セマンティックWebコンファレンス2010 オントロジを活用したマルウエア オントロジを活用したマルウ ア 攻撃の見える化について 2010/3/5 株式会社富士通研究所 津田 宏, 小櫻 文彦, 鳥居 悟 All Rights Reserved,Copyrights FUJITSU LABORATORIES LIMITED 2010 ビジネス情報ナビゲーター I. 富士通研究所の開発したナレッジの見える化システム II. 社内の様々なシステムに散在する、文書やDBなど様々な情 報源から、ものごとの関係性を自動抽出し、RDFで統合・見え る化することが可能。複数の情報源からの様々な関係を把握 するのに役立ちます。 III. (例1) 富士通研究所 研究員約1,000名のスキルや人脈を検索するKnowWho (2004/11/19 日本経済新聞「特定分野に強い人材検索システム」) (例2) 服薬指導支援 薬や健康食品の飲み合わせチェック (2006/10/9 第39回日本薬剤師会学術大会) (例3) 地方銀行 行内に散在する顧客間の関係を統合・見える化 (2008/5/7 「滋賀銀行様においてビジネス情報ナビゲーションシステム が稼働」富士通プレスリリース) 2 81 All Rights Reserved,Copyrights FUJITSU LABORATORIES LIMITED 2010 ビジネス情報ナビゲーターの構成 1. メタデータ自動生成 2. 関係を検索+分析+見える化 業務で使う様々な情報源(DB, テキスト、アプリ) から、人に関するメタデータを変換・統合 サービス 利用履歴 人のスキル・人脈を高速に検索し、関 係をネットワーク分析 (Know Who) 業務オントロジー(OKAR) ログ ログ分析 文書 検索 視覚化 統 合 DB 属性変換 営業, SEさん がエキスパート 人脈検索 情報抽出 自然言語処理技術 人脈 メタデータ (RDF) ERP, 情報システム 報告書・日報 スキル 関係抽出 技術者 文書 group meeting スケジューラ アプリ 人 関係メタデータ 自動生成技術 3 All Rights Reserved,Copyrights FUJITSU LABORATORIES LIMITED 2010 CCC DATAsetからのマルウエア分析 研究用データセット CCC DATAset 2008/2009 z サイバークリーンセンター(https://www.ccc.go.jp/)で収集しているボット観測 データ z マルウェア対策研究人材育成ワークショップ(MWS 2008,2009)にて、研究用 デ タセ トとして利用 データセットとして利用 z 以下の3種類のデータ (CCC DATAset 2008の場合) (1)マルウェア検体 z ハニーポットで取得したマルウェア1検体のハッシュ値 (2)攻撃通信データ z ハニーポットで取得した通信のフルキャプチャデータ z 2台(WinXP、Win2000)の2日分、約2.8GB z FTTH、動的IPアドレス FTTH 動的IPアドレス 分析対象 (3)攻撃元データ z ハニーポットで取得したマルウェア取得時のログデータ z 時刻、ダウンロードホストIPアドレス、利用ポート番号/プロトコル、通信方向、ハッ シュ値(SHA1)、ウイルス名称、ファイル名 z ハニーポット112台、6ヶ月間、約294万レコード (ハニーポット: マルウエア攻撃を受けるように設置されたPC) 4 82 All Rights Reserved,Copyrights FUJITSU LABORATORIES LIMITED 2010 マルウエアのライフサイクル 亜種(ウイルス名称異なる) マルウエアファミリ XXX.A XXX. B XXX XXX. C コード変異 (ハッシュ値が異なる) ダウンロード数 ウイルス名称 =UNKNOWN (未知マルウエア) 最初の出現 ウイルス名称 命名 =XXX.c UNKNOWN期間 最後の出現 日時 命名後期間 5 All Rights Reserved,Copyrights FUJITSU LABORATORIES LIMITED 2010 マルウエア分析環境 攻撃元データ 攻撃元データ 攻撃元デ タ 攻撃元データ 攻撃通信 データ ビジネス情報ナビゲータ メタデータ抽出・ 変換 CCC DATAset ウィルス-地域マップ メタデータ(RDF) 検索・ マイニング 視覚化 ウィルス連鎖マップ オントロジー(OWL) 分析者 マルウェアファミリ download-from Is-a name ウイルス名称 ハッシュ値 マルウェア 地域 ダウン area ロードホスト 試行錯誤 id attack-virus ハニーポット attack-to 6 83 attack-from 攻撃 date 日時 All Rights Reserved,Copyrights FUJITSU LABORATORIES LIMITED 2010 分析用メタデータ整備 ウイルス名称 から抽出 マルウェアファミリ is-a is a ウイルス名称 name ダウン ロードホスト id chain 一定期間内に 起こる攻撃ペア よりマイニング ハニーポット 地域 area download-from マルウェア ハッシュ値 IPアドレスと Whoisサーバの 情報より変換 IPアドレス ipaddress attack-virus attack-from 攻撃 attack-to dc:date 日時 攻撃元データに含まれる関係 7 All Rights Reserved,Copyrights FUJITSU LABORATORIES LIMITED 2010 (1) マルウエアファミリと地域の関連 ダウンロード時点では未知マルウエアだったものが、どこから攻撃されたか。命 名後のマルウエアファミリと地域の関係を見える化。 マップ:アンカーマップ(地域を固定) 欧州 アジアと欧州だ けの関連がない 地域固有 地域固有 アジア 北米 8 84 All Rights Reserved,Copyrights FUJITSU LABORATORIES LIMITED 2010 (2) ウイルスの連鎖感染 マルウエア間の “chain” 関係のマイニング z 一定時間(5分)以内に、よく一緒に攻撃されるウイルス z (eg) KnowWhoにおける、共著者関係、同一会議への共出席関係 トレンドマイクロ社レポー トにも、 TSPY_KOLABC.CHが、 WORM_SWTYMLAI.C Dおよび BKDR_PEOBOT.GNを 生成するという説明あり。 起点ウイルス 連鎖先ウイ 連鎖先ウイルス CCC DATAset2009におけるchain関係上位の見える化(一部) 9 All Rights Reserved,Copyrights FUJITSU LABORATORIES LIMITED 2010 (3) 未知マルウエアへの連鎖感染 2009.4のchain関係の見える化 未知マルウエアへ3 つのウイルスから連 鎖が見て取れる 2009年4月サイ バークリーンセ クリ ンセ ンター活動実績 でも、 WORM_AUTO RUN.CZUと未 知検体への注 意勧告がなされ ており、これに 相当する 10 85 All Rights Reserved,Copyrights FUJITSU LABORATORIES LIMITED 2010 (4) 多くのマルウエアの連鎖元 PE_VIRUT.AV: CCC DATAset2009で攻撃数最多のマルウェア ほとんど連鎖元と しての動き 自分自身と連 鎖:複数から同 時攻撃という意 味だろう 11 All Rights Reserved,Copyrights FUJITSU LABORATORIES LIMITED 2010 まとめ CCC DATAsetにおけるマルウエアのマクロな振る舞い を、セマンティックWebベースの見える化ツールで分析 地域の関係、連鎖感染など、注意すべき関連性を相関マップに より分かりやすく見える化 可視化は単なる手段。ツールにデータを放り込めば終わ りではない。どんな問題を解決するのに、何を見たいか を明らかにすることが必要 オントロジー、メタデータにより一旦データを整理すること で、こうした試行錯誤が見通し良くなる。 うした試行錯誤が見通し良くなる 課題:さらに異種の情報源も加えた分析。LODで何か使 えるものがあるか? 12 86 All Rights Reserved,Copyrights FUJITSU LABORATORIES LIMITED 2010 参考文献・リンク 小櫻、津田、鳥居、”ウイルスのライフサイクルに着目した 攻撃挙動の見える化”, MWS2008, 2008.10 小櫻、津田、鳥居、”ウイルスの時間的な関連性に注目した見える化”, MWS2009, 2009.10 松井,津田,片山, 松井 津田 片山 “ナレッジマネジメントツール:ビジネス情報ナビゲーター” ナレッジマネジメントツール:ビジネス情報ナビゲーター , FUJITSU, pp.325-330, Vol.57, No.3, 2006 津田,ビジネスに生かすメタデータの統合・見える化技術, INTAPセマンティック Webコンファレンス, 2008 W3C KnowWho, http://swada.w3.org/~htsuda/ 滋賀銀行様においてビジネス情報ナビゲーションシステムが稼働~地域企業の ビジネス相関図を見える化することで、地域密着型の提案を実現~, 富士通プレ http://pr.fujitsu.com/jp/news/2008/05/7.html fujitsu com/jp/news/2008/05/7 html スリリ ス 2008/5/7 http://pr スリリース, 畑田他, “マルウエア対策のための研究用データセットとワークショップを通じた 研究成果の共有”, MWS2009 MWS2009, http://www.iwsec.org/mws/2009/ サイバークリーンセンター https://www.ccc.go.jp/ 13 87 All Rights Reserved,Copyrights FUJITSU LABORATORIES LIMITED 2010
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