1月21、2006年

平成 18 年(2006 年)1 月
沖縄地方の天候
平成 18 年 2 月 1 日
沖縄気象台
天候経過・・・・・・・・・・・・・・・・・1
平均気温・降水量・日照時間
平年差(比)と階級・・・・・・・・2
大気の流れ・・・・・・・・・・・・・・・・3
日々の天気図・気象概況・・・・・・・・・・4〜7
地上気象経過図・・・・・・・・・・・・・・8〜9
名護・那覇・久米島・南大東島
宮古島・石垣島・西表島・与那国島
アメダス(月平均気温・月降水量・月間日照時間)
分布図・・・・10
極値・順位更新表
生物季節観測表・・・・・・・・・・・・・・11
本件担当:沖縄気象台業務課気候・調査室
お 問 い 合 わ せ 先 : 098− 833− 2186
天
候 経 過
2006年1月
沖縄地方は、気圧の谷や前線および大陸高気圧の張り出しにより、曇りや雨
の日が多かった。期間を通して寒気の影響を受けにくかったが、期間のはじめ
と終わりには、大陸高気圧の張り出しにより、平年より気温の低い日もあった。
沖縄地方の月平均気温は、平年に比べ+1.3℃で「高い」となった。
気温:高い
降水量:多い
日照時間:少ない
上旬: 期間前半に高気圧の範囲内で晴れる日もあったが、気圧の谷や大陸高気圧
の張り出しで曇りや雨の日が多かった。
期間中の降水量は各地点とも平年値を下回った。また、気温も各地点とも
平年値を下回った。
6日から7日にかけては、冬型の気圧配置が強まり沖縄地方に寒気が流入
し、7日に奥で 8.5℃、渡嘉敷で 9.6℃、糸数で 9.4℃の日最低気温を観測し
た。
気温:低い
降水量:少ない
日照時間:平年並
中旬: 気圧の谷や前線が通過し、天気は数日の周期で変化した。
12日は気圧の谷の影響により、川平で150mm、石垣島で107.0mm、多良間で
85mmの日降水量を観測した。13日は低気圧の影響により、奥で81mm、東で98mm、
金武で78mmの日降水量を観測した。17日は前線の影響により、大原で87mmの
日降水量を観測した。また、今期間は顕著な寒気の流入がなく、各地点の旬
平均気温は平年より3.2〜3.9℃高かった。
気温:かなり高い
降水量:かなり多い
日照時間:多い
下旬: 大陸高気圧の張り出しや気圧の谷の影響で曇りや雨の日が多かった。この
ため、日照時間は南大東島を除く各地点において、平年と比べ 13〜34%で「か
なり少ない」となった。 31 日は前線の影響で、胡屋、渡嘉敷で 43mm、那覇
で 42.5mm、糸数で 40mm の日降水量を観測した。
気温:高い
降水量:平年並
1
日照時間:かなり少ない
平均気温・降水量・日照時間の平年差(比)と階級
2006年 1月
【上旬】
気 温
(℃)
那
覇
久 米 島
宮 古 島
石 垣 島
与那国島
南大東島
16.4
16.4
17.3
17.6
17.4
16.8
平年差
(℃)
階
級
降水量
(
mm)
‑0.7
‑0.5
‑0.8
‑1.0
‑1.1
‑1.2
0
0
−
−
−
−
35.0
23.5
11.0
16.5
27.5
15.0
‑0.8℃ −
沖縄地方
平年比
(
%)
階
級
81
43
22
32
39
42
0
−
−
−
−
0
日照時間
(
h)
40.3
28.5
24.0
23.2
7.8
41.7
43% −
平年比
(
%)
階
級
132
113
85
85
45
109
+
0
0
0
−
0
92% 0
【中旬】
気 温
(℃)
那
覇
久 米 島
宮 古 島
石 垣 島
与那国島
南大東島
20.5
20.2
21.3
22.1
21.3
20.7
平年差
(℃)
階
級
+3.9
+3.7
+3.6
+3.8
+3.2
+3.2
╋
╋
╋
╋
╋
╋
降水量
(
mm)
108.5
131.0
52.5
156.5
123.0
44.5
+3.6℃ ╋
沖縄地方
平年比
(
%)
階
級
346
326
129
372
176
179
╋
╋
0
╋
+
+
日照時間
(
h)
28.8
25.0
34.2
37.0
30.9
34.5
270% ╋
平年比
(
%)
階
級
95
105
129
136
164
83
0
0
+
+
+
−
126% +
【下旬】
気 温
(℃)
那
覇
久 米 島
宮 古 島
石 垣 島
与那国島
南大東島
17.4
17.3
18.5
19.2
18.5
18.4
平年差
(℃)
階
級
降水量
(
mm)
+1.1
+1.1
+1.0
+1.0
+0.5
+1.3
+
+
+
+
0
╋
48.0
46.0
46.5
38.5
60.0
14.0
+0.9℃ +
沖縄地方
平年比
(
%)
階
級
121
82
85
84
82
34
0
0
0
0
0
0
日照時間
(
h)
11.8
8.5
8.9
5.4
2.3
26.5
91% 0
平年比
(
%)
階
級
34
30
30
19
13
65
━
━
━
━
━
−
25% ━
【1月】
気 温
(℃)
那
覇
久 米 島
宮 古 島
石 垣 島
与那国島
南大東島
沖縄地方
18.1
17.9
19.0
19.6
19.1
18.6
平年差
(℃)
階
級
+1.5
+1.4
+1.3
+1.3
+0.9
+1.1
+
+
+
╋
+
+
降水量
(
mm)
191.5
200.5
110.0
211.5
210.5
73.5
+1.3℃ +
平年比
(
%)
167
133
76
151
99
73
階
級
日照時間
(
h)
╋ 80.9
+ 62.0
− 67.1
+ 65.6
0 41.0
0 102.7
125% +
平年比
(
%)
階
級
85
81
80
80
76
85
−
−
−
−
−
−
80% −
(注)1.「階級」の欄の符号は、以下のことを示す。
╋:かなり高い(多い)
+:高い(多い)
0:
平年並
−:低い(少ない)
━:かなり低い(少ない)
2.「降水量」欄の ─ は無降水を、「日照時間」欄の‑‑は日照なしを示す。
3.沖縄地方の平年差(比)とは、那覇・久米島・宮古島・石垣島・与那国島の
5地点の平年差(比)の平均値を示す。
4.")"付きの値は準完全値(欠測を含むが許容する資料数を満たす)を意味する。
5."]"付きの値は資料不足値(欠測を含み許容する資料数を満たさない)を意味する。
6.表中のデータは気象官署(気象台、測候所等)における値である。
2
大気の流れ(北半球の天気図の概要)
2006 年 1 月
500hPa 面の高度(左図)は、バイカル湖付近とサハリンから日本の南東海上にかけて平
年より低く、その他の極東域の広い範囲で平年より高くなった。
オホーツク海付近が気圧の谷で、上空の大気の流れはバイカル湖付近から北日本にかけ
て南に蛇行し、北日本を中心に寒気が流れ込んだ。沖縄地方ではほぼ西から東の流れとな
り、寒気の影響を受けにくかった。
海面気圧(右図)では、沖縄付近の気圧は平年に比べ低くなった。沖縄地方では、大陸
高気圧の張り出しが長続きせず、気圧の谷や前線の影響を受けることが多かった。
左図 北半球の 500hPa 面の平均高度
右図 北半球の平均海面気圧
等値線の間隔は実況(実線)が 4hPa である。
平年差(破線)が 2hPa である。
陰影部は気圧が平年より低い領域を示す。
等値線の間隔は 実況(実線)が 60m、
平年差(破線)が 30m である。
陰影部は高度が平年より低い領域を示す。
3
日々の天気図(午前9時)・気象概況
2006年1月1日 〜 1月8日
1月1日
気圧の谷の影響を受ける。
1月5日
低気圧や前線の影響を受ける。
1月2日
高気圧の範囲内となる。大東島地方は
気圧の谷の影響を受ける。
1月3日
高気圧の範囲内となる。石垣島地方は
高気圧のへりにあたる。
1月6日
大陸高気圧が張り出す。
1月7日
大陸高気圧が張り出す。
4
1月4日
高気圧の範囲内となる。与那国島地方は
気圧の谷の影響を受ける。
1月8日
気圧の谷の影響を受ける。
日々の天気図(午前9時)・気象概況
2006年1月9日 〜 1月16日
1月9日
気圧の谷の影響を受ける。大東島地方
は高気圧の範囲内となる。
1月13日
低気圧の影響を受ける。先島諸島は高
気圧の範囲内となる。
1月10日
高気圧の範囲内となる。先島諸島は気
圧の谷の影響を受ける。
1月11日
気圧の谷の影響を受ける。大東島地方
は高気圧の範囲内となる。
1月14日
高気圧の範囲内となる。沖縄本島地方
と大東島地方は高気圧のへりにあた
る。
1月15日
高気圧の範囲内となる。大東島地方は
高気圧のへりにあたる。
5
1月12日
気圧の谷の影響を受ける。
1月16日
前線の影響を受ける。
日々の天気図(午前9時)・気象概況
2006年1月17日 〜 1月24日
1月17日
前線の影響を受ける。
1月21日
大陸高気圧が張り出す。大東島地方は
高気圧の張り出しが弱い。
1月18日
気圧の谷の影響を受ける。八重山地方
は高気圧の範囲内となる。
1月19日
高気圧の範囲内となる。沖縄本島地方
は前線の影響を受ける。
1月20日
前線の影響を受ける。大東島地方は高気
圧の範囲内となる。
1月22日
1月23日
1月24日
大陸高気圧が張り出す。
大陸高気圧が張り出す。
高気圧のへりにあたる。
6
日々の天気図(午前9時)・気象概況
2006年1月25日 〜 1月31日
1月25日
気圧の谷の影響を受ける。
1月29日
気圧の谷の影響を受ける。
1月26日
気圧の谷の影響を受ける。
1月27日
高気圧のへりにあたる。
1月30日
気圧の谷の影響を受ける。大東島地方
は高気圧の範囲内となる。
1月31日
前線の影響を受ける。
7
1月28日
気圧の谷の影響を受ける。大東島地方は
高気圧の範囲内となる。
8
9
アメダス(月平均気温・月降水量・月間日照時間)分布図
2006 年 1 月
アメダス月平均気温 2006年1月
(
)内は平年差(℃)
単位:℃
伊是名 ●
17.6
(1.7)
)付の値は準完全値
15.8
奥 (1.4)
●
]付の値は資料不足値
久米島
●
17.9
(1.2)
17.5
(1.7)
アメダス月降水量
(
)内は平年比(%)
]付の値は資料不足値
久米島
●
●
名護
渡嘉敷
16.3
(1.1)
18.1
(1.3)
●
渡嘉敷
糸数
16.4
(1.4)
18.6
(0.9)
伊良部
19.0)
●
(1.3)
148
(108)
本部
●
●
160
(130) 名護
200
(134)
136 読谷
(121)
●
●那覇
南大東島
●
●
156
(114)
238
(207)
192
(173)
●
19.1
(0.8)
19.1
( )
●金武
181)
奥 (108)
●
国頭
155 ●
( )
●
● 伊原間
19.3
(1.0)
●
大原
19.2
(1.2)
19.4
(0.5)
● 波照間
波照間
●
19.6
(1.0)
石垣島
)内は平年比(%)
単位:h
伊是名 ●
89.7
(103)
)付の値は準完全値
60.9
奥 (82)
●
]付の値は資料不足値
久米島
●
62.0
(78)
84.3
(90)
●
名護
●金武 80.3
(83)
● 胡屋
渡嘉敷
糸数
162
(133)
74
(76)
南大東島
●
●
70.2
(81)
80.9
(85)
●那覇
●
糸数
79.2
(81)
102.7
(84)
伊良部
79.0
(91) ●
●
宮古島
多良間
110
● 187
(76)
(127)
与那国島
西表島
●
(
216
(197)
伊良部
119
(93) ●
●
アメダス月間日照時間 2006年1月
●
213
東 (168)
●那覇
宮古島
多良間 19.0
● 19.3 (1.1)
(0.9)
与那国島
単位:mm
伊是名 ●
112
(87)
)付の値は準完全値
●金武 17.5
(1.2)
●
2006年1月
● 城辺
119
(81)
●
宮古島
多良間 67.1
● 74.2
(77)
(100)
与那国島
●
211
(97)
150
( )
川平
298
(190)
●
西表島
●
●
大原
312
(196)
● 伊原間
184
(117)
●
211 石垣島
(151)
186
(154)
● 波照間
波照間
●
41.0
(75)
61.4
( )
●
大原
66.0
(78)
72.6
(80)
● 波照間
波照間
注1 アメダス値は統計期間が短いため、気象官署の平年差(比)と異なることがあります。
注2 西表島特別地域気象観測所及び国頭地域雨量観測所は、移転によりアメダスの統計が切断となったため、平年値はありません。
10
● 伊原間
60.4
(90)
西表島
●
●
65.6
(79)
石垣島
南大東島
●
極値・順位値更新表
2006年1月
要
素
更新した値
観測日(月)
順位
92.5*
2006年1月13日
1
92.5
1987年1月3日
久米島 月最大24時間降水量
97.0
2006年1月12日
1
90.0
1977年1月23日
石垣島 月最大24時間降水量
114.0
2006年1月12日
1
104.0
1990年1月15日
2006年1月20日
1
20.5
2002年1月15日
2006年1月13日
3
89.0
1972年1月10日
名護 月平均気温の高い方から
17.5
2006年1月
3
注1:日の統計値は1位更新、月の統計値は3位更新まで記載します。
注2:*印は同値(タイ記録)を意味します。
17.9
1998年1月
官署名
那覇
月最大24時間降水量
名護
日最低気温の高い方から
20.6
名護
月最大24時間降水量
76.5
従来極値(観測日・月)
生物季節観測表
2006年1月
観測場所
種
別
(代替種目)
現象
本年発現
平年値
月 日
月 日
昨年発現 発現
月 日
最早日
平年差
最晩日
(1)植物
那覇
ツバキ
開花
1月6日
1月5日
1月5日
+1
12月24日
1月20日
石垣島
スミレ(リュウキュウコスミレ)
開花
1月6日
1月3日 1月23日
+3
11月23日
2月5日
宮古島
ツバキ
開花
1月11日 12月28日
1月6日 +14
11月29日
1月20日
那覇
サクラ(ヒカンザクラ)
開花
1月13日
1月19日 1月19日
1月4日
2月8日
那覇
ウメ
開花
1月14日
なし 2月3日
なし 12月25日
2月3日
石垣島
ウメ
開花
1月14日
1月9日 1月6日
+5
12月16日
2月10日
与那国島 スミレ(リュウキュウコスミレ)
開花
1月14日
1月14日 1月11日
0
12月12日
2月8日
石垣島
サクラ(ヒカンザクラ)
開花
1月15日
1月15日 1月7日
0
12月19日
2月20日
南大東島 サクラ(ヒカンザクラ)
開花
1月15日
1月19日 2月3日
‑4
1月4日
2月3日
宮古島
サクラ(ヒカンザクラ)
開花
1月19日
1月18日 1月29日
+1
12月30日
2月5日
石垣島
ヤマツツジ(タイワンヤマツツジ)
開花
1月20日
2月10日 1月16日
‑21
1月4日
3月31日
那覇
サクラ(ヒカンザクラ)
満開
1月24日
2月4日 2月14日
‑11
1月24日
2月19日
与那国島 サクラ(ヒカンザクラ)
開花
1月27日
1月31日 2月5日
‑4
1月18日
2月22日
南大東島 サクラ(ヒカンザクラ)
満開
1月27日
2月1日 2月18日
‑5
1月23日
2月20日
宮古島
サクラ(ヒカンザクラ)
満開
1月31日
2月9日 2月16日
‑9
1月23日
3月2日
与那国島 サクラ(ヒカンザクラ)
満開
1月31日
2月18日 2月15日
‑18
2月6日
3月3日
与那国島 ヤマツツジ(サキシマツツジ)
開花
1月31日
2月16日 2月28日
‑16
1月26日
3月16日
初鳴
1月25日
なし 1月20日 なし
1月20日
3月20日
‑6
(2)動物
南大東島 ウグイス
注1:平年差の
‑
は発現が平年に比べて早く、
+
は発現が平年に比べて遅いことを示します。
那覇のヒカンザクラの満開は、最早値(タイ記録)となりました。
与那国島のヒカンザクラの満開は、最早値を更新しました。
11