ボイラーは産業の基幹装置であり、工場には必ず 必要な装置である。ただ、国ごとに規格が異なり、か つ定期的なメンテナンスが必要なことから、今はアジ アと北米を対象とし事業展開している。ボイラーは各 国の企業も生産しているが、省エネや公害対策の技 術レベルは明らかに日本が上回っているので、日系の みならず現地企業にも評価され受け入れられている。 1)海外展開の歴史 ・1982年 韓国三浦工業株式会社設立 ・1987年 Miura Boiler Co. Ltd. Canada 設立 ・1988年 三浦鍋炉設備有限公司(台湾)設立 ・1991年 Miura Boiler Inc. 設立 ・1992年 上海三浦鍋炉有限公司(中国)設立 ・2004年 三浦工業設備(蘇州)有限公司設立 ・2008年 Miura South East Asia Pte. Ltd Singapore 設立 ・2008年 Miura Manufacturing America Co. Ltd設立 3.国際化戦略 1)高効率で低公害型ボイラーの販売、並びにメン テナンス業務で60%を超えるシェアーを持つ同社 にとって、売上高増加のためには、海外マーケッ トへの展開が必要不可欠となる。国際事業本部は、 更なる拡大を図るため、本年度より世界中のボイ ラーの集中管理システムをスタートさせている。 なお、 今後事業拡大が期待できる米国においては、 新工場の建設で増産体制の構築並びに販売拠点の 拡充を進め、成長市場であるアジア・中国におい ては生産・販売体制を強化して事業の拡大を行い、 米国並びに中国において、シェアー、ナンバー・ ワンの売上を目指している。なお、今期海外での 売上は約100億円を予定しており、連結売上高720 4.経営理念(モットー) 創業者の三浦保が掲げた夢は 「世界一安くて、良 いボイラーを作ろう」 だったが、これは既に達成し た。変わらぬ基本理念(モットー)は「 我々はわが 社を最も働きがいのある最も働きやすい職場にしよ う」である。世界中の社員が毎日朝礼で唱和し、三 浦のDNAを共有している。そして今現在の世界共 通のスローガンが「テクノサービス・エボリューシ ョンで、熱・水・環境のベストパートナーを目指す。 」 である。世界で最高の技術と心くばりを発揮するテ クノサービス集団として進化発展を目指していく。 (インタビュー・まとめ:柴尾義弘/㈳愛媛県産業貿易振興協会) 10 2)自動車部品事業 a)部品事業の中で、最もグローバルに展開して いる、自動車部品事業について見てみますと、 日本をマザーとして、米国に生産拠点(Nissen Chemitec America)及びタイに設計・生産 拠点(Nissen Chemitec Thailand )がある。 他にもアジア・大洋州地区で計8社、欧州で 計2社へ技術供与を行い、生産に必要な金型 の製作から顧客への商品供給を行っている。 国内グループの強みでもある一貫システムを グローバルレベルでも展開すべく、2007年に はタイにデザインセンターを設置し、開発体 制の強化も図っている。 日泉化学株式会社(一宮グループの中核企業) 本 社:愛媛県新居浜市西原町2丁目4番34号 設 立:昭和32年7月(創立 昭和26年11月) 事業内容:合成樹脂関連総合企業 代 表 者:一宮 捷宏 一宮捷宏社長 資 本 金:4億5千万円 売 上 高:397億円(平成19年) 従業員数:740人(社員+パート他) (一宮グループ主要企業) 一宮工務店、一宮運輸、一宮興産、トータス・エ ンジニアリング他 30社 自動車部品グローバル・ネットワーク図 1.業務内容紹介 事業内容としては次の4事業となっている。 1)自動車・家電・液晶・部品及び金型事業 2)半導体・液晶用薬品材料・包材の情報電子事業 3)日泉ブランドの商品・材料・フィルム・シート 等のオリジナルプロダクツ事業 4)樹脂コンパウンド・肥料・スーパーエンプラ等 の受託事業 2.我社の国際化戦略 1)海外展開の歴史 ・1982年 Nissen Chemical Singapore Pte. Ltd. 設立 ・1986年 W orthington Industries, Inc. 及び、 Buckeye Custom Product社(米国オ ハイオ州)と技術提携(自動車部品) ・1988年 米国オハイオ州にIJP USA, Inc. および London Industries, Inc.を合弁で設立。 (自動車部品の生産) ・1988年 Eveready Manufacturing Pte., Ltd. (シ ンガポール)へ資本参加(合成樹脂の 精製・リサイクル) ・1994年 Nissen Chemitec(Thailand)Limited 設立(自動車及び家電部品の生産) ・1999年 英 国Linpac Molding Ltd社(現:Eco Mold 社)へ技術供与(自動車部品) ・2002年 中 国 珠海銘祥汽車有限公司へ技術供 与(自動車部品) ・2002年 中 国 忠信制模(東莞)有限公司、广 州超新電器有限公司、恒久塑料膠模具 制造有限公司へ技術供与(金型) ・2004年 中 国 武漢中新塑料有限公司へ技術供 与(自動車部品) ・2005年 仏 Simoldes社へ技術供与 (自動車部品) ・2007年 Nissen Chemitec(Thailand)Limited に設計拠点としてデザインセンターを 開設(自動車部品) ・2007年 インド Precision Pipes & Profiles社へ 技術供与(自動車部品) ・2008年 L ondon Industries Inc.をNissen Chemitec America, Inc. へ社名変更 日泉グループは、さまざまな事業がお互いに“協 創”しグローバル展開を行っている。関連グループ としては海外拠点4社(北米2社、タイ1社、シン ガポール1社) 。他にも技術供与や資本参加等、様々 な形でグローバル・ネットワークを構成している。 ⑴ Nissen Chemitec America, Inc. ⑵ IJP USA, Inc. ⑶ Nissen Chemitec(Thailand)Limited ⑷ Nissen Chemical Singapore Pte. Ltd. b)Nissen Chemitec America, Inc. 350 East High Street, London, Ohio 43140 U. S. A. ・資本金:2,475万ドル ・敷地面積:109,638㎡ ・建屋:21,832㎡ ・従業員数:約240人(内日本人スタッフ5名) ・売上高 38百万USドル(約40億円) (2008年5月期) 海外グループの中で、最大の規模を誇る。1988年 にLondon Industries Inc.として設立。本年20周年 を迎え、2008年6月に現社名に変更した。ホンダ向 けの内装部品の製造だけであったが、現在は日系メ ーカ各社へと多様化している。製造拠点としては、 タ イ のNissen Chemitec(Thailand)Limited と 共 に、同社の重要な戦略拠点となっている。 c)Nissen Chemitec(Thailand)Limited 454/6 Moo 9, Kabinburi-Korat Road, Hnongki, Kabinburi, Prachinburi 25110 Thailand ・資本金:33,870万バーツ ・敷地面積:42,107㎡ ・建屋:8,940㎡ ・従業員数:約310人(内日本人スタッフ5名) ・売上高 760百万バーツ(約25億円) (2008年1月期) 自動車内装部品、家電・OA機器部品及びICトレ ー等、日系メーカー向けを中心に製造している。ま た、2007年にはデザインセンターを開設し、日本に つぐ開発拠点として育成していく予定。会社の特色 としては、金型製作、成形、塗装、印刷、アセンブ リーまで一貫して対応可能となっている。 3.経営理念(モットー) 高度な応用技術力を柔軟に展開し、時代のニーズ をカタチにする。 トータルケミカルエンジニアリングを通じて、新しい 生活文化の向上に貢献する夢ある企業をめざします。 行動規範 私たちは、ドキドキするときめきを提供します。 私たちは、ひらめきをカタチにします。 私たちは、夢ある時代を実現します。 私たちは、地球に笑顔を、人に愛をひろめます。 (インタビュー・まとめ:柴尾義弘/㈳愛媛県産業貿易振興協会) 11 国際ビジネス支援講座開催のご案内 当協会では、県内企業や個人が行う海外取引を支援するため、「平成20年度・ 国際ビジネス支援講座」 を開催します。毎年、貿易実務の研修会として関係の 皆様からご好評をいただいており、本年は 「輸入取引実務」、「輸出取引実務」 の2コースを次の通り順次開講します。お申し込みをお待ちしています。 ● 輸入取引実務コース (平成20年10月開催) 開催日 3日㈮ 10日㈮ テ ー マ 〇輸入取引のしくみと基礎知識 〇輸入先の開拓から成約まで 〇輸入信用状の開設事務 〇輸入船積書類の点検 〇輸入通関手続き 16日㈭ 〇通関・港湾運送事業者の役割 〇為替相場とリスクヘッジ 〇輸入代金の決済と輸入金融 24日㈮ 〇貿易クレームの申立て 〇輸入コストの積算と採算 講 師 ㈱愛媛銀行 証券国際部 調査役 上田 徳文 氏 三浦工業㈱ 開発資材部 海外購買課 真鍋 二郎 氏 ㈱愛媛銀行 証券国際部 調査役 上田 徳文 氏 ㈱伊予銀行 国際部 課長代理 池内 亮 氏 神戸税関 松山税関支署 統括審査官 菅原 満 氏 山 九㈱ 四国支店 次長 林 努 氏 ㈱伊予銀行 国際部 課長 横山 幸弘 氏 ㈱伊予銀行 国際部 担当課長 続木 聖三 氏 アイワ インターナショナル㈱ 代表取締役社長 橘川 勝廣 氏 愛媛エフ・エー・ゼット㈱ 係長 松井 忠志 氏 ● 輸出取引実務コース (平成20年11月開催) 開催日 5日㈬ 12日㈬ テ ー マ 〇輸出取引のしくみと基礎知識 〇輸出先の開拓から成約まで 〇輸出信用状の接受と点検 〇輸出船積書類の作成と手配 〇輸出通関手続き 19日㈬ 〇通関・港湾運送事業者の役割 〇為替相場とリスクヘッジ 〇輸出代金の回収と輸出金融 25日㈫ 〇貿易クレーム申立てへの対応、処理 〇輸出コストの積算と採算 講 師 ㈱愛媛銀行 証券国際部 主任 村上 稔明 氏 三浦工業㈱ 国際事業本部 課長 坂本 一之 氏 ㈱愛媛銀行 証券国際部 主任 村上 稔明 氏 ㈱伊予銀行 国際部 課長代理 池内 亮 氏 神戸税関 松山税関支署 審査官 品川 浩哉 氏 山 九㈱ 四国支店 次長 林 努 氏 ㈱伊予銀行 国際部課長兼 貿易投資相談所長 合田 謙司 氏 ㈱伊予銀行 国際部 担当課長 眞鍋 玲 氏 アイワ インターナショナル㈱ 代表取締役社長 橘川 勝廣 氏 愛媛エフ・エー・ゼット㈱ 係長 松井 忠志 氏 (講師、カリキュラムに急な変更があった場合は、ご了承ください。) ◦受講料:各コース11,000円 (ただし、当協会会員は10,000円) ◦会 場:愛媛国際貿易センター(アイテムえひめ)3階 多目的ルーム 【お問い合わせ・申し込み先】㈳愛媛県産業貿易振興協会 TEL(089)953-3313 FAX(089)953-3883 発行 (社)愛媛県産業貿易振興協会 内容についてご意見、 ご質問があれば、 下記までお問い合わせ下さい。 〒791- 8057 松山市大可賀2 -1- 28 アイテムえひめ3階 TEL 089-953-3313 FAX 089-953-3883 ホームページ:http://iyocom.jp/eibassn / メールアドレス:[email protected] 印刷:セキ株式会社 〒790 - 8686 松山市湊町7丁目7-1 TEL 089-945-0111 FAX 089-932-0860
© Copyright 2024 Paperzz