平成 18 年 11 月 豊 田 信 用 金 庫 地域密着型金融推進計画の進捗状況 【平成 17 年 4 月∼平成 18 年 9 月】 Ⅰ.平成 17 年 4 月∼平成 18 年 9 月における主な個別の取組事項 1.事業再生・中小企業金融の円滑化 (1)創業・新事業支援機能の強化 ① 東邦学園大学との産学連携による第1回調査・研究(自動車部品サプ ライヤー)成果を同大学の地域ビジネス研究所の「所報NO.6」にまと めました。また、共同研究による自動車産業に関する調査研究書の発行準 備を進めており、平成 19 年度下期発行を予定しています。 ② 「創業・新事業相談窓口」のマニュアルを作成しました。 ③ 平成 17 年 10 月、ブロック母店を中心に7ヵ店に「創業・新事業相談窓 口」を設置しました。 (2)取引先企業に対する経営相談・支援機能の強化 ① とよしんエグゼクティブクラブ経営研究会、講演会を開催しました。 ・平成 17 年 5 月 通常総会並びに 5 月度経営研究会を開催 ・平成 17 年 7 月 7 月度経営研究会を開催 ・平成 17 年 9 月 クラブ創立 5 周年記念講演会を開催 ・平成 17 年 11 月 「ビジネスフェアー2005」見学会を開催 ・平成 18 年 1 月 新春講演会を開催 ・平成 18 年 3 月 3 月度経営研究会を開催 ・平成 18 年 6 月 通常総会並びに 6 月度経営研究会を開催 ・平成 18 年 7 月 7 月度経営研究会を開催 ・平成 18 年 9 月 講演会を開催 ② 平成 17 年 11 月、東海地区信用金庫協会が主催した「ビジネスフェア− 2005」に参加しました。 ③ 平成 18 年 3 月、お取引先の「中小企業の財務指標におけるポジション」 をスコア化し、改善ポイントを提示する機能を持った「とよしん財務診断 サービス」の取扱を開始しました。 ④ 経営相談、支援機能の強化、効率化を進めるため、経営シミュレーシ ョンシステムを導入しました。 (3)事業再生に向けた積極的取組み ① 再生支援企業1先を愛知県中小企業再生支援協議会の協力を得て、再 生支援活動に取組んだ結果、概ね再生計画に沿って進んでおり、成果が ありました。また、別に2先の支援協議相談を持ち掛けさせていただき ました。 ② 平成 18 年 4 月、中小企業支援の促進を図るため、整理回収機構と業務 委託契約を締結しました。 (4)担保・保証に過度に依存しない融資の推進 ① 対象取引先の 56%に対して新たに「限定根保証契約」を締結しました。 ② スコアリングモデルを活用したビジネスローンは、681 件 3,389 百万円 の実績となりました。 ③ 中小企業者の資金調達の多様化を図るため、動産を担保にした新しい 融資商品(とよしん機械担保ローン)の発売に向けて保証会社と協定書の 締結及び取扱要領の制定を行いました。 ④ 私募債の取組実績は、9 件で 820 百万円ありました。 ⑤ 売掛債権担保融資保証取組実績は、5 件で 7 百万円ありました。 ⑥ シンジケートローン取組みへの参加としましては、平成 18 年 3 月に 当金庫では初めての主幹事(アレンジャー)として1先、600 百万円を組成 しました。平成 17 年4月から平成 18 年 9 月における参加取組実績は 26 件、4,118 百万円でした。 ⑦ CDO(貸付債権等担保証券)につきましては、中小企業金融公庫が 実施する「平成 18 年 3 月CDO」に参加し、19 先、295 百万円の取組みを 行いました。 (5)顧客への説明態勢の整備、相談苦情処理機能の強化 ① 「顧客情報管理表」の分析集計を全店に送付し、情報の共有化を図り、 原因・対策を検討、指示する態勢を強化しました。 (6)人材の育成 ① 外部派遣研修を以下のとおり実施しました。 ・目利き力養成講座(5名) ・企業再生支援講座(2名) ・債権管理回収講座(3名) ・融資審査講座(1名) ・企業財務診断力養成講座(1名) ・債権管理回収講座(2名) ・中小企業経営支援講座(2名) ・企業再生研修会(3名) ・融資総合診断力養成講座(1名) ・地域密着型金融の推進と事業再生への取組(1名) ② 内部集合研修を以下のとおり実施しました。 ・新規事業所融資開拓研修会(16名) ・新規事業所融資開拓フォロー研修会(14名) ・土曜講座【テーマ:中小企業の経営改善】 (46名) ・土曜講座【テーマ:中小企業の現状と経営改善支援の取組】 (18名) ・得意先係スキルアップ研修会(36名) ・得意先係事業所担当者研修会(61名) ・得意先係新任事業所担当者研修会(14名) ・融資関連法改正に関する研修会(206名) ③ 中小企業診断士を以下のとおり養成しました。 【中小企業大学校】 ・第 55 期中小企業診断士養成課程修了者(2名) ・第 57 期中小企業診断士養成課程受講試験派遣(2名) ④ FP2級技能士資格取得の支援を以下のとおり実施しました。 ・FP受験対策スクーリングの開催(22名) 2.経営力の強化 (1)リスク管理態勢の充実 ① 平成 18 年 2 月、事務リスク委員会を開催し、オペレーショナルリスク 計量化手法の検討を行いました。 ② 平成 18 年 3 月、従来の「企業格付基準書」を「信用格付基準書」に名称変 更し、信用リスクの管理方法について同基準書に盛り込みました。 ③ 平成 18 年 4 月、有価証券ポートフォリオの統合リスク量およびバラン スシート全体の統合リスク量が算出できる「新ボンドMISオンライン サービスWEB21i」を導入しました。また、平成 18 年 7 月より時価 評価ALMシステム構築に着手しました。これらにより、バーゼルⅡの第 二の柱「監督上の検証プロセス」における主要なリスクである、バンキング 勘定の金利リスクの計測と管理が可能となります。 ④ 平成 18 年 7 月、リスク管理の高度化、統合リスク管理の構築を目指す 観点から「リスク統括部」を新設しました。 ⑤ 自己査定の精度を高めるため、「自己査定事務取扱要領」、「償却・引当 に関する規程」を一部改正しました。 ⑥ 貸出条件緩和債権の判定フローをシステム化し、自己査定支援システム に組入れました。 (2)収益管理態勢の整備と収益力の向上 ① 平成 18 年 7 月、ABC原価計算システム導入プロジェクトチームを発 足させ、システム構築に着手しました。 ② 四半期ごとに信用リスク量の計測を行い、大口与信先の格付低下シナリ オ、デフォルト確率上昇シナリオなどのシミュレーションを行っています。 ③ 金利設定に関する内部基準を改正しました。プライシング理論の理解を 深め、貸出金利の一層の適正化を図ります。 (3)ガバナンスの強化 ① 第 56 期通常総代会において、平成 16 年 5 月∼6 月にかけて実施した 経営に対する一般会員からの意見についてとりまとめ、報告しました。 (4)法令等遵守(コンプライアンス)態勢の強化 ① コンプライアンス教育・指導の充実に以下のとおり取組んできました。 ・コンプライアンス委員会を7回開催 ・リスク管理担当者会議を3回開催 ・コンプライアンス研修会を12回実施 ・コンプライアンス臨店指導を平成 17 年度に35店舗全店実施 ・コンプライアンス臨店指導を平成 18 年度上期に21店舗実施 ・部店長による職員に対するカウンセリングの実施 (5)ITの戦略的活用 ① 個人向けWEBバンキングサービスの取扱いを開始するとともに、利 用できる携帯電話会社を追加しました。 ② キャッシュカード不正使用の防止策として、窓口・ATMによる口座単 位の自動機支払限度額変更、支払限度回数変更の取扱いを開始しました。 (6)協同組織中央機関の機能強化 ① バーゼルⅡの導入を控え、協同組織中央機関(信金中央金庫)が主催 する研修会、勉強会に参加し、バンキング勘定の金利リスクの計測手法 の検討を行いました。 (7)検査、監督体制 ① 本人確認法、個人情報保護法に基づく当金庫内部規定等に則り、各営 業店の事務処理の正確性チェック、及び事務管理態勢の整備状況・改善状 況のチェックを行いました。 ② 各営業店における、預り資産の取扱に関する事務処理の正確性チェッ クを行うとともに、預り資産の取扱、並びに融資業務に関する顧客への 説明の実施状況、及び管理態勢の整備状況・改善状況のチェックを行いま した。 ③ 本部監査におきましては、市場リスクの内容、対応状況について確認 し、今後の課題の検討を行いました。 ④ 「金融検査指摘事例集」等を参考に、平成 18 年度の監査計画を作成しま した。 3.地域の利用者の利便性向上 (1)地域貢献等に関する情報開示及び充実した分かりやすい情報開示の推進 ① 地域貢献活動について記載した平成 18 年 3 月期決算及び業容に係る ディスクロージャー誌、ミニディスクロージャー誌を作成し、総代はじめ 主要なお取引先に配付しました。 (2)地域の利用者の満足度を重視した金融機関経営の確立 ① CSリーダー会議を開催しました。 ② 担当部による店舗管理、挨拶等の実態調査を行いました。 ③ CSアンケート調査を実施し、アンケート結果分析により改善項目・ 改善策を検討しました。 (3)地域再生推進のための各種施策との連携等 ① 豊田市の中心市街地活性化を図る目的で設置された豊田市駅前通り南 地区市街地再開発組合に対して、地元金融機関としてシンジケートロー ンに参加しました。 ② 上記組合の継承運営会社豊田市駅前通り南開発株式会社に対して平成 18 年 2 月、シンジケートローンにて参加しました。 Ⅱ.平成 18 年度の基本業績目標に対する実績 項目 平成 18 年度目標 平成 18 年 9 月末実績 コア業務純益 3,200百万円 自己資本比率 12.70% 12.46% 不良債権比率 4%台 4.86% 【17∼18年度】 20先 21先 【17∼18年度】 110先 112先 経営改善支援による債務者区分の ランクアップ先数 経営改善支援取組み先数 【中間期ベース】1,580百万円 【注】1.コア業務純益は、預金や貸出金、為替業務などであげた利益(業務純益)から一時的な変動要因を除いた、金融機 関の本来業務での収益力を表す指標で、一般企業の営業利益に相当する損益科目です。 2.不良債権比率は、信用金庫法に基づくものであります。 以 上 経営改善支援取組実績表 豊田信用金庫 【平成17年4月∼18年9月】 (単位:先数) 経営改善支援取組み先【A】 正常先 要 注 意 先 期中に債務者区分が 上昇した先数 【B】 0 期中に債務者区分が 変化しなかった先数 【C】 0 うちその他要注意先 70 17 51 うち要管理先 24 4 14 破綻懸念先 17 0 14 実質破綻先 1 0 1 破綻先 0 0 0 112 21 80 合 計 注)・ 経営改善支援取組み先【A】の債務者区分は17年4月当初の時点 ・ 【B】には、期中の債務者区分が期初より上昇した先数を記載。 なお、経営改善支援取組み先で期中に完済した債務者は【A】に含めるものの【B】に含めない。 ・ 期初の債務者区分が「うち要管理先」であった先が期中に債務者区分が「うちその他要注意先」に上昇した場合は【B】に含める。 ・ 期初に存在した債務者で期中に新たに「経営改善支援取組み先」に選定した債務者については (仮に選定時の債務者区分が期初の債務者区分と異なっていたとしても)期初の債務者区分に従って整理した。 ・ 期中に新たに取引を開始した取引先については本表に含めない。
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