ニューズレター Vol.36 2006年11月 会長就任あいさつ 会長 加藤 正人 (信州大学農学部) この 度、阿部会長か らバ ト ンを引 き継ぎました 。私は平 成15 年から1 7年まで 副会長 を し て い ま した。 前事務局 では年 2回の フォーラムの 開催、 会誌の発 行、会 員 増 の取 り組み、 年会費 の無料化 、 法人会費 の減 額 等 に取 り組 ん で き ま し た 。ま た、 積 立 金を 利用 して 、森 林 GIS 学生 フ ォ ー ラ ムを 開 催して、賛助会員の デモンストレーション、大学演習林 の見学と 宿泊を 通じた交 流の場 を設けました。 今年は 新潟大で 開 催 予 定です 。大学 においても森 林GIS の講義 と実習を 行なう大 学が増 え て き ま し た。森林情報士 、JABEEなど 資格に 関連す る こ と か ら必 須 科 目と な っ て い ま す。 ところで、現代社会 は情報化社会 とも言 われています。E-mail や 携帯で 買物やネットバンキング 、 ネットコミュニケーションな ど便利 さを追 及した ツール利 用の社 会と考えられていますが 、知 的 情 報 を時間と 距離に 関係なく、選 択して 活用できることの 素晴らしさを認 識す べ き で し ょ う。私事で す が 、 5月か ら10月 までの 半年間 、文部科学省 の先進技術導入事業( 在外研究 )でカ ナ ダBC 州ビ ク ト リ ア大学 と太平洋森林センター に滞在 しています。 こ の よ う な文章作成や送 信、研 究 室の学 生た ち と の 毎週のネ ッ ト ゼ ミを太 平 洋を越え て行なっており 、情報化社会の 便利さを 実感しています 。 ビクトリア大 学 地 理 学 科では、G I S の講 義と実習 を開講 し て い ま す。テ キ ス トも充 実しています。 国土が 日本の2 6倍で 、世界 の総森林面積 の約1 0%を占 めるカ ナ ダ では 、航空機 や人工衛星に よ る 森林モ ニ タ リ ン グの歴 史も あ り、研 究も盛 んです 。特に、 松食い 虫被害は 、大 面 積 針 葉 樹 林で発生 す るため 、大きな 予算で 対応し て い ま す。森 林G I Sは、日 本と同 様に森林資源調査 や森 林 基 本 図 作 成 に活用さ れ、整 備されています。 マッピング(図 化)に も力を注 い で い ま す。 日本 に お い て も森林 GIS は、都道府県 の森林計画と管理部門 に導入・ 運用が進 んでいます。情 報 化時代 のキーワードで あ る 、 多様化 、グローバル 化、デ ー タ共有 、インターネット などに 対応可能 で あり、 今後も利 用さ れ て い く で し ょ う。地 方では 貴重で有 用な森林情報が 埋もれています 。市町村 や 森 林 組 合では統 合 型 デ ー タ ベ ー ス や 所有者情報を 加味した 独自性 のあるエ キ ス パ ー ト型の GISが 望 まれるでしょう 。 G I Sの新 機 能の開 発は、 ここ北 米でもひと段 落したようです 。解 析 機 能はほとんどの GISが 持 っています。今 後は独 自 性 が あ り な が ら 、 共通フ ォ ー マ ッ トに相互対応で き、安価 でサポートも し っ か り と し た融 通 性のある GIS ソ フ ト が望 ま れ る と こ ろ で す。 先進都道府県で は、整 備した 地 図 情 報の信 頼 性 を 高めるための更 新と修正 が生じています 。コ ン ピ ュ ータと ソフトの バージョンアップが 毎年行 な わ れ る中で、 シ ス テ ムの維持 と管理、 利用者 の技術の 維 持と向 上、利用普及が 必要で す。こ の よ う な様々 な課題を 会員の み な さ ま と共有しながら 日本の森 林 が良く な る よ う に GIS を 通して 、知恵の 輪を広 げる努力 をしたいと考えています 。 本年2月 に国産 ALOS 衛星が打 ち上がりました。空 間 解 像 力は白 黒2.5m、カラーで 10mで す。 森林の 現況把握 に期待 されています 。安価 な情報提供はありがたいと思い ま す 。し か し 、 観測周期 、 -1- 波長帯 や継続機 がないことを 含め利 用の限 界もあります。 是非、 国内の森 林と環境 、農 林 業に貢献 す る衛星 の必要性 を働き か け て い き た い と 考 えています。9 月に打 ち上げの 成功した 高 解 像 度の情 報 衛 星が国内 の山 間 部に限定 して公共利用で き る よ う に な れ ば良いと 思います 。 最後になりましたが、 今後2 年間、 会員の み な さ ま と 共に 歩ん で い き た い と思い ま す。よろしくお 願 いします 。 【学生フォーラム開催案内 】 「学生フォーラム in 新潟 2006」 主催:森林GISフォーラム 開催日:2006年12月1日(金)∼12月2日(土) 所:新潟大学大学院自然科学研究科 物質生産棟 161-1 演習室・161-2 演習室 場 宿 泊:新潟大学農学部 フィールド科学教育研究センター村松ステーション 2 0 0 6年度 第1回 運 営 委 員 会の報 告 日時: 5月 22日 (月 曜 日 ) 13 時∼1 5時 ・ミ ニ シ ン ポ ジ ウ ム in 島根 「中 山 間 地 域に お 場所 :東 京 大 学 農 学 部1 号館3 階3 1 6 号室 ける 持 続 可 能な 地域マ ネ ジ メ ン ト と森 林 GIS の 森林経理学研究室 活用」: 2005 年 9 月 21 日( 水) 出席: (役 島根県中山 間地域研究 センター 員) ・第 2回 学 生フ ォ ー ラ ム in 三 重: 2005 年 11 月 阿 部 信 行、 松 村 直 人 2(水 ) ∼ 3 日 (木 ) (運営委員 ) ・森 林 GIS フ ォ ー ラ ム ・日 本 林 野 測 量 協 会 共 催 鉢村 東 京 シ ン ポ ジ ウ ム : 2006 年 2 月 7 日 ( 火 ) 東 勉、 佐 野 真 琴、 広 嶋 卓 也 (賛助会員 ) 京大学農学部弥生講堂 日本電気 3. 2005 年 度 決 算 報 告 パスコ 山 本 憲 生( 欠席) 菊池譲 国土地図 4. 2006 年 度 活 動 計 画 中尾護 国土防災技術 三重大学生物資源学部 ・地 域 セ ミ ナ ー :2005 年 7 月 下 旬 、 京都 で 開 松永佳之 催す る こ と で 調整。 基調講演 の他に 、賛 助 会 員 パシフィックコンサルタンツ 東京ス ポ ッ ト イ マ ー ジ ュ 日本森林技術協会 鈴木仁 から 話題提供 を行う こ と で調 整。会 場 等 の確 保 横山猶吉 は京 都 府 立 大 学の田 中 和 博 先 生、シ ン ポ ジ ウ ム 大萱直花 資料 は松 村 副 会 長 、 参 加 者 受 付は菅 野が 対応 。 (事 務 局) ・ 東 京 シ ン ポ ジ ウ ム : 2007 年 2 月 ( 林 野 庁 計 菅 野 正 人、 山 本 伸 幸、 梅 沢 光 一( 欠席) 画 研 究 会 前 日)、東 京 大 学 弥 生 講 堂 を予 定 。 内 次 容に つ い て、 運営委 の議 論を 受け つ つ、 内容 に 第 1.開 会の 挨拶 ついてはネ ッ ト 会議で 調整 。 2.2005 年 度 活 動 報 告 ・学 生フ ォ ー ラ ム:2005 年 11 月 中 旬 を 候補 に ・ ニ ュ ー ズ レ タ ー の 発 行 : Vol.32( 2005.4)、 調整 。新 潟 大 学での 開催 を予 定。コ ン テ ス ト 賞 Vol.33 / 34( 2005.8/2006.1)、 Vol.35( 2006.4) 与は 昨年に 準じ、企 業 等 か ら の 供与は 受け な い 。 を既 発 行。 松村副会長 を窓 口と し て対 応。 -2- ・ニ ュ ー ズ レ タ ー: 年3 回発行 を予 定( 9月、 (2006-2007 年 度 運 営 委 員 ) 1月 、 4 月)。ネ ッ ト 配 信 継 続 ( ネ ッ ト 配 信の (新 運 営 委 員) 無い会 員へ は郵送)。 会長 加藤正人 信州大学農学部 ・HP で の 公開 に つ い て : 個 人 情 報 保 護 法 対 応 会長代行 阿部信行 新潟大学農学部 文書 を確認 。名 簿 管 理について 今後 、氏 名およ 副会長 松村直人 三重大学生物資源学部 びメ ー ル ア ド レ スに 限る こ と と し た (郵送会員 事務局長 菅野正人 北海道立林業試験場 を除く)。 総務 梅沢光一 個人 5.会 員の 入退会 (運営委員 ) ・賛助会員 の入会 :( 社) 日本森林技術協会 林野庁 鉢村勉 林野庁計画課 ・個人会員 の入 退 会 状 況 :無 料 化、 ネ ッ ト対応 北海道 菅野正人 北海道立林業試験場 に し た こ と か ら 増加 。 2006 年 4 月 現 在 の 会員 東北 西園朋広 森林総研東北 は 86 名 。 関東 佐野真琴 森林総研 ・賛助会員 のメ リ ッ トが 出る よ う、 シンポジウ 関東 広嶋卓也 ムの 際にポ ス タ ーに 協賛 として 入れ る、 ニュー 東京大学大学院農学生命科学研究科 ズレターに 今 以 上に 記事 を掲載 い た だ く な ど 、 中部 古川邦明 岐阜県森林科学研究所 事務局 としての一 層の 取組に つ と め る 。 関西 野田巌 森林総研関西 6.新 運 営 委 員 の 選出 中国 藤山浩 2006-2007 年 度 の 運 営 委 員 を 下 記 の と お り選 島 根 県 中 山 間 地 域 研 究 センター 出した 。 四国 佐々 木秀和 7.そ の他 愛媛県農林水産部森林局林業政策課 8.閉 会の 挨拶 九州地区 寺岡行雄 鹿児島大学農学部 ( 文責 :事 務 局 菅野正人) 会計報告 収支状況 収 入の部 合 支 出の部 計 会 合 ¥912,123 費 事業収入 雑収入 ¥1,075,381 747,000 162,000 事業経費計 ¥935,325 3,123 講師委託 80,000 旅費 21,380 学生フォーラム 200,000 通信 1,160 アルバイト 74,000 会議 14,040 事務消耗 42,000 顛末 資産状況 計 前期繰り 越し ¥3,547,370 旅費 371,083 当期残金 ¥-163,258 通信 2,410 翌期繰り 越し ¥3,384,112 会議 26,500 会場借料 77,120 事務消耗 104,212 ¥3,384,112-: 内訳 上記繰越金 -3- 事務局経費計 支払手数料 広告宣伝費計 ¥84,406 5,826 ¥55,650 <<記録>>森林GISフォーラム 平成18年度地域セミナー in 京都 流 域 管 理と森林 GIS 2006年7 月20 (金)1 1時∼ 17時 コープイン京都 (京都市中京区 ) 11: 00∼ 16: 00 賛助会員 による森 林GISのデモ 国 土 地 図 株 式 会 社、 国土防災技術株 式 会 社 、パ シ フ ィ ッ ク コ ン サ ル タ ン ツ(株)、(株 )パ ス コ 東京スポットイマージュ 株 式 会 社、( 社) 日本森林技術協会 13: 00∼ 開会行事 あいさつ 13: 05∼ 森林GISフォーラム会 長 代 行 阿部信行 基調講演 「新し い流域管理と流域診断- 人と水と の関 係 性の再 構 築に向け て-」原 14: 00∼ 雄一 (京都学園大学 ) 賛助会員企業 による 話題提供 「地 域 森 林 計 画と現況管理 に対応 した森 林 簿 デ ー タ ベ ー ス」鈴 木 仁・ 松原 健 二(パ シ フ ィ ッ ク コンサルタンツ 株式会社 ) 「SPOT Image社 の衛星画像と ソリューション 」横山 猶吉( 東京スポットイマージュ 株 式会社) 「森林 GISにおける リ モ ー ト セ ン シ ン グ デ ー タの利 用」大萱 「官民連携に よ る 森林管理と森 林GISに つ い て」菊 池 直花((社 ) 日本森林技術協会) 譲( 株式会社 パスコ ) 「航 空レ ー ザ ー測量 による 森 林 調 査と森林管理 について 」佐藤 亜貴夫 (国土防災技術株式会社 ) セミナー 参加者 :80名 阿部森林GISフォーラム 会長代行 あ い さ つ 雨の 中、多く の方の 参加を 頂き、 ありがとうございます 。また 、地域セミナーの 開催に 尽力して 頂 いた 田 中 和 博 先 生( 京 都 府 立 大 学 )、 事務局並 びに 賛助会員の 方々 にお 礼申し 上げ ま す 。昨年 は島 根 県で山 間 部 を対 象と し た地域 セ ミ ナ ーを開 催し、 今年は京 都で地 域セ ミ ナ ーを開催 するわけですが 、 こういった取り 組みを 通じながら、 今後、GIS は地 域 住 民との 結び つ き が ま す ま す強く な っ て い く と思われます。 最近、 長野県 や島 根 県での 水害を 始め と し て近年 まれに見 る大雨に よ る 災 害が発生 し ていますが、こ の よ う な災害 の原因究明や 今後の 防災の観 点から 森林G I Sは有効 に活用 で き る の で はと思い ま す 。 本日 は原先生 の講 演 並びに 賛 助 会 員5名 からの 話題提供 があります。最 後までお 聞き頂 き、今後 の 業務に生 かして 頂ければ 幸いです 。 -4- 新しい流域管理 と流 域 診 断 ―人と 水との関 係 性 の 再構築に 向けてー 原 雄一( 京都学園大学 バ イ オ 環境学部) 新し い流 域 管 理と流域診断 ―人と 水との 関係性 の再構築 に向け て―と題 して、本 セ ミ ナ ーでは、 こ れ ま で に日本で 行われてきた 流域を 含む地 域や河 川の管理 をする 上で、何 が問題点 で あ っ た か を ま ず 整理し 、流 域 再 生に向 けて今 後どのような 観点か ら の 研究 やシステムが必 要かを示 した。 また、最 後 に流 域 管 理・流域診断に 必要となるであろう 6 つの 目に つ い て私見を 取りまとめた。 Ⅰ 流域管理を 進める上 での問題 は何か Ⅰ―① 流域を 単位と す る考え方 Ⅰ―② 人と自 然との関 係 性 Ⅰ―③ 流域の 個性を救 い上げる Ⅰ―④ 自然の 持つあいまい性 Ⅰ―⑤ 学術の 政策のインターフェース Ⅱ 流域再生に 向けて何 を す べ き か Ⅱ―① 過去の 記憶に訴 える Ⅱ―② 失われたものは 何か、そ の価値 は Ⅱ―③ 昔の知 恵を現代 の文脈に 投影 Ⅱ―④ 流域の 健康診断 Ⅱ―⑤ 流 域 診 断シ ス テ ムの構築 Ⅱ―⑥ 次世代流域管理 モデルにむけて Ⅲ 流域管理・ 流域診断 に必要な 6つの 目 Ⅲ―① マクロ の目(鳥 の目) Ⅲ―② ミクロ の目(虫 の目) Ⅲ―③ 理系の 目 Ⅲ―④ 文系の 目 Ⅲ―⑤ 将来の 目 Ⅲ―⑥ 過去の 目 -5- 「地域森林計画と 現 況 管 理に対応 した森 林 簿 データベース 」 鈴木 仁・ 松原 健二(パ シ フ ィ ッ ク コ ン サ ル タ ン ツ(株 )情報技術部 森 林・環 境グ ル ー プ) 「地域森林計画と現況管理に対応した森林簿」とは 森林GIS導入の主たる目的の一つに、地域森林計画をはじめとする業務支援があげられる。地 域を分割し、該当年度に調査を実施した対象域の材積を確定し、樹立年度ごとの森林簿を整備し ていくことになるが、この方法の場合だと、地域によって林齢に差が生じることになる。 一方で森林GISを導入することで、機能的には全府県をリアルタイムに更新することが可能で あり、更新処理を随時行うことで、いつでも最新の森林現況を把握できる。 現行の制度的問題もあるがデータベースとしては、確定した樹立年度の森林簿を総括したテー ブルと、リアルタイムに最新年度の情報を保持したテーブルの双方が必要であり、森林GISの中 核をなす、森林簿データベースの構造を提案する。 京都府における取り組み 京都府では、森林計画業務の効率化、より適正な森林資源管理等を目的とし、平成17年度か ら、森林情報システムのダウンサイジングを進めている。 新たに構築したシステムでは、上記に示す「地域森林計画と現況管理に対応した森林簿」構造 になっており、最新の現況の森林簿の編成作業については、エクセルを用いた編成作業支援アプ リケーションにより、複数職員で効率的に行うことが可能になった。 また、森林簿の精度向上及び京都府林業全体の活性化に向けた取り組みとして、今年度には、 構築したシステムの市町村・森林組合への無償配布、府職員、学識経験者、市町村・森林組合等 を交えた「森林情報システム利活用検討会」の定期的な開催などを予定している。 個人情報保護やセキュリティポリシーへの対応 昨今、個人情報をはじめとする秘匿性のある情報の扱いについて、各種の法制度、資格などの 整備が進み、森林簿も所有者の情報を含むことから、その対象となっている。森林GISの展開 を市町村や森林組合へ図るためには、森林簿の提供は必須となるが、そこでは様々な議論が生じ ている。 またデータベースや、システムの対応としても行政はじめ各組織におけるセキュリティポリシ ーへの対応が必須となっている。 ここでは実際に森林GISに施した、セキュリティポリシーへの対応を紹介する。 -6- SPOT Image社の衛星画像と ソリューション 横山 猶吉( 東京スポットイマージュ 株式会社 ) フランスのSPOT Image社は1982 年に設立され、全世界で5支社、4事務所 、6 チャネルパートナー、30受信 施設、80以上の代理店 を持つ世界最大の地球観測衛星画像配信会社です。東京スポットイマージュ 株式会 社は日本における活動拠点 で、現在、地球観測衛星画像に関するコンテンツからソリューションまで提供 しております。1986 年にSPOT1号が打ち上げられ 今年で20周年になります。今回はSPOT衛星を中心 に、概要、優位性、利活用や今後の動向をご紹介致します。 (フランス政府観光局公式サイトより) ※トゥールーズはフランスの南西部に位置し、エアバスの本拠 地がある航空宇宙産業が盛んな都市です。又、アヒル料理のフ ォアグラでも有名です。 フランスのトゥールーズにあるSpot Image社の本社 ■主な業務内容 SPOT Image 社は衛星画像販売だけでなく ユーザのニーズにあったソリューションやシステム提 供、コンサルティング、トレーニング なども 行なっております。地球観測に関するOne Stop SH OPとしての役割を果たしています。 主な業務内容として 1.地球観測におけるほぼ全データの提供 : Spot, Vegetation, ERS, Envisat, La ndsat, 2.各分野 におけるソリューションの提供 :地図作成、農業及び森林管理、都 市 開 発、防災分野、水産分野、テレコム分野 、 オイル・ガス分野など 3.サービスの提供 :コンサルティング 、トレーニング、 技術サポート One Stop SHOP(コンテンツからソリューションまで) 4.地上受信局ネットワーク の強化 : 地上受信システムの提供 (Spot, Vegetation, ERS2, Envisat) -7- ■SPOT衛星の概要 1986年のSPOT1号から2002年のSPOT5号まで5機打ち上げられ、現在SPOT2,4,5号の3機 で運用されています。最近は、特にSPOT5号の利用が大半を占めています。 現在SPOT2,4,5号で運用中 1986年から20年間、全世界 において撮影された 画像はアーカイブとして 約1000万枚以上保管 され、 Webサイトである『SIRIUS』 http://sirius.spotimage.fr/anglais/welcome.htm にインターネットからアクセスしますと必要とする画像の検索・確認ができます。 SIRIUSの Log in 画面 アーカイブ検索結果例(九州エリア) SPOT5号は -8- 1.HRG(High Resolution Geometric) x 2 解像度: Panchromatic= 2.5m又は5m (0.48 – 0.78μm) Multi spectral= 10m/B1: green (0.50 ?0.59μm) 10m/B2:red (0.61 ?0.68μm) 10m/B3:NIR (0.78 ?0.89μm) 20m/B4:SWIR (1.58 ?1.75μm) 観測幅:60km(最大約120km:2つのセンサー使用時) 観測角度:±27°(Nadir Viewing) 2.HRS(High Resolution Stereoscopic) x 1 解像度: Panchromatic=10m 観測幅:120km、 観測角度:前後±20° ※2方向からステレオ画像を取得しDEMを作成します。 3.Vegetation x 1 解像度:1km(B,R.NIR,SWIR:4バンド) 観測幅:2250km の3種類の光学センサーを搭載し、目的に応じて各々の画像を取得しています。 日産スタジアム(横浜スタジアム) 60km 羽田空港(滑走路及び旅客ターミナル) 首都圏の2.5mモノクロ画像 (2005年5月16日撮影) -9- ■SPOT画像の優位性 SPOTは他の衛星に比べて次のような優位性があります。 1.1シーンで広域なエリア(60kmx60km)をカバー 2.プログラミングによる柔軟な画像取得 3.安定した高品質画像をタイムリーに提供 4.安価な画像の提供 (2.5mカラーアーカイブ:410円∼/km2:60kmx60kmの場合) ■利活用事例 各分野でSPOT画像は利用されています。 ・マッピング分野では1/25,000の地形図作成や編集業務に利用。 ・農業分野では農作物 の収穫予測、モニタリング゙、品質改善などのプロジェクト で利用。 ・森林分野では林相の判別、伐採地・崩壊地 の調査/確認、二時期の変化確認(伐採、植生回復、ARDなど) ※社)日本森林技術協会様 では森林分野に特化した「Forest Wide Image」の製品を販売 ・環境(オイルの拡散など)、災害(地震、水害、火災など)のモニタリング ・その他 ■今後の衛星打上予定 今後3,4年の間に、いろいろな衛星打上が予定されています。 弊社関連(グループ会社など)の衛星で 2006年:KOMPSAT−2(解像度 モノクロ:1m/マルチ:4m、観測幅15km) TerraSAR−X(合成開口レーダー) 2007年:THEOS(解像度 モノクロ:2m/幅24km、マルチ:15m/幅80km) 2009年:Pleiades1(解像度 モノクロ:0.5m/マルチ:2m、観測幅20km) 2010年:Pleiades2(解像度 モノクロ:0.5m/マルチ:2m、観測幅20km) が、打上予定でその他にも他社のGeoEye1やWorldView 2などの打上が予定されています。 今月も韓国の衛星であるKOMPSAT-2(KOrea Multi-Purpose SATellite)が7月28日に打上予定 でSPOT Image社が画像販売を致します。 ☆KOMPSAT-2 解像度: Panchromatic= 1.0m Multi spectral= 4m/B1:Blue (0.50 ?0.90μm) (0.45 ?0.52μm) 4m/B2:Green (0.52 ?0.60μm) 4m/B3:RED (0.63 ?0.69μm) KOMPSAT-2 4m/B4:NIR (0.76 ?0.90μm) 2006年7月28日打上予定 1mカラー(パンシャープン:RGB)、 撮影幅:15km - 10- 又、2009年、2010年には次期衛星(フランス)としてPleiades(プレ イヤード)を複数機打上予定です。 ☆Pleiades 解像度:50cmモノクロ、50cmカラー(パンシャープン)、2mマルチカラー(B,G,R,NIR:4バンド) 撮影幅:20km ※一度の撮影で前後方、直下の3方向撮影が可能で柔軟な撮影に適しています。 又、データ は12Bitとダイナミックレンジが広く解析能力に優れています。 Pleiades ■今後の森林管理業務 1972年のLandsat-1号から30数年間、研究分野で衛星画像は利用されて来ましたがいよいよ 業務レベ ルでの利用が本格的に始まる普及期に入る気配が感じられます。 本格的な『森林RS( リモートセンシング)時代の到来・幕開け!』と言っても過言ではないと思います。 昨年度から民有林 の保安林管理業務においてもSPOT5画像の取得・利用が始まり、業務レベルでの利 用増加が期待されます。 その理由として 1 今後、衛星画像コンテンツが豊富になる ・ ユーザの選択肢が増え、目的に応じて画像が選べる(安価になる?) 2 衛星画像の利活用環境が整備 ・ 森林GI Sなどの基盤整備( 全国都道府県の9割が導入済み) ・ ハード/ソフトの進化及びインターネットの普及 3 衛星画像の多面的情報により利用頻度が増加 ・ 単なる背景画像だけでなく、時系列変化、分類、解析、GISとの連携 4 効率的な森林管理が要求される ・ 限られた管理者で迅速に効率的な森林管理が必要になる ・ 客観的な判断ができる情報が必要 などが考えられます。 1990年代になってCAD/GIS/RSの連携が提唱されるようになり、時代と共にGIS上での利 用が可能になってきました 。森林分野においても、CAD系で森林管理の基盤である計画図(林小班 ポリ ゴン)や基本図が作成され、森林GIS で森林簿(森林マスター:テキストデータ)とリンク 、データベ ース化されて検索や主題図作成が容易になりました 。 10数年前 、森林GISは未知数でしたが現在では普及し一般化しています。森林RS(リモートセンシング)も 森林GIS と連携し、今後10年間で普及して行くと予想されます。 - 11- 衛星画像に対する過度な期待は禁物ですが、特性を理解し、 目的に応じて利用すれば非常に効果的です。 SPOT5は2002年の打上から日本全国を毎年撮影し時系 列にアーカイブとして 蓄積しています。 雲量0 %とはいきませんが日本全国をある均一なデータとし て提供が可能なため、国家森林資源 データベースの一部とし て活用していただければと願っております。 CAD/GI S/RSの連携 - 12- 森林 GISにおけるリモートセンシングデータ の利用 ( 社) 日本森林技術協会 大萱直花 1. はじめに 二酸化炭素吸収源 や環 境 財としての 森林の 認識 が高ま っ て お り、環境税による森林整備 が実 施されるなど森林管理においても新たな対応が求められている。市民への説明責任も増す中で、 整備の必要性、実施状況な ど を明らかにするためGISは効果的 なツールとして期待される。多面 的に森林を表現するためには 、GISの基本的な閲覧、検索機能 のほか、解析機能の活用が重要で ある。解析のデータソースとしては森林GISの基本データの ほ か、衛星データ、デジタルカメラ による 空 中 写 真など 多種の リモートセンシングデータ が利用可能となっている。 特に、多 くの 都道府県で森林GISの基本データ整備が完了し、運営される中 でリモートセンシングデータの利 用が注目されている。 2. リモートセンシングとは リ モ ー ト セ ン シ ン グとは 、離 れ た と こ ろ か ら対象物に 直接手 を触れないで 、対 象 物を同 定あ るいは 計測し 、またその性 質を分 析する 技術である。 航空機 や人工衛星などに搭 載された セン サに よ り、対象物か ら反射 または 放射される電磁波を 観測し て情報 を収集 する。 地表面の 状況 により 、波 長 帯ご と の反射強度が 異なることを 利用するものであり 、例え ば地 表 面が植物 で覆 われている場所は近赤外線の反射が強く、裸地では中間赤外線の反射が強い。 センサ の種 類によって観 測す る波 長 帯、地 上 分 解 能などが異 なり、 それに 伴って データ の利 用方法も異なる。 3. 森林GISデータとしての利用 リ モ ー ト セ ン シ ン グ デ ー タは 背 景 画 像と し て目視判読 の利用 だけでなく、 電磁波 の反 射 量を 表すデータとして解析することができる(図1:樹種により反射特性が異なることを利用して樹 種区分を 行う)。 また、時 系 列での比 較が可能であり、経年変化の 把握にも適 している (図2: 台風前後の二時期衛星データにより土砂崩壊地を抽出)。 リモートセンシングデータの解 析 結 果と森林GIS データ、 現地調査結果 、他のGISデータなど を組み合わせることにより、森林を多面的に捉えることが可能となる。 ■ 崩壊地 図1 衛星デ ー タに よ る樹 種 区 分(北 海 道 ) ■ 植生回復 □ 変 化 なし 図2 2 時期の 衛星デ ー タに よ る崩壊地判別 - 13- 4. 利用上の注意 リ モ ー ト セ ン シ ン グ デ ー タを 利用す る上で 最も 重要な 点は、 目的に あ わ せ たデ ー タの選 択で あり、 選択の 基準としては 観測波長帯、 地上分解能などに注 目する 。例え ば植物 に関する 解析 を行う 場合に は近赤外線の 利用が 重要である。 地上分解能に つ い て は、林 相が把 握できる 程度 でよいのか、 単 木 樹 冠の判 別が必 要なのかを判 断する 。地上分解能 が細かいほど 単位面積 あた りのコストが 高くなるため 、対象面積と 予算の 検討が 必要となる。 また、 経年変化把握のため にはデータが高頻度で観測、安定して供給されることが必要である。 データ の種 類を決 定した 後、 データ の取得 に あ た っ て は観測時期、 色調整 、衛星 の場合 は雲 の有無 に注意 する必 要が あ る。森林域を 対象とする場 合は落葉樹の 判定な ど特殊 な目的の 場合 を除き、 夏季デ ー タの取得が 望ましい 。衛星デ ー タ、デ ジ タ ル カ メ ラの場合は RGBの各 バンド を調整 して画 像の色 を表すため、 森林域 の色階調差が 多いように調 整する 必要がある。衛 星の 場合は 航空機 による 観測と 異なり 、軌道 の制約 を受けるため 雲が全 く無い 夏季の データ取 得が 出来な い可 能 性も あ る。高頻度で 撮影される衛 星の方 が良好 なデ ー タを取 得で き る可能性 は高 い。 5. おわりに こ れ ま で、 リ モ ー ト セ ン シ ン グ デ ー タは一 部の 研究者 のみが 扱え る も の で あ っ た が、行 政レ ベルで の解析利用が 可能な 時代になっている。 今後、 航空機搭載の デ ジ タ ル カ メ ラの普及 、衛 星の新規打上 げなど 、リ モ ー ト セ ン シ ン グ デ ー タの選択肢は ま す ま す多様 になる 。導入に 際し ては背景画像 ・目視判読のみの利 用に止 まらず 、解析利用ま で視野 に入れ た検討 が必要であろ う。 - 14- 官民連携に よ る 森林管理と 森林GISについて 株式会社パ ス コ 環境情報部 コンサルタント事 業 部 環境情報課 菊池 譲 1.はじめに 宮 崎 県 に お い て は、 平成 15 年度 から 平成 17 年 度の 3カ 年で 森林 GISの 開発 とデ ー タ の整 備( 森 林基本図 データ や森林計画図デ ー タ 、デジタルオルソ 画像など)を 実施した。本 年 度 (平 成18 年度) より森 林GISを 用い た森 林 計 画 樹 立のための 作業 が進め ら れ て い る が、 こ れ ら の作業 に当 た っ て は 県・森林組合 ・市町村 が協力 し、作 業を進 め て い る。以 下にシステムの 概要と取 り組み の内容に つ いて紹介 する。 2.システムの 概要 図−1 に宮崎県森林GISの構 成を示 す。本シ ス テ ムはインターネットデータセンター( 以下、iDC) にGIS サ ー バ 、本 庁に ク ラ イ ア ン トPC を配 置し たク ラ イ ア ン ト /サ ー バ 形式 のシ ス テ ム (本 庁シ ス テム)、 iDCに Webサ ー バ を 配置 し、 Web ブラウザを 用い て地図 デ ー タの閲 覧と 森林簿 デ ー タの更 新 を行うWeb形 式のシステム( Webシ ス テ ム)、森 林 組 合が使 用するスタンドアロン形 式のシステム( 分 散シ ス テ ム)3 つのシステムから 構成さ れ る 。 運用の流 れは図 −2及び 以下の通 り で あ る。 本庁システムで 地域森林計画対象市町村の 森林簿 データ、 森林計画図デ ー タを切り 出し、 及び最新 の デジタルオルソ 画像とともに配布 する。 データ を受 け取っ た森林組合 は分散 シ ス テ ム に取り 込み 、造林実績や デジタルオルソ画 像 に元に 抽出 した森林異動 な ど を も と に森 林 簿 データ 、森 林 計 画 図デ ー タを 修正す る。修 正 後に不 整 合 ・不 突 合 検 査 等を 実施し 、修正 デ ータを県 に提出 する。 森 林 組 合の修 正デ ー タを受 け取っ た県は 、GI Sサーバに データ を取り込 み、内容 を確認 し、 仮 確 定 し 、 仮 確 定 し た デ ー タ を Webサ ー バ へ登録す る。 市 町 村 は Webシ ス テ ム を 用 い 、 市 町 村 計 画 事項(森 林の区 分など) を修正す る。 図−1 システム構成 県は市 町 村 の修正作業後 にデ ー タ を 確認し 、 本確定す る。 3.システム運 用に お け る利点と 問題点 ・課題 上 記 手 順に基 づきシステムの 運用を始 めたが、 次の利 点が あ る と考えられる。 ・より現 場に近 い森 林 組 合が修 正を行う こ と に よ り 、デ ー タ 精度 の向上 を図ることができる。 ・官民が 同一の 意識を持 ち、一 体と な っ て森林管理を推 進することができる。 一方で 、解決 しなければならない問 題 点も存在 する。 ・森林組合によって システム 操作の 習熟度 に差が 生じ、 その結 果、修正 データ の精度 にも差が 生 じる 恐れ が あ る。 - 15- ・デ ー タ 修正 を 実施 す る の は 原 則 的 に 5年 に 1 回で あ る た め 、 そ の間 、 使 用さ れ な い 恐 れ が あ る ( シ ス テ ム 習 熟 度 の 低下 を 招く 恐 れがある)。 こ れ ら の 問 題 点 を解 決 し、 シ ス テ ム を よ り 有 効に 活 用す る た め の 課題 と し て は 次の 事 項が 挙 げられる 。 ・シ ス テ ムの 習 熟 度 を 維持 、 向 上さ せ る た め に定 期 的 に講 習 会 を 実施する 。 ・シ ス テ ム使 用 者の 要 望に 基 づ い た シ ス テ ム 改良 を実施す る。 ・森 林 組 合 業 務 を支 援 する 機 能 の追 加 を検 討 図−2 運用の流れ する (造 林 事 業に関 連する機 能など、 組合の 通常業務 でも使用可能な システム とする)。 4.おわりに 本システムは、運 用を開始 し た ば か り で あ り、 運 用 面 で の 不 具 合や 要 望 等 が 多く 発 生 す る こ と が考 え ら れ る 。 こ れ ら の 事 項 を解 決 し 、 よ り“ 使 わ れ る 森 林 G I S ”を 構 築 し て い く こ と が 、 今 後の き め 細 や か な森 林 の 管 理 、地 域 の 林 業 への 貢献に繋 がるものと考えられる 。 - 16- 航空 レーザ測 量に よ る森 林 調 査と森林管理について 国土防災技術株式会社 佐藤亜貴夫 1.はじめに 近年、 航空レ ー ザ 測量技術が 高度化 し一 般 的な測量技術 として定 着する 中、航空 レーザ 測量技術 を 用いた 森林調査 が様々 な調査機関で 試み ら れ て お り、す で に高 圧 線に対す る接近木調査や 鉄道林、 風 倒木調査 、公園 などの樹高分布図作成な ど で 利用 されている。 本発表 では、 航空レ ー ザ測量 を使用 した森林調査 の紹介 と、航空 レーザ 測量に よ る森林調査から 施 業計画、 維持管理計画ま で を 一体 として 管理する 森 林 管 理シ ス テ ムに つ い て紹介 する。 2 .航空 レーザ測 量による 森 林 調 査 航空レ ー ザ 測量で は、 地形デ ー タ だけでなく 樹木の 樹冠な ど上 空から 見て 表層と なる部 分の データ も同時 に取 得す る こ と が で き る。 航空レ ー ザ 測量に よ る 森林調査 は、こ れ ら データ の差分 をモ デ ル 化 した 「数値高度 モデル (DHM)」 を解析 するこ と に よ り、 樹木の 位置や 樹冠 、樹高 な ど の判読 が可 能と な る こ と を 利 用した 調査方 法である 。 この調 査 方 法と従 来 実 施している 毎 木 調 査 結 果を比 較し た と こ ろ、針 葉 樹 におい ては毎木調査と 同等以上 の結果を 得られることが 確認で き た 。 この調 査 方 法の特 徴としては 、人 が調査 を実 施できない場 所や 広範囲 (流域単位 など) を短 時 間 で 調査す る こ と が 可 能で あ る こ と、 また立 木 単 体の情 報が得 られる ことや立 木の位 置を座 標 値データ として 保持し て い る こ と な ど が あ げ ら れ る。 3.航空 レーザ 測量を用 いた新し い森林管理システム 近年、 地球温暖化防止 や森林 の多面的機能 など、 森林に 対する期 待が高 ま っ て い る一方 で、木 材 価 格の低迷 から整 備の実施 されない 森林が 増加している。 今後 、京都議定書 の目標達成や 森 林 環 境 税の施 行など 、益々 森 林 整 備が重 要となり 事 業 評 価も必 要 となる。 そ の た め に は 、 効 率 的 か つ経 済 的な 森 林 整 備 計 画( 密 度 管 理 計画 ) を立 案 す る こ と 、ま た 実施 し た整 備 状 況 や 事 業 評 価を 住 民に わ か り や す く 説 明 する ア カ ウ ン タ ビ リ テ ィ ー の向 上 な ど が 望まれる 。 そこで右 図に示 すように、 「 航空レ ー ザ測量に よ る 森林調査」、 「 既存の 森林GIS」 、 「 既存 の森林施業計画支援システム(Forps)」 を組 合 せ、 森 林の 調 査 から 施 業・ 維 持 管 理 ま で を 一 体 的 に管 理 できるシステム を構築し た。 具 体 的 に は、 森 林 管 理 シ ス テ ム の関 係 図に 示 す よ う な 関係 と なり、 この シ ス テ ムを用 いた 場合、 毎木調査や 密 度 管 理 計 画 策 定、森 林GISへ のデ ー タ手 入 力など 従 来多くの 費用と 労力が必 要で あ っ た部分 の省力化 を図ることが可 能となる 。 このシ ス テ ムは、 森 林 調 査 結 果や施 業 計 画、施 業 履 歴な ど を「 森林GIS 」で一括管理 す る こ と に よ り、多 くのデ ー タの可 視 化 が 可能と な り 、 それぞれのシステム間 で情報を 共有化するため 、作業の 省 力化が 図ら れ る こ と か ら、効 率 的 で 経済的 な森林計画の立 案が可 能であり 、住民に 対する ア カ ウ ン タ ビ リ テ ィ ーも向 上すると 考え ら れ る。 また、 航空レ ー ザ 測量 データ から林 内の明 るさ管 理や林床植生の 繁 茂 状 況などの 指標を 得られる 可 - 17- 能性もあることから、維持管理デ ー タ の 整理や事業評価 を行うことも容易 となる 。 森林管理 シ ス テ ムの関 係 図 4.おわりに 今後 は航空 レ ー ザ測 量に よ る 森林調査 の精度 を高 め る と と も に 、「 資源 の循 環 利 用 林 」だ け で な く 今 後 増 加するであろう 複層林上層木 の密度管理に 応用して 「森林 と人との 共生林」 や「水土保全林 」 の整備 に必要な 森 林 情 報の把 握や温 暖 化 対 策としての葉量把握、 森林認証制度の整備支援 などに利 用 できるようなシステムの 構築を目 指している。 また、 森林施業の 集 約 化を支 援で き る よ う、森 林 組 合など 林業事業体 が端 末の森 林GISを 操作し 、 そのデ ー タ を送信 することにより、 都道府県の 森林 GISの更新 が簡 易に実 施で き る システム も構築 し ていく予 定で あ る。 - 18- (重要)Eメールアドレスをご連絡下さい。 情報配信の 迅速化 、省 力 化を図 るため、 今後ニューズレター 等をイ ン タ ー ネ ッ トに よ る配信に 逐 次 切 り 替え ま す 。 お 手 数 をお 掛 け し ま す が、 メ ー ル に よ る 受 信 が 可能 な 方 は 事務局 ( [email protected]) まで、タ イ ト ル「 FGIS メールアドレス」とし、ご 連絡下さ い。 <編 集 後 記> 北 海 道 立 林 業 試 験 場の 菅野 です 。 加 藤 新 会 長の 強い 要請 を受 けまして 、2006 年4 月 より2年 間、事 務 局 を担 当することとなりました 。 7月2 1日に 開催した 地域セミナー in 京都で は多数 の参加を 頂きありがとうございました。ま た、 開催にあたりご 尽力頂 いたスタッフ の皆様 に感謝 い た し ま す。本 号では5 月に実施 した運営委員会 、 地域セミナーを 中心と し た 内 容としました 。次号 は、12 月に実施予定の 学生フォーラム 、および 来 年2月 に開 催 予 定の東 京シ ン ポ ジ ウ ムのお 知ら せ を中心と し た 内 容で来年 1月の発 行を予 定し て い ま す。今後 とも森 林GIS フ ォ ー ラ ムをよろしくお 願いします。 森林 GIS フォーラム ニューズレター Vol .36 森 林 GIS フォーラム事 務 局 〒 079-0198 美唄市光珠内町東山 発行日 2006 年 11 月 北海道立林業試験場 資源解析科 内 編集人 菅野正人 TEL:0126( 63 )4164(ex.402) 発行人 梅沢光一 E-mail : [email protected]( 菅野正人) FAX:0126( 63) 4166 ホームページ :http://www.forestgis.jp - 19-
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