「誰かの隣人になりなさい」ルカの福音書 10 章 25-37 節今日は大変有名な聖書からメッセージをします。「良きサマリヤ人」という名で親しまれているお話です。ほとんどの方が、内容をご存知かと思いますが、まずは内容からお話させてください。ある日、私達が旧約聖書と呼ぶ、聖書にある掟を学ぶ専門家がイエスと「隣人をあなた自身のように愛せよ」という掟について話し合いました。その専門家は自分を正当化したくて、イエスに隣人とは、愛すべき人達のことだといって欲しくて、隣人とは誰をさしますかと聞きました。イエスはそこで、隣人とは自分が愛すべき人達のことではなく、愛するのが難しい人達のことも含み、もっと言うならば、敵をも含むと教えました。そこで、イエスはたとえ話をしました。ある人が強盗に襲われました。半殺しの状態で道に投げ捨てられました。その道はあまり人通りがないので、その人は痛みと、飢えと、渇きの中で、死ぬのを持つような状態でした。彼にはどうにもならない状態で、誰かが助けてくれることか、少しでも痛みが和らいだ状態で死ぬことを望むしかありませんでした。二人の人がそれぞれ、ひとりずつ通りかかりましたが、二人とも自分の身を案じて、地価よりもしないで、通りすぎてしまいました。実はこの二人の人はそれぞれ、宗教に大変関係がある人でした。三人目の人が通りかかりました。この人はサマリヤ人でした。サマリヤ人はユダヤ人から軽蔑されていて、サマリヤ人とユダヤ人には敵対関係がありました。サマリヤ人だったので、この強盗に会った人がユダヤ人だという理由だけで、近寄ってきて、何か悪口を言って立ち去ってもおかしくはありませんでした。しかし、このサマリヤ人は近寄ってきて、応急処置をしてあげて、さらに宿屋に連れて行ってあげて、彼の分の代金もはらってあげました。このたとえ話を終えてから、イエスは「あなたも行って、同じようにしなさい」と言われました。聖書にある他のイエスの言葉で、このことをよく表している個所があります。それはマタイの福音書 5 章 46-48 節です。そこを読んでみましょう。マタイによる福音書 5 章 46 節：「自分を愛してくれる人を愛したところで、あなたがたにどんな報いがあろうか。徴税人でも、同じことをしているではないか。」 47 節：「自分の兄弟にだけ挨拶したところで、どんな優れたことをしたことになろうか。異邦人でさえ、同じことをしているではないか。」 48 節：「だから、あなたがたの天の父が完全であられるように、あなたがたも完全な者となりなさい。」このたとえ話は神様の性質を表しています。助けたサマリヤ人は神様の性質を表しています。神様は私達が傷ついている時に来てくださいました。神様は私達の傷の手当をすることができる方です。イエス様は人が神様の敵のような存在の時に来てくださいました。ですから、もし今あなたが人生の苦難の中にいましたら、このことを思い出してください。神様はあなたのことを心配し、あなたを助けることができる方です。神様がどのような存在かを学び、神様のようになりなさいと聖書は教えています。今日は、ここでの初説教になるので、自己紹介の意味もあって、私自身のお話をしたいと思います。ニューヨークの郊外で日本人教会の牧師をするようになって、二年ほど経った頃でしょうか、ある日、家の窓から、 10 代の女の子が歩いているのが見えました。なぜか、私はその子が特に理由もなく歩き回っている子だから、きっと 30 分以内にここをまた通るだろうと思いました。そして、本当にそうなりました。私はその後も、何度も彼女が町の中を歩いているのを見ました。私は彼女が家にいたくないから歩いているのだと思いました。理由は分かりませんが、彼女は何か理由があって、家にいるのが嫌な人だったと思います。それで、彼女は町の中を歩き回っていたのだと思います。私達が住んでいた所は、ニューヨーク市内とは違って小さな村でした。近所人は、お互いを知っている地域でした。ある日、私がその村の公立図書館に行った時、その女の子が図書館の玄関の前でタバコをすっていました。私はその姿を見た時、心が痛みました。なぜなら、その子が発信しているメッセージを勝手に解釈したからです。小さい村の図書館の前で 10 代の子がタバコを吸っているその姿から、私はこういうメッセージを読み取りました。「おまえらが私と関係なにように、私もおもえらとは関係がない。おまえらなんか好きじゃなし、私は自分が大嫌いだ」図書館の前でタバコを吸っている姿から、そのように言っていると思いました。だから、私の心は痛みました。それで、声をかけてみたいと思ったのですが、10 代の女の子に声をかけるのが恥ずかしくて、できませんでした。それで、心の中で神様に「彼女があなたがどれだけ彼女を愛しているか知ることができるように」と祈りました。祈っただけでした。それから、数年経った時、今度は同じように歩き回っている男の子を見つけました。その 10 代の男の子も理由なく歩き回っているように見えました。それで、その子のことを気にして見ていました。私達の村にも、未成年にタバコを売っていると言われている、噂の場所がありました。私はある日、その 10 代の男が、その場所近くにいるのを見ましたその子はタバコを買いに行っていたわけでもなく、また、今もタバコを吸ったりしていないと思うのですが、私はその子がその場所にいるのを見て、また心がいたみました。なぜなら、彼はいつそのような悪い影響を受けてもおかしくない場所にいたのです。私は家に帰って、神様に向かって祈りました。「神様、これは絶対におかしい、私はただ 10 代の子たちが色々と悩んだりしているのを、ただ見ているだけなんでしょうか。神様何かできないでしょうか。彼と何かしらの関係を築けないでしょうか。」そう祈ったのですが、すぐには返事がありませんでした。数週間後にニューヨークに大雪が降りました。私は自分の教会の前を雪かきしていました。雪とシャベルにだけ集中していました。そこで、誰かが私の後ろを通った気がしたので、ふと後ろを振り向きましたら、その通りすぎたのは、その 10 代の男の子でした。私はなんであんなことをしたのか、分からないのですが、突然、 “Hi, my name is Joe. What is your name?”と聞いていました。彼は私のことを怪しそうに見ました。私は既に 33 歳ぐらいで、アジア系で、英語が母国語ではない人間で、彼は英語しか話せなさそうな白人でした。私達には何もつながりがないと思うのですが、私は単純に名前を教えて、名前を聞きました。私は神様が与えた機会だと信じています。彼は怪しそうに私を見ていましたが、私に名前を教えてくれました。私はメッセージをする時、なるべく人の本名は出さないので、今回は彼のことをピーターという名にしておきます。それで、私はよく君を見かけるので、挨拶したかったんだと言いました。その日はそれだけでした。しかし、その後、私は彼を見つけるたびに、“Hi, Peter”と挨拶しました。彼も“Hi, Joe”と挨拶してくれるようになりました。数ヶ月経つと、しだいに私達は会話をするようになりました。ある日のことです。私が信号待ちしていたら、交差点の向こうから、ピーターが手を振っていましたそれで、信号が変ってから交差点を渡ったら、彼はそこで私のことを待ってくれていて、二人で彼のアパートの前まで、お話しながら歩いていきました。その時、私は「どうやら友達として認識されているぞ」と思いました。そんな風になって数ヶ月した時です。私がある日、教会の中にいた時、誰かが教会の玄関を開けようとしたけれど、鍵がかかっていて開かない音がしました。それで、私は玄関に行ってドアを開けてみると、そこには 2 歳の男の子が立っていました。私は「教会へようこそ、入りますか」と言ったら、本当に入ってきました。 2 歳の男の子が入ってきたものですから、その後ろにいたお母さんも教会の中に入ってきました。そのお母さんが言うには、その子が突然教会の玄関を開けようとしたと言うのです。私はすぐにこれは神様がさせていると思いました。なぜなら、そのお母さんが、ピーターのお母さんだったのです。2 歳の男の子はピーターの年の離れた弟でした。それで、私は自分のことを紹介して、よくピーターと話すことを教えました。そのお母さんは私になぜか感謝して、息子があなたのような人と話ができて良かったと言ってくれました。それ以来、そのお母さんと道で会うと、よくピーターのことを話したりするようになりました。自分の教会に誘いたかったのですが、日本語だけの教会だったので、誘えないでいたのですが、いつの間にか、その親子で、自分たちの教会が間貸ししているアメリカ人の教会に来たりするようになっていました。ピーターの人生がドラマチックに何か変ったとか、そういう話はまだ聞いていません。私はかれが神様との出会いを体験できるように、救いを受け取ることができるようにと祈っています。私はこのピーターとのことで何か特別なことをしたわけではありません。私はただ、仲のよい近所の友達になっただけです。しかし、ここで大切なことは、私が仲がよくなったのは、近所にすんでいたからではなくて、私が仲良くなりたいと思ったからであり、また同時に神様が私を遣わしたからです。ここが大切なので、もう一度言わせてください。私が仲がよくなったのは、近所にすんでいたからではなくて、私が仲良くなりたいと思ったからであり、また同時に神様が私を遣わしたからです。私達が仲良くなりたいと思うならば、それはきっと神様のみ心にかなったことでしょう。神様は私達を遣わしてくれるでしょう。神様が私達をつかわしてくださるのならば、神様は私達がその人の友達になれるようにしてくださるでしょう。神様は私達をつかわしたいのです。私はこのピーターとのことについて、もう一つ話をしたいことがあります。何人かの方は気がついたと思いますが、私が 10 代の人をみて、勝手に心をいためたりしていたのには、理由があります。それは、私自身がそういう 10 代を送ったからでした。私が問題を抱えていて、家にいられなくて、歩き回っていたり、問題行動をおこしていいました。私は 20 歳の時に神様の愛を知り、それを受け入れる機会が与えられました。私の人生はそれで変りました。私の人生は変ったのですが、私は自分の過去を受け入れることができないでいました。私はまともに自分の 10 代を振り返るのが苦手でした。「なんで、私はあの日々を過ごさなくてはいけなかったのか、なぜ楽しい青春の思い出がないのか」とよく思っていました。イエス様のことを知ってから、私は頭では、全ての主のみ手にあり、私があの暗いところから救い出されたことを感謝できると、分かっていたのですが、振り向くと、嫌な気持ちになっていました。私がピーターと友達になってから、神様が私の心に語りかけるようになったメッセージがありました。言葉で語られたのではないのですが、神様は私の心にこのようなことを語ってきてくれました。「私はあなたのそばにいた。あなたのために祈っていた。あなたは 6，7 年応答しなかったけれど、私はあなのそばにいて、あなたのことを心配して、あなたのために祈っていた。あなたがあの少年を心配するよりも、もっと心配して、もっと祈っていた。」そのメッセージが私の心に入ってきた時、私は自分の過去を受け入れやすくなってきました。神様の慰めと癒しがやってきたのです。福音が私の心にもう一度明らかになり、神様の愛を新たに体験することができました。日本語のメッセージの方で、私は神様の愛を知ることの大切さを話しました。聖書によって私達は神様の愛を知ることができて、信じる時、その愛を受け取ることができます。そして、もう一つは神様の言葉に従う時、私達は神様の愛を体験することができます。それが私の学んだことです。私はそれぞれ、何か霊的な糧を必要としています。私達が、神様の言葉を信じて、従う時、私達は、神様から霊的な糧を受け取ることができます。ですから、今日はこのメッセージをイエス様の言葉になぞって、終えたいと思います。「行って、あなたも誰かの隣人になりなさい」お祈りしましょう。最初はそれぞれが、神様にむかって、祈る時を持ってください。私が一言の祈りをもって祈りの時を閉じます。