2016年波乱の幕開けのなか 堅調なアジア不動産市場

2016年波乱の幕開けのなか
堅調なアジア不動産市場
アジア パシフィック プロパティ ダイジェスト
|
2016年第1四半期
(日本語版ハイライト)
オフィス
Hong Kong
Beijing
Shanghai
Bangkok
Jakarta
4
5
6
7
8
9
プロパティ クロック
オフィス
賃料上昇の減速
ヨハネスブルグ
トロント
フランクフルト、
ソウル
メキシコシティ
シンガポール
ヒューストン
北京、ダラス
サンフランシスコ
ロンドン
香港、上海、ロサンゼルス
東京
ベルリン、ストックフォルム、
ニューヨーク
ボストン
賃料上昇の
減速
賃料下落の
加速
賃料上昇の
加速
賃料下落の
減速
シドニー
アムステルダム、マドリード、シカゴ
デリー
モスクワ
大阪、ミラノ
パリ
サンパウロ
ワルシャワ
ブリュッセル
イスタンブール、プラハ、ドバイ、
チューリッヒ、ムンバイ、ワシントンDC
出所:JLL, April 2016
$VLD3DFLÀF Americas EMEA
リテール
ロジスティクス
賃料上昇の減速
賃料上昇の減速
アムステルダム
サンフランシスコ
上海
フランクフルト
ドバイ
香港
上海、北京
シンガポール
香港、ダラス
シンガポール
ベルリン
北京、ロサンゼルス、シカゴ、
ヒューストン、フィラデルフィア
東京
サンフランシスコ、ヒューストン
マイアミ、ニューヨーク、ボストン
賃料上昇の
減速
賃料下落の
加速
賃料上昇の
加速
賃料下落の
減速
ロサンゼルス
東京
アトランタ、ニューヨーク
賃料上昇の
減速
賃料下落の
加速
賃料上昇の
加速
賃料下落の
減速
ロンドン
マドリード、ミラノ
ロンドン、パリ
モスクワ
ムンバイ
ボストン
デリー、ワシントンDC
シドニー
シカゴ
シドニー
出所:JLL, April 2016
$VLD3DFLÀF Americas EMEA
ワルシャワ
マドリード
モスクワ
パリ
出所:JLL, April 2016
$VLD3DFLÀF Americas EMEA
4 – オフィス
オフィス
「テナントの動向が低調な賃貸市場でも、
「
の
低
貸
、
賃料上昇が継続」
昇
HONG KONG
香港
14.7%
•
120
115
•
110
インデックス
デニス・マー
ニ
賃料
月額 sqft 当たり
プロパティ クロック
フェーズ
105.0
賃料上昇の
減速
香港ドル
セントラル(中環)外部のサブマーケットにおいて、保険会社が活発な動きを継続
価格インデックス
105
100
95
セントラルでは、マーケット内の純増賃貸面積の約 40%を中国本土系企業の増
床ニーズが占めている。セントラルの外部では、生命保険会社が継続して増床
しており、新たに約 150,000 sqft の面積を賃借した。
空室率が低い上に中国の旧正月等の長期休暇の影響もあり、2016 年第 1 四半期
の賃貸活動は前年と比較すると停滞し、第 1 四半期の新規の賃貸面積は前期比
約 10%の急落となった。複数の賃貸借契約の満了により、セントラル、ワンチャ
イ(湾仔)、コーズウェイベイ(銅鑼湾)およびチム・サー・チョイ(尖沙咀)
において既存の賃借面積が減少した。
90
セントラルで過去 20 年間で初めて借地が公募入札される
85
•
80
4Q11
4Q12
4Q13
賃料価格インデックス
4Q14
4Q15
4Q16
不動産価格インデックス
矢印は12カ月間の見通しを示している。
2011年第4四半期を100としてインデックスを算出。
出所: JLL
価格インデックスはセントラル(中環)を対象としている。
•
不動産市場指標
2016 年 /2017 年の土地売却計画(2016/17 Land Sale Program)のリストに、マリー・
ロード・高層駐車場(MRMCP)を含め合計 8 つの商業施設 / オフィス開発用地が
記載された。セントラルでは、この 20 年間で初めての政府による借地権公募入
札となる。該当用地にて基準階約 20,000 sqft のビルの開発が可能となる。
啓徳 ( カイタック ) 空港跡地北エプロン部分をオフィス用地として再開発する計
画が 2 つの大規模な商業不動産用地(NKIL 6557 と NKIL 6556)の借地の公募入札
によりスタートした。これにより、将来 100 万 sqft 以上のオフィススペースが供
給されることになる。
300
6
セントラル賃貸マーケットは成長率が減速
250
5
•
200
4
150
3
100
2
50
1
0
0
–50
パーセント
1000 m2
5 – オフィス
賃料
前年同期比
リサーチ・ヘッド
ヘ
–1
11
12
13
14
15
16F
空室消化
(正味)
新規供給
供給予定
空室率
出所: JLL
2011〜2015年の空室消化、新規供給、空室率は、年末時
点の一年間の数値をそれぞれ使用。2016年の空室消化と
新規供給は2016年第1四半期の数値を、供給予定は2016
年第2四半期〜同年第4四半期の数値を使用。
不動産市場指標はマーケット全般を対象としている。
•
セントラルマーケットにおけるハイグレードビル(A1 グレードビル)の賃料は
過去 5 年間で最大の上昇率を記録。その成長に牽引され、2016 年第 1 四半期に
セントラル全体の賃料は前期比で 2.6%上昇した。それとは相対的に、チム・サー・
チョイを除くその他すべての主要オフィスサブマーケットの上昇率は減少した。
オフィス物件の売買取引の合計件数が前期比で 20%減少、金額では 2,000 万香港
ドル減少したにもかかわらず、中国本土系企業が引き続き活発な動きを示すバ
ルクセール市場は相対的に堅調な価格に下支えされ、不動産価格はわずかに上
昇した。
見通し:2016 年の賃貸マーケットは、さらなる成長の方向へ
•
•
中国本土系金融機関の需要低迷にも関わらず、2016 年のセントラルにおける賃
料は継続して 5%から 10%の上昇に向かっている。JLL では引き続き、継続的新
規供給がある九龍東部 (Kowloon East) を除く、その他のオフィスサブマーケット
の賃料が 2016 年に 0%から 5%ほど上昇すると予測している。
土地の売買市場において、MRMCP および 2 つの啓徳 ( カイタック ) 空港跡地再
開発用地が大きな注目を集めると予想される。特に MRMCP の用地は、セントラ
ルエリアにおけるランドマーク物件の確保に苦労してきた中国本土系のディベ
ロッパーおよび中国本土系企業からの注目を集めるだろう。
注:香港全体の A グレードオフィス動向を表示
リサーチ・ヘッド
ー
ド
賃料
前年同期比
4.0%
スティーブ・マッコード
ー
コ
賃料
月額 m2 当たり
プロパティ クロック
フェーズ
387
賃料上昇の
減速
人民元
市場全体の需要が軟化する中、外国企業が賃貸スペースを返還
•
•
例年、この時期の空室消化は低調であるものの、今期は 48,300m2 を記録し、前
年同期比 253%増という堅調な結果だった。しかし、高水準のネット・アブソー
プション(新規需要)は主にファイナンシャル・ストリートにおけるアジアイ
ンフラ投資銀行(AIIB)の BTS(ビルド・トゥ・スーツ)プロジェクトの竣工に
よるものである。
国内金融機関は、引き続き需要の牽引役である。しかし、業種を超えて内需お
よび外需が弱含んだことで賃貸活動は低調であった。外国企業は中国の同業他
社よりも保守的であり、外資系企業のいくつかは規模を縮小し、ファイナンス・
ストリートに多くのオフィスを構えるいくつかの外資系銀行が中国オフィスを
閉鎖又は縮小する動きが見られた。
BEIJING
価格インデックス
140
130
120
110
100
90
80
4Q11
4Q12
4Q13
賃料価格インデックス
新規 A グレードプロジェクトの賃貸需要は引き続き堅調
•
•
第 1 四半期に市場に供給されたのは、BTS 物件のファイナンス・ストリート
A-5 拡張区画の 1 案件のみだった。46,000m2 に及ぶ当該プロジェクトは、AIIB が
100%賃借する。しかし、成熟したエリアであるファイナンス・ストリートおよ
び中心業務地区(CBD)のいくつかのビルでは、主要テナントが他の地域へと移
転した為、一時的に空室率の上昇が見られた。
市場の需要が全体的に軟化しているにもかかわらず、堅調なサブマーケットで
のクオリティの高い新規物件の賃貸状況は良好である。ファイナンス・ストリー
トにおいて 2015 年第1四半期に竣工したすべての A グレードプロジェクトは、
2016 年第 1 四半期末までに少なくとも 90%の成約率に達した。
6 – オフィス
中国北部
北
インデックス
「全般的に軟調な需要のため、
般
調
た
多くの不動産オーナーが賃料値上げに慎重に」
多くの不動産オ
く
産
ナ が賃料値上げに慎重に」
が
上
重
4Q14
4Q15
4Q16
不動産価格インデックス
矢印は12カ月間の見通しを示している。
2011年第4四半期を100としてインデックスを算出。
出所: JLL
価格インデックスはCBDを対象としている。
不動産市場指標
Physical Indicators
10
1,000
900
9
800
8
7
•
600
6
•
賃料は引き続き緩やかに上昇し、前期比で 0.9%上昇となった。三段階の価格決
定方式が引き続き採用されているが、テナントの退出を懸念する多くのオーナー
が賃料の上昇を最小限に留めている。一方、既存テナントの賃料の引き上げに
代わる手段として、数名の不動産オーナーはこの機会を利用して低賃料のテナ
ントの退出を促すことで、新規契約の賃料上昇という結果へとつなげた。
第 1 四半期は、高い値付けへの期待が引き続き、中心地区における取引に影響
を与えている。A グレードビルの売却はなかったものの、ワンジン(望京)にお
いては数こそ少ないが B グレードビルの売却が幾つかみられた。新興のサブマー
ケットは引き続き成長し、相対的に低い賃料の物件を探すテナントを呼び寄せ
ている。
見通し:好悪材料が入り混じるマーケットの兆候により、オーナーは慎重に行動
•
•
需要軟化の見通しと空室リスクに関する不確実性により、オーナーは市場の賃
料をおおむね据え置く可能性が高い。
しかし、ワンジン(望京)における IT ブーム、特定産業をサポートする政策、フィ
フス・リング・ロードにおける将来の開発への規制が、CBD などの主要エリア
の賃料上昇を引き続き下支えすると予測される。
注:「北京オフィス」 は、 北京の A グレードオフィスマーケット全体を指す。
1000 m2
700
500
5
400
4
300
3
200
2
100
1
0
パーセント
賃料の伸び悩みが続く
0
11
12
13
14
15
16F
空室消化
新規供給
供給予定
空室率
出所: JLL
2011〜2015年の空室消化、新規供給、空室率は、年末時
点の一年間の数値をそれぞれ使用。2016年の空室消化と
新規供給は2016年第1四半期の数値を、供給予定は2016
年第2四半期〜同年第4四半期の数値を使用。
不動産市場指標はマーケット全般を示す。
「主要エリアにおいて近く供給される新規物件の
要
に
近く
れ
物件
高い事前申込率が、今年の標準となる可能性がある」
事
が
の
なる
が
SHANGHAI
上海
海
9.5%
ダニエル・ヤオ
ダ
ヤ
賃料
日額 m2 当たり
プロパティ クロック
フェーズ
10.5
賃料上昇の
減速
人民元
主要エリアの新規プロジェクトにおける底堅いプレリーシング
価格インデックス
•
130
120
インデックス
•
110
100
国内の金融機関は、引き続き市場における牽引役である。多国籍企業全般が拡
張に対して慎重な姿勢を見せる中、小売企業が積極的に拡張あるいは物件のアッ
プグレードを進めている。
CBD のネット・アブソープション(新規需要)は、2016 年第 1 四半期における
新規供給が限定的であったことにより増加した。特に主要エリアにおける HKRI
センターや上海タワーなどの新規のプロジェクトが、潜在的なテナントから大
きな関心を集めている。
CBD においてプロジェクトの竣工は 1 件のみ
90
•
80
4Q11
4Q12
4Q13
賃料価格インデックス
4Q14
4Q15
4Q16
不動産価格インデックス
•
矢印は12カ月間の見通しを示している。
2011年第4四半期を100としてインデックスを算出。
出所: JLL
価格インデックスはCBDを対象としている。
浦東 (PUDONG)CBD において、その面積の大部分を自社利用目的とする UOB プラ
ザ(26,347m2)が竣工した。2 四半期連続で、浦西 (PU XI) における供給はなかった。
分散したマーケットにおいて、GFA (Gross For Area) 合計が 185,745m2 となる 3 件の
プロジェクトが浦西 (PU XI) で竣工した。完成したプロジェクトには、KEC エンター
プライズセンター T1&2(KEC III-Enterprise Centre T1&2、62,000 m2)、ポリー・ウェ
スト・バンド Ph1(Poly West Bund Ph1、32,249 m2)およびホンチャオ・シンシア・
センター・S サイト(Hongqiao Sincere Centre-S. Site 、91,496 m2)が含まれている。
低い空室率および強い需要が賃料上昇をサポート
不動産市場指標
•
800
16
700
14
600
12
500
10
400
8
300
6
200
4
100
2
0
0
11
12
13
14
15
パーセント
1000 m2
7 – オフィス
賃料
前年同期比
リサーチ・ディレクター
レ
16F
空室消化
(正味)
新規供給
供給予定
空室率
出所: JLL
2011〜2015年の空室消化、新規供給、空室率は、年末時
点の一年間の数値をそれぞれ使用。2016年の空室消化お
よび新規供給は2016年第1四半期の数値を、供給予定は
2016年第2四半期〜同年第4四半期の数値を使用。
不動産市場指標はCBDを対象としている。
•
•
浦東 (PUDONG) の A グレードオフィスの m2 当たりの賃料日額は 11.3 人民元で、
前期比で 1.7%の上昇となった。浦西 (PU XI) の A グレードオフィスの m2 当たり
の日額賃料は、プレミアム物件が賃料上昇を牽引して 9.8 人民元となり、前期比
で 1.4%の上昇となった。
四半期末時点で交渉中の取引が数多くあり、投資市場は引き続き活況を呈して
いる。
アメリカの Pramerica Real Estate Investors 社(プルデンシャル保険系)が、ARA 社
からウォーターフロント・プレース・ブロック E&G(Waterfront Place Bloc E & G)
を総額約 7 億 6,000 万人民元で購入した。
見通し:力強い需要が 2016 年の賃料上昇をサポート
•
•
国内企業が CBD における需要を引き続き牽引するとみられる。一方で、多国籍
企業にとっては統合およびコスト削減が主要なテーマとなるだろう。2016 年に
おいて需要の底堅さが予測される一方で、供給予定量の多さが賃料への下方圧
力となり、2015 年と比較すると上昇率は緩やかになると見ている。
国内投資家および海外投資家にとって、上海は賃料見通しが明るく、他の都市
部と比較すると相対的にリスク特性が低いため、引き続き積極的に取引を行う
ことが予測される。CBD における物件に対する需要は引き続き高いことが予想
されるが、売り物件が限られていることから、2016 年を通して利回りはわずか
に低下すると見ている。
注:「上海オフィス」は、浦東 (PUDONG)、浦西 (PU XI)および分散した地域で構成される上海のAグレードオフィ
ス・マーケット全体を指す。
「クオリティの高い
リ
高 A グレードの新しいビルが、古く
レ
し
が
賃料の低いビルからの移転を計画する大規模テナント
低
か
転
る
テ
も中
も中規模テナントも引き続き引き込んでいる」
中規模テナントも引き続き引き込んで
中
ナ
き
き
いる」
3.8%
賃料
月額 m2 当たり
プロパティ クロック
フェーズ
820
賃料上昇の
減速
タイバーツ
新規に完成したオフィス物件に対する賃貸需要は引き続き堅調
•
•
2016 年第 1 四半期のネット・アブソープション(新規需要)の合計は 7,200m2 と
なり、2015 年第 4 四半期に記録した 12,800m2 から減少した。多くのテナントが
2015 年第 1 四半期に新たに完成したピラットタワー・アット・エムクオーティ
エ(Bhiraj Tower @ EmQuartier)に移転・入居を続ける一方で、他の既存ビルでも
テナントの移転および賃貸面積の増床が行われている。
2016 年第 1 四半期、外国企業の新築ビルへの移転および既存の A グレードのビ
ルにおける金融・保険関連のテナントによる賃貸面積の拡張が需要を牽引して
いる。
8 – オフィス
賃料
前年同期比
アンドリュー・グルブランソン
ン
・
ン
価格インデックス
180
160
140
120
インデックス
タイ リサーチヘッド
ヘ
BANGKOK
100
80
60
40
FYI センターが完成し、貸出可能面積が 46,190m2 増加
•
•
セントラルイースト(バンコク東側中心地)に FYI センター(46,190 m2)が完成
したことにより、2016 年第 1 四半期の CBD における A グレードオフィスのストッ
クは、188 万 m2 に増加した。FYI センターの事前申込率が 70%と高い水準である
にもかかわらず、LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)によるゴール
ド認証が期待される本プロジェクトは内装工事のため、バンコクのオフィス市
場に一時的な空室率の増加をもたらし、空室率は 11%となっている。
マグノリア・ラチャダムリ・ブールバード(6,000 m2)のポディアム部分(オフィ
ス)は、2016 年第 2 四半期の完成を予定している。当ビルのオフィススペース
のほとんどが、かつてこの場所にあったビルに入居していたテナントが占める
予定である。
20
0
4Q11
4Q12
4Q13
賃料価格インデックス
4Q14
4Q15
4Q16
不動産価格インデックス
矢印は12カ月間の見通しを示している。
2011年第4四半期を100としてインデックスを算出。
出所: JLL
不動産市場指標
Physical Indicators
賃料、不動産価値および利回りは引き続き安定
150
15
•
120
12
90
9
60
6
30
3
•
2016 年第 1 四半期の正味実効賃料は、2015 年第 4 四半期に前期比 2.3%と急上昇
した後、1m2 当たりの月額賃料が 820 タイバーツと引き続き安定している。テナ
ントは、前期に不動産オーナーが設定した高い賃料水準に適応する姿勢を見せ
ている。
2016 年第 1 四半期の不動産価格は 1m2 当たり 113,804 タイバーツ、同市場の利回
りも 6.7%と安定している。
見通し:2016 年を通して力強い需要増加が予測される
•
•
新しく竣工したビルおよび今後発表されるプロジェクトではより高いテナント
成約率が期待されるため、2016 年の年間ネット・アブソープション(新規需要)
は、63,500 m2 に達すると予測されている。2015 年第 4 四半期に契約したテナン
トが AIA サトーンタワーに移転すること、契約済みのテナントが FYI センターへ
の入居を開始することにより、2016 年第 1 四半期に上昇した空室率は徐々に低
下することが予測される。
プライムエリアにおける供給量が少ないことから、2016 年を通して賃料が上昇
し続けることが予測される。しかし CBD 外では 2016 年に A グレードの大規模な
供給が予定されており、CBD における賃料は競争の激化により下方圧力に晒さ
れる可能性がある。
注:「バンコクオフィス」 は、 バンコクの CBD の A グレードオフィスマーケットを指す。
1000 m2
18
0
パーセント
180
0
11
12
13
14
15
16F
空室消化
(正味)
新規供給
供給予定
空室率
出所: JLL
2011〜2015年の空室消化、供給予定、空室率は、年末時
点の一年間の数値をそれぞれ使用。2016年の空室消化と
新規供給は2016年第1四半期の数値を、供給予定は2016
年第2四半期〜同年第4四半期の数値を使用。
「賃貸需要は改善するが、
賃
は
が
新規供給が空室率を押し上げる」
供
率
上
JAKARTA
インドネシア
ド
リ
リサーチヘッド
ッ
-4.2%
賃料
月額 m2 当たり
プロパティ クロック
フェーズ
4,160,952
賃料下落
インドネシアルピア
新規竣工物件に対する先約により入居率は堅調に推移
価格インデックス
•
300
250
•
インデックス
200
150
2016 年初頭の賃貸オフィス市場に対する意識は、マクロ経済状況の安定及び
ドル−ルピアの為替が比較的安定した事により改善した。また幾つかのグレー
ド A オフィスの竣工がテナントのオフィス移転を後押しした。
原油・天然ガス、鉱物資源等の所謂天然資源関連企業からの需要は引き続き弱く、
幾つかの多国籍企業からは賃貸面積の縮小も報告された。2015 年後半から続い
ている e コマース関連企業からの需要は引き続き堅調で、2016 年第 1 四半期に
は同セクターの大手中国系企業が参入した。
100
3 件の新規竣工物件が空室率を押し下げる
50
•
0
4Q11
4Q12
4Q13
賃料価格インデックス
4Q14
4Q15
4Q16
不動産価格インデックス
矢印は12カ月間の見通しを示している。
2011年第4四半期を100としてインデックスを算出。
出所: JLL
•
不動産市場指標
600
30
500
25
400
20
300
15
200
10
100
5
0
•
•
0
11
12
13
14
15
2010 年以降の爆発的な賃貸価格の上昇が建設ブームを引き起こし、数年前に着
工した物件のまとまった供給が予定されている。2015 年以降、四半期ごとに新
規物件が竣工し、それに引き続き 2016 年第 1 四半期には 3 つの物件の竣工が予
定されており、これにより供給される床面積は約 230,000 ㎡増加した。
2015 年に空室率が二桁台に突入し、更に 2016 年第 1 四半期の新規物件に対する
事前契約率が 20 〜 30% であった事は空室率が上昇している事を意味している。
しかしながら、市場の空室率は新規物件や築年数の浅い物件によって下方に歪
められているだけで、クオリティの高い既存物件は入居率 90% と依然と高い数
字を示している。
オーナーは引き続き柔軟な対応:オフィス賃料は 3 四半期連続で下落
パーセント
1000 m2
9 – オフィス
賃料
前年同期比
ジェームズ・テイラー
ー
イ
大規模な新規物件の竣工と今後のまとまった供給予定の影響で、入居率の維持
または引き上げの為にオーナーは柔軟な対応を余儀なくされた。需要が改善傾
向にあるにもかかわらずテナント確保の為の競争は激化した。2016 年第 1 四半
期にはこれをコストダウンの好機と捉え契約の途中で賃料の再交渉を試みたテ
ナントも幾つかあった。
市場の長期的な成長を確信していたオーナーが保有する資産の切り売りに積極
的では無かった事が理由で、ジャカルタでは歴史的にバルク売りに対する投資
案件は殆ど出て来なかった。2016 年第 1 四半期において成約事例は無かったが、
海外投資家による開発案件への関心は依然と強いままである。
16F
空室消化
(正味)
新規供給
供給予定
空室率
出所: JLL
2011〜2015年の空室消化、新規供給、空室率は、年末時
点の一年間の数値をそれぞれ使用。2016年の空室消化
および新規供給は2016年第1四半期の数値を、供給予定
は2016年第2四半期〜同年第4四半期の数値を使用。
見通し:空室率は高い水準で推移、賃料は続落か
•
•
今年中に約 300,000 ㎡超が市場に供給されると見られ、これにより空室率は高い
水準で推移するものと思われる。好立地・高クオリティの物件に対する引き合
いはその賃料下落の影響もあり、既存物件からの移転を計画するテナントによ
り引き続き堅調に推移すると予測。
原油・天然ガス、鉱物資源等の所謂天然資源関連企業からの需要は引き続き弱
いものの、e コマース関連企業による引き合いは今後も堅調であると予測。全体
的な供給量の増加の為、オーナーは引き続き魅力的な契約条件を提示し続ける
であろう。厳しい状況ではあるが、投資家の関心は引き続き強いままであると
予測する。
注:「ジャカルタオフィス」 は、ジャカルタの CBD における A グレードオフィスマーケットを指す。
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