運営管理 「仕入管理」

~2006年1次対策
ポイント講義~
運営管理
「仕入管理」
主任講師 平野
孝一
Q1.交差主義比率と GMROI の違いを教えてください。
A1.
交差主義比率と GMROI は、ともに商品在庫の効率を測る指標ですが、その相違点は、
売上総利益
交差主義比率=
GMROI=
平均在庫高(売価)
売上総利益
平均在庫高(原価)
×100
×100
という上記2つの式にあるように、GMROI が商品投下資本額をそのまま使用する(つまり
平均在庫高を原価でみている)のに対して、交差主義比率では商品投下資本額を売価でみ
て使用している点にあります。つまり、交差主義比率が「商品の販売効率」を示すのに対
して、GMROI は「商品在庫の投資効率」を示します。
また、上記2つの式は、
交差主義比率=
=
売上総利益
平均在庫高(売価)
売上総利益
売上高
×
【売上総利益率】
GMROI=
=
売上総利益
平均在庫高(原価)
売上総利益
売上高
×
×100
売上高
×100
平均在庫高(売価)
【商品回転率】
×100
売上高
×100
平均在庫高(原価)
【売上総利益率】 【商品投下資本回転率】
に分解できますが、分解した式において売上総利益率と掛け合わせる指標が、交差主義比
率では商品回転率、GMROI では商品投下資本回転率となる点が異なります。よって、交差
主義比率では、正しい商品回転率を把握できますが、他社との比較が困難です(貸借対照
表の棚卸資産額は原価で計上されているため)
。一方、GMROI では、他社との比較ができ
ますが、商品回転率としては売価ベースの売上高を原価ベースの平均在庫高で除している
ために、いびつなものとなります。
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日本マンパワー『中小企業診断士受験ニュース』第 44 号
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~2006年1次対策
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運営管理
「仕入管理」
主任講師 平野
孝一
Q2.月初在庫高予算の算出で、基準在庫高法と百分率変異法はどのように使い分けられ
ているのか教えてください。
A2.結論からいうと、商品回転率が6回転以下の場合には基準在庫法、6回転以上の場
合には百分率変異法を用います。
基準在庫法は、
月初計画在庫高=各月売上高予算+基準在庫高
という算式により、月初計画在庫高を各月の売上高予算に基準在庫高(年平均在庫高-月
平均売上高)を加えて算出します。この方法では、商品回転率が 12 回転以上の場合は基準
在庫高がゼロかマイナスになってしまうため、実際的には商品回転率が年 6 回転以下の場
合に適した方法といえます。
一方、百分率変異法は、
月初計画在庫高=年平均在庫高×
1
2
(1+
各月売上高予算
月平均売上高
)
という算式により、月初計画在庫高を算出しますが、この方法は「各月の在庫高と年平均
在庫高の変動率は各月の売上高予算と月平均売上高の変動率の半分である」との前提に立
っており、商品回転率が年6回転以上の場合に適用されます。
ちなみに、商品回転率が年6回転の場合には、基準在庫法、百分率変異法のどちらで算
出しても、月初在庫高は同じになります。また、基準在庫法と百分率変異法で計算された
在庫額は売価で示されるので、
売価×(1-売価値入率)=原価
により、原価に換算する必要があります。
仕入管理は出題形式として計算問題が出題される可能性が高いので、積極的に計算問題
の演習にも取り組み、ぜひ運営管理の得点源にしていただきたいと思います。
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