NEWSLETTER Issue 20: July 2011 ______________________________________ Crestec Europe ニュースレター夏季号へようこそ。 今回のニュースレターでは、まず、最新のニュースをいくつかお伝えします。その後、これまで あまり知られていなかったアイスランド語についてご説明し、最後にセールスチームのアナ・リ サ・ロフレドをご紹介いたします。 *ニュースフラッシュ* ポルトガル語の正書法の改正 延々と続いてきたポルトガル語の正書法の改正ですが、いよいよポルトガル政府が新しい正書法 の導入日を決定しました。これにより、2011 年 9 月からポルトガルの学校では、新しい正書法を 使用することになります。また、ポルトガルの中央政府、地方当局等公的機関では、来年の元日、 2012 年 1 月 1 日から新しい正書法に切り替えられます。2014 年までは移行期間とみなされ、この 期間中は新旧両方のスペルが使用可能です。ポルトガル人はいまだに新しい正書法に強い抵抗を 感じているようですが、新しい正書法を採用しだしたメディアもあります。 一方ブラジルでは、2009 年から新しい正書法を採用しています。新旧の正書法が使える移行期間 は、来年の年末、2012 年 12 月 31 日に終了します。ブラジルで正書法が及ぼす影響はポルトガル と比べると格段に少なく、議論になることもほとんどありませんでした。ポルトガル語の正書法 の改正によって、貴社のドキュメントがどのような影響を受けるか、どのように正書法に対応し ていくべきか、ご質問がございましたら、弊社担当までお気軽におたずねください。 Common Sense Advisory 社が 2011 年言語サービスプロバイダー上位 50 社を発表 2011 年、クレステックは Common Sense Advisory 社(CSA)が毎年発表する言語サービスプロバイ ダーリストの 24 位にランクされました。変化の激しいこの業界で、クレステックは堅実に上位 50 社内の位置を維持し続けています。また、世界地域別では、クレステックはアジアの上位 15 社中第 4 位にランクされました。CSA のリストでは、ローカライゼーションの売上金額のみに基 づいてランキングされており、その他全事業の売上金額も考慮されれば、さらに上位を狙うこと ができます。 CSA の今年のリストの詳細については、同社のウェブサイトをご参照ください。 (http://www.commonsenseadvisory.com/Default.aspx?Contenttype=ArticleDetAD&tabID=63&Aid= 1432&moduleId=390) アイスランド人には、やっぱりアイスランド語 アイスランドを訪れた人に、「アイスランド 人はとても少ないのだから、いっそのこと英 語を使ったほうがいいのではないか?」と問 われるのは、アイスランド人にとって珍しい ことではありません。わずか 30 万人しかいな いアイスランドで、英語を公用語にするとい う発想は、実はずっと以前から議論されてい るのです。経済的理由から、これを支持する アイスランド人も存在します。英語をアイス ランドの公用語にすることで、多くの経済活 動において、大幅なコスト削減が期待できる ことは事実ですし、多くのアイスランド人が 英語を話すことができるということからも、 英語公用語化は大きな関心の一つなのです。 反面、全く別の理由から、反対しているという側面もあるようです。ひとつめは、1100 年を超え る歴史を放棄することになるのではないかという危機感です。そして、ふたつめは、矛盾するよ うですが、英語が得意だと自負しているものの、実際に流暢に話せるのは、わずかな人に限られ るという事情です。 ここでアイスランド語について少し説明いたします。アイスランド語は、ゲルマン語派北ゲルマ ン語群に属し、古ノルド語にもルーツを持ちます。言語自体は時間と共にずいぶん変わってきて いるようですが、アイスランド人は、1000 年も前のアイスランドの「サガ」(*北欧伝説の意、 また「サガ」という単語は、アイスランド語由来の英単語のたった 2 つのなかの 1 つになりま す。)を読めることを、大きな誇りと考えています。言語の「純粋さ」を誇りと考える傾向が、 外来語を否定するという形で表れているところもあります。例えば、アイスランド語で、電話は 「sími」、コンピュータは「tölva」、電子メールは「tölvupóstur」。日本語と比較して考える ことは適切ではありませんが、「コンピュータ」という、新しく、我々には非常に日常的な単語 であっても、全世界の共有単語と考えてはいけない場合もあるようです。 それではアイスランド市場におけるドキュメ ント翻訳の状況に目を移したいと思います。 10 年前、各種の資料をアイスランド語に翻訳 する企業はほんのわずかでしたが、今日では、 30 社以上がアイスランド語版の資料を採用し、 その数は年を追って増えるばかりです。アイ スランド語版を採用する理由についてはいろ いろと推測できますが、アイスランド市場に 進出している主要な企業(トヨタ、ノキア、 ニコンなど)が軒並みアイスランド語版を採 用しているという現実があり、その裏には、 英語版とアイスランド語版のマニュアルのど ちらかを選べと言われれば、10 人中 9 人はア イスランド語版を選ぶであろうという潜在的 な需要があるようです。 アイスランド語の翻訳が増加傾向にあるのは、アイスランド人も他の国民と同様に、自分たちの 母国語で読みたい、理解したいし、企業側もユーザーとより深くコミュニケーションを図りたい という要望の表れではないでしょうか。これにアイスランドの場合は、楽だから、理解が深くな るからというだけではなく、アイスランド語を使うことに貢献したいという考え方も加わるよう です。 例えば、アイスランド語版のウィキペディアには 3 万を超える記事がありますが、これは、デン マーク語版の約 20 パーセントに相当します。アイスランドの人口はデンマーク人の 6 パーセント 以下であることを考慮に入れれば、アイスランド人が自分たちの言語を使うことに貢献したい、 熱心であるというのがお分かりいただけると思います。 最後の事例は、Facebook(フェイスブック)です。Facebook がウェブサイトの翻訳をクラウドソー シング (*企業が自社の業務をインターネットなどを通じて、不特定多数の群集(crowd=クラウ ド)に委託すること) したところ、わずかのアイスランド人ボランティアが数カ月間でコンテン ツの 80 パーセント以上を翻訳してしまいました。アイスランド語を使いたいという熱意から、 Facebook 自体を Fésbók と翻訳してしまいました。Facebook の運営者側の Facebook というブラン ディングから、ここは翻訳させたくない!という意向は、全く意に介せずというところでしょう か。 アイスランドにおける翻訳業の歴史はまだ日 が浅いものの、急速に発達し続けています。 数年前に、アイスランド大学に翻訳科が開設 されたことも一役買っています。この効果は すでに表れていて、有能な翻訳者たちが高品 質のサービスを提供し始めています。これか らますます、プロの翻訳者が増加し翻訳ツー ルも普及し、言うまでもなく、これまで長い 間高額だった翻訳料金も改善されていくこと でしょう。 企業の視点からも、アイスランド市場向けに 資料が翻訳しやすくなるというだけではなく、 経済的理由からアイスランド人に母国語をあ きらめてもらわなければならないという心配も、ここしばらくは必要がなくなりそうです。 スタッフ紹介 アナ・リサ・ロフレド アナ・リサはクレステックの セールスチームの一番新しい メンバーです。31 年前イタリ アのナポリに生まれました。 高校卒業後、ナポリ大学で英 語と英文学に加えて日本語を 勉強しました。国際的な知識 を習得し、さらに英語に磨き をかけるため英国へ渡り、6 か 月間の英語コースに参加しま した。イタリアやブルガリア の観光関連業で働いた後、出 会ったオランダ人ボーイフレ ンドと共にアムステルダムへ やってきました。 2008 年にクレステックのイタ リア語の校正部に応募したの ですが、結局プロジェクトコーディネーターとして採用されました。2010 年以降はセールスチー ムの一員として活躍しています。余暇には、絵を描いたり本を読んだりすることを楽しんでいま す。 クレステックに入社したばかりの頃のことを、少し話していただけますか。 -クレステックのプロジェクトコーディネーターになることは、非常に効率のよい機械の一部にな るようなものです。この部署はとてもしっかりと組織化されており、新しいコーディネーターに 対するトレーニングプログラムも整っています。会社や部署に関する基本的なトレーニングが済 むと、それぞれの仕事について、さらに詳しくいろいろと学びます。私は翻訳関連のソフトウェ アを使った経験がなく、全くのゼロからトレーニングを始めましたが、トレーニングの中で様々 なことを学ぶことができ本当に感謝しています。しばらくすると、私も責任を持って仕事ができ るようになり、クライアント責任者となることができました。 昨年はセールスチームへ異動されましたが、その経緯を教えてください。 -私は以前からプロジェクトコーディネーターとして、セールスチームのメンバーと一緒にクライ アントを訪問したり、プレゼンテーションを行ったり、技術的な面から翻訳について説明したり する機会に恵まれていました。セールスチームは私の貢献をとても評価してくれたのでしょうね。 しばらくたつと、チームに来ないかと誘われ、私もそれを了承しました。 クレステックは社内からセールスチームのメンバーを採用する傾向があるようで、セールスチー ムのメンバーは翻訳のプロセスをよく理解しています。どうやってプロジェクトを準備したらよ いか、プロジェクトの技術的な知識も、必要とするソフトウェアやフォーマットなどの知識も持 ち合わせています。こういった知識があることで、プロジェクトのどの段階においても、素早く 対応し、自信を持ってクライアントをサポートすることができます。 新しい職務にはどのようなチャレンジがありますか。 -まず初めに、私自身が新しい仕事に順応しなくてはいけません。前にもお話ししたように、プロ ジェクトコーディネーション部はとてもしっかりと組織化されていますし、私自身も物事をきち んとする性格です。セールスチームにはさらに一人一人の判断に任される部分があって、これに 慣れるのに、数カ月かかりました。 私がクライアントの意向に従って翻訳者を指導するというような、面白い変化も起こっています。 クライアントのニーズを満たすことは、クレステックが重視する価値観の中心をなすものですか ら、クライアントの言葉に耳を傾け、サービス指向型企業としてそれに全力を尽くして対処する ことは、極めて重要です。 セールスチームでは、印刷関連のプロジェクトの仕事もしています。このようなプロジェクトに は翻訳とは全く違ったスキルが求められます。私は新しいことを学ぶのが本当に好きなので、現 在は、印刷の専門知識を習得することに注力しています。これに限らず、これからもいろいろな チャレンジが待ち構えていると思うとわくわくしてきます。 CRESTEC EUROPE B.V. 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