H26グローバル通信 ぎふグローバル通信02号

平成 26 年度 ぎふグローバル人材育成推進モデル事業
岐阜聖徳学園高等学校
ぎふグローバル ニュース「Co-Work」 2号
H26/6/18
2014/6/9(月) LHR 特別講演 阿部健一先生 (大学共同利用機構法人 人間文化研究機構 総合地球環境学研究所)
「これから 3 年間何をするのか」
「グローバルな人材育成」 とは
環境問題と聞いて? (生徒の答え)
「温暖化」
「水質汚濁」
「生物多様性」
私達は文化の問題だと思っている。生き方の問題だと思っている。どう生きるか。今後その話をしていく。
「災害」も僕らは、環境問題の一つだと思っている。自分達がどう生きるかと関わっているから。
何を言いたいか。
「グローバル人材育成」は、日本国の課題と言われる。
総合科学技術会議あるいは、文科省の事業として、世界で通用する人材を育てなければいけない。経済発展に 積極的
に世界に挑戦しよう、は政府の課題。凄い力を入れている。なぜそうか?
「どうも、日本の若者、次の世代は、独創性や視野が狭い、科学的思考力がない。暗記ではなく、応用できる基礎学力
が不足している。実物、実践との関係が希薄だ」とよく言われる。だが、気にする必要ない。忘れてもいい。私らの世
代から、そういわれていた。
この前まで中学生。何年生まれ? 15 歳。これからや。世界に通用するなんて、考えんでええ。一人一人の問題とし
て考えればいい、日本政府の事は考えんでもいい。あと 70 年。人生、長いで。その人生をどう生きるかを考えるきっ
かけになればいい。それが、このグローバル育成事業の目的だ。
高校生が未熟なのはいっつも。いつの時代も。今も、20 年前、40 年前の高校 1 年生も全く一緒。ただ、大きく変わっ
ているのは、その取り巻いている社会。これは全然違う。そのことについて、少し説明しよう。
僕が君らの時は、環境問題はほとんど聞かれなかった。
1)相互依存性
今や、国と国、地域と地域が依存い合っている。
世界は小さくなっている。僕らの高校1年生の時、外国人を見ることはほとんどなかった。身近に。今は、日常的
に。昨夜ホテルに泊まったけど、受付の人は中国に人。実は我々の生活は必要な物は、海外の国々、地域の人たちや産
物に依存している。食べ物、僕たち朝昼晩食べてるいろんなもの、約 60%は海外の物。依存している。
2)不確実性
何が起こるか分からない。
この 1 年、この 3 年何が起こった? 次は、東京で東北と同じ規模の地震が起こる可能性がある。
長良川を、制御できていると思ったら大間違い。気候変動(地球温暖化と日本で言っているが、海外では、気候変動)
雨なんかかつてないほど、降っている。そういった中で、君らが生きて行く 50~60 年、その準備をしていく
自分は何者であるか。自分は何者であろうとしているのか。今すぐではなく、3 年間で、考えてみよう。考え始めよう。
世界の人と話をする。ディベート、議論する中で、それを考えるヒントが得られる。
僕の話をしよう。
(ビンラディンの写真。生徒は、誰も知らない)では、この写真は?
同時多発テロ 「あー、そうか」
2001 年 9 月 11 日
生まれてはいたわけや。3 歳。僕らもびっくりしたよ。この時、インドネシアのスマトラ島、熱
帯林で調査していた。2 日後、街に出たら、まだテレビでやってた。何が起こっているかさっぱりわからなかった。9.11
後、実は彼はアフガニスタン、パキスタンに逃げ通していたんだけど、一昨年、つかまって、銃撃戦で殺された。
王様ビンラディン
アラブの大金持ちの子。お父さんに奥さん 7,8 人。異母兄弟が 40 数人いてた。
何でお父さん金持ち。アラブで携帯の販売権を一手に握っていたから。
生まれた時から裕福な生活をしていた。 (写真)王様ビンラディンが 20 歳の時の写真。
高級車を乗りまわす。右から 2 番目の人。オックスフォードにも短い期間留学していた。
(マイケル・ジャクソンの写真 20 歳の時の、50 歳の時の)
かつては正しい黒人だった。ちゃんとした。健康的な黒人だった。50 の時は、何人か分からない。整形も繰り返し、肌
を白くして。正にアメリカンドリーム。自分の才能、歌と踊りで。
(20 歳位の写真)
1985 年、今から 30 年くらい前、24 歳の時の僕がいている。
インドネシアに調査に行った時に、自分の同級生とインドネシアの大学の学生と自分たちで調査をして、村に入って、
その村の県知事さんの家にみんなで行った。
マイケル・ジャクソン ビンラディン 実は、年が一緒なんや。1958 年生まれ。2 人とも死んで、俺だけ生き残った。
50 年以上にわたって、一つの地球に一緒に暮らしていた。地球の別のところで、全く違った人生を過ごした。僕は、幸
か不幸か、イランとかヨルダンですれ違ったかもしれない。
君らは、間違いなく将来、人と(誰かと)会う機会が格段に増える。それが君らを取り巻いている状況。どんどん世界
中の人たちと、インターネットで、繋がる。話をできる。そういう時代。それが正にグローバル。
だったら、心の準備を、心構えをする。それがこのプログラムの目的。
50 年、なんて、あっという間やで。大きく取り巻く世界。
一つの例。地図
さっき、ある論文からとった。
Distribution of the underdevelopment. 発展途上国の分布図、 一人あたりの計算された National profit 国民総生産
一人当たりどれだけ稼いでるか。
1958 年 僕が生まれた年。一人あたり、300 ドル稼げない。アフリカ、南米、スペイン、ポルトガル、中国、東南アジ
ア、そして日本。世界の水準から言ったら、日本は貧しい国、発展途上国だった。
50 年たってどう?
中国に抜かれたかもしれないけど、世界 3 位の先進国。つまり、50 年でどうなるか分からない。
1 年前には中国と韓国の仲がこれほど悪くなるとは思わなかった。数年で、世界情勢は変わる。
グローバル人事育成
「世界に通用する人間であると同時に日本の良さも自覚した上で、働くことができる人材。
」
そのためには、
「日本について客観的な目を持つことに加え、自分とは違うものの見方や考え方をする人がいるという多
様性を常に意識することが大切。
」
(池上彰)
愛国心とは違う。変なふうに出ると、今の日中韓の関係のようになる。
このプログラムでは、自分では違う考え方をしている人が、世の中にたくさんいること。それを、ちゃんと意識して学
ぶようにしなければならない。
相手の立場を考え。
秋ごろから Skype で、フィリピンの同じ世代の人たちと会話をする。
お互いに何が違うのか、知りあういいきっかけだ。大西健夫先生らのサポートを得ながら。頑張って行こう。楽しみだ。
■寺田匡宏先生
僕は、歴史を研究している。人々がどういう風に歴史を記憶して行くかを研究している。歴史と言うと物に書かれた
イメージ。そうじゃなくて、心の中の問題、そういうものをどういう風に考えて行くのかを研究している。災害、戦争
をどういう風に後世に伝えて行くのかを考えている。この学校は、仏教精神で「利他」を考える。国立の大学、中高で
教えたことがあるが、こういう精神的な事を大切にしている学校なんだと思った。今後、心の中、内面が大事になって
くる。特に、海外に出たら、仏教について、いろいろな所で聞かれることが増えて来ると思う。今回のプログラムで再
発見して下さるといい。当たり前に思ってるかもしれんが、これがこの学校の宝だと思う。そのお手伝いをしたい。
■外山聖子先生
内閣府の国際PKO本部に勤めていた。フリーな立場で、世界中の平和構築、紛争地区を駆け回って、高校、大学ま
で大阪、大学 2 年でアメリカの大学に編入し 11 年。アメリカ教師をしていた。国際教育支援、緊急支援に取り組む。
「災
害= 人災と天災」 私は、人災、特に紛争に注力した。食料を持って行ったり、生活物資を運んだ。国会、裁判所、
内閣府、いろんなことをした。国際平和教育本部で研究員。協力させていただきますので、よろしくお願いします。阿
部先生とは、東ティモールの難民支援、2006 年に偶然会った。