中国ビジネスニュース - 公益財団法人かがわ産業支援財団

2016 年 3 月(第 45 号)
中国ビジネスニュース
編集:香川県上海ビジネスサポーター
陳暁慧
今月の注目トピックス
■中国への日本食品の販売について
ここ数年、中国人観光客による日本での「爆買い」が話題となっています。爆買いをするのは富裕層に限りま
せん。中間所得層(※)の観光客であっても、多くの日本製品を購入して中国に帰っており、相当な購買力を持っ
ていることがわかります。購入するのは家電製品に限らず、菓子類や調味料など食品も多いようです。
※国家統計局は、年収が年間6万元~50 万元の世帯を中間所得層と定義している。
日本の食品を購入するのは、訪日した観光客だけではありません。海外食品を扱う小売店のほか、タオバオ
や 1 号店と言った有名なインターネット販売サイトを通じて購入している中国人も多くいます。
このように、中国では日本食品に対するニーズが高まっています。では、日本の企業が中国で食品を販売し
ていく場合、どのように取り組めばよいのでしょうか。
中国に拠点を持たない企業の展開方法
中国には日本の大手食品メーカーが多数進出しています。大手食品メーカーの中国進出は、20~30 年前に
始まりました。大手メーカーは自社工場を設立するとともに、価格も味も中国人にあわせた商品の研究開発を進
め、商品を販売してきました。その結果、海外ブランド食品の中でも日系企業食品のシェアは大きなものとなって
います。
では、中国に拠点を持たない企業が中国市場で展開するためには、どのような方法があるでしょうか。方法の
1つとして、食品展示会への出展があります。
毎年秋に上海で開催される「FHC CHINA」(以下、FHC とする)という食品展示会をご存じでしょうか?東アジ
ア最大の食品展示会と言われており、海外からも多くの食品企業が出展しています。2015 年 11 月に開催された
FHC2015 では、66 国・地域からの 2,150 社の出展に対し、53,295 名の来場者を記録しました。FHC の目玉として
は展示品の試食提供ができることです。業界バイヤーのほか一般消費者も来場できるため、味覚やパッケージ
など自社の食品が中国で受け入れられるのか、チャレンジしてみるのもよいのではないでしょうか。
FHC などの食品展示会や食品関係のイベントに来場する業界バイヤーには、飲食店や小売店のほか代理業
者もいます。海外輸入食品の取り扱いの多い代理店や小売店との関係の良い代理業者と商談が成立すれば、
現地に拠点がなくても販売拡大の可能性が広がります。また将来的に日本企業と代理業者との取引量や関係
が良ければ、代理業者には「販売」業務だけを任せるのではなく、今後の中国市場にとってニーズの高いと予想
される食品をリサーチさせる「調査」業務の依頼をするということも考えられます。中国に拠点を構えなくても、中
国市場の研究ができるというわけです。
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2016 年 3 月(第 45 号)
賞味期限に注意
ただし、代理業者との取引でも注意しなければならない点があります。中国へ輸出するとなると、輸送や通関
において時間がかかるという点です。地域や商品、通関業者によって差はありますが、一般的に通関には1カ月
から2カ月かかると言われています。このため、代理業者は企業側に6カ月から1年間の賞味期限を求めること
もあるそうです。日本の食品の大部分はこれより賞味期限が短いため、小売店で販売された時点で、賞味期限
があとわずかということも多くあります。賞味期限間近であれば値引きして販売することもあると言います。
中国での食品販売は一筋縄ではいきませんが、日本産の安全で安心な食品へのニーズは確実にあります。
中国で自社の食品を販売してみたいとお考えの企業の皆さん、まずは展示会に出展してみませんか?
政策・経済トピックス
【新政策動向】
■ 上海等 トランジットビザ免除
公安部は「公安部公告」を公布し、上海などで1月 30 日よりトランジットビザを免除すると発表した。上海の外国
人に開放されている通関地及び江蘇省南京の空港、浙江省杭州の空港において、51 ヵ国を対象に、有効な国
際旅券を有する、144 時間以内の日時が確定した第三国(地域)への接続便のチケットを有する外国人のトラン
ジットビザを免除する。
■ 「会計書類管理弁法」の改正
財政部と国家档案局は、「会計書類管理弁法」を改正した。同弁法は 1998 年の公布以来 17 年が経過していた
が、会計電子書類の管理を強化、会計書類の保管期限等を見直した。1 月 1 日より施行を開始した。
■ 今年の成長率 6.5~7%目標に
国家発展改革委員会によると、中国政府は 2016 年の実質経済成長率の目標を「6.5~7%」で調整に入った。3
月5日から始まる全国人民代表大会で正式に発表される。
■ 食品・薬品の告発を管理
国家食品薬品監督管理総局は「食品・薬品の告発通報管理弁法」を公布した。2016 年3月1日から施行され
る。食品・薬品の告発通報とは、公民、法人、その他組織が、食品・薬品監督管理部門に対し、生産者や経営
者等が食品生産、経営環境に関連する食品の安全に違法行為の疑いがある、または薬品、医療器械、化粧品
の研究開発、経営、使用等の環境に関する商品品質の安全性に違法行為の疑いがあると報告することをい
う。食品・薬品に対する告発や通報を奨励する。
■ 上海 「インターネットプラス」推進
上海市政府は「上海市“インターネット・プラス”行動推進の実施意見」を公布した。2018 年までに、インターネッ
トと経済・社会の結び付きを深め、インターネット・プラス(※)に有利な制度環境を整える。特に金融サービスと
の結び付きを強めていく。
※インターネット・プラス:2015 年3月に開催された全国人民代表大会で、李克強国務院総理が述べた政策。モ
バイルインターネット、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、モノのインターネットなどと現代製造業との結
合を推進。e コマースや産業インターネット、インターネット金融の健全なる発展を促進し、インターネットによる
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国際市場の開拓を導くという。
■ 外国企業のコンテンツ配信を禁止
国家新聞出版広電総局と中国工業情報化部は「オンライン出版サービス管理規定」を公布した。外国企業のイ
ンターネットコンテンツ配信を禁じる。2016 年3月 10 日から施行する。外国企業および外国企業と中国企業の
共同事業や合弁会社に対して、テキスト、地図、ゲーム、アニメ、オーディオ、ビデオなど様々なコンテンツのオ
ンライン配信が禁止される。中国資本の国内企業と提携すれば、コンテンツ配信を行うことができるが、事前に
政府当局の認可を得る必要があり、サーバーやストレージシステムを中国本土に置かなければならない。
【経済・産業】
■国際金融協会 中国から 65 兆円資金流出
国際金融協会(IIF)は、中国からの資金の純流出が 2016 年に 5520 億ドル(約 65 兆円)になると予測をまとめ
た。過去最大だった 2015 年に次ぐ高水準人民元の下落圧力が続き、世界の金融市場の波乱要因になるとみ
ている。
■日中両国 新経済協議
日中両国の政府と中央銀行は、3月にも閣僚級の「ハイレベル経済対話」で、経済・金融問題を協議する枠組
み創設合意をめざす。日本側は中国国内の過剰設備の解消や国有企業の再編、金融協力の進展を目指し、
中国側は緊密な経済関係を築き、日本からの投資拡大を図る。人民元の長期的な安定も焦点。
■銀聯子会社 日米越境電子商取引(EC)事業者向け支援サービス
中国銀聯傘下の決済仲介大手「銀聯商務」は、中国の消費者を対象にした銀聯カードを使ったオンライン決済
のシステムを日米の越境電子商取引(EC)事業者に販売する。中国から直接、日米の通販サイトで買い物が
できるようにする。中国の消費者の口座から商品代金、送料、個人輸入税を引き落とし、事業者側に払い込
む。更に、物流事業者と組んで中国での通関や保税、配送の手続きも代行する。
■高級ブランド消費 2%減
米調査会社ベイン・アンド・カンパニーによると、2015 年に中国国内で中国人が購入した高級ブランド品の総額
は 1130 億元(約2兆円)だった。前年比2%の減少。一方、日本での購入額は約 300 億元と 3.5 倍に急増した。
世界で中国人が 15 年にバッグや時計などの購入に充てた総額は約 4050 億元。前年比6%増と 14 年の9%か
ら減速したものの、依然として世界の約3割を占めている。
■ネット普及率 5割超
中国政府系機関「中国インターネット情報センター」によると、2015 年 12 月時点のネット利用者は6億 8800 万
人となった。総人口に対する普及率は 50.3%に達した。1年間で 3951 万人の増加。
■中国化工集団 農薬世界最大手を買収
中国国有の化学大手「中国化工集団」は、スイスの農薬世界最大手「シンジェンタ」を買収する。買収額は 430
億ドル(約5兆 1600 億円)以上となる。中国企業による海外買収では過去最大。シンジェンタの農薬や種子など
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の先端技術を取り込む。
■大連万達 格下げ
米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、香港上場の中国不動産大手「大連万達商業地産」の
長期格付けを「トリプルBプラス」から「トリプルB」に引き下げた。海外での買収などの負担増に加え、不動産販
売の低迷が見込まれるため。
■上海ディズニー 週末料金 9100 円
米ウォルト・ディズニーと中国上海市政府系の上海申迪集団は、6月 16 日に開園予定の上海ディズニーリゾー
トのチケット価格を大人平日 370 元(約 6700 円)、ピーク料金は 499 元(約 9100 円)にすると発表した。ピーク
料金は東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの同料金 6900 円を上回る。チケットは3月 28 日に先行発売
する。
■景況感 3年5カ月ぶり低水準
中国国家統計局と中国物流購入連合会によると、1月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は 49.4 であった。
前月比 0.3 ポイント低下、景気判断の節目となる 50 を6カ月連続で下回った。2012 年8月以来3年5カ月ぶりの
低水準。
■春節 日本での高額品購入減少
中華圏の旧正月(春節)が2月8日始まった。中国人観光客の「大量買い」は減少気味。人民元安やリピーター
の増加、日本から直接購入できるネット通販の普及などが原因。
■外貨準備 減少続く
中国人民銀行によると、1月末の外貨準備高が3兆 2309 億ドル(約 378 兆円)で、前月比 995 億ドル減となっ
た。減少幅は過去最大だった 2015 年 12 月の 1079 億ドルに次ぐ大きさ。中国の通貨、人民元への下落圧力が
強まり、人民銀がドルを売って元を買う為替介入を繰り返している。
■中国投資家 シカゴ証取を買収
重慶財信企業集団の率いる中国投資家グループが、シカゴ証券取引所(CHX)を買収する。米証券取引委員
会(SEC)に承認されれば中国資本による初の米取引所買収となる。
■春節小売売上高 伸び率前年並み
商務部によると、春節(旧正月)休暇期間(2月7日~13 日)の国内小売売上高は、前年同期比 11.2%増の
7540 億元(約 12 兆 9700 億円)だった。伸び率は 2005 年以降最低だった昨年(11%増)並みにとどまった。旅
行や映画などのレジャー消費は好調だったが、高級ブランド品や衣料品などの物販が振るわなかった。
■春節映画収入 7割増
国家新聞出版広電総局によると、春節(旧正月)休暇期間中の映画興行収入は 30 億元(約 525 億円)となり、
前年同期比 67%増加した。旧暦の元日にあたる8日は6億6千万元と、1日の興行収入として過去最高記録を
更新した。
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■春節国内旅行 3億人
国家観光局によると、春節(旧正月)休暇期間の旅行収入は 3651 億元で前年同期比 16.3%増となった。旅行
客は延べ3億人で 15.6%増加した。
■中国物価 1.8%上昇
中国国家統計局によると、1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比 1.8%上昇し、上昇幅は前月から 0.2 ポ
イント拡大した。卸売物価指数は前年同月比 5.3%下落し、下落幅は前月より 0.6 ポイント縮小した。1月のCPI
は食品の価格が 4.1%上昇、食品以外は 1.2%の上昇だった。
■対中直接投資 3.2%増
商務部によると、1月の世界からの対中直接投資(実行ベース、金融除く)は、前年同月比 3.2%増の 882 億5
千万元(約1兆 5400 億円)だった。日本からは 22.8%増。今回から人民元ベースでの公表になった。
■輸出 11.2%減
中国税関総署によると、1月の米ドルベースの輸出は前年同月比 11.2%減と7カ月連続で前年より減少した。
原材料の需要が減退したことから輸入も 18.8%減った。
■日中貿易額 6年ぶりの2桁減
日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、2015 年のドル建ての日中貿易額は前年比 11.8%減の 3032 億 8609 万
ドル(約 34 兆 5700 億円)だった。リーマン・ショック後の 2009 年以来、6年ぶりの2桁減。対中輸出額は 1427
億 1566 万ドルで 12.3%減。中国からの輸入額は 11.3%減の 1605 億 7043 万ドルだった。
■アリババ 日本企業出品商品の販売量予測
電子商取引(EC)最大手「アリババ集団」は、日本製品の販売額を3年後にも 10 倍に増やす。中国の消費者に
製品を販売しやすくなる新サービス「ジャパンMDセンター」を始める。インターネット上の販売情報を分析、商
品の販売数量を予測し、その情報を無償で日本企業など出品者に提供する。個人間の売買サイト「淘宝網(タ
オバオ)」でのヒットの予兆も見つけ出す。
■紫光集団 米ITへの出資断念
半導体大手「紫光集団」は、米ハードディスク駆動装置(HDD)大手「ウエスタン・デジタル(WD)」への資本参
加を断念した。対米外国投資委員会(CFIUS)が調査に入ることを決めたため。米国では認可の問題で中国企
業のM&A(合併・買収)が実現しない例が増えている。
■粗鋼生産 7.8%減
世界鉄鋼協会によると、2015 年1月の中国の粗鋼生産量は前年同月比 7.8%減の 6321 万トンだった。中国は
世界最大の粗鋼生産国。過剰生産が問題となっている中国の減少幅は拡大している。
■中国工商銀 北朝鮮への送金停止
中国工商銀行は北朝鮮の企業などへの送金業務全般を停止している。送金業務のほか、北朝鮮の企業によ
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る口座開設も拒否している。
【日系・外資企業動向】
■ファミマ全店 銀聯カードOK
ファミリーマートは訪日客が多い2月の春節(旧正月)休暇などを控え、店舗で支払いに使える海外のクレジット
カードを増やす。中国の「銀聯カード」など3種類を、約1万 1500 ある全店で決済できるようにする。2月1日から
は新型ATMを導入している約 4000 店で、銀聯カードによる日本円の引き出しができるようにする。また、同時
に自動外貨両替機の設置も順次進める。
■ライオン 健康食品をアリババ出店
ライオンは、中国電子商取引(EC)最大手アリババ集団の海外企業向け仮想商店街「天猫国際(Tモール・グロ
ーバル)」に出店した。健康食品を発売する。海外で健康食品を販売するのは初めて。初年度1億円の売上高
を目指す。
■みずほ証券 国家開発銀行の社債主幹事に
みずほ証券アジア(香港)は、国家開発銀行が海外市場で3日発行したドル建て債の共同引受主幹事に起用さ
れた。国家開発銀行が海外で発行する外貨建て社債の引受主幹事に日系証券会社が起用されたのは 20 年
ぶり。
■トヨタ・ホンダ 新車販売増
中国における 1 月のトヨタ自動車の新車販売台数(小売台数)は、前年同月比 32.1%増の 12 万 5000 台となっ
た。ホンダも 20.7%増の 10 万 7357 台と大きく伸びた。15 年 10 月からのエンジン排気量 1600cc 以下の小型車
に対する減税措置の影響が大きいとみられる。対象車を中心に販売が伸びた。
■東急ハンズ 「微信」で集客
東急ハンズは中国の対話アプリ「ウィーチャット(微信)」を使い、訪日中国人の集客を始める。微信に公式アカ
ウントを開設し、店舗や商品に関する情報を掲載した。2月の春節(旧正月)に合わせてキャンペーン情報を配
信する。
■高島屋 中国ネット旅行社と提携
高島屋は携程旅行網(シートリップ)と提携し集客力を高める。シートリップは米ナスダック上場している中国最
大のインターネット旅行予約会社。シートリップを使って来日した外国人に割引サービスなどを始める。電子商
取引(EC)最大手アリババ集団の決済サービス、支付宝(アリペイ)も導入する。
■ホンダ ハイブリッド車生産
ホンダは中国でハイブリッド車(HV)の現地生産を始める。今年夏をめどに中型セダン「アコード」のHVを発売
する。購入補助の対象となる中大型車、プラグインハイブリッド車(PHV)の発売も検討中。中国の燃費規制は
2020 年までに先進国並みに厳しくなる見通し。環境規制への対応を急ぐ。
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■TSI 中国工場削減
アパレル大手のTSIホールディングス(HD)は中国自社工場での衣料品生産を縮小する。ジャケットやワンピ
ースなどを生産する蘇州工場を売却し、もう1カ所ある工場も生産規模を縮小する。人件費など生産コストが上
がっているため。
■サカタインクス インキ増産
サカタインクスは中国でインキを増産する。広東省茂名市に来年、新工場を設け、中国国内での出版用インキ
の生産能力を倍増させる。さらに、広州市にある飲料缶用インキの設備も 17 年夏をメドに増強する。
■パナソニック 電池の新工場
パナソニックは遼寧省大連市に電気自動車(EV)など向け電池の新工場を設ける。2017 年の生産開始を目指
す。現地の産業用電器メーカー「大連遼無二電器」と折半出資で、電池の製造・販売を手掛ける新会社を設立
した。
■大戸屋HDが中国子会社清算
定食店を運営する大戸屋ホールディングス(HD)は、上海で「大戸屋ごはん処」を展開する現地子会社を清算
する。2012 年に現地企業との合弁会社を通じて進出し、15 年に合弁を解消して直営事業として展開していた。
■靴通販ロコンド 楽天と資本提携で中国でも販売
靴と衣料品の通販サイトを運営するロコンドは楽天と資本・業務提携し、両社で海外販売などを進める。ロコン
ドは楽天のネット通販モール「楽天市場」内に「ロコモール楽天店」を開設している。両社は今夏までに海外から
の注文にも対応し、中国でも販売する。
■プロロジス 中国事業のエクイティコミットメント増額
プロロジスは、Prologis China Logistics Venture(PCLV)に対するエクイティコミットメント(一定期間内の出資限
度額)を8億 8200 万米ドル(約 1058 億円)増額した。近い将来の投資に使われる予定。
■独の廃棄物エネ 中国企業に売却
スウェーデンの投資会社「EQT」は、投資先のドイツ廃棄物エネルギー最大手「EEWエナジー・フロム・ウエイ
スト」を、中国の複合企業「北京控股」に売却した。株式の売却額は 14 億 3800 万ユーロ(約 1870 億円)で、中
国企業による独企業買収では最大。
■日系企業 求人数2%減
リクルートホールディングスによると、2015 年の中国での日系企業の中途採用求人数は累計 9167 件で、前年
比2%減った。15 年 12 月は前年同月比 17%減少し、604 件。6カ月連続で前年の水準を下回っている。
■井関農機 トラクター販売
井関農機は、11 月の新工場稼働に合わせて販売する予定だったトラクターを、今春から本格販売する。需要が
想定よりも増加しているため。新規開発のトラクターは補助金の対象機種に認定された。2016 年度の中国事業
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の売上高を前年度より3割増やす。
■三菱UFJ・みずほ 人民元建て社債引受金融機関に
三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行は、中国輸出入銀行の人民元建て社債の引受金融機関に起用された。外資
系銀行が起用されるのは初めて。海外中央銀行や政府系ファンド(SWF)向けの人民元建て債券の販売を増
やすねらい。
■スケナリ 高級包丁で中国開拓
包丁製造のスケナリは中国市場を開拓する。日本を訪れる中国人観光客の日本製包丁購入が増え、中国で
は日本製包丁への関心が高まっている。商社などを通じて輸出し、現地の料理人や収集家などに売り込んで
いく。今年夏にもサンプル出荷を始め、年内の本格販売を目指す。
■みずほ銀 上海自由貿易区で譲渡性預金発行
みずほ銀行は、上海自由貿易区で、譲渡性預金(CD)を発行する認可を得た。同区内で外資系銀行にCDの
発行が認められたケースは初めて。譲渡性預金は大口預金の一種。中国では外資系銀行も発行しているが、
自由貿易区は金融規制上CD発行には認可取得の必要がある。
■デサント 伊藤忠と合弁会社設立
デサントは、伊藤忠商事、福建省の「安踏体育用品」の子会社と合弁会社を設立する。資本金は約 44 億円で、
中国側が6割、デサントが3割、伊藤忠商事の中国子会社が1割を出資する。2017 年をめどに主力のスポーツ
用品ブランド「デサント」の衣料品店を出店する。
【人民元情報】
人民元市場レート(2016 年2月 26 日)
外貨名 100 日本円
中間値 5.7750 人民元
【中国ビジネスワンポイントアドバイス】
 中国で年末賞与の納税について
毎年 12 月や旧正月前は年度賞与支給の時期です。中国人はもちろんのこと中国現地企業で働いている外国
人にも同様に支給されます。この年度賞与について、個人所得税の納付が必要となります。
中国では一般的に年度賞与は年に1回のみ。企業は経営状況や従業員個人の実績に基づき、年度賞与支
給額を決定します。年度賞与の個人所得税額は、毎月の給与にかかる課税率や算出方法とは異なります。
算出方法は以下の通りです。
(ア) 年度賞与支給当月の給与が 3,500 元以上の場合:
個人所得税額=(年度賞与支給額×税率)‐速算控除額
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①年度賞与支給額を 12 で割り、課税所得額を算出。
②①の課税所得額に適用する税率と速算控除額(※)を確定。
③上記の計算式に当てはめて算出。
※下記にあげる所得税課税率表を参照のこと。
例1:A さんの年度賞与支給額は 24,000 元、毎月の給与額は 5,000 元です。
A さんの年度賞与支給額にかかる個人所得税はいくらになりますか?
①課税所得額:24,000 元/12=2,000 元
②適用税率と速算控除額
 適用税率:10%
 速算控除額:105
③年度賞与の個人所得税額:24,000 元×10%‐105=2,295 元
年度賞与差引支給額(いわゆる「手取り」部分):21,705 元
(イ) 年度賞与支払当月の給与は 3,500 元以下の場合:
個人所得税額={年度賞与支給額‐(3500 元‐給与額))×税率‐速算控除額
①年度賞与支給額から 3,500 元と給与支給額を差引き、出た数字を 12 で割り、課税所得額を算出。
②①の課税所得額に適用する税額と速算控除額(※)を確定。
③上記の計算式に当てはめて算出。
※下記にあげる所得税課税率表を参照のこと。
例2:B さんの年度賞与支給額は 24,000 元、毎月の給与支給額は 2,000 元です。
B さんの年度賞与支給額にかかる個人所得税はいくらになりますか?
①課税所得額:(24,000 元-(3,500 元-2,000 元))/12=1,875 元
②適用税率と速算控除額
 適用税率:10%
 速算控除額:105
③年度賞与の個人所得税額:
{24,000 元-(3,500 元-2,000 元))×10%‐105=2,145 元
年度賞与差引支給額:21,855 元
所得税納税率表:
課税所得額(税引き前)
税率(%)
速算控除額(元)
1
1500 元以下
3
0
2
1501~4500 元
10
105
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3
4501~9000 元
20
555
4
9001~35000 元
25
1,005
5
35001~55000 元
30
2,755
6
55001~80000 元
35
5,505
7
80001 元以上
45
13,505
上記の例1、例2の通り、年度賞与支給額が同じであっても、毎月の給与支給額が異なると、納税額も違って
きます。
下の例3をご覧ください。
年度賞与支給額の差異で、適用税率などが変わります。
例 3:(下記の場合、月給 3500 元以上と設定しています)

年度賞与額が 19,283.33 元の場合、適用税率は 10%で、速算控除額は 105 です。

年度賞与差引支給額:19,283.33 元-(19,283.33 元×10%)-105=17,460 元

年度賞与額が 18,000 元の場合、適用税率は3%で、速算控除額は0です

年度賞与差引支給額:18,000 元-(18,000 元×3%)-0=17,460 元
異なる年度賞与支給額でありながら、従業員に支給される差引支給額は全く同じです。年度賞与額の多少で
企業は 1,283.33 元多く支給することになります。
このように、年度賞与支給額を 18,001~19,283 元の間で設定した場合、年度賞与支給額の高い従業員の差
引支給額が、年度賞与額の低い従業員の差引支給額よりが少ないということが起こります。賞与額の決定に当
たっては、この点に注意することが必要です。
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