GettingSARscape52 - Exelis VIS Japan

Getting Started with SARscape 5.2
Exelis VIS 株 式 会 社
目次
トレーニング環境について ............................................................1
お問い合わせ先について ................................................................1
その他のリソース ..........................................................................1
ENVI について ..............................................................................2
SARScape について.......................................................................3
Synthetic Apeture Radar(SAR:合成開口レーダ)とは ............................... 5
SAR の用語: ................................................................................................. 5
SARscape の基本操作方法(インターフェース) ..........................6
SARscape の起動について.............................................................................. 6
ENVI/SARscape インターフェースの概要 ..................................................... 6
ディスプレイツールについて ......................................................................... 7
環境の設定 ...................................................................................................... 9
画像の表示 .................................................................................................... 10
データ値の参照(Cursor Value) ................................................................ 11
ストレッチやコントラストの調整 ................................................................ 12
カラーの変更(疑似カラー画像の作成) ...................................................... 13
複数のレイヤーを作成する ........................................................................... 14
複数のビューの作成とリンク ....................................................................... 16
ビューやレイヤーを削除する ....................................................................... 18
SARscape での基本処理(Basic Module) ................................. 20
データ配布元から提供されたデータを SARscape で読み込む方法 .............. 20
SARscape のファイルフォーマットについて ............................................... 24
SARscape ファイルの切り出し Sample Selection ...................................... 24
SAR データ基本処理手順(Intensity Time Series ワークフロー) ............ 27
1. Input ............................................................................................................. 27
2. Multilooking ................................................................................................. 30
3. Coregistration .............................................................................................. 31
4. De Grandi Multi-temporal Filtering ........................................................... 32
5. Geocoding and Radiometric Calibration ..................................................... 33
6. Multi Temporal Features............................................................................. 35
7. Output .......................................................................................................... 35
補足(SAR 基本処理の個別ツール) ............................................................ 38
SARscape のインターフェロメトリ処理について ........................ 39
SARscape のインターフェロメトリ処理フロー(DEM 作成).................... 39
インターフェロメトリ処理の手順(InSAR DEM ワークフロー) .............. 40
1. SLC データのインポート .............................................................................. 40
2. Baseline Estimation 処理 ............................................................................. 40
3. InSAR DEM ワークフロー .......................................................................... 42
DInSAR の処理フロー(DInSAR Displacement ワークフロー) .............. 56
DInSAR 処理の詳細手順 .............................................................................. 56
1. SLC データのインポート .............................................................................. 57
2. Baseline Estimation 処理 ............................................................................. 57
3. DInSAR Displacement ワークフロー .......................................................... 59
Appendix..................................................................................... 72
SARscape の対応センサとデータプロダクト ............................................... 72
ALOS PALSAR(JAXA) .................................................................................. 72
ALOS PALSAR(ERSDAC)............................................................................. 72
ALOS2 PALSAR2 ............................................................................................... 73
COSMO-SkyMed ................................................................................................ 73
ENVISAT ASAR ................................................................................................. 74
ERS-1/2 SAR....................................................................................................... 75
JERS-1 SAR........................................................................................................ 75
KOMPSAT-5 (Preliminary) ................................................................................ 75
RADARSAT-1 ..................................................................................................... 75
RADARSAT-2 ..................................................................................................... 76
RISAT-1 .............................................................................................................. 76
SAR-Lupe ........................................................................................................... 77
Sentinel-1 ........................................................................................................... 77
TerraSAR-X and Tandem-X ............................................................................... 77
Airborne Sensors ................................................................................................ 78
トレーニング環境について
本トレーニングで使用するソフトウェアやデータについては以下の構成となります。
OS
Windows 7 以降の Windows OS
ソフトウェア
ENVI 5.2.1
SARscape 5.2
使用データ
・関東周辺の ALOS PALSAR FBS データ
2009 年 12 月~2010 年 10 月までの 6 シーン
・ラスベガス周辺の ENVISAT ASAR IS4 データ
2003 年 11 月 7 日、2003 年 1 月 16 日
・イラン Bam 地方の ENVISAT ASAR IS2 地震前後
2003 年 12 月 3 日、2004 年 2 月 11 日
注)
SARscape はマルチバイト言語(日本語、中国語、韓国語等)の環境には、完全に対応
しておりません。SARscape で使用するディレクトリやファイルに関しましては、日本
語を使用しないでください。
お問い合わせ先について
本トレーニングについての内容のお問い合わせは、以下の連絡先にてお受けいたします。
Exelis VIS 株式会社
製品技術サポート
E-mail: support_jp@exelisvis.co.jp
その他のリソース

弊社 Web ページ
http://www.exelisvis.co.jp/

SARscape 日本ユーザー会
https://sites.google.com/site/sarscapejp/
1
ENVI について
ENVI (Environmental for Visualizing Images)は、リモートセンシングデータ(航空
写真、パンクロ、マルチスペクトル、ハイパースペクトル、レーダ etc.)に特化した画
像処理システムの統合アプリケーションで、直感的に使用できるグラフィカルユーザイ
ンタフェース(GUI)で構成されており、簡単なマウス操作で先進的かつ複雑な画像処理
および解析を行うことが可能です。
この ENVI ですが、データ解析・可視化に非常強い IDL というプログラミング言語を
エンジンとして持っており、大容量のデータに対しても非常に高速な処理を実現してい
ます。また、この IDL を使用すれば、特殊データの読み込みメニュー、独自アルゴリ
ズムメニューを ENVI のメニューに追加することも可能で、細かい要望にも柔軟に対
応することができます。また、ESRI 社とのパートナシップで、ArcGIS との連携も強
化され、解析した画像をすばやく GIS 環境に取り込み、空間情報の貴重なデータソー
スとして利用することも可能です。
2
SARScape について
SARscape は、SAR/InSAR の処理のための機能をパッケージとして設計されており、
SAR のデータを完全に分析することが可能であり、光学センサの可視化やデータ解析
に定評のある ENVI の機能を補完しています。ENVI の追加モジュールである
SARscape は、最新の SAR センサの処理や SAR データと光学データを組み合わせて解
析する際に、非常に有効なツールとなります。この SARscape はスイスの sarmap 社
によって開発されています。
SARscape は、Basic モジュール、Focusing モジュール、Gamma & Gaussian モジュ
ール、Interferometry/Differential Interferometry モジュール、ScanSAR
Interferometry モジュール、Polarimetry/Polarimetry Interferometry モジュール、
Interferometry Stacking モジュールと7種類のモジュールにより構成されています。
これらのモジュールを組み合わせることにより、Raw データからさまざまな SAR の解
析シーンに適用することが可能です。
農作物の成長のモニタリング (3 時期の ALOS PALSAR)
3
氷河のモニタリング(ERS)
200km
ScanSAR インターフェロメトリ(ASAR WS)
4
Synthetic Apeture Radar(SAR:合成開口レーダ)とは
レーダイメージングシステムの重要な特性は、光学センサと異なり、アクティブなセン
サであるという点です。レーダシステムは信号を発信して地表から反射して戻ってきた
信号を記録します。システムそのものは、電磁気のエネルギーを発生させています。レ
ーダシステムはアクティブであるため、太陽を光源とせず、昼、夜を問わず観測を行う
ことができます。
初期段階でのレーダシステムは実大の開口システムでしたので、解像度は波長と開口
(アンテナ)の比になります。与えられた波長できめ細かい解像度を取得するには、と
ても長いアンテナが必要になります。航空機に搭載するアンテナの大きさは物理的に制
限されるため、解像度も制限されてしまいます。この制限を避けるために、合成開口レ
ーダ(SAR)が 1950~1960 年代に開発されました。SAR 信号は擬似的に長いアンテ
ナを構築して作成されます。レーダシステムは戻ってきたレーダの振幅と位相を記録し、
過去の信号記録からアンテナを合成することによって実現されています。現在では、す
べてのレーダシステムはこの SAR の技術を使用しています。
SAR の用語:
進行方向
オフナディア角
スラントレンジ
レンジ方向
アジマス方向
5
SARscape の基本操作方法(インターフェース)
SARscape の起動について
デスクトップの ENVI 5.2 というアイコンをダブルクリックして ENVI を起動して
ください。
ENVI/SARscape インターフェースの概要
ENVI 5 から、ENVI 従来の 3 ウィンドウのインターフェースとは違い、シングル
ウィンドウのインターフェースを提供しています。新しいインターフェースでは、
操作性が向上し解析および解析結果の画像操作が簡単に行えるようになりました。
ここでは、ENVI のインターフェースと各メニューについて説明します。
メニューバー
ツールバー
レイヤー
マネージャ
ツール
ボックス
オーバービュー
カーソル値表示
プロセスバー
6
以下の表ではインターフェースの各メニューについて説明します。
名称
メニューバー
機能
ファイルを開く、編集、表示に関するツールや、ウィンドウの分割な
ど、インターフェース及び、画像の基本的な操作に必要な機能を提供
します。
ツールバー
ズームイン・アウトや、パン、アノテーション、ストレッチなど、表
示した画像に対して操作に関するツールをグラフィカルなアイコン
で提供します。
レイヤーマネージャ
インターフェースに表示されている画像の管理を行います。チェック
ボックスをオン/オフする事で、表示/非表示の設定を行います。ファ
イル名上で右クリックをすると、サブメニューが表示され、表示の削
除や RGB コンポジットの変更などが行えます。
オーバービュー
レイヤーマネージャの[Overview]へチェックを入れることで、画像
全体を表示します。
ツールボックス
ENVI の解析機能がカテゴリごとに格納されています。検索機能が提
供されており、「Search the Toolbox」へキーワードを入力すること
で、該当の機能がリスト表示されます。
カーソル値表示
地図投影法を保持した画像上でマウスを移動させると、カーソルのあ
る場所のピクセルに対応した地図情報が表示されます。
プロセスバー
プロセスバーは、処理の経過を表示しています。右側にあるバツマー
クをクリックすると、処理はキャンセルされます。
ディスプレイツールについて
ENVI5 で提供されているディスプレイツールについて学習します。操作方法について
は、ツールバーのアイコンをクリックし、イメージウィンドウ内で実行します。それぞ
れのツールに関しては、以下の表を参考にしてください。インターフェースの左側のツ
ールから順に紹介します。
アイコン
機能
ENVI 標準フォーマットのファイルオープンの機能です。
読み込まれたデータの管理を行う、Data Manager を起動し
ます。
表示されている範囲をファイルへ保存する機能です。
7
カーソル位置のピクセル情報を表示する Cursor Value を起
動する機能です。
カーソル位置のピクセル情報を表示する Cursor Value を起
動し、ピクセル位置を明確にする Crosshairs を表示する機
能です。
選択機能です。イメージウィンドウ内に描画された注釈等を
選択します。また、フライ、回転といった機能をオフにしま
す。
パン機能です。イメージウィンドウ内にて左マウスボタンを
ドラッグし、画像を移動させます。
フライ機能です。イメージウィンドウ内にて左マウスボタン
をクリックし続けると、矢印の方向に画像が移動し続けま
す。
テキスト、シンボル、ポリゴン、長方形、円形、ポリライン、
矢印等のアノテーションを作成する機能です。
ズーム機能です。イメージウィンドウ内にて左マウスボタン
でドラッグし、拡大するエリアを決定します。
画像の表示倍率を変更する機能です。ズームイン、ズームア
ウト、画像全体の表示、パーセンテージでの画像の倍率変更
が可能です。
画像の北を上に表示する機能です。地図情報を保持している
画像のみに有効です。
指定した座標の位置へと移動する機能です。
輝度の調整機能です。スライダーバーを移動させ、輝度の調
整をおこないます。
コントラストの調整機能です。スライダーバーを移動させ、
コントラストの調整を行います。
左のアイコンがストレッチを画像全体にかけるよう指定し、
中央のアイコンは表示領域のみにかける指定を行います。右
側の矢印は、ストレッチの範囲の指定を更新する機能です。
ストレッチの種類を選択し、画像にストレッチをかける機能
です。以下の種類からストレッチを選択します。
No stretch、Linear、Linear1%、Linear2%、Linea5%、
Equalization、Gaussian、Square Root、Logarithmic、
Optimized Linear、Custom
8
ストレッチの調整機能です。画像のヒストグラムをみなが
ら、ストレッチの調整できます。
シャープネスの調整機能です。スライダーバーを移動させ、
シャープネスの調整を行います。
透過度の調整機能です。スライダーバーを移動させ、透過度
の調整を行います。
レイヤーが二つ以上になると、Portal ボタンが有効になりま
す。ポータルウィンドウボタンの横には他の表示方法とし
て、Blend・Flicker・Swipe ボタンがあります。
環境の設定
実習に入る前に、使用するデータへのアクセスなどを容易に行うため、環境の設定
を行います。ENVI では、ファイルの入出力ディレクトリをあらかじめ指定するこ
とで、デフォルトで指定したディレクトリを表示することが可能です。
【操作】
1.
メニュー → File → Preferences を選択してください。
2.
Directories を選択し、それぞれの設定を行ってください。
3.
本トレーニングでの指定ディレクトリは以下の表の設定になります。
名称
機能
設定値
Input
入力ファイルを指定する際に表示する
Directory
インプットディレクトリの指定
Output
出力ファイルを指定する際に表示する
Directory
アウトプットディレクトリの指定
Temporary
ワークフロー等の中間生成ファイルの
Directory
ためのディレクトリの指定
9
C:¥Training¥SARscape
C:¥Training¥SARscape¥Output
C:¥Training¥SARscape¥Output
画像の表示
【目的】
ALOS PALSAR の SLC 画像を読み込んで表示します。
【操作】
1.
ENVI のメニュー → File → Open を選択し、ファイル選択のダイアログを
表示してください。
2.
Open ダイアログにおいて、PALSAR → SLC → 「20091204_slc」ファイル
を選択して、「開く」ボタンをクリックしてください。
例)実際のファイルの場所は以下になります。
C:¥Training¥SARscape¥PALSAR¥SLC¥20091204_slc
3.
ファイルの読み込みと同時に、ENVI のイメージウィンドウ内に白黒の画像が
表示されます。
4.
画像が表示されましたら、マウスの中央ボタンをスクロールして拡大、縮小、
ドラッグすることで移動することができます。これらの操作は、メニューバー
のアイコンにて切り替えることも可能です。
10
【補足】
今回、読み込んで表示しているデータは、SLC(Single Look Complex)データで、
データのタイプは複素数(実数、虚数)となります。ENVI では、内部的に
Magnitude(実数と虚数の二乗の和の平方根にしたもの)を計算した画像を表示し
ています。
データ値の参照(Cursor Value)
【目的】
表示された画像のデータ等を確認します。
【操作】
1.
ディスプレイツールの、
2.
Cursor Value のダイアログが表示され、マウスカーソル上のピクセルの情報
ボタンをクリックしてください。
が対話的に表示されます。
11
【補足】
現在、表示されているデータは、地理情報が登録されておりませんので、今回表示
されている座標は画像のピクセル座標になります。
ストレッチやコントラストの調整
【目的】
表示した画像に対して、ストレッチ(輝度)やコントラスト(濃淡)などを調整し
て、撮像している地物などを見やすくします。
【説明】
ENVI 5 では画像を表示する際に、データタイプに合わせてストレッチの手法が自
動的に選択されます。今回のデータを読み込むと、Linear 2% のストレッチがか
かります。データ値のヒストグラムなどを見ながら、閾値などの調節が必要な場合
には、Custom Stretch を使用してください。
SAR 画像を扱う場合は、ほとんどの場合は SARscape というストレッチの手法を
選択していただければ、輝度調整がうまくいきます。
【操作】
1.
ディスプレイツールにある、<Linear 2%>と表記されているプルダウンメニュ
をクリックし、<SARscape>をクリックしてください。
2.
ボタンで水域(暗い個所)を拡大し、
ボタンをクリックしてください。こ
のボタンは、表示したエリアでストレッチを行うことができます。ディスプレ
イを移動した場合は、
ボタンをクリックして更新されたディスプレイに対し
て再度ストレッチをかけてください。
3.
ボタンをクリックすると、最初に表示されていた全体画像に対してのスト
レッチで画像が表示されます。
12
【補足】
SARscape ストレッチを選択し、
ボタン(カスタムストレッチ)をクリックす
ると、SARscape ストレッチのパラメータを微調整することが可能です。
カラーの変更(疑似カラー画像の作成)
【目的】
前の項目で、表示したレーダ画像に対して疑似カラーを付与します。
【説明】
グレイスケールの画像には、カラーテーブルを割り当てることで、データの分布を
簡単に目視で確認することができます。疑似カラーを付与する機能として、
「Change Color Table」と「Raster Color Slices」のツールがあります。本実習で
は、「Change Color Table」を使用し、グレイスケールの画像へ疑似カラーを付与
します。
【操作】
1.
レイヤーマネージャ → グレイスケール画像の「20091204_slc」レイヤーを右
クリック → Change Color Table → Rainbow を選択します。
2.
カラーテーブルを選択すると、選択したカラーテーブルにより色づけされた画
像がディスプレイに表示されます。
13
【補足】
疑似カラーはストレッチの輝度値に対して、カラーが割り当てられます。そのため、
ストレッチを変更すると、輝度値の変更に伴いカラーも変化します。ある数値に対
して決まったカラーを割り振りたい場合は、Raster Color Slice (カラースライス)
を使用してください。
複数のレイヤーを作成する
【目的】
ENVI では、読み込んだデータはデータマネージャにて管理されています。複数の
レイヤーを作成する場合は、このデータマネージャを使用して、自分の表示したい
画像を指定して、レイヤーを作成します。
【説明】
レイヤーマネージャでは、レイヤーに表示している画像の情報のみが表示されてい
ますが、レイヤーを追加や、すでに読み込んだデータを別の表現(バンドのグレイス
ケール表示や、RGB コンポジット表示など)で表示する際にこのマネージャを使用
します。
ここでは、複素数データの実数の画像をデータマネージャで指定し、画像を新しい
レイヤーに追加して表示します。
14
【操作】
1.
メニュー → File → Data Manager を選択してください。もしくは、ディス
プレイツールの
2.
ボタンをクリックしてください。
Data Manager ダイアログ →「20091204_slc」の[Real]を選択し、
「Load Data」
ボタンをクリックしてください。
【補足 1】
レイヤーマネージャ内でファイルを右クリックし、「remove」を実行することによ
り、ディスプレイから表示を削除しますが、データマネージャ内にはデータが保持
されていますので、データマネージャを使用して再表示を行ってください。
【補足 2】
レイヤーマネージャ内にて、各レイヤーを右マウスボタンでドラッグし、順序の変
更や、ディスプレイツールの
スライダーを利用して、以下のよ
うにレイヤーを透過して表示することも可能です。
15
複数のビューの作成とリンク
【目的】
ENVI 5 ではシングルウィンドウ内に、複数のビューを用いて同時に画像を表示し、
リンクすることができます。この演習では画像を複数のビューに表示し、データを
効率的に比較します。
【説明】
Geo Link を使用し、画像をリンクさせます。地図情報を保持したデータに対して
は、地図情報を使用しリンクを行いますが、地図情報を保持していないデータに対
しては、ピクセル位置でのリンクを行います。
【操作】
1.
メニュー → Views → Create New View を選択し、画像の表示エリアが二つ
に分割されたことを確認してください。
2.
レイヤーマネージャ → 新しく作成された View をクリックしてください。
3.
データマネージャを起動し、Imaginary(虚数)を選択 → Load Data ボタン
クリックしてください。
16
4.
実数と虚数の画像を比較するため、2 つのビューをリンクします。メニュー →
View → Link Views を選択し、表示した 2 枚の画像のリンクを行います。
5.
Link Views ダイアログ → <Pixel Link> → <Link ALL> → <OK> をクリ
ックし、リンクを実行します。
6.
ビューをリンクした後に、パンツールを使用して移動したり、拡大縮小などを
行い、画像の詳細を比較してください。
【補足】
地理情報が登録されている画像同士であれば、緯度経度にもとづいて画像をリンクする
ことができます。
17
ビューやレイヤーを削除する
【目的】
表示されているビューやレイヤーを削除します。
【操作】
1.
まず、ビューを削除します。レイヤーマネージャ → 2 つ目の View のグレイス
ケール画像を右クリック → Remove をクリックし、ビューを閉じてくださ
い。
2.
次に、レイヤーを削除します。レイヤーマネージャ → [1] 20091204_slc を右
クリック → Remove をクリックして選択したレイヤー(Real が表示されてい
るレイヤー)を削除してください。
18
【補足】
レイヤーをすべて削除しても、データマネージャ内にはデータが存在します。必要
のないファイルを閉じる場合は、データマネージャ内の該当ファイルを右クリック
→ Close File を選択してください。また、データマネージャのダイアログ内の
ボタンを使用してもデータを閉じることが可能です。
19
SARscape での基本処理(Basic Module)
これまでは、ENVI/SARscape インターフェースの操作方法を説明してきましたが、こ
こからは実際に SARscape のツールを使用してデータを解析していきます。
SARscape には色々なモジュールが用意されていますが、この章では Basic モジュー
ルを利用して SAR 画像を扱う上で必ず必要になるデータ処理方法について説明します。

データのインポート

マルチルック

コレジストレーション

フィルタ

時系列データの解析

ジオコーディング
データ配布元から提供されたデータを SARscape で読み込む方法
本トレーニングでは、SARscape でインポートしたデータを使用して処理を進めま
す。データ配布元から提供されたデータは、一度 SARscape のインポート機能にて、
ENVI フォーマット+SML ファイルの形式に変換する必要があります。今回は、
ALOS のオリジナルフォーマットを実際に読み込みますが、SARscape では、これ
までに衛星に搭載されている SAR データに関しては、ほとんどのデータをサポー
トしています。SARscape のサポートしているデータの詳細に関しましては、
Appendix ページをご覧ください。
【操作】
1. ENVI ツールボックス→ SARscape → Import Data → SAR Spaceborne
→ ALOS PALSAR を選択してください。
20
2. Impot ALOS PALSAR ダイアログが表示されますので、はじめに Input Files
タブで入力ファイルを入力します。Input File List の Browse…をダブルクリ
ックして CEOS のイメージファイル(IMG-xxx)を選択します。
【設定値】
データのディレクトリ:
C:\Training\SARscape¥PALSAR¥Original¥l1data¥
ファイル名:IMG-HH-ALPSRP205672900-H1.1__D
3. 次に Parameters タブで Data Type を選択します。今回のデータは、JAXA フ
ォーマットの PALSAR FBS L1.1 のデータですので、Data Type のプルダウ
ンメニューより、「JAXA –FBS Level 1.1」 を選択します。
【設定値】
Data Type:JAXA –FBS Level 1.1
4. 次に、Output Files タブで出力ファイル名を入力します。デフォルトで入力フ
ァイルと同じベースファイル名が選択されていますが、任意のファイル名を入
力できます。Output File List を右クリックして Edit を選択してファイル名を
変更できます。
21
【設定値】
データのディレクトリ:
C:¥Training¥SARscape¥Output¥
ファイル名: palsar_fbs_full (任意)
5. 「Exec」をクリックしてファイルの読み込みが開始されます。
6. 処理が終了しますと、「END」と表示されますので、「OK」ボタンをクリッ
クしてください。「Output files」に指定した場所に、「palsar_fbs_full_slc」
(任意で決めた場合は *_slc)というファイルが作成されます。
7. インポートしたデータは、自動的に ENVI で表示されます。
22
【補足 1】
メニュー → File → Open As → Radar からもさまざまな SAR データをインポ
ートすることが可能ですが、このメニューから読み込まれた ENVI フォーマットで
は、SARScape にて処理を行うことができません(ENVI で表示は可能)。
【補足 2】
ALOS L1.0 のような、画像の再生処理が必要となるレベルのデータプロダクトに
関しましては、SARscape の Focus モジュール(SARscape→Focusing)にて処理
をし、SLC に変換する必要があります。
【補足 3】
SARscape の画像表示機能は ENVI の画像表示機能をそのまま使用します。今回読
み込んだデータは、関東平野の東側を撮影しているデータになります。オリジナル
ファイルを読み込んだ際に、KML ファイル(Google Earth 形式のファイル)も作
成されますので、地理的な位置を簡単に確認することが可能です。
23
SARscape のファイルフォーマットについて
SARscape のファイルフォーマットは、基本的に ENVI フォーマットと同等になり
ます。SAR の解析を行うため、通常の ENVI フォーマットに軌道情報等の SAR の
処理に必要なパラメータが含まれた SML ファイルが付加されています。SARscape
で SAR の解析処理を行うためには、以下の 3 つのファイルが必要となります。
ファイルの種類
例
内容
画像データ
filename
フラットバイナリの画像データ
ENVI ヘッダーファイル
filename.hdr
ENVI がファイルを読み込む際に
必要とするヘッダーファイル
SARscape
filename.sml
パラメーターファイル
SARscape が処理の際に使用する
パラメーターファイル(XML 形
式)
SARscape ファイルの切り出し Sample Selection
【目的】
SAR データの SLC(Single Look Complex)はファイルサイズが大きいため、フル
シーンでは処理時間がかかってしまうことがあります。その際は、事前に画像切り
出しを施すことが有効ですが、SARscape で切り出し画像を処理する際にも sml フ
ァイルが不可欠になります。ENVI や他のソフトウェアで切り出しを実施したファ
イルでは、sml ファイルが付属しておらず SARscape では処理できませんので、
SARscape の Sample Selection ツールを使用して実施します。
【操作】
1.
ENVI ツールボックス→ SARscape → General Tools → Sample Selections
→ Sample Selection SAR Geometry Data を選択してください。
2.
Input Files タブで入力ファイルを指定します。Input File List に先ほど Import
した palsar_fbs_full_slc を指定します。
24
【設定値】
Input file:
C:\Training\SARscape\Output\palsar_fbs_full_slc
3.
Parameters タブを開きます。範囲の座標指定をします。ピクセル座標あるいは
緯度経度座標を選択して上下左右の範囲指定が可能です。
【設定値】
Parameters:
Geographical Region: False
West /
North/
East /
South/
4.
First Column:
First Row:
Last Column:
Last Row:
2000
200
7500
4000
Output Files タブで出力ファイルディレクトリとファイル名を確認、調整して、
Exec をクリックして実行します。
25
【設定値】
データのディレクトリ:
C:¥Training¥SARscape¥Output¥
ファイル名: palsar_fbs_full_cut_slc (任意)
以後、切り出し画像は SARscape の処理に使用することができます。
【補足 1】
範囲指定は、ENVI の VectorFile を用いても可能です。ENVI 上で、Vector Layer を
作成して、ベクタポリゴンで範囲指定、SHP ファイルに保存します。Optional Files
タブの Vector File フィールドに入力して、Parameters タブの Geographical Regions
を選択します。SAR ピクセル座標上で取得したポリゴンの場合は False、緯度経度座標
上で取得したポリゴンの場合は True を選択し、各 Column・Row の値は-9999 のまま
にします。
26
SAR データ基本処理手順(Intensity Time Series ワークフロー)
【目的】
SAR 画像は SLC(Single Look Complex)データの状態では地物の判別などが難し
く、画像解析を実施するためにいくつかの処理を必要とします。 SARscape5.2 で
は、インポートした SLC(Single Look Complex)データから強度画像の作成、位
置合わせ、フィルタ処理、ジオコーディングまでの基本処理を一連の作業として実
施するワークフローが用意されています。ここからの演習は、同一シーンの複数時
期のデータを扱いますが、すべて読み込みから行うと時間がかかりますので、既に
小さなサイズに切り取った SLC データを利用して処理を行います。
1. Input
【目的】
入力する SLC ファイルを選択し、処理に使用する DEM と、出力するファイルのグ
リッドサイズを指定します。
【操作】
1.
「palsar_fbs_full_slc」を表示している場合は、データマネージャでファイルを
閉じてください。
2.
ENVI ツールボックス → SARscape → Basic→ Intensity Time Series
Workflow を選択し、ワークフローダイアログを起動してください。ワークフ
ローダイアログは以下のようになります。左側にワークフロー内の処理ステッ
プのリストが表示されます。
27
3.
Input ステップの「Input File」、
「DEM/Cartographic System」、
「Parameters」
各タブで、入力ファイル、DEM、出力グリッドサイズを次ページの【設定値】
の通り指定します。Input File 指定には、Input File List の Browse をクリッ
クします。入力ファイルは、選択ダイアログで Ctrl ボタンを押しながら複数同
時に選択することができます。指定 DEM ファイルの参照は、入力フィールド
右の File Select ボタン
4.
をクリックします。
入力が終了しましたら、「Next」をクリックし、次のパラメータ設定ステップ
へ進みます。Grid Size に相当する Looks 値が表示されますので「OK」をクリ
ックします
28
【設定値】
Input file:
C:\Training\SARscape\PALSAR\SLC\20091204_slc
C:\Training\SARscape\PALSAR\SLC\20100421_slc
C:\Training\SARscape\PALSAR\SLC\20100606_slc
C:\Training\SARscape\PALSAR\SLC\20100722_slc
C:\Training\SARscape\PALSAR\SLC\20100906_slc
C:\Training\SARscape\PALSAR\SLC\20101022_slc
DEM file:
C:\Training\SARscape\PALSAR\DEM\srtm_dem
Grid Size: 6.5
Data Type: Single Pol
29
【補足】
DEM ファイルの事前用意が無い場合、ワークフロー内でインターネット経由の
ダウンロードで取得することも可能です。DEM 選択タブの Reference Type を
「DEM Download」を選択するとダウンロードする DEM を選択できます。
DEM のタイプを選択して Grid Size や投影法などを指定すると、SARscape は
Input File の範囲をカバーする DEM ファイルを用意します。
2. Multilooking
【目的】
入力した SLC(Single Look Complex)データのマルチルック処理をおこないます。
マルチルック処理は、一般的には3つの目的で行われます。
i.
ii.
iii.
強度画像を作成する
SAR 画像に含まれるノイズを軽減する
アジマス(縦)とレンジ(横)のピクセルサイズを正方形にし、地物を判
読しやすくする
【操作】
1.
Principal Parameters の各項目が【設定値】の通りであることを確認して、
Preview チェックボックスにチェックを入れて「Next」をクリックします。
2.
処理が完了すると、ENVI 上に*_pwr と接尾子のついた各入力ファイルの強度
画像が表示されます。レイヤーマネージャの表示/非表示切り替えや透過度を変
更して各レイヤーの位置にずれがあることを確認しましょう。
30
【設定値】
Range Multilook: 1
Azimuth Multilook: 2
Grid Size for Suggested Looks: 6.5
【補足】
SARscape は、ワークフロー処理で生成される中間処理画像ファイルを、
Preferences で指定した Output Directory 内に SARsTmpDir***という作業フ
ォルダを作成して格納します。ワークフローの最後でこれらの中間ファイルを
削除するか選択することができます。
3. Coregistration
【目的】
コレジストレーション処理では、複数の画像を時系列で比較する際などに有用な、
スラントレンジ画像のまま画像のマッチングを行うことが可能です。SARscape の
コレジストレーション処理を行うためには、各シーンは軌道と撮影モードが同じで
ある必要があります。
31
【操作】
1.
デフォルトで「Coregistration With DEM」が False になっていますのでその
まま「Next」をクリックしてください。
2.
処理が完了すると、ENVI 上に*_rsp と接尾子のついた各強度画像の位置合わせ
された画像群が表示されます。レイヤーマネージャの表示/非表示切り替えや透
過度を変更して各レイヤーの位置にずれがなくなったことを確認しましょう。
4. De Grandi Multi-temporal Filtering
【目的】
SAR の画像には通常スペックルノイズが含まれており、このノイズを除去する処
理が必要となります。一般的に画像処理のフィルタと呼ばれる手法により、このス
ペックルノイズを除去することが可能です。SARscape では、複数の画像を使用し
てフィルタ処理を行うことも可能です(Multi-Temporal Filtering)。Intensity Time
Series ワークフローでは複数の時系列画像が入力されていることを利用して
Multi-temporal Filtering を適用してノイズ軽減を行います。
【操作】
1.
パラメータはデフォルトのまま「Next」をクリックしてください。
2.
処理が完了すると、ENVI 上に*_fil と接尾子のついた位置合わせされた各強度
画像のフィルタリングされた画像群が表示されます。レイヤーマネージャの表
示/非表示切り替えや透過度を変更して同一日付の*_rsp と*_fil のペアを比較し
ましょう。河川の部分など、ごま塩状のスペックルノイズが軽減されているこ
とがわかります。
32
20101022_slc_pwr_rsp(フィルター前)
20101022_slc_pwr_rsp_fil(フィルター後)
【説明】
一般的にフィルタ処理を行うと、ノイズが除去されてより画像が鮮明に表示される
部分もありますが、オリジナルの画像と比較するとフィルタにより撮像している画
像のテキスチャの詳細が失われてしまう部分もあります。Multi-temporal のフィ
ルタ処理を利用すると、オリジナルの情報をより多く保ちながらノイズの除去が行
われていることが分かります。
5. Geocoding and Radiometric Calibration
【目的】
SARscape において、ジオコーディングの処理をします。
一般的に SAR 画像は地上からのレーダの反射を測定していますので、地形の特長
に大きく影響され、光学センサと比較すると大きなゆがみが発生します。
SARscape では、これらのゆがみを補正するためジオコーディングの処理を使用し
ます。DEM を使用し、フォーショートニング、レイオーバーといった SAR 特有の
ゆがみも補正することが可能です。
【操作】
1.
パラメータは以下の設定のまま、「Next」をクリックして処理を実行します。
33
2.
処理が完了すると、ENVI 上に*_geo と接尾子のついたジオコーディングされた
画像群が表示されます。ENVI のステータスバーに地理情報が表示されている
のが確認できます。SAR 画像に付加される投影情報は DEM データが持つ投影
情報となります。
34
6. Multi Temporal Features
【目的】
入力した時系列 SAR データの統計計算など特徴抽出することができます。各パラメ
ータの値を True に設定すると次ステップで出力する特徴計算画像の Band に追加
されます。
【操作】
1.
パラメータは以下の設定のまま、「Next」をクリックして処理を実行します。
7. Output
【目的】
ファイルの出力先を指定し、Multilook や Coregistration、フィルタステップなど
のジオコーディング以前の中間処理ファイルの削除設定を行います。
35
【操作】
1.
Output Root Name に任意のファイル名を設定して「Delete Temporary Files」
にチェックを入れて「Finish」をクリックしてください。
【設定値】
Output Root Name:
C:\Training\SARscape\Output\20091204_slc_mt_feature
2.
処理が完了すると、レイヤーマネージャにあった中間ファイルは削除され、出
力した*_mt_feature_meta ファイルが表示されます。*_meta ファイルには、
Band1~Band6 までに各日付のジオコーディング画像と、Band7 以降に
Multi-Temporal Features で設定したバンドが含まれています。データマネー
ジャを、確認してください。また、Make cmg RGB が True になっていると、
RGB の TIFF が作成されます。
36
37
補足(SAR 基本処理の個別ツール)
SARscape は、Intensity Time Series Workflow の各ステップの処理機能を個別の
ツールとしても用意しています。1 枚の SAR の slc データを処理したい場合などは
個別ツールを使用します。
Multilooking, Coregistration, Filtering, Geocoding は ENVI ツールボックス →
SARscape → Basic → Intensity Processing に、Multi Temporal Features は
ENVI ツールボックス → SARscape → Basic → Feature Extraction にありま
す。
また、DEM Extraction は、ENVI ツールボックス → SARscape → General Tools
→ Digital Elevation Model Extraction にあります。
Digital Elevation Model Extraction ツールでサポートされていない DEM データを
SARscape で使用する場合は、SARscape のインポート機能で一度ファイルを変換
することで、SARscape の処理で使用することが可能となります。
ENVI ツールボックス → SARscape → Import Data メニュー内の「ENVI
Format」、「Generic Binary Geocoded」、「TIFF」データなどから DEM データ
を取り込むことが可能です。データを読み込む際に、Data unit を DEM に設定し
てください。
38
SARscape のインターフェロメトリ処理について
SAR データには、振幅データと位相情報が含まれており、インターフェロメトリ処理
は、2 点から観測された位相情報の差分を利用して行われます。この位相の差分から、
標高を求めることが可能となります。
SARscape のインターフェロメトリ処理フロー(DEM 作成)
SARscape でのインターフェロメトリ処理を以下のフロー図にて示します。各フロ
ーにおける詳細手順や結果については、後続の項において説明します。
SAR SLC ペア読み込み
Baseline Estimation
ペア画像のベースライン計算
InSAR DEM Workflow
ワークフローによる一連処理
Interferogram Generation
インターフェログラム作成
Adaptive Filter& Coherence Generation
コヒーレンス画像作成と干渉のフィルタ
Phase Unwrapping
位相のアンラップ処理
Refinement and Re-flattening
軌道補正と位相のオフセット計算
Phase to Height Conversion
標高データ(DEM)の作成
39
インターフェロメトリ処理の手順(InSAR DEM ワークフロー)
本項目では、InSAR 処理における各手順の詳細を説明します。
1. SLC データのインポート
【目的】
インターフェロメトリ処理を行うためのデータ(SLC)を読み込みます。
【操作】
1.
SARscape → Basic → Import Data → SAR Spaceborne を選択し、必要な
ファイルを SARscape が取り扱えるフォーマットに変換します。
*本トレーニングデータではすでに SARscape で取り込みを行っております
ので、この手順は省略します。
2. Baseline Estimation 処理
【目的】
インターフェロメトリ処理をする際に、インターフェロメトリを行うためのペア画
像の情報を確認します。Baseline Estimation では、使用するペア画像のベースラ
イン(画像撮影時のアンテナの距離当)を計算し、計算されたベースライン情報等
からインターフェロメトリ処理が可能かどうかを判断します。一般的に Normal
Baseline の値が Critical Baseline (論理的に干渉が起こるベースラインの距離)に収
まっていれば干渉が起こるという目安になります。
【操作】
1
ENVI ツールボックス → SARscape → Interferometry → Interferometric
Tools → Baseline Estimation を選択し、設定ダイアログを起動します。
2
ダイアログの設定は以下のようになります。ダイアログへの入力が終了しまし
たら、「Exec」をクリックし Baseline Estimation 処理を実行してください。
40
【設定値】
Master file:
C:¥Training¥SARscape¥InSAR_Input¥DORIS¥7_11_02_slc
Slave file:
C:¥Training¥SARscape¥InSAR_Input¥DORIS¥16_01_03_slc
3
処理が終了しますと、END というダイアログが表示されますので、「OK」を
クリックしてください。設定ダイアログ内に結果が出力されますので、内容を
ご確認ください。
41
【説明】
Baseline Estimation で重要となる目安は、Normal Baseline(垂直方向の距離)が
Critical Baseline(臨界ベースライン)の距離に収まっていることです。Critical
Baseline より Normal Baseline が大きくなった場合は、位相情報が大きく異なるた
め、二つの画像を干渉させ、インターフェロメトリの処理を行うことができません。
Critical Baseline の計算式は SARscape のオンラインヘルプをご確認ください。
Baseline Estimation の値は、あくまでも指標のパラメータとなっており、
SARscape のインターフェロメトリ処理では、Baseline Estimation 内のパラメー
タは使用されません。
3. InSAR DEM ワークフロー
【目的】
Baseline Estimation でインターフェロメトリ処理が可能と判断されたペア画像か
らインターフェログラム(干渉画像)を作成し DEM 作成まで一連の処理を実行し
ます。ワークフロー内の各ステップの処理は、Phase Processing 内に個別に用意さ
れており、中間処理ファイルが存在すれば個別処理を実施できます。
3.1 Input
【操作】
1.
ENVI ツールボックス → SARscape → Interferometry → InSAR DEM
Workflow を選択し、InSAR DEM ワークフローダイアログを起動してくださ
い。
2.
Input ダイアログの設定は以下のようになります。左側にワークフロー内の
処理ステップのリストが表示されます。Input ステップダイアログで、入力フ
ァイルと DEM を指定します。入力が終了しましたら、「Next」をクリックし、
次のパラメータ設定ステップへ進みます。既定値の Grid Size に相当する
Looks 値が表示されますので「OK」をクリックします。
42
【設定値】
Input Master file:
C:¥Training¥SARscape¥InSAR_Input¥DORIS¥7_11_02_slc
Input Slave file:
C:¥Training¥SARscape¥InSAR_Input¥DORIS¥16_01_03_slc
DEM file: C:¥Training¥SARscape¥InSAR_Input¥start_dem
43
3.2 Interferogram Generation
【操作】
1.
Interferogram Generation
インターフェログラム生成のステップです。初期
干渉画像と軌道縞・地形縞除去を行います。以下の設定値を入力し、左下の
Preview にチェックを入れて、
「Next」をクリックして次ステップへ進みます。
【設定値】
Range Looks: 1
Azimuth Looks: 4
Preview にチェックを入れると、以下の中間処理結果のテンポラリ画像が ENVI に
表示されます。
ファイル名
内容
INTERF_out_master_pwr 7_11_02_slc の強度画像
INTERF_out_slave_pwr
16_01_03_slc の強度画像
INTERF_out_dint
軌道縞等の除去後のインターフェログラム画像
44
7_11_02_slc の強度画像(マスター)
16_01_03_slc の強度画像(スレーブ)
軌道縞等の除去後のインターフェログラム画像(擬似カラー付与)
45
3.3
Adaptive Filter and Coherence Generation
【操作】
1.
Adaptive Filter and Coherence Generation
コヒーレンス画像作成と干渉画
像のフィルタリングのステップです。パラメータはデフォルトの「Goldstein」
のまま「Next」をクリックして次のステップへ進みます。
Preview にチェックを入れると、以下の中間処理結果のテンポラリ画像が ENVI に
表示されます。
ファイル名
内容
INTERF_out_cc
コヒーレンス画像
INTERF_out_fint
ノイズ除去後のインターフェログラム画像
コヒーレンス画像
ノイズ除去後のインターフェログラム(疑似カラー)
46
3.4
Phase Unwrapping
【操作】
1.
Phase Unwrapping
フェーズアンラッピング処理のステップです。設定値は
デフォルトのまま、「Next」をクリックして次のステップへ進みます。
【設定値】
Unwrapping Method Type: Minimum Cost Flow
Unwrapping Decomposition Level: 1
Unwrapping Coherence Threshold: 0.2
Preview にチェックを入れると、以下の中間処理結果のテンポラリ画像が ENVI に
表示されます。
ファイル名
INTERF_out_upha
内容
フェーズアンラップ画像
フェーズアンラップ画像(疑似カラー)
3.5
GCP Selection
【操作】
1. GCP Selection
Refinement and Re-flattening のステップで適用する
Refienement GCP ファイルを作成します。ダイアログの双眼鏡アイコンをクリ
ックします。
47
2.
Generate Ground Control Points ダイアログが開きます。ファイル選択は以下の
設定値を Browse から選択して「Next」をクリックします。
【設定値】
3.
Input file:
INTERF_out_fint
DEM file:
start_dem
Reference file:
INTERF_out _cc
レイヤーマネージャの、「INTERF_out_cc」を右クリックし、Change Color
Table → Rainbow を選択してください。
4.
「INTERF_out_fint」レイヤーを選択し、
透過のスライダ
ーでレインボーカラーのコヒーレンス画像が見えるように設定してください。
48
5.
コヒーレンスが高く(赤く透ける箇所)、位相情報が安定(フリンジを越えず
ある程度値が一定な箇所)している場所をポイントとして設定します。ポイン
トを設定する際は、左マウスボタンで画像内の任意の場所をクリックしてくだ
さい。以下の画面のように、画像全体に均一にポイントを取るように設定して
ください。ポイントは 10 点程度とれれば問題ありません
6.
ポイントが取り終わりましたら、Generate Ground Control Points ダイアログ
に戻ります。Export タブで Output XML File に任意のファイル名を設定でき
ます。「Finish」ボタンをクリックしてください。
49
7.
ワークフローに戻り、Refinement GCP File に今作成したファイル名が入力さ
れていることを確認して「Next」をクリックします。
3.6
Refinement and Re-flattening
【操作】
Refinement and Re-flattening のステップです。設定値を確認して「Next」を
クリックして次へ進みます。
50
【設定値】
Refinement Method: Polynomial Refinement
Refinement Res Phase Poly Degree: 3
Coregistration With DEM: False
Preview にチェックを入れると、以下の中間処理結果のテンポラリ画像が ENVI に
表示されます。
ファイル名
内容
INTERF_out_reflat_fint
リフラットしたノイズ除去干渉画像
INTERF_out_reflat_upha
リフラットしたフェーズアンラップ画像
51
リフラットしたノイズ除去インターフェログラム画像(擬似カラー)
リフラットしたフェーズアンラップ画像(擬似カラー)
3.7
Phase to Height Conversion and Geocoding
【操作】
1.
ジオコーディングした標高データ(DEM)を作成します。設定値を確認して
「Next」をクリックして次へ進みます。
52
【設定値】
Product Coherence Threshold: 0.2
Wavelet number of levels: 0
Generate Shape Format: False
X Dimension (m): 25(任意)
Y Dimension (m): 25(任意)
3.8
Output
【操作】
1.
作成した DEM をファイルに出力します。Output Root Name に任意のベース
ファイル名を入力し「Finish」をクリックします。Delete Temporary Files に
チェックを入れると、今まで Preview 用に作成したテンポラリファイルを削除
します。
53
2.
処理が完了すると出力した DEM ファイルと DEM のラスタカラースライス画
像が ENVI に表示されます。結果を確認してください。
54
【説明】
この処理で作成された DEM は、SRTM の DEM 画像と比較すると、より詳細な高
さ情報を持っていることがわかります。また、ワークフロー処理後に自動で表示は
されませんが、この処理では DEM ファイルと同時に出力ディレクトリには
*_precision ファイルと*_resolution ファイルが作成されます。*_precision ファイ
ルは DEM データの各ピクセルの信頼度を示し、低い値を持つピクセルが信頼度の
高いデータとなります。また、*_resolution ファイルは、インシデント角に基づい
たピクセルの解像度となります。
以上の処理で SARscape でのインターフェロメトリ処理は終了になります。
SARscape で作成されたファイルは、ENVI の機能で解析することや他のデータフ
ォーマットにエクスポートすることが可能ですので、他のソフトでも簡単に利用す
ることが可能です。
55
DInSAR の処理フロー(DInSAR Displacement ワークフロー)
DInSAR の処理フローについて、地表面変動画像作成のフローを以下の図に示します。
各フローにおける詳細手順や結果については、後続の章において説明します。
SAR SLC ペア読み込み
Baseline Estimation
ペア画像のベースライン計算
DInSAR Displacement Workflow
ワークフローによる一連処理
Interferogram Generation
インターフェログラム作成
Adaptive Filter& Coherence Generation
コヒーレンス画像作成と干渉のフィルタ
Phase Unwrapping
位相のアンラップ処理
Refinement and Re-flattening
軌道補正と位相のオフセット計算と位相
画像の再計算
Phase to Displacement Conversion
変動マップの作成
56
DInSAR 処理の詳細手順
本章では、DInSAR 処理における各手順の詳細を説明します。
1. SLC データのインポート
【目的】
インターフェロメトリ処理を行うためのデータ(SLC)を読み込みます。
【操作】
1.
SARscape → Import Data → SAR Spaceborne を選択し、必要なファイルを
SARscape が取り扱えるフォーマットに変換します。
*本トレーニングデータではすでに SARscape で取り込みを行っておりま
すので、この手順は省略します。
2. Baseline Estimation 処理
【目的】
インターフェロメトリを行うためのペア画像の情報を確認します。一般的に
Normal Baseline の値が Critical Baseline (論理的に干渉が起こるベースライ
ンの距離)に収まっていれば干渉が起こるという目安になります。差分干渉
SAR を行う場合は、ベースラインが短いペアの方が変動抽出に向いています。
【操作】
1
ENVI ツールボックス → SARscape → Interferometry → Interferometric
Tools → Baseline Estimation を選択し、設定ダイアログを起動します。
2
ダイアログの設定は以下のようになります。ダイアログへの入力が終了しまし
たら、「Exec」をクリックし Baseline Estimation 処理を実行してください。
57
【設定値】
Master file:
C:¥Training¥SARscape¥DInSAR¥3dec03_slc
Slave file:
C:¥Training¥SARscape¥DInSAR¥11feb04_slc
3
処理が終了しますと、END というダイアログが表示されますので、「OK」を
クリックしてください。設定ダイアログ内に結果が出力されますので、内容を
ご確認ください。
58
【説明】
Baseline Estimation で重要となる目安は、Normal Baseline(垂直方向の距離)が
Critical Baseline(臨界ベースライン)の距離に収まっていることです。Critical
Baseline より Normal Baseline が大きくなった場合は、位相情報が大きく異なるた
め、二つの画像を干渉させ、インターフェロメトリの処理を行うことができません。
Critical Baseline の計算式は SARscape のオンラインヘルプをご確認ください。
Baseline Estimation の値は、あくまでも指標のパラメータとなっており、
SARscape のインターフェロメトリ処理では、Baseline Estimation 内のパラメー
タは使用されません。
3. DInSAR Displacement ワークフロー
【目的】
Baseline Estimation でインターフェロメトリ処理が可能と判断されたペア画像か
らインターフェログラム(干渉画像)を作成し変動マップ作成まで一連の処理を実
行します。ワークフロー内の各ステップの処理は、Phase Processing 内に個別に用
意されており実施できます。
3.1 Input
【操作】
1.
ENVI ツールボックス → SARscape → Interferometry → DInSAR
Displacement Workflow を選択し、DInSAR Displacement ワークフローダイ
アログを起動してください。
2.
Input ダイアログの設定は以下のようになります。左側にワークフロー内の
処理ステップのリストが表示されます。Input ステップダイアログで、ファイ
ル選択ボタンから入力ファイルと DEM のファイルパスを指定します。入力が
終了しましたら、「Next」をクリックし、次のパラメータ設定ステップへ進み
ます。既定値の Grid Size に相当する Looks 値が表示されますので「OK」をク
リックします。
59
【設定値】
Input Master file:
C:¥Training¥SARscape¥DInSAR¥3dec03_slc
Input Slave file:
C:¥Training¥SARscape¥DInSAR¥11feb04_slc
DEM file:
C:¥Training¥SARscape¥DInSAR¥srtm25_dem
60
3.2 Interferogram Generation
【操作】
1.
Interferogram Generation
インターフェログラム生成のステップです。初期
干渉画像と軌道縞・地形縞除去まで行います。以下の設定値を入力し、左下の
Preview にチェックを入れて、
「Next」をクリックして次ステップへ進みます。
【設定値】
Range Looks: 1
Azimuth Looks: 4
Preview にチェックを入れると、以下の中間処理結果のテンポラリ画像が ENVI に
表示されます。
ファイル名
INTERF_out_dint
内容
軌道縞等の除去後のインターフェログラム画像
61
軌道縞等の除去後のインターフェログラム画像(擬似カラー付与)
3.3
Adaptive Filter and Coherence Generation
【操作】
1.
Adaptive Filter and Coherence Generation
コヒーレンス画像作成と干渉画
像のフィルタリングのステップです。パラメータはデフォルトの「Goldstein」
のまま「Next」をクリックして次のステップへ進みます。
Preview にチェックを入れると、以下の中間処理結果のテンポラリ画像が ENVI に
表示されます。
ファイル名
内容
INTERF_out_cc
コヒーレンス画像
INTERF_out_fint
ノイズ除去後のインターフェログラム画像
コヒーレンス画像
62
ノイズ除去後のインターフェログラム(疑似カラー)
3.4
Phase Unwrapping
【操作】
1.
Phase Unwrapping
フェーズアンラッピング処理のステップです。設定値は
デフォルトのまま、「Next」をクリックして次のステップへ進みます。
【設定値】
Unwrapping Method Type: Minimum Cost Flow
Unwrapping Decomposition Level: 1
Unwrapping Coherence Threshold: 0.2
以下の中間処理結果のテンポラリ画像が ENVI に表示されます。
ファイル名
INTERF_out_upha
内容
フェーズアンラップ画像
フェーズアンラップ画像(疑似カラー)
63
3.5
GCP Selection
【操作】
1. GCP Selection
Refinement and Re-flattening のステップで適用する
Refienement GCP ファイルを作成します。ダイアログの双眼鏡アイコンをクリ
ックします。
2.
Generate Ground Control Points ダイアログが開きます。ファイル選択は以下の
設定値を Browse から選択して「Next」をクリックします。
【設定値】
Input file:
INTERF_out_fint
DEM file:
srtm25_dem
Reference file:
INTERF_out _cc
64
3.
レイヤーマネージャの、「INTERF_out_cc」を右クリックし、Change Color
Table → Rainbow を選択してください。
4.
「INTERF_out_fint」レイヤーを選択し、
透過のスライダ
ーでレインボーカラーのコヒーレンス画像が見えるように設定してください。
5.
コヒーレンスが高く(赤く透ける箇所)、位相情報が安定(フリンジを越えず
ある程度値が一定な箇所)していて変動がなさそうな場所をポイントとして設
定します。ポイントを設定する際は、左マウスボタンで画像内の任意の場所を
クリックしてください。以下の画面のように、3~5 点程度とります。
65
6.
ポイントが取り終わりましたら、Generate Ground Control Points ダイアログ
に戻ります。Export タブで Output XML File に任意のファイル名を設定でき
ます。「Finish」ボタンをクリックしてください。
7.
ワークフローに戻り、Refinement GCP File に今作成したファイル名が入力さ
れていることを確認して「Next」をクリックします。
66
3.6
Refinement and Re-flattening
【操作】
Refinement and Re-flattening のステップです。設定値を確認して「Next」を
クリックして次へ進みます。
【設定値】
Refinement Method: Polynomial Refinement
Refinement Res Phase Poly Degree: 3
Coregistration With DEM: False
Preview にチェックを入れると、以下の中間処理結果のテンポラリ画像が ENVI に
表示されます。
ファイル名
内容
INTERF_out_reflat_fint
リフラットしたノイズ除去干渉画像
INTERF_out_reflat_upha
リフラットしたフェーズアンラップ画像
67
リフラットしたノイズ除去インターフェログラム画像(擬似カラー)
リフラットしたフェーズアンラップ画像(擬似カラー)
68
3.7
Phase to Displacement Conversion and Geocoding
【操作】
1.
ジオコーディングした変動マップデータを作成します。設定値を確認して
「Next」をクリックして次へ進みます。Principal Parameters はデフォルトの
まま、Geocoding Parameters の Relax Interpolation と Dummy Removal を
「True」にして「Next」をクリックします。
【設定値】
Product Coherence Threshold: 0.2
69
Relax Interpolation: True
Dummy Removal: True
X Dimension (m): 25(任意)
Y Dimension (m): 25(任意)
垂直方向やスロープ方向の変動結果を出力する場合は Vertical Displacement、
Slope Displacement を True にしてください。
3.8
Output
【操作】
1.
作成した変動マップをファイルに出力します。Output Root Name に任意のベ
ースファイル名を入力し「Finish」をクリックします。Delete Temporary Files
にチェックを入れると、Preview 用に作成した一時ファイルを削除します。
2.
処理が完了すると出力した変動マップファイルと変動マップのラスタカラース
ライス画像が ENVI に表示されます。結果を確認してください。
70
【説明】
各ピクセルの値は、2 時期の画像間の SAR の視線方向の変動(m)となります。
71
Appendix
SARscape の対応センサとデータプロダクト
ALOS PALSAR(JAXA)
Fine Mode, Single Polarization:
FBS level 1.0 Raw observation data
FBS level 1.1 Single Look Complex
FBS15G level 1.5 Geocoded
FBS15R level 1.5 Georeferenced
Fine Mode, Dual Polarization:
FBD level 1.0 Raw observation data
FBD level 1.1 Single Look Complex
FBD15G level 1.5 Geocoded
FBD15R level 1.5 Georeferenced
Polarimetric Mode, Full Polarization:
PLR level 1.0 Raw observation data
PLR level 1.1 Single Look Complex
PLR15G level 1.5 Geocoded
PLR15R level 1.5 Georeferenced
ScanSAR Mode, Single Polarization:
WB115G level 1.5 Geocoded
WB115R level 1.5 Georeferenced
ALOS PALSAR(ERSDAC)
Fine Mode, Single Polarization:
FBS level 1.0 Raw observation data
FBS level 1.1 Single Look Complex (slant range)
SGF level 1.5 Georeferenced
Fine Mode, Dual Polarization:
FBD level 1.0 Raw observation data
FBD level 1.1 Single Look Complex (slant range)
PSG level 4.1 Polarization Systematic Geocoded
(multi-look slant range polarimetric combination)
SGP level 4.1 SAR Georeference Polarization
72
(geocoded polarimetric combination)
Polarimetric Mode, Full Polarization:
PLR level 1.0 Raw observation data
PLR level 1.1 Single Look Complex (slant range)
PSG level 4.1 Polarization Systematic Geocoded
(multi-look Slant Range Polarimetric Combination)
SGP level 4.1 SAR Georeference Polarization
(geocoded polarimetric combination)
ScanSAR Mode, Single Polarization:
SCN level 4.2 Geocoded
ALOS2 PALSAR2
Fine Mode, Single Polarization:
FBS level 1.1 Single Look Complex
FBS level 1.5 Geocoded
FBS level 1.5 Georeferenced
Fine Mode, Dual Polarization:
FBD level 1.1 Single Look Complex
FBD level 1.5 Geocoded
FBD level 1.5 Georeferenced
Polarimetric Mode, Full Polarization:
PLR level 1.1 Single Look Complex
PLR level 1.5 Geocoded
PLR level 1.5 Georeferenced
Wide Mode:
WBS level 1.1 Single Look Complex, Single Polarization
WBD level 1.1 Single Look Complex, Dual Polarization
WB level 1.5 Geocoded
WB level 1.5 Georeferenced
COSMO-SkyMed
Single Polarization:
Stripmap Mode (HIMAGE), single or dual polarization:
SCS
DGM
GEC
level 1a
level 1b
level 1c
Single Look Complex slant range
Multi-look ground range
Geocoded Ellipsoid Corrected
73
GTC
level 1d
Geocoded and Terrain Corrected using a DEM
Spotlight Mode:
SCS, DGM, GEC, GTC
ScanSAR Mode (WIDE):
SCS, DGM, GEC, GTC
ScanSAR Mode (HUGE):
SCS, DGM, GEC, GTC
Dual Polarization:
Stripmap Mode (PINGPONG):
SCS, DGM, GEC, GTC
ENVISAT ASAR
Image Mode Single Polarization Mode:
ASA_IM_0P level 0
ASA_IMS_1P level 1b Single Look Complex (high resolution, slant range)
ASA_IMP_1P level 1b Precision (high resolution, multi-look ground range)
ASA_IMM_1P level 1b Medium-resolution (ground range)
Alternating Polarization Mode:
ASA_AP_0P level 0
ASA_APS_1P level 1b Single Look Complex (high resolution, slant range)
ASA_APP_1P level 1b Precision (high resolution, multi-look ground range)
ASA_APM_1P level 1b Medium-resolution (ground range)
Global Monitoring Mode:
ASA_GM1_1P level 1b Multi-look ground range
Wide Swath Mode:
ASA_WS_0P level 0
ASA_WSM_1P level 1b Wide Swath Standard Image
(multi-look ground range)
ASA_WSS_1P level 1b Wide Swath Single Look Complex (slant range)
DORIS
DEOS
XCA
74
ERS-1/2 SAR
CEOS format (default):
ERS.SAR.RAW / SAR_IM_0P level 0
ERS.SAR.SLC / SAR_IMS_1P level 1b Single Look Complex (slant range)
ERS.SAR.PRI / SAR_IMP_1P level 1b Precision (multi-look ground range)
Standard ESA-ENVISAT format:
ERS.SAR.SLC / SAR_IMS_1P level 1b Single Look Complex (slant range)
NRSC (National Remote Sensing Centre – India) format:
ERS.SAR.SLC / SAR_IMS_1P level 1b Single Look Complex (slant range)
Bangkok (Thailand) station format:
ERS.SAR.PRI / SAR_IMP_1P level 1b Precision (multi-look ground range)
PRC
DEOS
JERS-1 SAR
CEOS format :
JERS_1_RAW level 0
JERS_1_SLC level 1 Single Look Complex (slant range)
KOMPSAT-5 (Preliminary)
RADARSAT-1
Fine Beam Mode (F1 – F5):
SLC level 1 Single Look Complex (slant range)
SGF level 1 Path Image (multi-look ground range)
Standard Beam Mode (S1 – S7):
SLC level 1 Single Look Complex (slant range)
SGF level 1 Path Image (multi-look ground range)
Wide Beam Mode (W1 – W3):
SLC level 1 Single Look Complex (slant range)
SGF level 1 Path Image (multi-look ground range)
Extended High Beam Mode (EH1 – EH6):
75
SLC level 1 Single Look Complex (slant range)
SGF level 1 Path Image (multi-look ground range)
Extended Low Beam Mode (EL1):
SLC level 1 Single Look Complex (slant range)
SGF level 1 Path Image (multi-look ground range)
ScanSAR Mode (SNA, SNB / SWA, SWB):
SCN level 1 ScanSAR Narrow: Path Image (multi-look ground range)
SCW level 1 ScanSAR Wide: Path Image (multi-look ground range)
RADARSAT-2
Single Polarization:
SLC Single Look Complex (slant range)
SGF Path Image (multi-look ground range fine)
SGC Path Image (multi-look ground range coarse)
SGX Path Image Plus (multi-look ground range extra fine)
SSG Map Image (systematic geocorrected)
SPG Precision Map Image (precision geocorrected with GCPs)
SCN ScanSAR Narrow Beam: Path Image (multi-look ground range)
SCW ScanSAR Wide Beam: Path Image (multi-look ground range)
Dual Polarization:
SLC Single Look Complex (slant range)
SGF Path Image (multi-look ground range fine)
SGC Path Image (multi-look ground range coarse)
SGX Path Image Plus (multi-look ground range extra fine)
SSG Map Image (systematic ge-corrected)
SPG Precision Map Image (precision geocorrected with GCPs)
SCN ScanSAR Narrow Beam: Path Image (multi-look ground range)
SCW ScanSAR Wide Beam: Path Image (multi-look ground range)
Full Polarization:
SLC Single Look Complex (slant range)
SGX Path Image Plus (multi-look ground range extra fine)
SSG Map Image (systematic geocorrected)
SPG Precision Map Image (precision geocorrected with GCPs)
RISAT-1
Coarse Resolution ScanSAR Mode (CRS):
Multi-Look, Ground Range
Medium Resolution ScanSAR Mode (MRS):
76
Multi-Look, Ground Range
Fine Resolution Mode-1 (FRS-1):
Single-Look Complex, Slant Range
Multi-Look, Ground Range
SAR-Lupe
SLC Single Look Complex (slant range)
Sentinel-1
Stripmap Mode (SM):
SLC Slant Range, Single-Look, Complex Products
GRD Ground Range, Multi-Look, Detected Products
Interferometric Wide Swath Mode (IW):
SLC Slant Range, Single-Look, Complex Products
GRD Ground Range, Multi-Look, Detected Products
Extra-Wide Swath Mode (EW):
SLC Slant Range, Single-Look, Complex Products
GRD Ground Range, Multi-Look, Detected Products
TerraSAR-X and Tandem-X
Stripmap Mode (SM), Single or Dual or Quad Polarization:
SSC Single Look Slant Range Complex
MGD Multi Look Ground Range Detected
GEC Geocoded Ellipsoid Corrected
EEC Enhanced Ellipsoid Corrected
High Resolution Spotlight Mode (HS), Single or Dual or Quad Polarization:
SSC, MGD, GEC, EEC
Spotlight Mode (SL), Single or Dual or Quad Polarization:
SSC, MGD, GEC, EEC
ScanSAR Mode (SC):
MGD, GEC, EEC
77
Airborne Sensors
OrbiSAR-1
OrbiSAR-1 (X- and P-band) Slant Range multi-look Intensity image
TELAER
TELAER (X- band) Slant Range multi-look Intensity image
E-SAR
E-SAR (X-, C-, L- and P-band) Single Look Complex image
F-SAR
F-SAR (X-, C-, S-, L- and P-band) Single Look Complex image
78