お客様とともに 三菱自動車の社会への取り組み

三菱自動車の社会への取り組み
お客様の声を聞く社員研修の模様
当社は 、CSR 最優先企業として 、コンプライアンス・
CSR 活動を継続・強化しています。また 、社会との共
生を目指し、ステークホルダー の皆様からの期待や要
望に応える活動に、積極的に取り組んでいます。
お客様とともに
お客様とのコミュニケーション
「お客様相談センター 」
では、あらゆるご相
1968 年に開設した
談に
「迅速・的確・親切・誠実」
をモットーに対応し、お客様満足
Contents
の向上を目指しています。2011 年度はお客様から、クルマのご
お客様とともに ........................................................... 15
購入や取り扱いに関するお問い合わせ、ご意見・ご指摘など約 6
グローバル品質確保への取り組み ................................. 17
万件のご相談を受け付けました。
販売会社とともに ........................................................ 18
調達パートナーとともに............................................... 19
株主・投資家とともに .................................................. 20
地域の皆様とともに..................................................... 21
社員とともに .............................................................. 23
CSR の推進 ................................................................ 25
コーポレート・ガバナンス ............................................. 25
ご相談の受付は、フリーダイヤルによる電話とホームページ
からのメールをご用意しており、2011 年度は電話が約 93%を占
めました。
2011 年度には、当社の環境対応の要である電気自動車のライ
ンアップに商用タイプの『 MINICAB-MiEV 』が加わり、電気自動
車に関する当センターへのご相談は約 3,500 件に上りました。
内部統制システム ........................................................ 26
リスク管理 .................................................................. 27
コンプライアンス......................................................... 28
お客様相談センターの対応方針
1. お客様のお申し出は最優先の課題と認識し、迅速・的
確・親切かつ誠実な対応に努めるとともに公正・公平
な解決を促進します。
2. お客様からいただいた貴重な情報を社内にフィード
バックし、商品・サービスの改善に活用します。
3. お客様の権利を保護するため、関係する法規や社内
自主基準を遵守します。
4. お客様の疑問が容易に解消できるよう、ホームペー
ジの Q&A など情報発信の充実に努めます。
15
MITSUBISHI MOTORS
お客様の声の活用
お客様相談センターに寄せられたお客様からのご意見・ご指
安全・安心を求めて
(『 i-MiEV 』車両接近通報装置)
2009 年に電気自動車『 i-MiEV 』を発売後、低炭素社会の実現、
摘は、社内関連部門にフィードバックすることで、お客様目線で
その静かで力強い走りなどで多くのお客様にご好評いただいて
の商品改良・次期車開発やサービスの向上に活かしています。
おります。一方、エンジン音がないがゆえ
「後方から接近する車
また不具合情報については、リコールなどの市場措置判定の
ないとこで急に物
(車)
が動き出した」
などのご意見をいただくよ
さらに社員啓発活動として、お客様からのご相談の録音音声
(一
うになりました。そこで当社では、新しい交通手段を市場に投入
部編集)
を社員に聞かせ、
「 お客様第一」
での業務推進について考
するにあたり安全・安心な商品の提供を第一に心がけ、電気自動
える研修を各製作所で実施しています。2011 年度は主要 4 製作
車の走行に違和感なく気づいていただけるように、従来のエン
所において実施し、延べ約 600 名が参加しました。
ジン車両と同等の走行音を発する仕組み
「車両接近通報装置」
を
搭載することにしました。
「クルマの走行音を発する装置を取り付ける」
という今まで想像
もしたことのない技術開発でした。
「車両の接近をイメージできる」
「歩行者が認知しやすい」
をキーワードに、シンセサイザーで走行
模擬音
(接近通報音)
を合成しては車両に取り付けたスピーカー
で発音しながら走行し、路肩で聴く作業を繰り返しました。同時に、
視覚障がいの皆様方にも種々の歩行パターンで電気自動車が発
する音を試聴していただき、ご意見を頂戴しつつ走行模擬音
(接
近通報音)
をつくりあげました。
ホームページを通じたコミュニケーション
インターネットをご利用のお客様のために、ホームページ上
にお問い合わせのページを開設しています。お客様ご自身で不
『 i-MiEV 』
『 MINICAB-MiEV 』をはじめ当社の全電気自動車
が環境にやさしく安全に、お客様とすべての皆様とともに安心・
共生していけるよう、この装置がその一端を担います。
明な点をお調べいただけるよう、
「よくあるお問い合わせ」
コー
ナーを設け、随時更新しています。2011 年度は、
「メンテナンス」
や
「こんなときは」
(緊急時の対応)
の項目へのアクセスが 2010
年度に比べて急増したため、情報の拡充を検討しています。また、
メールでのお問い合わせ窓口も設け、フリーダイヤル受付時間
外の利便性向上を図っています。
〈車両接近通報〉のしくみ
車速が約 25km/h 以下の低速走行時に自動発音します。
通報音は、歩行者等が車両を認知しやすいように、車速に応じた音の高
低で加速・減速等の走行状態を表現します。
国 土 交 通 省ガイドライン準 拠
高
25km/hを
超えると
フェードアウト
通報音
低
0
速度
(km/h)
25
通報音は車速等の走行状況により、通報音の高低が変化します。
お問い合わせ
(トップページ)
Web
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/
reference/index.html
Social and Environmental Report 2012
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社会への取り組み
基礎資料の作成に活用しています。
両に気づくのが遅れてヒヤリとした」
、目の不自由な方から
「何も
三菱自動車の社会への取り組み
グローバル品質確保への取り組み
品質マネジメントの構築
当社グループは、2003年に開発・製造・販売・サービスを含
開発品質・製造品質の造り込み
む全社でI
SO9001を取得しました。この中には、全国に配置さ
■ MMDS( Mitsubishi Motors Development System )
れているテクニカルセンターや部品センター も含み 、全社員が
クルマの企画段階から開発・製造・販売・サービスにいたるす
品質マネジメントの改善に取り組んでいます。
べてのプロセスでQG(クオリティゲート)
を設置したマネジメン
トシステム
「 MMDS 」
を導入し、目標達成度を総合的に審査・評価
しています。7つの各ステップに分けて設置したゲートごとに、
品質管理能力の向上(品質工学の推進)
2005年から品質工学
(田口メソッド)
を使った教育を、開発・生
安全性・法規・品質などの項目に関して世界各地のお客様に満足
産の技術者へ展開し、ロバスト設計※ 1 を使い 、お客様に安全・安
していただけるよう確実な確認を行っています。
心な車をお届けできるよう取り組んでいます。
• MMDS の流れ
▼開発開始
商品
企画
クオリティ
ゲート
▼デザイン承認
開発
構想
F
仕様
確定
E
着工図
確認
(試作)
D
C
▼発売
最終
品質
確認
開発
確認
B
量産
開始
A
Z
■ MMPW( Mitsubishi Motors Production Way )
当 社 のものづくり思 想・精 神 である
「三 菱 自 動 車 生 産 方 式
( MMPW )
」
を海外工場にも展開し、全世界で統一した品質管理
体制を構築しています。基本理念として、ISQC(工程完結;In
を取り入れ、各工程で品質保証の徹
Stage Quality Creation )
底に努めています。
特に近年、海外工場の生産増加に伴い、指導員の育成が急務
品質工学講義の様子
お客様情報への迅速な対応
■品質情報システム
( SQM-BC ※2)
の活用
となっており、「ものづくり塾」「ものづくり道場」を活用した講習
お客様からの品質に係わる情報をリアルタイムに入手し、迅速
や、即戦力が必要な場合は、スキルを持った OBや定年到達者の
に対応するため、
「 SQM-BC 」
システムを使って不具合の早期把
再雇用などにより海外工場へ派遣する技術者を確保しています。
握を行うとともに、当社および販売会社間で情報共有を図ってい
これら高度技能者は、タイムリーに適材適所へ派遣できるよう
「人
ます。このシステムにより、車種別・部品別・生産日別などの詳
財バンク」
に登録する制度を2011年度から導入しています。
細分析が容易となり、設計・製造・サービスの速やかな改善のた
これらの品質管理体制は、2012 年春タイで発売したグローバ
ルコンパクトカー新型『ミラージュ』
にも活かされており、各部門
め、開発出身者を加えたチームが徹底した原因調査に取り組ん
でいます。
の専門家をタイに駐在させ、日本のものづくり技術を伝えながら、
現地従業員と一体となって品質を確保しています。
■迅速で透明性を確保したリコール等判定プロセス
リコールの実施要否について公正で統一した判定を行うために、
厳格な判定基準を設けています。また、リコール要否を判定す
る会議には、お客様目線でチェックするメンバー が出席し様々 な
視点から討議を行い 、判定結果は経営幹部にすべて報告してい
ます。さらに、これらの活動内容はCSR推進本部によるモニター
を受け、透明性の確保を図っています。
※ 1 ロバスト設計:使い方のばらつきがあっても影響を受けにくい、安定した機能を発揮するための設計方法
※ 2 SQM-BC:Strategic Quality Management-Backward Chain
17
MITSUBISHI MOTORS
販売会社とともに
環境に優しい省エネ型店舗
2011 年の夏は、政府から電力使用制限令が発令され、計画停
三菱自動車「愛着プロジェクト」
の取り組み
電も実施されるなど節電に対する社会的機運が高まり、販売会
あなたとクルマの
「ずっと」
のために。
社も必要な対応を行いました。関東三菱自動車販売
(株)
の都築店
「気に入ったモノと、長くつきあっていきたい」
、そんな時代だ
基準は、1台の三菱車にずっと愛着を持って乗り続けていただ
べての照明をLED化し、省エネ店舗へ生まれ変わりました。もち
ろん、急速充電、200V 充電設備も設置されています。
くこと。クルマ自体が
「丈夫で長持ち」
なことはもちろん、
「1台の
クルマをずっと好きでいる気持ち」
を持ち続けていただくために、
各種愛着メニューをご用意しています。
新しい時代に、私たち三菱自動車が 、新しい一歩を踏み出しま
す。愛着メニュー各種は、ぜひ三菱自動車のお店でご確認くだ
さい。
詳細については Web サイトへ
Web
LED照明で明るく、省エネに配慮したショールーム
http://aichaku.jp/
販売会社に対する技術サポート
店舗一体となったお客様満足度向上活動
販売会社のサービス技術力強化の支援を目的に、当社のサー
三菱自動車の各店舗では
「愛着力」
の活動として、お客様のカーラ
イフを店舗一体となってサポートする取り組みを行っており、スタッ
フのお客様対応力および店舗対応の向上に努めています。
商談・接遇力アップやサービス技術力アップを目的とした研修や全
国商談ロールプレイング大会など様々な活動の結果、当社独自で行っ
ビス部門と開発部門が連携し、各地のテクニカルセンター間の人
財交流や研修会を積極的に推進しています。
また、各テクニカルセンター では
「技術連絡会」
「 各種勉強会」
「新型車講習会」
などを実施し、車両・サービスに関する新技術の
普及促進、サービス技術の向上を図っています。
ているアンケート方式のお客様満足度調査において、お客様から評価・
回答をいただき、いずれのスコアともに年々改善の傾向にあります。
お客様満足度調査結果
SSI ※1 総合スコア
84.2
84.3
CSI ※2 総合スコア
81.6
84.5
80.9
80.0
2009
2010
2011[年度]
2009
2010
2011[年度]
勉強会の様子
お客様満足度調査とは、お出迎えや商談の良し悪しを数値化してお客様に評価いただく
調査です。SSIは、新車購入後 3ヶ月経過したお客様、CSIは、新車購入後 3 年 3ヶ月経過
したお客様を対象に毎年、アンケート方式で調査しています。
内容は、SSI 50 項目・CSI 58 項目の質問に対し、お客様の回答を点数に換算
(良い=100
点、ふつう=50 点、悪い =0 点)
し、加重平均して算出しています。
(採点:100 点満点)
※ 1 SSI:Sales Satisfaction Index の略称です。セールス満足度調査。
※ 2 CSI:Customer Service Index の略称です。サービス満足度調査。
Social and Environmental Report 2012
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社会への取り組み
から、当社は、お客様とクルマとの新しいつきあい方を提案します。
(神奈川県横浜市)
は、これらの社会ニーズに応えられるよう、す
三菱自動車の社会への取り組み
調達パートナーとともに
三菱自動車協力会活動
当社のお取引先との新たな信頼関係を構築する観点から、
グリーン調達ガイドライン
当社では2000 年11 月から、調達における環境保全活動
「グリー
ン調達※1」
に取り組んでいます。
自動車は多種多様な材料・部品で構成されており、多くの領域
「三菱自動車協力会」
では、お取引先と当社
2005 年度に発足した
で環境負荷物質の低減のためにお取引先のご理解・ご協力が不
の意思疎通を深めるとともに、信頼・協力体制の強化に努めてい
可欠です。
ます。現在の参加企業数は 183 社となります。
現在は 4 つの部会
「部品部会」
「 材料部会」
「 資材関係部会」
「加
2011 年度は環境負荷物質の管理要領をさらに充実させたグ
リーン調達ガイドラインの改訂版を発行しました。
工部品部会」
を設置して各部会で研究活動、工場見学会などの諸
また、すべてのお取引先から
「製品含有環境負荷物質使用制
活動に取り組んでいます。また共通の活動として、お取引先幹部
限適合宣言書」
をご提出いただき、環境負荷物質の管理体制が
と当社幹部との意見交換会を開催し、強力なパートナーシップ構
整備されていることを確認しました。さらに、毎年各社を訪問し、
築を目指しています。
実際の運用状況を双方で確認しています。
全会員が一堂に会する講演会、総会では当社社長が
「当社の現
状と課題」
について講演し、会員に向けて最新の情報を発信して
います。
CO2 排出量モニタリング活動
2012 年度からはお取引先とともにCO2 排出量削減のモニタ
リング活動を計画中であり、CO2 排出量削減の施策・手法の共有
総会の様子
と水平展開を通して、お取引先と一体となった環境保全活動を推
進します。 お取引先との信頼関係強化に向けた活動
お取引先との信頼関係強化のために、当社は、当社の事業計
画・調達方針への理解を図る一方、市場に対応したグローバルレ
ベルでのコスト競争力強化をキーワードに、お取引先との一体活
動を展開しています。具体的な活動として、
「 調達方針説明会」
を
国内外で開催し、当社の方針・計画を示すとともに諸活動への協
力を要請しています。
また、お取引先の開発・生産・品質・コスト競争力向上を目的
に、活動実績に対する表彰を実施し、お取引先のさらなるモチベー
ション向上と連携強化に取り組んでいます。
※ 1 ここでは、調達段階における環境保全活動と定義し、文房具などオフィスで使用するものなどの購入に関する環境保全活動は含まない。
19
MITSUBISHI MOTORS
株主・投資家とともに
株主総会
株主や投資家の皆様に当社の活動を十分理解していただく場
と位置付けています。このため、少しでも多くの方にご出席いた
株主通信「 ROUTE 」
を発行
株主通信
「 ROUTE 」
を2011 年6 月および12 月に発行しました。
当社の業績や事業戦略、商品情報など、個人株主様にとって有益
な情報の掲載を心がけています。2012 年も年 2 回発行する計
画です。
社会への取り組み
だけるよう、できる限り集中日の開催を避け、会場も多くの方を
収容できる場所の選定に努めるなど、開かれた株主総会の運営
を心がけています。
個人投資家向けセミナーを開催
個人投資家の皆様を対象としたセミナーを、2011 年 9 月、12
月の 2 回、開催しました。会場は、9 月が京都市・奈良市、12 月が
富山市・金沢市の4ヶ所で、合わせて約 500 人の皆様にご参加い
ただきました。説明会では、常務執行役員経営企画本部長が当
社の現状や、中期経営計画
「ジャンプ 2013」
の概要、タイの洪水
影響、電気自動車・プラグインハイブリッド車などについてプレ
2011 年 12 月発行
ゼンテーションを行い、ご質問をお受けしました。個人投資家の
株主通信
「 ROUTE(ルート)
」
皆様に当社事業への理解を深めていただく機会として、今後も
継続して同様の説明会を開催していく予定です。
情報開示の充実
「アニュアルレポート2011(
」日本語・英語)
を発行しました。
「ファクトブック 2011(
」日本語・英語)
を発行しました。
「アニュアルレポート2011」
「ファクトブック2011」
セミナーの様子
Social and Environmental Report 2012
20
三菱自動車の社会への取り組み
地域の皆様とともに
パワートレイン製作所〈滋賀県〉
障がい者支援施設のパンを販売
名古屋製作所〈愛知県〉
滋賀工場では 2011 年 10 月から、湖南市と湖南市工業会が障
「ファミリーフェスタ in 中総 2011」
に協賛
がい者の自立と社会参加を目的に推奨しているパンの販売支援
2011 年 5 月、岡崎市が市民および事業団体との協働により、
を始めました。毎月第 1・第 3・第 5 火曜日に食堂の一角を販売場
地域のコミュニケーション活性化を目的として開催する
「ファミ
所として提供しており、販売元の皆さんと社員の双方が喜ぶ活動
リーフェスタ in 中総 2011」
において、当社は登板キット使用の
として広がりを見せています。
『パ ジェロ』
(クリーン ディーゼ ル 車)の 体 感 試 乗 会 ならびに
『 i-MiEV 』
『 MINICAB-MiEV 』の同乗試乗会などで協賛しまし
た。体感試乗会では、最大角度 45 度の傾斜を駆け上がる
『パジェ
ロ』
に子どもから大人まで幅広い年齢層の注目が集まりました。
昼休みには列ができるパンの販売
水島製作所〈岡山県〉
少年自然の家を整備
水島製作所では、同年代社員の一体感醸成・社員意識向上を
注目を集めた
『パジェロ』の性能
目 的とした
「チームビ ル ディング 35 研 修」を開 催しています。
パワートレイン製作所〈京都府〉
2011 年度は、倉敷市少年自然の家の体育館清掃、調理場の台清
「パーク&ライド」
活動に協力
掃、食卓ペンキ塗り、森林整備などを行い 、地域の青少年育成の
京都工場では、2006 年より京都市実施の
「パーク&ライド 」
※1
場づくりに貢献しました。
に協力し、嵯峨・嵐山などの観光地へ向かう方々に、製作所の駐
車スペースを提供しています。利用者は年々増え、2011 年度は
111 台のご利用があり、観光地の渋滞緩和に貢献しました。
野外の食卓のペンキ塗り
観光地などの
「パーク&ライド」
に協力
※ 1 渋滞の緩和や大気汚染軽減、CO2 排出量削減のため、マイカー で公共の駐車スペースへ行き駐車した後、電車・バスなどの公共交通機関に乗り換えて観光地へ移動する
取り組み
21
MITSUBISHI MOTORS
パジェロ製造(株)
〈岐阜県〉
海外〈アメリカ〉
ぎふ清流国体をサポート
高校生へのシートベルト装着促進プログラムに協力
ミツビシ・モーターズ・ノース・アメリカ
( MMNA )
では、1997
大会」
および
「全国高等学校選抜スキー大会」
において、競技役
年以来イリノイ州の 3 つの郡において、高校生が車を運転・同乗
員として社員が協力しました。ジャンプ台の着地場所
( K 点)
付近
する 際 のシート ベ ルト 装 着 促 進 プ ロ グ ラ ム
「 Tri-County
の 整 備や、選 手 が
Operation Cool 」の運営に協力しています。また、優秀者には『ア
通 過 するポ イント
ウトランダースポーツ』
を寄贈しています。
をチェ ック するな
本プログラムは、州警察、郡警察、20 の高校とともに実施して
ど、迫 力 ある競 技
おり、毎年 1 万人以上の高校生が参加し、交通安全意識向上に貢
の安全性と大会運
献しています。
営 を 全 面 的 にサ
ポートしました。
スキージャンプ台の整備
工場見学
名古屋製作所、パワートレイン製作所
(京都工場、滋賀工
場)
、水島製作所、パジェロ製造
(株)
では、地域の小学校など
に対して社会学習の場として、生産ラインなどを公開してい
ます。2011 年度は、全製作所合わせて約 4 万 3 千人の見学
者が来社しました。
「 Tri-County Operation Cool 」
に参加した高校生
海外〈中国〉
海外〈タイ〉
公益財団法人オイスカに
『パジェロ』を寄贈
タイの
「学校給食プロジェクト」
に寄付
三菱汽車銷售有限公司
( MMSCN )
は、三菱自動車が
「パジェ
ロの森」
での育林活動で協働している公益財団法人オイスカに、
『パジェロ』1 台を寄贈しました。同団体は内モンゴル自治区阿拉
ミツビシ・モーターズ・タイランド
( MMTh )
は、タイの教育省
基礎教育委員会事務局
( OBEC )
が推奨している、栄養や健康面
で子どもをサポートする
「学校給食プロジェクト」
に賛同し、郊外
善砂漠で植林活動を展開しており、寄贈した
『パジェロ』
は、中国
の50 校へ合計100 万バーツ
(日本円:約250 万円)
を寄付しました。
の砂漠での酷使に耐えられる車両として、現在阿拉善
(アラシャン)
この活動は2010 年度から継続して行っており、2011 年度は活
砂漠で巡回車として活躍しています。
動の一環でタイ北部のチェンライ県にある小学校を訪問しました。
『パジェロ』寄贈の様子
活動支援先の小学校にて
Social and Environmental Report 2012
22
社会への取り組み
「 2012 ぎふ清流国体・冬季
2012 年 2 月、岐阜県で開催された
三菱自動車の社会への取り組み
社員とともに
社員一人ひとりが活躍できる職場へ
社会のグローバル化や多様化に対応し、当社では、様々 な個
当社では、会社は社員にとって
「創造性の発揮と仕事を通じた自
性を持った社員一人ひとりが活躍できる職場環境づくりに取り組
己実現の場である」
という考えから、社員と会社は互いに
「高い
んでいます。
志を共有する対等の関係」
であるというスタンスに立ち人事施策
に取り組んでいます。
グローバルな人財の活用
世界各国に商品を提供している当社では、米国、中国、韓国、
仕事に“やりがい”のもてる仕組みづくり
会社を支える人財
※1
マレーシア、ジャマイカなどの国籍を持つ社員が国内で多数勤務
育成や、社員が福祉サービスを自由に選
しており、商品企画・開発、営業といった業務で活躍しています。
択することができるカフェテリアプラン制度の拡充、育児休業・
また、語学力向上をはじめとした海外派遣のための教育を進め
勤務制度などのワークライフバランスを促進する制度の充実など、
ており、生産拠点のあるタイや米国、中国などへ多くの社員を派
社員一人ひとりが 、
“やりがい”
を持って仕事に取り組めるような
遣しています。2011 年度末時点では、253 人の社員が海外で活
仕組みづくりを行っています。
躍しています。
また、それぞれのポジション・職務に期待される
「役割」
を基軸
として、年齢や過去の功績ではなく、年度ごとの各人の役割の遂
行度合いや役割に応じた目標の達成度合いから評価・処遇
(昇進・
昇給)
を行っています。
定年後の再雇用の促進
高齢者の雇用については社会的要請が拡大していますが 、当
社においては今後定年退職者が増加することから、技能・技術
さらに、企業風土改革のための
「人の流動化」
を目的に、会社
の伝承、人財の活用などを目的に、継続雇用制度である
「シニア
の将来の成長に繋がる異動・ローテーションを積極的に実施して
パートナー制度」
を2006 年 4 月に導入し、高齢者雇用に取り組ん
います。
でいます。2011 年度末までに542 人の再雇用を行いました。
「人財」
の育成
障がいのある方の雇用への機会提供
誰もが働ける職場を目指し、本社
(東京都)
ならびに製作所所
当社では人財育成の基本理念として、
・公正で高い倫理観を持って行動できる人財の育成
在地区で障がいのある方を積極的に雇用しています。また、
・高度な専門知識・技術・独創性を持って新しい価値を提供でき
2007 年 4 月に設立した特例子会社(株)MMCウイングにおいて
る人財の育成
も雇用を推進しています。2012 年 6 月時点での障がい者の雇
・信念と情熱を持って継続的にチャレンジする人財の育成
用 数は 262 人で、雇 用 率は 1.80%となっており、法 定 雇 用 率
を挙げ、社員と会社がともに成長するための育成活動に取り組
1.8%を満たしています。
(人)
■人財育成施策
事務技術系列
リーダーシップ
教育
統括専門職 指導専門職
主担当職
担当職
業務職
障がい者雇用人数
(左軸)
400
1.84
ビジネスリーダー研修
昇進者研修
マネジメント
教育
役割別研修
新入社員研修
300
1.42
有資格者選抜研修
必須研修
プロフェッショ
ナル教育
200
選択研修
エンジニア研修
技能系列
リーダーシップ
教育
マネジメント
教育
指導専門職 上級監督特技職 監督高技職 上級技能職 一般技能職
181
1.50
1.88
1.55
249
195
障がい者雇用率
(右軸)
258
(%)
2.05
276
2.1
1.80
1.80
263
262
1.4
208
0.7
100
ものづくりリーダー研修
事務技術
系列と同様
ものづくり教育
新任研修
技訓生教育
有資格者選抜研修
選択研修
ノウハウ伝承など
※ 1 当社では、社員
(人)
を財産と捉え、社内の部署名にも
“人財”
と表記しています。
23
ー
■障がい者雇用の推移(各年 6 月 1 日時点)
んでいます。
MITSUBISHI MOTORS
0
0.0
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012[年]
•「障害者の雇用促進に関する法律」に基づき、重度の障がいのある人 1 名を
2 名とみなし算出。
安全な職場づくりへの取り組み
女性が活躍する機会の拡大
次世代育成支援制度などを通して、女性が働きやすい職場づ
「安全はすべてに優先する」
との基本理念のもと、すべての社
くりに取り組んでいます。女性の役職者も増えつつあり、2011
員が安全で健康に働ける職場の実現に向けて安全施策に取り組
年度には主任以上の役職者は100 人となり、全役職者に占める
んでいます。しかしながら2011 年は 32 件もの労働災害が発生
割合は3.4%となっています。
していることから、2012 年では
「不安全行動の撲滅」
「 類似災害
仕事と家庭の両立のために
害防止に取り組んでいます。
社員が仕事と育児を両立しワークライフバランスを促進できる
■労働災害の発生状況
よう、育児休業・短時間勤務制度の適用拡大や妊娠期休業制度
の新設などを進めています。2007 年には
「次世代育成支援対策
推進法」
の趣旨に沿った活動が評価され、厚生労働省の認定マー
ク
(愛称:くるみん)
を取得しました。
2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年
全災害件数
休業度数率※ 2
26
23
17
30
32
0.26
0.12
0.16
0.21
0.20
※ 2 災害の発生頻度で、延べ労働時間 100 万時間あたりの労働災害による休業者数
を表したもの。
くるみんを取得した 2007 年以降、193 人の社員が育児休業を
社員の健康づくりへの取り組み
取得しました。
(含む男性 6 人)
「健康は自ら作り、管理するもの」
を基本に、社員一人ひとりの
■次世代育成支援の取り組み
施策
概 要
育児休業
育児のための休業制度。2 歳までの子が対象で 2010 年 4 月から
父母とも休業可能。
育児勤務
育児のための短時間勤務制度。2010 年 4 月から3 歳までの子は
全社員(父母とも)
を適用対象に拡大した。なお 、会社が認めた場
合は小学校 2 年生までの子が適用対象となる。
妊娠期休業
妊娠中の社員に適用する休業制度。
妊産婦の
母性保護
妊娠中の通勤緩和や妊娠中または出産後の勤務を軽減する措置
等を講じる制度。
子の看護
休業
小学校 2 年生までの子の看護のための休業制度。子が 1 人の場合
(2010 年4 月∼ )
は5 日/年まで、2 人以上の場合は10 日/年まで。
積立休暇
当年に繰り越されなかった前々年発生の年次有給休暇を年 4 日を
限度に最大 40 日まで積み立てる制度で、子の育児に使用可能。
時間外労働
の免除
小学校 2 年生までの子の育児のために申し出た場合は時間外労働
を免除する。
(2008 年 4 月∼ )
再雇用制度
妊娠・出産・育児により退職した社員を再雇用する制度。
有給休暇の計画取得の推進
総労働時間短縮の観点から、有給休暇の計画的な取得を促進
健康維持増進を支援する活動として、保健師・栄養士による保健
指導・健康相談、疾病予防教育などを実施しています。
喫煙者に対しては、禁煙奨励日・時間の設定や禁煙指導・教育
など、全社で喫煙率の低減活動を推進しています。
メンタルヘルス対策は、日常のコミュニケーションによる早期
発見・早期治療が抑止効果として重要であり、相談しやすい体制・
環境を構築し、活動を進めています。
・産業医、精神科医、保健師、カウンセラーによる社内相談体制
の整備
・ストレスチェックによるセルフケアの強化
・新任管理職へのメンタルヘルス ラインケア教育
・社外機関による電話相談
社内コミュニケーション
社内報、イントラネット、経営トップとの対話集会などを通じて、
するため、
「 個人別連続年休」
(3 日間)
、
「リフレッシュ休暇」
(5 日間)
社内外の情報や会社の経営方針を共有し、社内の連携を深め、社
などの有給休暇取得の奨励制度を導入しています。また、年間
員とトップの双方向の交流を図っています。
の有給休暇の平均取得日数の目標を17 日以上と設定し、啓発活
動である
「年休 17 運動」
に労使で取り組んでいます。2011 年度
の平均取得日数は 17.7 日となり、目標を達成するとともに、引き
続き働きやすい職場環境づくりの醸成に向け取り組んでいます。
人権尊重への取り組み
三菱自動車行動基準における
「人権を尊重し、不当な差別やい
じめ、セクシュアル・ハラスメントは行わないとともに、放置しま
せん」
という方針のもと、入社時および昇進時に階層別に人権研
修を行い、社員の人権意識の高揚を図っています。
社員と社長の対話集会“ふらっと”
(パワートレイン製作所)
Social and Environmental Report 2012
24
社会への取り組み
の防止」
「 設備の本質安全化の再徹底」
などの各施策を強化し、災
三菱自動車の社会への取り組み
CSR の推進
コーポレート・ガバナンス
三菱自動車の CSR 活動の考え方
コーポレート・ガバナンス体制
当社では、法令、国際ルール、社内規定の遵守はもちろんの
当社は、監査役・監査役会制度を採用しています。また法定の
こと、時代の要請に従って変化する社会規範についても最大限
機関・ガバナンス体制に加え、執行役員制度、および取締役会の
に尊重して行動するべく、企業倫理の遵守に取り組んでいます。
諮問機関である
「企業倫理委員会」
の導入などを通じてコーポレー
企業倫理の遵守に基づき企業理念を実践し、ステークホルダー
ト・ガバナンス体制を改善・強化しています。
の皆様からの期待や要望に応えて信頼を得ながら社会と環境へ
取締役会は、経営上の重要事項の決定と業務執行の監督を行っ
の貢献を継続的に行っていくことで
「クルマを通じて人・社会・地
ています。また執行役員制度を導入し、取締役と執行役員の機能・
球と共生する未来」
を目指しています。
責任の明確化を図っています。社内の意思決定機関として取締
2011 年度から2013 年度までの新たな中期経営計画「ジャン
役、執行役員、監査役で構成される常務会を原則月 2 回開催し、
プ 2013」
では、企業活動の基本となるCSR への取り組みについ
意思決定の迅速化を図っています。
て、CSR 最優先企業として
「社会からの信頼」
を深め、
「 社会から
■コーポレート・ガバナンス体制(2012 年 6 月 30 日現在)
の期待」
に応える活動に引き続き積極的に取り組んでいくことを
株主総会
社会に約束しました。
今後も、従来のコンプライアンス意識の確立に向けた活動の
継続やコーポレート・ガバナンスの強化、環境対応や社会貢献活
動など、社会との持続的共生を強く意識した活動に取り組んでい
きます。
会計
監査人
報告
連携
監査役・
監査役会 5名
(うち社外監査役
3名)
三菱自動車のCSR 活動
企業理念の実践を通して、ステークホルダーからの期待や要望に応えて
信頼を得ることで社会と環境への貢献を継続的に行っていくこと。
会計監査
企業倫理
委員会
取締役会
取締役 12名
(うち社外取締役
監査・報告
2名)
答申・提言
監査・報告
会 長
クルマを通じて人・社会・地球と共生する未来を目指す活動
指導・助言
社 長
地域社会
お客様
常務会
企業理念
副社長
三菱自動車
企業倫理
社会からの期待
社会への貢献 環境への貢献
社員
社会からの信頼
コンプライアンス
第一
安全
第一
お客様
第一
コーポレート・ガバナンス
販売会社
25
MITSUBISHI MOTORS
ビジネス
パートナー
株主
投資家
品質統括
本部および
各部門
各部門
品質監査
業務監査
CSR推進本部
品質監査・
業務監査
関係会社
内部監査および監査役監査の状況
監査役は、取締役会をはじめとした当社の重要な会議に出席し、
取締役等から営業の報告を聞くとともに、重要書類等の閲覧、内
部監査部門や子会社、会計監査人からの報告聴取などを通じて、
内部統制システム
内部統制システムの整備
内部統制システムについては、取締役会で決議した
「内部統制
システム構築に関する基本方針」
に基づき、内外環境の変化に応
またこれとは別に、業務執行部門から独立した品質監査部お
じて、法令の遵守、業務執行の適正性・効率性の確保などに取り
よび業務監査部をCSR 推進本部内に設置して、客観的な立場か
ら内部監査を行っています。
品質監査部は、品質統括本部の品質保証チェックが適正に機能
しているかどうかのモニタリングに加え、当社および国内外の関
係会社が品質関連業務を適正に遂行しているかについても個別
組んでいます。
特に、
金融商品取引法に基づく財務報告の信頼性確保については、
内部統制委員会主導のもと、
全社的な取り組みを展開しています。
■内部統制推進体制
社長
に監査を実施しています。2011 年度は延べ 95 回の監査を行い、
内部統制委員会
その結果を経営トップに逐次報告するとともに、企業倫理委員会
にも 2 回報告しています。また、監査役とも情報交換し、問題点
の共有化を図っています。
一方、業務監査部は、当社および国内外の関係会社に対し適
切な業務運営が行われているかどうかの内部監査を計画的に実
施しています。その中でコンプライアンス体制やリスク管理を含
む内部管理体制の適切性・有効性を検証し、結果を当社および
評価チーム
評価責任部門
評価責任部門
担当職制
担当職制
各部門 関係会社 各部門 関係会社
(構築) (構築) (構築) (構築)
各部門
金融商品取引法に基づく対応
(財務報告に係る内部統制の構築・評価)
会社法に基づく対応
(基本方針に基づくシステム構築対応)
関係会社
各部門
関係会社
関係会社の経営陣に報告するとともに、業務改善を提案し実施
状況のモニタリングも行っています。また海外の主要子会社に
内部監査部門、国内販売子会社には CSR 部門を各社に設置し、
情報セキュリティ管理
事業活動において重要な情報資産
(情報や、それらを取り扱う
国内外の当社グループ内のガバナンス強化、内部統制強化を図っ
情報システム、機器、媒体、設備)
を適切に保護することが 、社会
ています。
的責任を果たしステークホルダー の信頼を得るために重要であ
ると認識しています。
諮問機関からの指導助言
取締役会に対する諮問機関であり、社外有識者 6 名からなる企
業倫理委員会から、コンプライアンス意識の浸透に向けた
「社外
情報セキュリティ管理については
「情報セキュリティポリシー」
および ISO27001に準拠した社内規定などに基づき、物理的、技
術的、人的・組織的施策を実施し、その維持・向上を図っています。
の目」
による指導・助言をいただいています。
[ P28 参照]
個人情報保護
当社
「個人情報保護についての方針」
に基づき、社内規定の整
備や個人情報管理責任者のもとに本部責任者および部門責任者
を設置するなど、管理体制を構築しています。また、e ラーニン
グなどを通じて、社員への教育を継続して実施しており、個人情
報保護の実践に適切に取り組んでいます。
安全保障貿易管理
国際的な平和および安全維持の観点から、大量破壊兵器など
の不拡散や通常兵器の過度の蓄積を防止するための厳正な輸出
管理の重要性を深く認識しています。
この厳正な輸出管理を行うための管理規則として、
「 安全保障
貿易管理基準」
を制定しています。社長を安全保障貿易管理の
最高責任者とし、その下に安全保障関連法規遵守委員会を設置
した管理体制により、輸出取引の適法性を確保しています。
Social and Environmental Report 2012
26
社会への取り組み
当社グループにおける業務執行状況の監査を実施しています。
三菱自動車の社会への取り組み
リスク管理
災害対策・BCP ※1 への取り組み
地震などの自然災害や感染症など、事業への影響が大きい事
リスク管理体制の整備
象に対しては、
「 社員とその家族、お客様の安全確保と地域社会
当社では、全社的なリスク管理体制の基盤づくりを進めていま
との共助」
を災害時の基本方針として、災害対策・BCP(事業継
す。各統括部門あるいは本部に
「リスク管理責任者」
が任命され
続計画)
に取り組んでいます。BCPについては、
「 東海地震」
「首
ており、リスク管理責任者は各部門におけるリスクの洗い出し、
都直下地震」
「 新型インフルエンザ等感染症」
を想定、各地域での
評価、対策立案・実施、モニタリングのサイクルを回してリスク対
固有事象は
「災害対策マニュアル」
で対応しています。災害発生
策の強化・徹底を図っています。各部門におけるリスク管理のサ
時は、初動対応を管理本部、事業継続対応を経営企画本部という
イクルを毎年度実行するとともに、経営企画本部を中心に、経営
災害対策本部の役割分担を明確にしながら情報を共有し、対応
視点での取組体制強化を進めており、優先して対処すべきリスク
を進めていきます。
を特定し、関係部門との取り組みを進めることで、より未然防止
東日本大震災ならびにタイの洪水での経験も踏まえて、平時
に軸足をおいたリスク管理体制の強化に取り組み、経営幹部に報
から
「地震対応シミュレーション」
など、緊急時を想定した意思決
告を行っています。
定訓練や通信連絡訓練、説明会などの啓発活動を実施していま
また、不測の事態が発生した場合に備え、速やかに経営幹部へ
す。訓練を通して洗い出される改善は災害対策、BCP へ反映し、
情報を伝え、迅速で的確な対応ができるよう緊急連絡体制を整備・
緊急時迅速な対応が取れるよう体制強化に努めています。世界
強化しています。
中の自然災害による当社グループへのサプライチェーン寸断リ
スクは今後も発生する恐れがあるため、取引先との連絡を密にし
通常時のリスク管理取り組みイメージ
てサプライチェーン維持に繋がる体制強化を進めています。
自然災害に伴う帰宅困難者対策について、本社では 3 日間の
経営視点で取り組み強化し、
優先
未然防止
リスク
社内滞在を想定し、家族との連絡手段確保、災害用物品の備蓄な
どを近隣自治体と連携しながら取り組みを進めています。
各部門で計画策定・対策実施
部門リスク
関係会社でのリスク管理
管理状況をモニタリング
グループでの整合性をとる
緊急時の体制
緊急事態の発生(含む可能性)
所管
関係会社
社外・
その他
取引先
協力会社等
地震対応シミュレーションの模様
配下
従業者
部長
リスク管理
責任者
本部長・所長
部門長
情報共有化
連携
職制
経営企画本部・管理
本部等コーポレート
部門で構成する対策
本部
関連職制
会長・社長
非常食配布の模様
27
※ 1 BCP:Business Continuity Plan
MITSUBISHI MOTORS
コンプライアンス
企業倫理実践プログラム
2011 年度は、役員研修やコードリーダーに対する研修で社外
企業倫理推進体制
講師によるコンプライアンス研修を実施しました。国内のグルー
プ会社
(特約販売会社を含む)
を対象とした研修会も、グループ
するCSR 推進本部を新設するとともに、企業倫理遵守推進体制
内の好事例紹介や新しい法令への対応などをテーマに、実施し
を再構築しました
(下図)
。企業倫理担当役員の指揮のもと、各部
ました。
門にコンプライアンス・オフィサーを任命し、さらに各部長をコー
また、前述の
「企業倫理問題検討会」
(年 3 回)
や各部門でコン
ドリーダーとし、社員一人ひとりにまで企業倫理遵守が浸透する
プライアンス・オフィサーを中心に部門独自の施策を立案・実施
よう組織体制を強化しています。
する企業倫理実践の取り組みについても、引続き実施しています。
また、不祥事の防止・早期発見ならびに自浄作用を発揮する
透明性の高い職場環境をつくるために、当社では内部通報制度
を重視し、社内相談窓口
(社員相談室)
および外部弁護士による
社外相談窓口を設置しています。
委員会は社外の有識者のみで構成され、コンプライアンス確
答申・提言
指導・助言
会長
社長
立などを中心に当社の信頼回復活動全般について、
「 社外の目」
企業倫理委員会
(社外有識者により構成)
「世間の常識」
の視点からチェック、指導・助言などを行うことを
目的としています。また対象範囲は、企業倫理に限定せず、広く
企業倫理担当役員
品質問題、企業風土に関する事項をも含んでいます。
指揮・監督
2011 年度は12 回の委員会を開催し、企業倫理実践プログラ
伺出・報告
部門長・本部長
報告
具体的施策の
指示・指導
コンプライアンス・オフィサー
相談・報告
企業倫理
遵守徹底
当社と雇用契約のある社員
ヘルプライン
外部弁護士
各種の相談
企業倫理
問題相談
各種の相談
企業倫理
遵守徹底
助言をいただきました。
コンプライアンス部
ヘルプライン
社員相談室
部長=コードリーダー
企業倫理
問題相談
ムや品質向上活動についてなど22 議題を説明し、意見・指導・
CSR推進本部
企業倫理
遵守徹底
三菱自動車工業
(株)
企業倫理委員会
(以下、委員会)
は、当社
取締役会の諮問機関として 2004 年 6 月に発足しました。
■企業倫理遵守推進体制
取締役会
企業倫理委員会について
公式な委員会のほかにも、コンプライアンス・オフィサー会議
でオブザーバーとしての意見・助言をいただいたほか、緊急の
案件についても随時説明を行い、意見・指導をいただきました。
企業倫理委員会メンバー
関係会社・販売会社社員、派遣社員、OB
安全への誓いの日
リコール問題など過去の過ちを風化させないため、三菱ふそ
う製大型トラックにおける2 件の死亡事故が発生した 1 月10 日と
「安全への誓いの日」
とし、全社員で黙祷を行うほか、
10 月19 日を
身近な企業倫理問題を洗い出し、解決に向けて議論するための
「企
業倫理問題検討会」
もこの前後に各職場で行うこととしています。
(左から)
和男
村
宮本 一子
昇
松田
山本 信之
川岸 近衛
藤本 隆宏
委員
委員
委員長
委員
委員
委員
Social and Environmental Report 2012
28
社会への取り組み
2004 年 6 月、コンプライアンスの徹底と企業風土改革を推進