今月の一枚 - 一宮地場産業ファッションデザインセンター

テキスタイル&ファッション
Vol.22 No.10 (2006.1.)
「今月の一枚」
項 目
緊急特集
頁
165
特集2
尾州の知と技
連載
他産地
新聞閲覧
新聞閲覧2
タイトル・内容
染色整理を守れ!相次ぐ蹉跌、廃業に高まる危機感
フランス政府から2度目の勲章
「フランス中にファッション革新の波を」
2月7∼9日、第3回ジャパンヤーンフェア開催
FDC匠ネットワークメンバー紹介⑧
縄文以来の伊達心16
特別企画 繊維産業文化継承の現状①
編集長が選ぶこのニュース
05年尾州産地この一年2
研究報告
修飾酵素による綿の精錬
177
こんな特許が
特許出願公開広報目次(平成17年10月分)
182
特集1
166
168
171
172
173
175
176
「伊奴神社」
今年の干支は戌。名古屋・西区の伊奴神社は初詣で大賑わい。災難除けの神社として地元では有
名。御祭神のお一人・伊奴姫神は安産子育の神様として崇拝されている。尾州産地の再生を祈願
してフォーカス。
(編集部)
通巻22号
テキスタイル&ファッション
Vol.22 No.10 (2006.1.)
■ 緊急特集
緊急特集・染色整理を守れ!
相次ぐ蹉跌、廃業に高まる危機感
年明けの5日、獣毛などの起毛織物の加工を得手とする染色整理の藤井整絨(一宮市)とその子
会社の藤井若宮整絨(泉大津市)が民事再生法を申請したことが明らかになった。昨年末には茶建
興業(一宮市)が同様に民事再生法を申請しているほか、糸染め・織物・染色整理一貫の片岡毛織
(津島市)が今年 3 月末での廃業を決めている。言うまでもなく染色整理加工は織物生産の最終加
工であり、その相次ぐ蹉跌、廃業は分業で成り立つ尾州産地の崩壊にも繋がりかねない事態であり、
早急な対策が望まれる。
重油などコストアップの転嫁を要望
藤井整絨は尾州産地の中堅染色整理企業
また昨年末には尾州産地創業の父といわ
で、獣毛をはじめウールの起毛加工などに定
る片岡春吉が1898年(明治31年)に創
評があった。99年6月期には年商16億7
業した片岡毛織が今年3月末で自主廃業す
000万円を計上していたが、市況不振や海
ることを明らかにしている。同社は糸染め、
外生産との競合が激しく,採算を悪化させて
織物製造、染色整理を手掛ける一貫工場で、
いた。同社の再生法申請に伴い子会社の藤井
ピークには年商65億円を計上していたが、
若宮整絨も同時に再生法を申請したが、信用
2005年2月には18億円までに落とし
交換所によると負債額はそれぞれ27億円、
ていた。受注の減少に単価の下落、重油の値
26億円で、併せて53億円にのぼっている。
上げが経営を追い詰め、廃業を決意するに至
った。
これより先、昨年末には1906年(明治
39年)創業の老舗茶建興業が民事再生法を
相次ぐ染色整理の蹉跌、廃業を尾州産地は
申請していた。1996年12月期には14
「重大事態」と受け止めており、分業から成
億7900万円の売上を計上していたが、国
り立つ尾州産地の崩壊を懸念する声も一部
内繊維産業の衰退で減収基調となり、200
で出ている。こうした緊急事態に対して産地
4年12月期には売上を7億4000万円
を守るため、アパレル、服地問屋に対して「最
まで落としていた。遊休土地の売却などで利
低限度、コストアップの値上げを受け入れて
益を確保していたが、昨年来の燃料費の高騰
欲しい」という声が高まっている。
で、ボイラー関連費用がかさんで、自力再建
なお、リサーチセンターによると、尾州産
を断念した。
地の染色整理業は1993年には併せて1
この両社は民事再生法の適用申請で再生
730億2300万円の売上を計上してい
をはかるが、染色整理は織物の最終工程を担
たが、04年には428億8900万円に減
当する不可欠な業態であり、各社が得意技を
少しており、04年度の業界としての収支は
生かして産地を支えてきた。過去には69社
黒字15億2000万円,赤字15億710
(1989年)あった染色整理業だが、04
0万円で、水面下の状態にある。
年には34社に減少しており、得意加工で
問題なのは業者数が半減したにもかかわ
「多品種」、「少量生産」に対応してきた産地
らず残存者利益が生まれていない点で、わが
の物づくりシステムが崩壊する恐れもある。
国の最大の毛織物産地を守る意味でも抜本
再生へ向けて行政を含めて産地あげての支
的な対策が求められている。
援が望まれる。
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テキスタイル&ファッション
■ 特集1
Vol.22 No.10 (2006.1.)
「初春特別インタビュー」
フランス政府から2度目の勲章、ネリーロディさん、おめでとう!
「フランス中にファッション革新の波を」
インタビュー
T&F編集長
山下征彦
FDCが提携しているフランス・パリのファッション情報企業・ネリーロディ社の社長ネリーロ
ディさんがフランス政府からメダイユ・ドュ・メリット勲章を受章した。98年のレジオン・ドヌ
ール勲章に続いての受章だ。世界の繊維・ファッション業界発展への貢献とフランス国政府外郭団
体の理事として同国ファッション産業の成長、発展に寄与した ご褒美 だ。早速、インタビュー
を試みた。
済発展に貢献したということでしょうね。
―おめでとうございます。
―国の経済発展への貢献とは、具体的には?
ありがとう。FDCを始め日本の繊維・フ
はい。政府の外郭団体であるIFTH(フ
ァッション業界の支えもあってのことです。
これを励みにして、さらに頑張ります。日本
ランスにおけるテキスタイルとガーメント
の皆様、今後もご支援よろしくお願い申上げ
の機構)の理事の一員として、ファッション
ます。
産業のクリエーションと技術革新の促進活
―始めに、今回の受章理由についてお聞かせ
動が認められたのだと思います。
下さい。
―女性の受章は多いのですか。
残念ながら、まだ少ないのが現状です。
企業の最高責任者としての働きや国の経
クリエーションとイノベーション
―フランスのファッション産業の現状をお
私たちの狙いです。そのために、みんなボラ
聞かせ下さい。
ンティアで活動に携わっています。IFTH
には8個の分科会がありますが、それぞれが
日本もそうだと思いますが、中国製品に押
されて厳しい状況にあります。ですからクリ
技術革新を進めています。
エーションと技術面でのイノベーションを
―例えば?
さらに続け、高度化していかねばなりません。
3次元ニットや不織布技術などです。
国中に革新の波を巻き起こそうというのが、
伝統と近未来の融合に魅力
―ネリーさんは、日本とのつながりが長いで
を手伝っていますが、私にとって日本は思い
すね。
入れの深い特別な国なのです。
―どこが特別なのですか。ともすれば、我々
個人的に日本文化に魅了されています。会
日本人はその良い点を忘れがちです。
社を立ち上げたのは20年前ですが、それ以
前からのお付き合いです。30年前からにな
日本は伝統と近未来の融合といいますか、
るかしら。タイやポルトガルでも政府の仕事
伝統と先端技術を見事にミックスさせてい
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テキスタイル&ファッション
Vol.22 No.10 (2006.1.)
―今後の抱負をお聞かせ下さい。
ます。そこに力強さを感じています。伝統は
一度失われてしまうと取り戻すことはでき
亡くなった母は上院議員を務め、彼女も勲
ません。失ってはならないものです。
章を受けています。私にとって母はあこがれ
―ありがとうございます。伝統と先端技術の
の対象ですが、自分が母のように受章すると
融合は尾州産地が生きる、ひとつの方向だと
は思ってもいませんでした。それだけに誇り
いうことに同感します。
に思っています。大好きなモードとテキスタ
イルの仕事にこれまで以上に力を注ぎたい
特に伝統はその国、その地方のオリジナル
と思います。決意を新たにしております。
ですからね。どこにでもあるものではありま
せん。
中国に負けない商品で雇用拡大
―叙勲のインタビューの中で、この質問は不
ことです。この前の暴動は若者に仕事が無い
謹慎かもしれません。最後に最近、フランス
ことも大きな要因の一つなのです。今、地中
で起きた若者の暴動はファッションイメー
海沿岸地帯は雇用の真空地帯になっていま
ジの強いフランスとは馴染まないと思いま
す。そこで、雇用を増やすためのプロジェク
す。
トも進めています。
―見通しは?
いいえ、不謹慎な質問ではありません。そ
の通りで、懸念しています。問題は若者の雇
最初は少ないかもしれませんが、効果は少
用問題です。私たちにできることは、中国に
しずつ上がってくるものだと思っています。
負けない製品を作ることで、雇用を生み出す
―長時間、ありがとうございました。
≪インタビューを終えて≫
話は叙勲から、フランスのファッション業
いる」と話していたが、まさにここに尾州産
界の現状、お母さんのこと、若者の暴動のこ
地の方向が明示されているように思えた。自
となど、多岐に渡った。まず感じたのはネリ
国の若者の暴動に関して「中国に負けない製
ーさんは、ファッションという立場にいなが
品を作り、雇用を生み出す」と話したが、同
ら、世の中のすべてに感触を張り巡らせてい
じ環境に置かれている日本のファッション
る点だ。フランス産業の今後、中国製品の氾
業界で「雇用創造」まで考える企業人は何人
濫、若者の暴動などにそれぞれ一貫した明快
いるのだろうか、寂しさを覚えた。また「一
な回答を持っていた。ファッションが文化産
度失われた文化は取り戻せない」との発言は
業なる所以であろう。日本への評価の中で
尾州産地に「産業文化伝承」を訴えているよ
「伝統と先端技術の融合に力強さを感じて
うに感じた。
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テキスタイル&ファッション
Vol.22 No.10 (2006.1.)
■ 特集
2月7∼9日、第3回ジャパンヤーンフェア開催
リネアピウなど新規6社を含め41社が出展
(財)一宮地場産業ファッションデザインセンター(FDC)は、2006年2月7日から3日
間、第3回ジャパンヤーンフェア(JY)をFDCで開催する。参加企業は計41社でこのうち6
社が新規参加となっている。初めての海外企業としてリネアピウ(ジャパン社)が参加する。
JYは合繊メーカー、紡績、撚糸、糸商な
のキーワードが糸からの差別化になってい
ど糸関係が最新の開発糸やトレンド糸を展
る」としている。JYがアパレルと産地のコ
示して、尾州産地をはじめ全国の織物企業、
ラボレーションで「他社には真似できない商
ニッターの商品企画便宜を図り、契約活動を
品作り」のスタートの役割を果たしていると
するもので、今回で3回目。来場者は初回の
いうわけ。
2004年が4,065名、二回目の200
第3回展には41社が参加するが、新しい
5年も3,000名を超える3,045名で、
出展企業は金銀糸などの泉工業(城陽市=住
当初尾州産地対象のイベントだったが、全国
所は申し込み書による)、水溶性など特殊糸
産地からの来場が多く、わずか2回目で「全
のクラレトレーディング(大阪市)、紡績絣
国規模」に拡大した。
糸などの佐藤繊維(寒河江市)、素材の持ち
来場者は産地関係者だけでなく、アパレル
味を引き出した糸などの都築紡績(大阪市)、
や一部小売店も含まれており、今回も3,0
総合技術の東洋紡績(名古屋市)、イタリア・
00名以上の来場が見込まれている。過去2
フィレンツェを本社とするリネアピウジャ
回の盛況の背景について主催者は「もの作り
パン社(東京都)の6社。
企業名
P R
(有)青山繊維加工
和紙糸、モール、リリヤーンなど様々な糸を企画、製造、販売している会社です。
旭紡績(株)
泉工業(株)
伊高撚糸(株)
王子ファイバー
(株)
大津毛織(株)
オーミケンシ(株)
小笠原(株)
設備(オートコロ、ムラ、コンパクト)による差別化と原綿による差別化により多種
多様な糸を展示PRしたいと思います。
京都の伝統産業である「金銀糸」のメーカーです。製造から販売まで行える一貫
企業の強みを活かし、オリジナリティ溢れる製品を提供し続けています。
モールのことなら伊高におまかせ!−豊富な種類の在庫を取り揃え、品質第一・
納期迅速・価格はリーズナブルと3拍子揃っています。
天然植物性紙糸繊維「OJO+」。水にも強いマニラ麻100%の紙から創り出す
「第三の繊維」。独特のハリ、コシとエコロジー性が世界中からの注目を集めてい
ます。
獣毛混中心の太番手から細番手までの高付加価値紡毛糸を上海と日本で生産し
ています。
レーヨンに天然由来の機能素材を付加(ねり込み)した各種素材の提案。レーヨン
にこだわった開発原糸の紹介を通じて、テキスタイルとの取り組みを深めたい。
高品質なジャパンメイドの商品づくりに貢献できるよう、原料開発・機能素材開発・
ファンシー開発の3点から、当社オリジナル商品をご提案いたします。
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テキスタイル&ファッション
カワボウ繊維(株)
協和(株)
倉敷紡績(株)
クラレトレーディング
(株)
近藤(株)
佐藤繊維(株)
Vol.22 No.10 (2006.1.)
梳毛(長×短)複合紡績による、保温素材、涼感快適素材、ミルクタンパク混潤い素
材、及びリネン、ラミー混等で高付加価値の差別化商品を提案いたします。
"KYOTOTEX"ブランドのメタリックヤーン(金銀糸)の製造販売。香港や上海にも販
売拠点を有し、多様なニーズに対応できます。
クラボウ独自のオゾン加工防縮ウールをベースに、これまでウールが踏み込めてい
ない領域の用途開発まで提案致します。
クラレ独自の水溶性糸と天然繊維等の特殊撚糸によって誕生した「セルナーレ」を初
公開。軽さ、柔らかさ、膨らみ、通気に加え、天然繊維100%で驚きのストレッチが大
きな話題。
KONDOのファンシーヤーンならではのオリジナリティ、ほかのどこにもない独自性
が光る商品。企画力、創造力、開発力がそれを可能に。
横編ニット原糸をメインに、各種梳毛糸からアルパカ、モヘア獣毛使いの紡績ファンシ
ーヤーン、紡績カスリ染糸等を製造販売しております。
モヘア等の特殊原料を紡績したファンシーヤーンのバラエティーは世界一を誇ってい
三幸毛糸紡績(株)
ます。自社開発の紡績及び染色技術を駆使し、新しいシーズンのトレンド糸を供給さ
せて頂きます。
サンファインウール
(株)
新内外綿(株)
第一紡績(株)
(株)大廣
①ウールの品質と色にこだわった、トスカーナカラー・アドリアーナカラーを提案しま
す。②シルク・カシミヤ・極細ウール等のミックスによる高級細番混紡糸を提案しま
す。
形状ミックス、色状ミックス、素材ミックスなどファンシーな紡績技術を基盤に、市場の
変化に対応した開発力と、はやいやーんシステムであらゆるニーズにお応えします。
他社にない第一紡績オリジナルの特殊紡績機を駆使した差別化素材、並びに超長綿
やウール等、高級感のある素材を出展。その風合感の違いをアピール。
チオクリン30/2血液サラサラの商品。大豆蛋白 30/2中心でラムタッチ他前年度の好
評ファンシーと新素材の提案
使い勝手の良い弊社カラーカード展開商品とイタリア・フィルプッチ社の日本エージェ
(株)滝善
ントとして、カラーBOOK を用意し、糸からセーターまでの取り組みを希望しておりま
す。
(株)田幸
龍田紡績(株)
都築紡績(株)
独創的技術による、モヘアタムヤーン・ストレッチヤーン等の紡績ファンシーヤーン。
原料特殊加工による後染め・篠絣染め効果による色変化・形状変化糸。
今年のテーマは、「Neat で行こう。」です。海外品では出来ない、端正でキチンとした
味わいある差別化素材を提案します。是非ご覧下さい。
伝統と創意のコラボレーション。素材の持ち味を引き出す紡績技術。新機軸な視点か
らのビジネスを提案し続けていきます。
本物だけを愛するヨーロッパで熟成されたリネン。その中でも第一級品と折り紙を付
帝国繊維(株)
けられたアイリッシュリネンの優雅で気品溢れる光沢と爽やかな涼感を豊かにお届け
致します。
日本クォリティはもとより、イタリー糸にも負けない感性豊かな商品を展開しています。
東亜紡織(株)
中国国内販売、他国への輸出等も行い、世界市場を視野に入れた展開も行っていま
す。
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テキスタイル&ファッション
Vol.22 No.10 (2006.1.)
東洋紡の複合技術とその開発技術によって創られた特化糸を展示します。日本
東洋紡績(株)
で独自の進化を遂げた複合糸の世界を、世界に発信するMADE IN JAPANヤ
ーンです。
トライスピナーやリリーヤーン機などの紡績意匠機を駆使したさまざまな形状のフ
東和毛織(株)
ァンシーヤーンを提案します。より付加価値の高い差別化商品の開発にお役立て
下さい。
全ての活動を通して人々の生活心情をより豊にしていく事を企業理念として、麻
トスコ(株)
原草の品種改良・栽培から製品作りまで一貫して行う世界唯一の麻の総合一貫メ
ーカーです。
豊島(株)
豊島紡績(株)
日清紡績(株)
日本毛織(株)
(株)長谷川商店
松村(株)
上質な素材を使っての長繊維・短繊維との組み合わせ、テンセル、綿麻、レーヨ
ン、ファインウール。Yarn networker−TOYOSHIMA
エコロジー新素材、開繊製法でつくられた竹繊維を中心に、混紡ストレート糸、トラ
イスピンファンシーヤーン、ロービング糸を提案致します。
差別化糸について出来るだけ判り易く、生地・製品でのプレゼンを実施。日本国
内で且つ当社にとって生産優位な素材をピックアップ。
国内、海外に生産基盤を持つ当社は梳毛糸、紡毛糸の色糸、生地糸のストックサ
ービスと常に新たな商品開発で幅広く皆様のご要望にお応え致します。
シルクヤーンのストック販売を行う。素材からの加工機能を具備して「シルクならH
ASEGAWA」のイメージ及び存在感を国内、海外共に高めている。
松村(株)は、生糸・絹撚糸・柞蚕糸・絹紡糸・絹織物・和装縫製・きもの・衣料・ネ
クタイ・リビング関連製品等を取扱う繊維原料・繊維製品製造卸です。
開繊タイプの竹繊維 純竹
モリリン(株)
美濃和紙を原料としたペーパーヤーン 禅
晒しの超長綿原料と高級素材原料とのブレンド糸 トルファンロード
原綿先
ハイブリッド
セルロース プロビスコース
山田商店(株)
ユニチカテキスタイ
ル(株)
リネアピウ・グルー
プ・ジャパン(株)
ウール・綿・エステル・アクリル等を組み合わせた意匠糸を、昨今の多品種・少量・
短納期を実現する為に、常時100点余をストックし、対応致しております。
①開繊型天然竹繊維「藍竹」100%及び混紡シリーズ。②ノンフィブリルリヨセル
シリーズ(原料での特殊加工)。③吸湿発熱ウール「バイオマックス」。TEC 対応ウ
ール他
イタリア・フィレンツェ本社を中心に世界各国に販売拠点を有する紡績会社です。
トレンド感溢れる類い稀な発色の良さを特徴とし、より美しく斬新な素材を開発し
続けています。
一般金銀糸は勿論の事新発想のラメ糸としてお客様のニーズに沿った肌に優し
(株)麗光
い安全安心なエコテックス規格クラスⅠ取得のラメセッションです。注目!マットタ
イプのご提案!
《特別出展》
プルミエール・ヴィ
年2回、2月と9月にパリで開催されるヤーン/ファイバー/テキスタイル/テキ
ジョン/エクスポフ
スタイルデッサンの関連メーカーが一堂に会す、世界中の繊維業界のプロたち必
ィル/インディゴ
見の専門見本市。
170
テキスタイル&ファッション
■尾州の知と技
Vol.22 No.10 (2006.1.)
「FDC匠ネットワーク」メンバー紹介⑧
FDC匠ネットワークメンバーに聞く
―――――――――質問します―――――――――
質問1:職歴は?
質問2:主に携わった業務は?
質問4:貴方が伝承しているもの(こと)は?
質問3:尾州産地の現状認識は?
質問5:その伝承に必要なもの(こと)は?
複合素材のテクニック
紳士織物企画の匠・渥美充和さん(所属・アツミテキスタイル工房)
質問1:1958年
郡上紡績入社
1967年
岩仲毛織婦人服地部企画室(∼91年10月)
1992年
アツミテキスタイル工房設立
質問2:婦人服地の織物設計。70年以降は素材開発。
:工房設立後は、メーカー契約で素材開発及び企画者の指導育成。
:大手コンバーターの社員教育講師。
質問3:開発に資金を投入しない傾向にある。その理由は①リプロ競争、価格競争などで、コンバ
ーターに振り回されているためだ。そのため各社の個性が希薄になっている。尾州産地は
開発力、商品力のある
企業集団
になる知恵が欲しい。
質問4:複合織物の作り方。(各種素材の物性、特徴を脳裏に叩き込む)
:織物設計におけるスピード性、正確度の高い分析テクニック。
質問5:育成にかける企業の投資力、企画者のやる気。
染色まで含めた撚糸加工
撚糸の匠・冨坂浩三さん(所属・豊田撚糸)
質問1:1965年
鐘紡大垣工場で毛織物規格、商品開発(∼90年)
1991年
鐘紡本部に糸商品開発、販売促進(∼2000年)
2001年
豊田撚糸、開発営業(現在に至る)
質問2:①鐘紡大垣では梳毛、紡毛、T・W の紳士、婦人物の企画、開発
②鐘紡本部では新規紡績糸とフィラメント交撚糸物の開発、販売促進
質問3:パイの減少に伴い産地の弱体化、人材の不足などが一層進展し、開発力と体力のない企業
は振り落とされる。生き残るには優れた企画提案力とクイックな生産対応がポイント。
質問4:主として定番糸(短紡、長紡、フィラメント)や特殊フィラメントを活用した、染色まで
を含めた撚糸加工での新規素材の開発。
質問5:①オールマイティな人材の育成②原料から製品までの縦の関係強化。
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テキスタイル&ファッション
Vol.22 No.10 (2006.1.)
■ 連載 縄文以来の伊達⑯
縮絨、弾力、耐久性に富んだ英国羊毛
ある有名な梳毛専門紡績が、「イタリアで
キシコ暖流に囲まれているので、英国の沿海
紡績された紡毛糸を、アパレルがいり用だから、
はドーバー海峡からスコットランド北部に
紡毛紡績に頼んでもらえないか」と糸見本をも
至るまで氷結することはない。そのために北
ってこられ、紡毛紡績に見せたのですが、「一
極圏の極寒気がメキシコ暖流側に温められ、
目見るなり、これは梳毛紡績糸とのことですが、
英国は常に濃霧に包まれ、極北の地にありな
梳毛糸でありながら、それは紡毛紡績に於ける
がら、春、秋、夏は言うに及ばず、冬季でも
様な種々の原料調合がされていたのでした。
多雨に恵まれる特異な現象に包まれると共
それにしても、この糸の毛は素晴らしい風合
に、気象条件によっては、冬季は北極より気
いをしている、何処の産地のどんな羊の毛だ
温の下がることもしばしばで、内陸では川も
ろう?」とのお尋ねでしたが、原料屋から見
湖も氷結します。五月でも氷雨に震え、八月
れば普通のメリノの毛で、ただ加工途中で毛が
でもストーブで暖をとる時もあり、雨の多い
傷められない為のOILINGの努力がされている
季節では、太陽の顔が見える日が月に2、3
ので、生産性のみを念頭において、毛を傷め放
回で、6月の一番良い季節でも、早朝は快晴
題、傷めている糸ばかりを見できた目には、生
でも午前10時頃には必ず、霧雨が降ってきま
き生きとした新鮮さを感じられたのだと思いま
す。こうした厳寒、且つ多雨と言う特異な自
す。豪州のメリノ羊毛のNO SORTING、NO GRADING
然環境下、英国の羊は古代より厳冬でも雪に
による量産方式は、世界最高権威のウールとして
くるまって生き抜いてきた。英国では既に新
創り上げられたのでしょうが、更に最近は用途
石器時代後半には牧畜羊がいたと言われ、英
により、毛足の長いメリノ、短いメリノ、嵩高
国羊毛は古代羊毛の風格を持ち、世界で最高
性のあるメリノも求められています。新し
に強靭な羊毛の一つで、非常に強い縮絨性弾
く英国のSHORT DOWN種とメリノ種との英国、
力性、CRIMPに恵まれ、耐久性に富み、他の
又豪州での交配が品種改良のために進められ
産地の羊毛に比べ毛玉の出来にくい特質に
ています。原料屋の四十年の経験からして、タスマ
恵まれている。(SHETLAND W00Lを除く)
ニア島やニュージーランド南島のメリノの様に多雨の
純粋種だけで約40種類がある。それぞれ独特
地域や飼われている羊はスケールの重なりが深く
の持ち味、特質を持って、二千年来の伝統の
なる等の羊の防水機能が縮絨力に連なって嵩
品種改良への執念の情熱によって2002年度
高性があります。同じ事が、カナディアン・
世界の総産毛量の1%に当る3700万Kg(オー
ウール、北米ロッキーのブルーフェイス、ア
クションにての販売数量)が生産された。英
ルゼンチンのチェビオットにも言えます。
国羊毛は古代羊毛の名残として繊度むらが
「英国羊毛」
大きく、色毛、KEMPの混入が多く、BURR、SEED
イギリスは北緯50∼60度に位置し、日本近辺
等の夾雑物の混入も多く、色は多少クリーミ
では樺太の北部からカムチャッカ半島と同
ーで豪州、ニュージーランドの羊毛に比して、
じ緯度に当たり、英国を取り巻く海は、本来
この点では大変評判の悪い毛であるが、製品
なら冬季は北極圏の苛酷な気象条件下、厚い
を作る上で、その著しい特質が如何に重要で
氷に閉ざされるべきであるが、幸いにしてメ
あるかを述べます。
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テキスタイル&ファッション
Vol.22 No.10 (2006.1.)
■ 他産地は今、特別企画①
繊維産業文化継承の現状
岡谷、駒ヶ根の養蚕・製糸業に見る
――先人の偉業に学び、明日を探る――
尾州地域新世紀産業振興委員会特別プロジェクト
≪趣旨≫
尾州地域は、現在、長期不況に苦吟しているが、規模は縮小しても今なお全国に冠たる毛織物の
産地であることに変りはない。苦境要因は経済構造の変化、為替の大幅な変動、グローバル化の進
行などに起因するが、これはなにも尾州産地に限定したことではない。
こうした事態のなかで、今、全国各地で産地形成・発展過程における先人の英知を検証し、それ
ぞれの地域で形成された産業に関する知的財産を集積し、産業文化を産業観光としての側面を持せ
つつ、次世代に継承していく動きが顕著である。
本委員会は特別プロジェクトを組み、隣県である長野県の駒ヶ根市、岡谷市の繊維産業の知的か
つ歴史的財産の集積実態を調査した。この両産地は過去、養蚕・製糸業が栄えたが、現在繊維は産
業としては破壊的打撃を受けている地域であり、その遺産を地域活性化に生かしつつ、産業文化の
継承に乗り出している。
調査は以下のメンバーが担当した。
専門家委員
瀬口哲夫(名古屋市立大学芸術工学部教授)
調査員
隅田克巳(名古屋市立大学学術研究会)
学識者
山下征彦(尾州テキスタイルカレッジ理事・専任講師)
委員
尾関賢二(一宮繊維卸団体連合会専務理事)
事務局
栗山敦司(協同組合一宮繊維卸センター課長)
調査実施日平成17年10月4日∼5日、文責山下征彦
※用語規定
1)生 糸 =通常の繭から作られた絹糸。繭1つからとれる繊維の量は約0.4㌘で、長さは約
1200㍍。
2)絹紡糸 =糸繰りできない屑繭を切り開いて、短繊維にしてから紡績した糸。
3)取引単位=俵(1俵60キロ㌘)
4)標準番手=28中(繭約10個分の糸、細さは約28デニール)
1、明治、大正、昭和初期における養蚕・製糸業
明治、大正、昭和初期にかけて(戦後の一
時期も含む)繊維産業は外貨を稼ぐ重要産業
であり、時の政府は繊維製品を輸出戦略重要
産業として育成してきた。
生糸に関しては明治5年(1872年)に
官営の富岡製糸工場が建設され、本格的に工
場生産されるようになった。毛織物はそれか
ら遅れること6年、明治11年、同じく官営
の千住製絨所が設けられ、その前後から尾州
産地でも民間の毛織工場の設立が相次いだ。
尾州毛織物の先駆者といわれる山直毛織
(明治7年設立)、鈴鎌毛織(明治11年設
立)がその代表例である。
繊維産業は輸出を通して、わが国近代化に
大きく貢献したといわれるが、繊維すべてが
外貨獲得に貢献したわけではない。江戸時代
から明治時代へ、世の中が激しく動いた幕末
の慶応1年(1865年)のわが国の主要商
173
テキスタイル&ファッション
Vol.22 No.10 (2006.1.)
間、自立化した各藩は特産品である生糸を輸
出し、封建支配で疲弊した藩財政の立て直し
をはかり、新時代への対応を急いだのである。
品の貿易は以下の通りで、この段階では、外
貨を稼いだ(輸出)中心は生糸であり、毛織
物はそれを持ち出し(輸入)していた。
幕藩体制の崩壊が決定的となった慶応年
《1865年(慶応元年)の貿易》
(輸出)
輸出(1865年)
4%
3%
3%
11%
79%
生糸
茶
蚕卵紙
海産物
その他
輸出は、生糸が79.4%、それに蚕卵紙
の3.9%を加えると実に養蚕・生糸関係で
83.3%に達する。文字通り、生糸は近代
化のための外貨を稼いだといえる。
この時代の輸出品目は生糸以外農水産物で
あり、生糸は産業の近代化にも貢献した。
(輸入)
輸出(1865年)
6%
7%
6%
40%
毛織物
7%
綿織物
武器
34%
艦船
綿糸
その他
生糸は、慶応年間にすでに輸出産業として
確立していたのである。逆に毛織物は、まだ
国内に産業がなく、輸入に依存していたので
ある。記録では生糸の輸出は安政6年(18
輸入は毛織物が40.3%で1位である。
使途としては、まだ民間の洋装化はすすんで
おらず、軍服関係と一部高級官僚向けに限定
されていた。原料である羊毛がわが国には無
く、輸入依存となった。
綿織物も民需というより、官庁関係の制服
に使われたものと思われる。
(出所=「日本史総合図録」山川出版社)
65年)から開始されているが、当時尾州産
地は国内向け綿の尾州縞生産が盛んで、慶応
1年には国島武右衛門がその買い継ぎ問屋
を開業し、三八市の域内流通から域外販売に
乗り出した時期である。
生糸の輸出は明治、大正時代にも順調に拡
大し、昭和7年(1932年)にピークに達
し、2年後の同9年(1934年)に生産量
が最高を記録した。「昭和初期まで生糸がわ
が国経済を牽引した」といわれる査証である。
大正3年(1914年)、わが国は第一次
世界大戦に参戦するが、その前年の同2年
(1913年)の貿易においても生糸は最重
要輸出アイテムであった。約30%は生糸で
占められており、大戦遂行のための物資輸入
の資本として貢献した。
174
テキスタイル&ファッション
■
新聞閲覧
Vol.22 No.10 (2006.1.)
編集長が選ぶこのニュース
産地横断中小合同展に存在感
中小規模の産地合同展の存在感が増して
する素材開発テーマを掲げ、統一感を持った
いる。近畿経済産業局の認可を得て03年に
素材提案で、来場者にアピールする。昨年末
発足した織物協同組合ジャクテックが主催
に行われた06∼07秋冬展には18社が
する展示会や産地有志企業が結集した「テキ
参加したが、出展各社は、先染め糸をさらに
スタイルネットワーク(TN)・東京展」は
オーバーダイした原糸を使ったり、織り編み
産地の枠を超えたテキスタイルメーカーが
素材を製品段階で洗い加工して提案した。
テキスタイルネットワーク(TN)展は異
揃い注目を集めている。
なる産地の合同展としては草分け的存在だ
(
「繊研新聞」
)
≪コメント≫
が、06∼07秋冬展には15社が参加した。
尾州産地から参加している梶浦はカシミヤ、
これらの最大の特徴は短繊維から長繊維
まで様々な素材が出揃い、幅広い提案ができ
アルパカ、タスマニアウールなどを使ったウ
る点だ。素材も綿、ウール、絹から化合繊の
ール・獣毛混複合やウールシルク複合などを
スパン、フィラメントまで揃い、アパレルの
提案した。
尾州産地ではFDC主催の東京展が年2
商品企画、仕入れ担当者にとっては、1会場
で
すべて
回開催されているが、他産地との
を閲覧できることになる。
共演
も
考慮の余地があろう。
ジャクテックの展示会は参加企業が共通
片岡毛織が3月末で廃業
尾州産地毛織物の草分け的存在である染
現在は受注残を消化しているが、今でもア
色整理の片岡毛織が3月で自主廃業するこ
ザミ起毛機を保有するなど、尾州の技を先駆
とになった。
的に取り入れてきた企業だけに惜しむ声が
≪コメント≫
強い。創業以来の歴史的産業遺産については
津島市片岡町に建設する事務所に残存部分
同社は尾州毛織物の始祖とされる片岡春
を保管する方針。
吉が1898年(明治31年)に創業した名
門。染色整理のほか、毛織物製造、糸染めな
ど一貫体制で生産してきたが、ピーク時65
億円に達していた年商は、2005年2月期
には18億円に後退していた。片岡専務によ
ると廃業の背景は①安価な輸入品の増大に
より、受注量と単価の下落が慢性的に続いて
いる②染色整理や糸染めの主要なコスト要
因である重油が高騰している③そのコスト
上昇を価格転嫁しづらい、など。
175
テキスタイル&ファッション
Vol.22 No.10 (2006.1.)
■ 編集長が選ぶ2005年・尾州産地、この1年
05年、尾州産地、この1年
②
昨年12月号で「05年・尾州産地この1年」を掲載しましたが、原稿締め切り後も大きな動き
があったので、続報を掲載します。
原油高、受注減で産地老舗に激震走る
**********************************************
■廃業・再生法■***********************************************
・片岡毛織は11月末、06年3月末で自主
貫体制で展開してきた。
廃業することを明らかにした。大幅な受注の
・茶建興業は11月末、名古屋地裁に民事再
減少に加えて、原油高が重なり、事業継続を
生法の適用を申請した。同社は明治41年創
断念したもの。同社は尾州産地の「毛織物の
業の老舗染色整理。遊休土地の売却などで純
祖」と言われる片岡春吉翁が明治31年に創
利益を確保してきたが、最近の燃料費高騰で、
業し、ウールの縞着尺や四幅織物の先駆企業
ボイラー関連費用がかさんで、利益を圧迫、
といわれた。染色整理、糸染め、織物など一
自力再建が困難になり、申請した。
*************************************************
■海外戦略■*************************************************
・早善織物が中国での紡毛織物生産を始めた。
5%の価格引き下げになる」という。価格競
浙江省嘉興市紡毛メーカーである浙江神州
争力を高めて、失われた販売先を取り戻し、
毛紡有限公司を委託生産のパートナーとし
売上を回復させる。浙江神州毛紡有限公司は
て取り組むもの。両社出資による整理加工の
中国でもトップクラスの紡毛一貫メーカー
会社も設立する。「カシミヤ100%や獣毛
で、日本のほか欧米向け輸出を主力にしてい
高混率なら、中国渡し(FOB)価格で約2
る。
*************************************************
■素材開発■*************************************************
・田中テキスタイルは漢方薬の一種である
①繊維が細かく柔らかいのでチクチク感が
「羅布麻」を使った織物を開発した。羅布麻
ない②繊維断面が6角形をしており、自然な
は中国新疆ウイグル自治区の羅布泊湖周辺
光沢がある③綿に近い水分率を持つなどの
で自生している麻の一種。通常は漢方薬「ロ
通気性にも優れている。ウールや綿など他繊
プノール」として煎じて飲まれる。茎部分は
維とも相性がよく、複合しやすい。
176
テキスタイル&ファッション
Vol.22 No.10(2006.1)
■ 研究報告
修飾酵素による綿の精練
愛知県産業技術研究所
尾張繊維技術センター
食品工業技術センター
茶谷
北野
悦司
道雄
綿の酵素精練の問題点として指摘されている反応時間の長さや精練効果の低さを解決するため
には、高温短時間処理に耐えうる酵素剤の開発が必要である。そこでトランスグルタミナーゼを用
いて、ペクチナーゼ、プロテアーゼ等の精練用酵素の安定化を図り、これらを併用して綿の一浴精
練を行った。耐熱性が向上した修飾酵素を併用することにより、高温短時間で綿の精練が可能とな
り、ペクチンなどが効果的に取り除かれた。この方法で精練した綿布の吸水性能、ペクチン除去率
は、アルカリ精練と同等であった。
性抑制や熱安定性向上を図る方法3)などが提
1.はじめに
綿繊維は、原綿の内部を保護するため一次
案されている。ポリエチレングリコールやデ
壁にセルロース以外の成分(ペクチン、ワッ
キストランといった高分子で酵素を修飾し安
クス、たんぱく質など)を多量に含んでいる。
定化を図ろうとすると、活性が大幅に損なわ
これらの成分は、染色工程において染液の浸
れる場合が多い。また、グルタルアルデヒド
透を妨げ、むら染めの原因となるため精練工
などの架橋試薬の場合、高分子量化による活
程で取り除かれる。環境問題への意識の高ま
性低下や、不溶化などが生じるため、期待さ
りから、温和な条件で処理ができ排水負荷も
れた効果が発揮できない場合が多い。
低いとされる酵素精練が注目を集めるように
そこで昨年度、たんぱく質中のグルタミン
なり、実験室レベルのみでなく実用化に向け
残基とリジン残基間の架橋を触媒する酵素で
た実機レベルの検討が行われるようになった
あるトランスグルタミナーゼ(TGase)を用
1)
。これらの検討の結果、綿の酵素精練の実
いてプロテアーゼ等の繊維加工に使用される
用化のためには、反応時間の短縮、精練効果
酵素剤の安定化を図るべく検討した。TGase
の向上、一浴化が達成されなくてはならない
での修飾処理においても適切な反応条件をと
ことが確認された。酵素の耐熱性、耐薬品性
れば、活性低下や不溶化などが発生せず、酵
などが向上し、反応条件の幅が広がれば、複
素剤の安定化が図れることがわかった4)。
数の酵素を使用した一浴同時処理が可能とな
本年度は熱安定性の向上した修飾酵素剤を
り、工程の短縮、エネルギー消費削減が図ら
併用することにより、精練効果の向上、反応
れ実用化に近づくと考えられる。
時間の短縮を目指し、酵素精練条件の検討を
一方、酵素剤の安定性を向上させる目的で
行った。
2.実験方法
様々な酵素の化学修飾が試みられている。例
2.1
えば、治療用酵素として用いられているウリ
使用酵素剤の選定
酵素剤としてはプロテアーゼ(H 社製
カーゼ、アスパラギナーゼ、ストレプトキナ
ーゼなどをポリエチレングリコールで修飾し、
Bacillus subtilis 起源 900U/mg)、セルラー
血中でのクリアランスや抗原性を改善する方
ゼ(H 社製 Aspergillus niger 起源 4U/mg)、
法2)、スーパーオキシドジスムターゼを多糖
ペクチナーゼ(N 社製組換え Bacillus 起源
類、ポリエチレングリコールで修飾し、抗原
3U/mg)を選定した。また TGase は、微生物
177
テキスタイル&ファッション
起源(Streptoverticillium sp.)のもの(A 社
ンの除去性を評価した。
製 1U/mg)を使用した。
綿布を細かく裁断し、シュウ酸アンモニウ
ムで 90℃、3 時間抽出処理した後、ろ過、熱
TGase による酵素修飾反応
2.2
Vol.22 No.10(2006.1)
選択した酵素剤を緩衝液に溶解し、恒温槽
水洗浄した。ろ液を加熱濃縮し濃塩酸と三倍
中で TGase と反応させた。各酵素 1U と反応
容のエタノールを添加し、数時間放置した。
させる TGase の量は、プロテアーゼの場合
これをさらにろ過、酸性アルコール洗浄した
20mU、セルラーゼの場合5U、ペクチナーゼ
後、残渣をろ紙とともに熱水に溶解した。こ
の場合 10mU とした。反応温度は 20℃、反応
の溶液を濃硫酸で 90℃、10 分間加熱処理した。
時間は 30 分とした。
冷却後 0.05%カルバゾールエタノール溶液を
2.3
添加し 90 分放置した後、520nm における吸
酵素活性評価方法
光度を測定した。検量線は D-ガラクツロン酸
プロテアーゼ活性は、ミルクカゼインを基
質とし、
30℃で 10 分間反応を行った後の TCA
で作成し、これからペクチン濃度を算出した。
可溶成分をフェノール試薬で呈色させ、
ルテニウムレッド溶液(ルテニウムレッド
660nm の吸光度を測定することにより評価
0.2g/l、塩化アンモニウム 1.0g/l、アンモ
した。
ニア水 2.8g/l)中で綿布を染色したのち(室
セルラーゼ活性は、カルボキシメチルセル
温 10 分間)綿布を取り出し、沸騰水中で 1 分
ロースを基質とし、初期粘度と 40℃で 5 分間
間洗浄した。乾燥後綿布を測色に供し 540nm
反応させた後の粘度を測定し、粘度低下率を
における K/S から綿ペクチン残存量を評価し
算出することにより評価した。
た。
2.7
ペクチナーゼ活性は、ポリガラクツロン酸
綿たんぱくの測定
を基質とし、37℃で 20 分間反応を行った後反
クマシーブリリアントブルー溶液(Bio-Rad
応を停止させ、235nm の吸光度を測定するこ
BioSafe CBB G-250)中で室温で 20 分間緩や
とにより評価した。
かに攪拌しつつ染色したのち綿布を取り出し、
2.4
沸騰水中で 1 分間洗浄した。乾燥後綿布を測
熱安定性評価方法
TGase で修飾されていない三種類の酵素と、
色に供し 620nm における K/S から綿たんぱ
TGase で修飾された三種類の酵素を、60℃あ
く残存量を評価した。
るいは、70℃で所定時間熱処理した後の残存
2.8
C.I. Reactive Blue 221 2%o.w.f.で 60℃恒
活性を測定することにより熱安定性を評価し
温染色法(染料とぼう硝を投入し 30 分間吸尽
た。
2.5
染色性の評価
処理を行ったのちソーダ灰を添加し 60 分間
綿布の酵素精練処理
のり抜きをした綿ブロードを、三種類の酵
固着処理)で染色処理を行った。その後湯洗
素を併用して 70℃で恒温処理した。酵素液の
い、ソーピングを行った。乾燥後綿布を測色
pH は 5.0(酢酸緩衝液)、7.0(リン酸緩衝液)
、
に供し、630nm における K/S から染色性を評
9.0(ホウ酸緩衝液)とし、非イオン界面活性
価した。
剤を 0.5g/l添加した。反応時間は 30 分とし
2.9
酵 素 処 理 し た 綿 布 の 吸 水 特 性 を , JIS L
た。反応終了後 90℃で 10 分間失活処理し、
1907 の滴下法とバイレック法で評価した。滴
その後綿布をよく洗浄し乾燥させた。
2.6
綿ペクチンの測定
吸水特性の評価
5)
下法の吸水速度は,滴下した水滴(100μl)
シュウ酸アンモニウム抽出−カルバゾール
を試験片が吸収し鏡面反射が消えるまでの時
比色法とルテニウムレッド呈色法で綿ペクチ
間を測定した。バイレック法の吸水高さは,
178
Vol.22 No.10(2006.1)
テキスタイル&ファッション
試験片の下端を蒸留水に浸漬しそのまま5分
が、修飾による改質効果はほとんど見られな
間放置し,5分間経過後蒸留水が布を上昇し
かった。
た高さを測定した。
3.1.2
本研究で選択したプロテアーゼ(金属プロ
3.実験結果及び考察
3.1
金属イオン依存性
ティナーゼ)とペクチナーゼは、酵素活性の
トランスグルタミナーゼ(TGase)で修飾
された酵素剤の安定性評価
金属イオン(Ca2+)依存性が高く、浴中の金
3.1.1
属イオンの濃度に影響を受けやすい。そこで
熱安定性、pH 安定性
セルラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ
反応浴中に金属イオンを添加し、その影響に
を TGase で修飾処理した。修飾酵素と未修飾
ついて評価した。ペクチナーゼは金属イオン
酵素をプロテアーゼは 60℃、ペクチナーゼは
の量に敏感で、高濃度になるほど活性が低下
70℃で所定の時間処理した後の残存活性を評
した(図2)。金属封鎖剤の添加により金属イ
価したところ、各々の酵素剤で耐熱性が向上
オン濃度を調節して活性測定すると、金属イ
していることがわかった(図1)。TGase によ
オン濃度の最適範囲が存在することがわかっ
り、たんぱく質中のリジン残基のε−アミノ
た(図3)
。
基とグルタミン残基のγ−カルボキシアミド
140
基との間に架橋結合が形成されたため、安定
120
相対活性 (%)
化が図られたと考えられる。これらの結果か
ら、TGase で修飾処理により 70℃30 分程度
の処理に耐えるものと考えられた。
100
80
60
40
pH に対する安定性の改質効果も期待した
20
100
0
0
A
2
4
6
8
10
CaCl 2 (mM)
残存活性 (%)
80
図2
60
添加量の影響
40
120
100
相対活性 (%)
20
0
0
20
40
時間 (分)
60
100
80
60
40
20
B
80
残存活性 (%)
ペクチナーゼ活性に対する金属イオン
0
0
2
4
6
8
10
EDTA(mM)
60
図3
ペクチナーゼ活性に対する金属イオン
封鎖剤の影響
40
一方、プロテアーゼについては金属イオン
20
の濃度が高くなると活性が徐々に低下した。
0
0
20
図1
40
また金属封鎖剤の添加で活性が著しく低下し
60
時間 (分)
た。
耐熱性評価結果
3.1.3
A:プロテアーゼ、B:ペクチナーゼ
酵素併用耐性の評価
酵素を混合したときの、他の酵素剤の活性
179
Vol.22 No.10(2006.1)
テキスタイル&ファッション
に対する影響を評価した。ペクチナーゼ、セ
酵素投入方法については、一浴二段処理(プ
ルラーゼのプロテアーゼ活性に対する影響は
ロテアーゼ処理→キレート剤添加→ペクチナ
ほとんどなかったが、プロテアーゼのペクチ
ーゼ、セルラーゼ処理:分割と表記)と一浴
ナーゼ活性に対する影響は大きかった(表1)。
一段処理(三種の酵素を同時に投入:一括と
これはペクチナーゼ等がプロテアーゼの基質
表記)との処理効果の差は顕著でなかった(図
となり分解したことによるものと考えられた。
5)
。分割投入により反応時間が短縮されたこ
表1
とと、金属イオン封鎖剤の添加量の不適など
併用耐性評価結果
処理時間(分)
残存活性(%)
0
100
が期待された処理効果が吸水速度の差として
現れなかった原因と考えられた。
40
180
30
160
0
・ペクチナーゼ6U/プロテアーゼ 225Uを混合
・37℃で所定時間処理した後にペクチナーゼ活性を測定
3.2
30
120
25
104
100
20
80
15
60
修飾酵素を用いた綿の精練
3.2.1
35
バイレック吸水高さ
140
吸水高さ(mm)
56.7
吸水速度(秒)
10
吸水速度
158
10
40
18
20
精練処理基本条件
22
24
5
3
2
1.5
1.5
0
0
モデル基質を用いた安定性評価結果を基に、
0
10
50
100 200 500 1000 2000 5000
酵素量(U/g綿)
基本精練処理条件を仮決定した。プロテアー
ゼによる他の酵素の分解を考慮し、プロテア
図4
ペクチナーゼ反応条件の検討
ーゼ処理を行った後ペクチナーゼ、セルラー
緩衝液:12.5mM リン酸緩衝液 pH8.0
ゼ処理を行う恒温一浴二段処理とした。
反応温度:55℃
キレート剤の添加によりプロテアーゼを失
ペクチン
(K/S540nm)
活させた後、ペクチナーゼとセルラーゼを添
0
加し反応させることとした。
1
1.5
吸水速度
(秒)
2
0 10 20 30 40 50 60
たんぱく
(K/S620nm)
0
0.5
1
一括
pH9.0
反応温度は修飾酵素の耐熱性を考慮し 70℃
分割
一括
とした。
3.2.2
0.5
反応時間:2 時間
pH7.0
分割
精練条件の決定
一括
pH5.0
修飾酵素を併用した精練条件(酵素量、反
分割
アルカリ精練
応pH、酵素投入方法など)を決定するため、
未精練
吸水速度、ペクチン残存量、染色濃度などを
図5
指標として精練効果を評価した。
併用処理条件の検討(反応pH の影響)
酵素量は吸水速度を指標として決定した。
原綿の一次壁にはペクチン、たんぱく質、
ペクチナーゼの場合 500U/g綿(図4)、プ
ワックスなどの夾雑物が含まれるが、一種類
ロテアーゼの場合 20kU/g綿、セルラーゼ
の酵素剤ですべてを除去することは不可能で
の場合 200U/g綿で吸水性が著しく向上し
ある。これらの夾雑物は複雑に影響しあって
た。よってこれらを基本酵素量とした。
存在するため、これらを除去するためには、
反応 pH についてはペクチン残存量と吸水
各々を分解可能な酵素剤を併用する必要があ
速度を評価した結果、pH=7.0 が適当であっ
る。単独の酵素剤で処理したものと,三種類の
た(図5)
。
酵素剤を併用したものとの精練効果を比較し
180
テキスタイル&ファッション
Vol.22 No.10(2006.1)
たところ、併用処理の優位性が確認できた(図
量、吸水速度などの精練効果の比較から、バ
6)
。
ッチ処理においてはアルカリ精練と同等の精
ペクチン
(K/S540nm)
0
0.5
1
1.5
吸水速度
(秒)
2
0
10
20
たんぱく
(K/S620nm)
30 0
0.5
練効果が得られた。
1
しかし、綿の精練は連続処理で行われるこ
併用
単独処理
とが多く、さらなる反応時間短縮が必要とな
ペクチナーゼ
ると考えられる。このためには、綿の一次壁
プロテアーゼ
の不純物に対してより効果的に作用する酵素
セルラーゼ
の検索が必要となってくる。
アルカリ精練
また、酵素精練では葉ごみが除去しきれな
未精練
いことと、処理後の綿布の白度が十分でない
図6
ことのため、漂白工程が必須となることから、
併用処理と単独処理の精練効果比較
工程短縮のためには精練と漂白が同時に行え
これらの結果を基に pH=7.0、一浴一段処
理での処理を最適条件と決定した。
ることが望ましい。このためには精練用酵素
3.2.3
と併用可能な漂白酵素の検索が必要となって
修飾酵素併用法とアルカリ法(従来
くる。
法)で精練された綿布の特性比較
2g/
糊抜き、精練、漂白工程を酵素を用いて連
1g/l、100℃、30 分処理)と
続的に行うことができれば、綿織物の準備工
アルカリ法で精練した綿布(NaOH
l、浸透剤
の特性比較を行った(表2)。ペクチン残量、
程は劇的に改善され、環境に優しい繊維加工
吸水速度、染色濃度ともに遜色ない特性を示
を求める業界のニーズに応えることができる
した(表2)。
と思われる。
表2
修飾酵素併用法とアルカリ法との比較
染色濃度
(K/S)
精練方法
処理条件
(mg/g綿)
吸水速度
(秒)
修飾酵素併用法
混合酵素
70℃、30分
0.05
3.64
6.60
アルカリ法
NaOH 2g/l
100℃、30分
0
3.70
5.69
未精練
−
5.43
7.84
6.84
ペクチン残量
文献
1)高岸徹:繊維学会誌, 57, P125 (2001)
2)特公昭 61-42558 号、特開昭 57-118789
号公報
3)特開昭 58-16685 号公報
4)茶谷悦司、北野道雄:テキスタイル&フ
ァッション,21, No.9, 15-18(2004)
4.結び
ここでは選択した酵素剤に反応させる
5)石原彰浩、木野浩成、前嶋義夫、乾
拓
TGase の最適添加量、反応温度、pH 等を検
雄:浜松工業技術センター報告, 4,
討した。選択した酵素ごとに最適条件を見い
18-22(1994)
だし、調製した修飾酵素の熱安定性が向上す
ることを確認した。また修飾処理により活性
が大幅に失われないことも確認した。
修飾酵素の安定性が向上したことにより、
複数の酵素を一浴で併用することや高温短時
間で処理することが可能となった。このこと
により酵素精練の欠点といわれてきた精練効
果の低さや反応時間の長さを解決することが
できた。そしてアルカリ精練とのペクチン残
181
テキスタイル&ファッションVol.22 №10(2006.1)
特許出願公開広報目次(平成17年10月分)
愛知県産業技術研究所尾張繊維技術センター抽出
発 明 の 名 称
張力の大きくなる領域を有する衣料品
公開番号
出願番号
2005-299070 2005-096949
出 願 人
ナイキ インコーポレー
ティッド
プラズマグラフト重合処理された衣類及びそ
2005-299065 2004-145679
の製造方法
大久保 雅章
マイナスイオン発生紙基材、及びそれを用
いた壁紙
2005-299061 2004-141093
(株)泰英
難燃耐熱性作業衣
2005-299049 2004-120645
(株)帝健
易染性ポリエステル繊維とポリウレタン系繊
2005-299045 2004-120275
維との混用品
旭化成せんい(株)
紡績糸監視方法及び繊維機械
2005-299037 2004-119153
村田機械(株)
着色吸放湿発熱繊維及び同混紡糸の製造
方法
2005-299027 2004-118236
東邦テナックス(株)
抗ウイルス性バイオシート繊維体
2005-299025 2004-118060
波 和二
抗真菌性バイオシート繊維体
2005-299024 2004-118059
波 和二
和紙製糸及びこの糸を使用した無縫製肌着 2005-299020 2004-117698
ケイテー・ニット(株)
パラ型全芳香族コポリアミド極細繊維
2005-299014 2004-116733
帝人テクノプロダクツ
(株)
抗菌寝具の製造方法
2005-298996 2004-114621
(株)ニワユー
転写シートを用いた画像転写方法
2005-298979 2004-111941
ダイセル化学工業(株)
酸化染毛剤組成物
2005-298431 2004-119521
ホーユー(株)
疲労回復用具
2005-296561 2004-142919
中村 達
生分解性植物育成基材及びその固化方法
2005-295946 2004-119832
(株)クラレ
糸芭蕉の繊維抽出法ならびに糸芭蕉糸およ
2005-290656 2005-067663
び織物
京都生糸(株)
放射線溶接プロセスによる織物の継ぎ目形
2005-290654 2005-038384
成
インヴィスタ テクノロ
ジーズ エス.アー.アー
ル.エル
帯電防止処理した合成繊維綿、不織布およ
2005-290641 2004-110858
びその製造方法
三井化学(株)
衣類の折り目加工
2005-290636 2004-110439
(株)牧野総合研究所
開口率測定装置
2005-290623 2004-108338
(株)有沢製作所
多糖類のナノスケールの繊維および成形体 2005-290610 2004-107168
谷岡 明彦
熱転写方法及びプレス機
(有)サンショウ
2005-290598 2004-105889
染色材を生地に定着させるための蒸し加工
方法並びに染色材を生地に定着させるため 2005-290595 2004-105700
の蒸し加工装置
(株)関芳
吸水保水性編物
2005-290587 2004-104396
ユニチカファイバー(株)
温度制御繊維製品及びその製造方法
2005-290585 2004-104331
(財)紡織産業綜合研究
所
手術着等に好適に使用できる織物
2005-290575 2004-103511
東洋紡績(株)
182
テキスタイル&ファッションVol.22 №10(2006.1)
発 明 の 名 称
表皮材縫製糸及びその縫製方法
公開番号
出願番号
2005-290570 2004-103161
出 願 人
カナガワ(株)
長繊維強化ポリプロピレン樹脂成形材料用
ガラス繊維、及び長繊維強化ポリプロピレン 2005-289698 2004-104914
樹脂成形材料
旭ファイバーグラス(株)
エアバック布地
2005-289363 2005-091974
タカタ(株)
耐衝撃性繊維強化プラスチック及び多層構造
体
2005-289056 2005-065079
東レ(株)
繊維補強樹脂成形体及びその製造方法
2005-288896 2004-107566
積水化学工業(株)
脱酸素剤包装体
2005-288282 2004-105595
パウダーテック(株)
抗菌・防カビ・抗ウイルス性繊維の製造方法 2005-281951 2004-151507
大阪化成(株)
冷却肌着
2005-281950 2004-132257
(株)風船工房匠
女性用体形補正下着
2005-281944 2004-127407
四ツ目や(資)
腰部保護パット
2005-281936 2004-101967
(株)ワコール
消臭パンツ
2005-281928 2004-101492
室田 英子
衝撃吸収ロープ
2005-281923 2004-100138
YKK(株)
導電性ブラシ用起毛布の製造方法およびこ
2005-281919 2004-099830
の起毛布を有してなる導電性ブラシ
日本ゼオン(株)
潜在捲縮性ポリエステル糸条
ユニチカファイバー(株)
2005-281913 2004-098820
吸放湿性ポリエーテルエステル弾性繊維を
2005-281908 2004-098393
含む繊維製品
帝人ファイバー(株)
前開き型ベスト類と上服の組合せ衣服。
2005-281898 2004-097666
五家 政人
高密度巻染色チーズの染色法
2005-281896 2004-097576
大阪ボビン(株)
表面処理ガラスクロス
2005-281889 2004-095350
旭シュエーベル(株)
皮革様シート状物の製造方法
2005-281879 2004-094669
帝人コードレ(株)
紙繊維バインダー用水性樹脂組成物
2005-281558 2004-099035
大日本インキ化学工業
(株)
ケミカルフィルタの製造方法
2005-279430 2004-096717
ニチアス(株)
織機用グリッパソレノイドの製造方法及び織
2005-278368 2004-091868
機用グリッパソレノイド
シーケーディ(株)
原子炉ウエル内のバルクヘッド設置台のカ
バー
東洋ゴム工業(株)
2005-274399 2004-088970
磁場応答性および導電性に優れた繊維およ
2005-273127 2004-143218
びそれからなる製品
東レ(株)
抄紙織物用ポリアミドモノフィラメント
2005-273112 2004-091618
東レ・モノフィラメント(株)
羽毛マフラー
2005-273101 2004-091044
小林織物(有)
難燃性ポリエステル系人工毛髪
2005-273072 2004-087048
(株)カネカ
防護材料及び防護衣服
2005-273031 2004-083832
東洋紡績(株)
183
編集室より
あけましておめでとうございます。連日の寒波、大雪など厳しい年明けとなりましたが、産地も
同様、藤井整絨の民事再生法申請など厳しいスタートになりました。昨年末の茶建興業に次ぐ再生
法申請です。3月末には名門・片岡毛織の自主廃業も決まっています。相次ぐ染色整理の蹉跌、廃
業は同業界が最も厳しい状況に追い込まれているからに他なりません。受注量の減少に加えて、受
注単価の下落に苦しんでいたところへ、重油の値上げが襲いかかりました。各社、コストアップの
転換努力をしましたが、安価な輸入品という 敵 に十分対抗できなかったわけです。しかし、尾
州産地は分業で成り立っている産地です。糸染めの疲弊に加えて、染色整理のキャパシティ縮小は
一大事です。行政を含めて産地が一丸となった対策が必要ではないでしょうか。T&F誌は微力な
がら本年も産地発展のため、健闘します。引き続き、ご愛読、ご支援をお願い申上げます。(MY)
テキスタイル&ファッション
編集・発行
監修
財団法人一宮地場産業ファッションデザインセンター
愛知県産業技術研究所尾張繊維技術センター
愛知県繊維振興協会