小水力発電の 導入促進に 関 す る 取組状況 ( 関東地域エ ネ ルギ ー ・ 温暖化対策推進会議事務局 ) 1.経 緯 第2回推進会議で説明のあった山梨県地球温暖化防止活動推進センター(特定非営利活動法人 フィールド 21)による提案「三の丸発電所復興計画」(山梨県都留市内)については、その 後同提案に端を発した都留市において、地域振興のための「アクアバレーつる構想」が策定され た。一方、関東経済産業局では、平成18年度電源地域振興指導事業(地方事業)のテーマの選定 に関して、自治体からの提案公募を行い厳正な審査の結果、都留市からの 「 「 小水力発電のまち (アクアバレーつる ) 」 推進方策検討事業」を採用することに決定した。 また、関東地域における小水力発電の導入促進に関しては、平成17年12月に関東経済産業局が 「マイクロ水力発電普及拡大フォーラム」を開催したところ企業や地方公共団体など全国各地か ら約 300 名の参加があり、参加者からは小水力発電の導入にあたって真に役に立つ実務的な情報 が求められていた。このため、同局では、 ( 財 ) 広域関東圏産業活性化センター(以下「GIA C」 ) に働きかけ、GIACが平成18年度自主事業として「小水力発電導入促進モデル構築に関 する調査」を実施することとなった。 2.内 容 (1) 「小水力発電のまち(アクアバレーつる ) 」 推進方策検討事業 都留市では、平成14年度策定の「都留市 地域新エネルギービジョン」で小水力発電 などの自然エネルギーの導入促進に努める こととしており、また、平成22年度までの 「第5次都留市長期総合計画」には目指す べきまちづくりの方向のひとつとして「人 と自然が共生する環境のまちづくり」を掲 げている。その実現に向けた取組として、 都留市は、小水力発電をテーマとした「小 水力発電のまち(アクアバレーつる ) 」構 想の推進を位置付け、平成17年度には小水 力発電の普及・啓発を目的として市役所庁 か ち ゅ う が わ 舎前を流れる家中川 に、「都留市家中川小 水力市民発電所」を建設したところである。 都留市役所と都留市家中川小水力市民発電所 関東経済産業局では、平成18 年度電源地域振興指導事業(地 方事業)による委託事業を 「「 小水力発電のまち(アクア バレーつる ) 」 推進方策検討事 業」と称して、小水力発電を基 軸に、電気の需要・供給の開発 可能性を探るとともに、都留市 内の豊かな自然を含め、環境を テーマとした新たな学習・教育 の開発方法を検討し、併せて市 内にあるミュージアム都留、都 留市立都留文科大学等既存の施 設と、前述のソフト・ハード両 都留市家中川小水力発電所(出力 20 キロワット)の 直径6m木製下掛け水車 面の仕組みを連携させた地域振 興の方策を検討する。事業の推進にあたっては、関係各機関に協力を依頼して行く予定である。 〔調査・検討項目〕 ①小水力発電電力の消費可能な場所・施設(需要地点)の調査及び新たな提案 ②小水力発電の設置可能地点の選定、小水力発電設備の導入の検討、事業性の評価、建設手 法の検討 ③小水力発電を契機とした環境学習の方法の検討(地域資源の活用を含め、前広に) ④市内に特有の地域資源には、城下町文化、都留文科大学、宝の山ふれあいの里等が存在す るものの、それ以外の新たな地域資源の発掘及びそれらを連携させた地域振興策の検討 ⑤策定した地域振興策の対外的PR方法及び事業推進体制の検討 (2) 小水力発電導入促進モデル構築に関する調査 GIACでは、平成18年度自主事業として「小水力発電導入促進モデル構築に関する調査」 を実施する。同事業では、発電用水の用途別(上下水道、ビルの循環水、工業用水等)に小水 力発電の計画から導入、運転保守に至る「実務」についてモデル構築をし、従来のガイドブッ クとは一線を画した標準化マニュアルを作成する。作成にあたっては、学識経験者等で構成す る委員会の設置や、導入を考えている自治体等による現地見学会・情報交換会、先行事例の現 地調査・ヒアリング等を実施する。また、マニュアル作成後、マニュアルの周知を図るための フォーラム(説明会)を平成19年1月下旬開催で計画している。 推進会議事務局としては、関係各機関(関東農政局、関東経済産業局、関東地方整備局等) が連携を図り、同事業を支援して行く予定である。
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