高等教育の機会均等と収入格差

高等教育の機会均等と収入格差
都市圏以外で多くの学生を受け入れ、強み・特色を活かした取組を展開!
国立・公立・私立別の学生数の比率(都道府県別)
都市圏以外で国立大学は教育機会を保障
出典)文部科学省『学校基本調査』(平成26年度:確定値)より作成
自己収入1.6%の増加分を全て授業料で対応しようとすると、単純計算で75%の引き上げが必要
⇒将来的に私立大学の平均年間授業料を超える可能性があり、現下の経済状況や厳しい家計状況が続く中では、
授
授業料の大幅な引き上げは困難
※1:学生数 610,694人(平成27年度学校基本調査速報値)による
※2:増額・率は、授業料標準額(535,800円)をベースに試算
※3:私立大学の年間授業料の平均額は、860,072円(平成25年度)
(H43に約2,400億円増収するためには、授業料を約934,800円まで引き上げる必要)
○民間給与の動向(平均給与年額の推移)
○家庭の年収別学生数(割合)の推移
(%)
4,100
4,150
4,120
18年度
50.0
50
44.4
45
20年度
40
22年度
35
24年度
30
4,000
24.2
25
20
19.1
15
10
5
3,900
平成22年分
平成23年分
平成24年分
平成25年分
平成26年分
出典:⺠間給与実態統計調査【国税庁】
500万円未満
500~900万円
900~1,300万円
1,300万円以上
出典:学⽣⽣活調査【⽇本学⽣⽀援機構】
運営費交付金が削減された場合の影響(東北大学)
⼤学の運営基盤を⽀える財源として、⾃⼰収⼊を
平成43年度まで毎年+1.6%するためには、授業料
収⼊を⼤幅に増額する必要がある。
そのため、仮にH26年度の学⽣数と同等規模のま
まで、H43年度までに+10,520百万円の増収を達成
しようとすると、以下のとおり授業料平均単価を
アップさせることが必要。
H26年度授業料平均単価
549,000円
H43年度授業料平均単価
1,259,000円
(229%UP)
(参考)
私⽴⼤学平均授業料 860,072円(財政審資料より)
なお、寄附⾦収⼊及び産学連携等収⼊について
は、ほとんどが特定の研究⽀援や学⽣⽀援など、そ
の使途や⽬的が予め決まっているものであるため、
⼤学の「基盤的経費」の代替財源とすることは困難で
ある。
和歌山県の抱える課題と県内高等教育機関の現状(和歌山大学)
・本格的な人口減少と少子高齢化による諸課題が切実なものとなりつつある。もともと産業に乏しく、地場産業の活力も低下して中心市街地が衰退
している。
・農林水産業いずれにおいても、担い手の減少と高齢化が進展し、付加価値の高い産品を産み出すマンパワーや意欲が減退することで、農林水産業
の産業としての力が衰え、最終的に農山漁村の集落の衰退を招く、衰退のスパイラルともいうべき状況に陥っている。
・大学進学者の他都道府県への流出率が全国トップの状況となっている。
【都道府県別
大学進学者の他県への流出率(平成27年4月入学者)】
100.0
90.0
89.6 86.2 85.6 85.3 85.1 82.6 82.3 81.1 80.8 80.8 80.6 80.0
80.0 79.9 79.1 78.7 77.0 77.0 76.3 75.1 大学進学者の他都道府県流出は全国トップ
→ 約90% もの学生が他都道府県の大学へ進学
73.1 72.6 72.3 72.0 71.3 71.3 70.0
60.0
50.0
68.9 67.8 67.4 67.2 67.0 63.8 63.8 62.7 59.8 57.1 56.7 55.2 54.1 50.0 48.1 47.3 44.5 42.7 36.3 34.6 40.0
30.0
31.7 28.0 20.0
10.0
0.0
和 佐 島 奈 鳥 長 香 岐 富 福 山 茨 高 滋 三 栃 大 秋 山 岩 山 静 宮 群 福 埼 千 愛 鹿 長 徳 新 青 神 石 岡 兵 熊 京 沖 広 大 宮 福 東 北 愛
歌 賀 根 良 取 野 川 阜 山 島 形 城 知 賀 重 木 分 田 口 手 梨 岡 崎 馬 井 玉 葉 媛 児 崎 島 潟 森 奈 川 山 庫 本 都 縄 島 阪 城 岡 京 海 知
道
川
島
山
【出典】平成27年度学校基本調査(速報)より作成
【和歌山県内の大学入学定員(学部)(平成27年度)】
和歌山県にある大学は、4大学のみであるが、その中でも和歌山大学
は、県内唯一の総合大学であり、県内の大学の約6割を担っている。
国立 和歌山大学(教育学部、経済学部、システム工学部、観光学部)
910
人
(
59.1
%)
公立 和歌山県立医科大学(医学部、保健看護学部)
180
人
(
11.7
%)
50
人
(
3.2
%)
400
人
(
26.0
%)
高野山大学(文学部)
私立
近畿大学(生物理工学部)
和歌山大学の授業料等を上げた場合、他県への
進学をさらに促す要因となりかねない。
また、県内高校生の進学の機会を奪うことにも
なる。
和歌山県の地方創生実現へのブレーキと
なり、和歌山県の過疎化をさらに拡大
地⽅国⽴⼤学⽣の厳しい現状(⼭⼝⼤学)
授業料の大幅な引き上げは,現在の経済状況下では困難
財政制度等審議会提言にあるような自己収入の著しい増加は,授業料の大幅な引き上げにつながりかねないが,現在の家庭や
学生の経済状況下では困難である。
○奨学金の受給率推移
(単位:千円)
○給与の動向
4,797
4,800
50%
4,667
46.7%
45.9%
44.6%
45%
4,600
山口県の平均給与は全国平均と比較し,
約47万円程度の差が存在
4,400
48.1%
山口大学在学者の45%程度が奨学金を受給
全国平均と比較し,約8%の差が存在
40%
※山口大学入学者の約4分の1が県内出身者
38.5%
36.2%
35%
4,200
34.7%
4,333
33.5%
4,279
全国公私立大学
全国公私立大学
A大学(学部・大学院)
山口大学(学部・大学院)
A大学(学部)
山口大学(学部)
A大学(大学院)
山口大学(大学院)
30%
全
国
山口県
A大学所在県
4,000
25%
22年分
23年分
24年分
25年分
26年分
22年度
23年度
24年度
25年度
26年度
(注)受給率は,各年度の実績で延べ⼈数(第⼀種奨学⾦・第⼆種奨学
⾦に係る受給⼈員の計)による学⽣数に対する割合である。
また,全国公私⽴⼤学の推移は,⽇本学⽣⽀援機構調査による。
<統計元>厚⽣労働省「平成26年賃⾦構造基本統計調査」より算出
○経済的理由による授業料免除実施状況
30%
20%
10%
0%
22.1%
13.3%
12.9%
8.1%
11.7%
7.2%
A大学(学部・大学院)
山口大学(学部・大学院)
22年度
23年度
A大学(学部)
山口大学(学部)
24年度
A大学(大学院)
山口大学(大学院)
25年度
26年度