子どもの権利・子どもの権利条約 子どもの権利 子どもの権利の実現 子どもの権利条約で認められた権利。18歳未満のす べての人に認められる権利。子どもの権利条約 1989年に国連総会で採択された、子どもについて の人権条約。 さまざまな子どもの権利を認め、各国が、 子どもの権利実現のため行うべき施策を具体的に定 めた。 おもな子どもの権利 1 人として尊重されつつ生きる権利(6条) 2 自分に影響を及ぼすすべての事項について自由 に意見を表明する権利(12条) 3 最高水準の健康を享受し、病気の治療や健康回 復のための手当を受ける権利(24条) 4 身体的、精神的、道徳的及び社会的な発達のため にふさわしい生活をする権利(27条) 5 教育の権利(28条、29条) 6 休息、 レジャー、遊び、 リクリエーション、文化的生活と 芸術に親しむ権利(31条) 日本の子どもの権利 日本は、1994年に子どもの権利条約を締結した。 これにより、 日本は、国際的に、 日本の子どもについて、 権利条約で認められたすべての権利を実現する義務 を負った。 また、 日本においては、条約は締結されると同時に国 内法としての効力を生じるから、子どもの権利条約も 締結と同時に、 日本の国内法としての効力を生じ、 日本 のすべての子どもは、子どもの権利条約で認められた すべての子どもの権利を得た。条約は憲法に準じる効 力を有し、法律や政令、条例は条約に適合するように 解釈されなければならない。 権利者である子ども自身が子どもの権利の実現を図る ことは困難である。子どもの権利の実現は、親をはじめ 子どもに関わるすべての人々が担う必要がある。なか でも国と地方自治体の果たすべき役割は大きい。 国や地方自治体の義務 日本は、子どもの権利条約を締結したことにより、子ど もの権利条約において認められる権利の実現のため、 あらゆる措置を行う義務を負った(条約4条)。 また日 本の地方自治体も、 日本の一部として、あらゆる措置を 行う義務を負った。 子ども・若者ビジョン 2009年に制定された子ども・若者育成支援推進法 に基づき、政府が2010年7月に決定した、子ども・ 若者支援のための基本政策。 その理念の1番目に、憲法と子どもの権利条約にのっ とり、子ども・若者の個人としての尊厳を重んじ、発達段 階に応じてその意見を十分尊重し、その最善の利益が 考慮されることが確実に保障されることを目指す、 と定 める。 また、 スクールカウンセラーやスクールソーシャルワー カー等の活用による相談体制の整備と充実、オンブズ パーソン等第三者的立場から相談に応じて問題を解 決する仕組みの普及を図ることや、子どもの権利条約 の趣旨にのっとった取組がなされるよう、条約の内容 について普及を図ること、子ども・若者ビジョンを国の 関係機関や地方自治体、民間の関係者が連携・共働し て推進すること、子ども・若者の意見を聴取し支援施策 の企画・立案・実施に反映すること等を定める。 子どもの権利条例はなぜ必要か 地方自治体に住む、すべての人が、子ど もの権利を再確認するため 日本の子どもは、 日本が1994年に子どもの権 利条約を締結したとき、すでに、子どもの権利条約 が認めるすべての子どもの権利を得た。 子どもの権利条例の制定は、地方自治体に住む、 すべての人が、子どもの権利を再確認する機会と して重要である。 地方自治体が子どもの権利実現の義務を 再確認するため 国や地方自治体は、子どもの権利条約により、子ど もの権利を実現するため、あらゆる措置をとるべ き義務を負わされている。 また子どもの権利条約 には、個別の権利を実現するために国や地方自治 体が行うべき具体的な措置が書かれている。 子どもの権利条例の制定は、地方自治体が、子ど もの権利条約により課された、 自らの子どもの権 利実現の義務を再確認する機会であるとともに、 当該自治体において特に差し迫って行うべき措置 を洗い出す機会としても重要である。 地方自治体が子どもの権利を実現するの に役立つ仕組みを作るため 地方自治体が子どもの権利条約により課せられた 子どもの権利実現義務を達成するには、 さまざま な仕組みが必要である。 子どもの権利条例は、地方自治体が、子どもの権 利実現義務を達成するのに役立つ仕組みを定め るために重要である。 計画策定、予算確保、組織の一体化、データの収集 、子どもの権利実現のため地方自治体のとった措 置・とらなかった措置の検証、子どもの意見の聴取 と尊重、権利侵害を受けた子どもの救済、子どもの 権利の広報等がその仕組みの一例である。
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