ライオンズクエスト・プログラム導入地区 インタビュー 1 強力な実行力と、 強力な実行力と、緻密な施策で、 緻密な施策で、 プログラム導入事業を展開 プログラム導入事業を展開 際に核になってもらいたいと考えておりました 2 ∼3 校が割り当てられる計 ので、その中の何人かに、この時期、埼玉県で 算となります。割り当てられ 開催されたワークショップに参加してもらいま たクラブは責任を持って、学 した。L C I F への申請を決めたのはこの頃、 校に対してプログラム導入を JIYDの助力もあって2006年4月に申請、6月の 働き掛けるという、いわばロ 理事会で無事承認され、晴れてスタートという ーラー作戦を考案しました。 ことになりました」 各クラブの会長には『教育委 ― 8月の21、22日に1回目のワークショップを開 員会にも校長会にも話は通っ 催されましたが、事前準備が大変だったのでは。 ているから』と説明した上で、積極的に学校を回 学校が出てくれるよう祈るばかりです。校内型 「いちばん大きかったのが、前地区ガバナーの ってワークショップへの参加を呼び掛けるようお ワークショップは、331-A地区とB地区におい ―自らワークショップに参加して、ライオンズク 理解でしょう。私がガバナーになった時に、事 願いしました。ところが、一度担当校を割り当て て3年間で4回を予定しています。その中から最 エストとはどういうものか体感されたそうですね。 業をすぐに始められるように協力体制を取って 終わってから『割り当てられた学校以外の学校に 低 1 校はパイロット校を作り、評価授業を行い 「 『ライオン』誌で記事を読んで、問題意識を持 くださいました。そのおかげで、1年以上も前か 顔が利く』という意見が殺到しました。そこで ます。ライオンズクエスト・プログラムを受け ったのが始まりでした。ライオンズクエストの ら準備を進めることが出来たのです。この頃に コネを優先して割り当てを再度やり直したんで る前後に生徒を対象としたアンケートをとって、 全体像をつかむ意味でも、まずは体験してみな 道及び市の教育委員会を始め中学校の校長会や す。それでも担当校を作るというのは、学校側 効果の有無を観測していきたいと思っています」 いことにはと思い、2004年に東京で行われたワ 養護教員会の会長さんを訪ね、ライオンズクエ からしても特定のライオンズが見てくれている ― 2006年7月から2009年6月にわたる3年間の ークショップに参加しました。ですから、この ストを説明し、後援の約束を取り付けました。 という安心感が生まれるようです」 LCIF事業ということで進んでいますが、秋庭ガバ プログラムとの接点は、ガバナーになる 2 年以 対ライオンズの動きでは、地区のゾーン・チェ ―今年度の下半期の予定を教えてください。 ナーが任期を終えられた後についてはどんな考えを 上も前にさかのぼります。その後、フォローア アパーソンやリジョン・チェアパーソンに直接、 「1月にもワークショップを開催しましたが、参 お持ちですか。 ップ・ワークショップも受けました」 教員の方にワークショップへの参加を呼び掛け 加した先生が増えるにつれ、口コミでライオン 「私が直接かかわることの出来るこの1年はいい ― 331-A地区では、331-B地区との共同申請で てもらうよう依頼しました。私は大学時代に柔 ズクエストが広がっている印象を受けます。初 として、来期は来期のガバナーが誕生し、ガバ LCIFから交付金を得ていますが、申請に至るまで 道をしていたのですが、その人脈もフルに使い 回に行ったような強力なプッシュをしなくても、 ナー方針を掲げます。私が次のガバナーに対し、 の経緯をお聞かせください。 ました。30人集まらなかったらワークショップ 申し込み状況は良好です。また経験則として、1 『ライオンズクエストをやりなさい』という強制 「2005年の11月、副地区ガバナーになってライ にメンバーを送り込もうという話もあったので 校から3人ずつ参加して頂くと、その後の展開が 力はありませんから、事業を継続させるにはそ オンズクエストのセミナー(体験会)を開催しま すが、無事参加者を確保することが出来ました。 期待出来ることも分かってきました。そのため れなりの組織的な動きが必要になります。が、 した。主な目的は地区内のクラブ会長にライオ いろいろな切り口で勧誘すれば、出来るという には、学校の研修部長、指導部長にお願いする 現時点では運営面におけるさまざまなことが、 ンズクエストを理解してもらおうということで 自信を持つことが出来ました」 のがいいようです。来期には本格的に動き始め 明確にルールとして決まっていないのが実情で した。セミナーでは、埼玉県川口市立芝東中学 ―具体的に有効な施策はあったのですか? る331-B地区の後方支援のためにも、来期につ す。これはうちの地区に限らず、他の地区でも 校の並木茂夫元校長の講演に感銘を受けた会員 「このたびのLCIF事業は331-AとB地区の共同 ながる実績をここでしっかり作っておきたいと 同様の問題を抱えていると思われます。早急に も多かったようです。もちろん、先生や教育委 事業になりますが、まず最初は札幌で始めまし 思います。その他には、今年度内に校内型のワ キャビネットの委員会組織を強化し、うまくバ 員会の職員の方にも集まってもらいました。こ た。札幌市内には中学校が107校、地区全体で ークショップを1回行いたいと思っていますが、 トンタッチする仕組み作りに取り組まないとい の時参加頂いた先生には、その後の普及活動の は204校あり、クラブ数で割ると1 クラブにつき ワークショップ体験者の中で手を上げてくれる けません」 (構成/砂山幹博) 331-A地区 ガバナー ● 秋庭一富 ● 北海道・ 札幌エルム・ ライオンズクラ ブ 28 The Lion 2007. 3月号付録 The Lion 2007. 3月号付録 29 ライオンズクエスト・プログラム導入地区 インタビュー 2 「人の心」 を扱う事業だから、 「人の心」 を扱う事業だから、 結果を求め過ぎず、 結果を求め過ぎず、 見守る心も大切にしたい 見守る心も大切にしたい を開催しました。まずは委員会の中で情報と価 的に行い、早い段階で校内型 値観の共有に努め、いかに意識を高めるかが大 ワークショップを実施すれば、 事だと考えたからです。というのも334-D地区 モデル校としてライオンズク では、学校の先生や教育関係者はもとよりライ エストを導入したいという学 オンズのメンバーの間にも『ライオンズクエス 校も出てくると思います」 トって何?』という風潮がまだ強く残っていま ― 実際に、導入したいと申し す。そして、ライフスキル教育のプログラムを 出ている学校もあると聞いてい なぜライオンズクラブが普及しようとしている ます。 のか、こうした疑問を感じている一般の方もま 「ええ、富山昭和ライオンズクラ ブ が単独でライオ 「初めの頃、県の教育長に話が通っているにも だまだ多いようです。今年度は北陸 3 県で公募 ンズクエストの体験会を行ったところ、ある中 かかわらず、学校側が乗り気ではない、という ―ライオンズクエスト・プログラムを知ったきっ 型のワークショップを富山県と石川県で1回ずつ、 学校が導入を検討し始めました。その後、キャ 声がありました。例えば、校長がOKを出して かけを教えてください。 334-D地区 ガバナー ● 伊勢豊彦 ● 富山県・ 高岡古城 ライオンズクラ ブ セミナーも石川県と福井県で1回ずつ、そして校 ビネット主導で行ったワークショップなどに15 も教頭が乗り気ではないため前に進まないなど、 クラ ブ 「2005年に地区内の富山県・小杉ライオンズ 内型のワークショップを 1 回行う事業計画を立 人の先生が参加し、昨年から学校に一部ライオ 学校それぞれに現場ならではの事情があるもの。 が、40周年記念事業としてワークショップを行 て、より多くの人にライオンズクエストに触れ ンズクエスト・プログラムが導入されています。 ですから、ライオンズが直接学校へ赴いて、先 ったのを見学したのが最初です。プログラムの てもらう機会を設けました」 今年4月からの正式導入に向け、現在準備を進め 生たちと顔を合わせて対話することが何よりも 内容も素晴らしく、その時ちょうど副地区ガバ ― 現在、ワークショップとセミナーがそれぞれ1 ています。何よりも校長先生が積極的だったの 大切です。そんな地道な活動の効果なのか、昨 ナーであったこともあり、来年はぜひライオン 回ずつ完了していますが、何か手応えのようなもの が校内導入への起爆剤となったようです」 年9月に行われたワークショップには参加希望 ズクエストの普及活動に注力したいと思うよう を感じていますか。 ―富山昭和ライオンズ にしても、小杉ライオン 者が殺到。7校の先生の参加をお断りせざるを得 になりました。いろいろ考えた結果、この事業 「ワークショップ受講者を対象としたアンケート ズ にしても、キャビネットの動きとは別に、クラ ない状況になりました」 で大切なのは何よりも事業を実践する『人』だ を取ってみますと、 『ワークショップを何で知っ ブが独自にライオンズクエストの導入を進めていた ―現場からのワークショップ開催要望も出てきそ と思いました。小杉ライオンズ の会長として たか』という問いに対して、8 割近い方がライオ ようですね。 うです。この先どんな展開をお考えですか。 ライ オン 初めてのワークショップを見事にやり遂げた ンズクラブ及びその関係者から知ったという回 「日本の状況を見ていると、クラブがアクティ 「キャビネットや各クラブでは、この四大交付 浦山哲郎に、地区のライオンズクエスト・青少 答がありました。ライオンズが動いたから、こう ビティとして始めた後にキャビネットを動かす 金事業によって今までに経験したことのない資 年指導委員長になってもらうようお願いしまし 『ラ した結果が得られたのだと思います。また、 ケースと、キャビネットが主導で始めてクラブ 金の流れを経験しています。プログラム導入事 た。教育関係者でもある 浦山は熱意もあって、 イオンズクエストは役に立つか』という質問に に協力を呼び掛けているケースがあるようです 業にどの程度、労力とお金をかけないといけな 委員長にはうってつけの人物でした」 対しても、やはり 8 割近い方が『そう思う』と答 が、334-D地区の場合はクラブとキャビネットの いのかが分からず、全くの手探り状態。ですが、 ―現在の進捗状況はいかがですか。 えています。アンケートでここまで肯定的なもの 動きが同時進行で進んでいて、次第に一つの大 『とにかく動く』の一心でここまで進んできまし 「キャビネットとしては前年度から動き始めて が出ていますので、ライオンズクエストの有効 きな流れになりました。実際、富山昭和ライオ た。この事業は『人の心』という繊細なものを いて、LCIFへの交付金申請も行っています。正 性は明らかだと思います。 『プログラムを実施し ンズ も小杉ライオンズ も、キャビネットの 扱う事業であり、すぐに目に見えるような形で 式にプログラムに取り組み始めたのは、2006年 たいか』というアンケートに対しても約 8 割の方 動向を全く知らず動いていたようです」 結果が出るものではありません。そのため、結 4月からです。 9月にワークショップを実施する 『すぐには判断出来ないが実施 が『実施したい』 ―これまでの導入活動を通して、目的達成のため 果ばかりを求めず、長い目で温かく見守ること に当たって、資料作りなどのため、8回の委員会 したい』と答えていますから、普及活動を積極 には何が必要だと感じられましたか。 が必要ではないかと思います」 (構成/砂山幹博) クラ ブ ライ オン 30 クラ ブ The Lion 2007. 3月号付録 クラ ブ クラ ブ The Lion 2007. 3月号付録 クラ ブ 31 ライオンズクエスト・プログラム導入地区 インタビュー 3 徹底した内容理解と事前準備が、 徹底した内容理解と事前準備が、 プログラムの普及 プログラムの普及・ ・拡大を後押しする 拡大を後押しする ― ガバナーになってすぐに事業に着手出来るよう、 に提示したのが良かったのだ 副地区ガバナーの時から準備を進めてきたそうです と思います。やはり具体的案 が、具体的にはどんなことをされたのですか。 八嶌隆 が示されると、ライオンズは 「奈良県だけでも先行しようと、まずはプログ 理解が早いです。おかげで7月 奈良県・ 橿原ライオンズクラ ブ ラムを説明しに県内を回りました。どんなプロ の24、25日に30人以上の先生 グラムで、誰に何をするためのものなのか、キ に参加頂き、ワークショップ ャビネットはどんな準備をし、クラブはどのよ を行うことが出来ました」 うな動きをすればよいかなど、対象にはライオ ― 年度内に、8回のワークシ ンズクエストに関する知識がないという前提で ョップ開催を予定されているそうですが、参加者を プログラムを説明し、ワークショップの参加を 具体的な内容を説明して歩きました。また、 効率良く募るための工夫などありましたら教えてく お願いする際、結果が違ってくると思います」 ―「ガバナーを引き受けるなら、教育問題に取り JIYDに協力頂き、地区内のクラブ会長・幹事、 ださい。 ― 今後は、どのように普及活動を展開されるので 組みたい」と決めていたそうですね。 担当委員長に集まってもらいライオンズクエス 「一つは、プログラムの内容をメンバーに分か しょう。 「副地区ガバナーの時、ライオンズクエスト・ トのセミナーも行っています。この時、330-C らせること。これはぜひ徹底して頂きたい。次 「ガバナーの任期は1年。この短い間で出来るこ プログラムの名を初めて耳にしました。40年以 地区でのパイロット授業の様子なども記載され に、内容を分かった上で行政へのアプローチが とはものすごく少ない。だから、今後、特別委 上も欠かさず例会に出席していますが、ライオ た資料を作成し配布しました。また、クラブに 必要です。こうした大がかりなプロジェクトを 員会を組織して、事業継続の基盤を築くことを ンズの中にそんなものが存在するとは全く知り は来期の予算に計上してもらうよう、キャビネ 推進するには、まずは関係省庁を押さえておく 考えています。幸い、副地区ガバナーもライオ ませんでした。プログラムに非常に興味を持っ ットにはYEとレオ事業のために地区の会員一 のが鉄則。過去に、行政と、老人会や民生委員 ンズクエストに惚れ込んでいますし、次の副地 たので、ライフスキル教育の第一人者でありラ 人ひとりが負担している青少年育成事業費をラ 会、医師会などの民間団体が一体となって、来 区ガバナーにもお願いしていこうと思っていま イオンズクエスト・プログラム日本語版の開発 イオンズクエストにも分配してもらえるようお るべき超高齢社会に向けた奉仕活動を行う『シ す。何よりも、各ゾーンで普及活動に熱が入っ にもかかわって頂いた神戸大学の川畑徹朗教授 願いをしました。プログラムの周知徹底を図っ ルバーネットワークかしはら推進協議会』とい ています。これも直接足を運んでプログラムを のもとへ直接話を聞きに行ったり、青少年育成 た後、準地区単独でLCIFの交付金の取得を目 う組織を発足させたことがあるのですが、その 説明しに回ったおかげです。私がガバナーを退 支援フォーラム(JIYD)から資料を取り寄せる 指し、8月のキャビネット会議で承認を得ること 時の経験からそう思うようになりました。です いた後も、こうした熱を冷まさないよう、現ラ など、独自でライオンズクエストを研究しまし を一つの目標に掲げました」 からライオンズクエストの普及・拡大活動にお イオンズクエスト委員長には次期も先頭に立っ た。資料を読んだ時点で、ワークショップに参 ― ガバナーに就任され、LCIF四大交付金の2万5 いても、導入の手引きを作成し、まずは県の教 てがんばってほしいとお願いしているところで 加したことのある人は、東京と埼玉ではそれぞ 千 も得ました。いよいよアクションです。 育委員会に赴きました。話をしに行ったライオ す。ライオンズクエストのワークショップに参 れ600人以上いるのに対し、335-C地区では京都 「まずは奈良県(第8・第9 )のクラブのアクティ ンズがちゃんとプログラムの内容を理解した上 加された先生方は異口同音に良かった、この素 府が33人、滋賀県は17人、奈良県に至っては3 ビティとして、ワークショップ開催に動き出し で、導入をお願いしているので、教育委員会の 晴らしいプログラムを取り入れられる所からで 人に過ぎませんでした。これはお粗末だと思い ました。30人規模のワークショップの1回の開 理解も早い。結果的には、県の教育委員会から も取り入れたいと話しておられます。生徒の成 ました。こんなに良いプログラムを持っている 催費用を80万円と仮定し、これに参加される先 各市町村教育会、そこから校長会へと話は下り 績も関係ないですし、主義主張や政治も入る余 のに、このような状態ではいけない。それで、 生方の費用を各クラブで負担すると、約2万円の ていき、335-C地区では校長会主催でやろうと 地がない。だから、導入を断られるリスクが非 地区ガバナーになったら、このプログラムを普 拠出で賄えます。その程度ならと皆喜んで協力 いうことになりました。こうした事前準備を行 常に少ないので、がんばれば絶対に広く教育現 及させたいと思った次第です」 してくれました。最初に必要な金額をメンバー っているといないとでは、クラブが学校へ赴き、 場に普及していくと思います」 (構成/砂山幹博) 335-C地区 ガバナー ● ● 32 ド ル リジ ヨン The Lion 2007. 3月号付録 The Lion 2007. 3月号付録 33
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