白血病の治療 白血病 急性白血病 急性骨髄性白血病 急性リンパ性白血病 慢性白血病 慢性骨髄性白血病 慢性リンパ性白血病 白血病 1. 骨髄でクローン性増殖を来す疾患 2. 慢性と急性の違いは芽球の骨髄に占める割合に より決定される。 急性:20%以上 (以前は30%) 臨床像からの分類ではない 3. リンパ性白血病(ALL)と骨髄性(AMLまたは非リ ンパ性ANLL)に分類 急性骨髄性白血病の分類 病期分類:なし 未治療(約1兆以上) 寛解期(10億未満) 再発期 原因による分類 de Novo 二次性 FAB分類 M0 急性未分化型骨髄性白血病 M1 急性未分化型骨髄芽球性白血病 M2 急性分化型骨髄芽球性白血病 M3 急性前骨髄球性白血病 M4 急性骨髄単球性白血病 M5 急性単球性白血病 M6 赤白血病 M7 急性巨核芽球性白血病 WHO分類 t(8;21) t(15;17) inv(16) 染色体異常で独立した疾患と分類 急性骨髄性白血病の治療 寛解導入療法 APL(M3)以外 代謝拮抗剤+アンソラサイクリン APL(M3) ATRA(全トランス型レチノイン酸)±化学療法 寛解後治療 地固め療法 大量シタラビン療法 2回以上 維持・強化療法 APL以外は意義は同定されていない 造血細胞移植 BU+CY 高リスクで第1寛解期、低リスクでは第2寛解期以降 AMLと染色体異常 CALGB Study Blood, 2002 t(8;21), t(15;17), or inv(16) 5, del(5q), 7, or 3q abnormalities 5 or more unrelated abnormalities 急性前骨髄性白血病(M3) 染色体異常 PML-RARalpha 播種性血管内凝固症候群 全トランス型レチノイン酸(ATRA)と分化誘導療法 寛解率は90%以上、長期生存率も70~80% レチノイン酸症候群 再発時の治療 新しいビタミンAの誘導体であるAm80 亜ヒ酸が有効 分子生物学的な寛解が得られれば自家移植 急性骨髄性白血病寛解導入療法 AraC+IDA Day 1 AraC 100mg/m2 24h持続投与 IDA 10mg/m2 2 3 4 5 6 7 AraC+IDA療法後の血球回復 1000000 100000 10000 WBC Blast Neut Lymp 1000 100 10 1 1 3 5 7 10 12 14 16 18 19 21 23 25 27 28 30 32 DAY 急性リンパ性白血病 疫学 成人悪性腫瘍の3% 急性白血病の20% 小児は急性白血病の80% 形態分類 FAB分類 L1-L3 WHO分類 B細胞 T細胞 急性リンパ性白血病の治療 寛解導入療法 小児:VPのみで約90%のCR率と約50%の長期生存 成人:VPのみで50-60%のCR率、長期生存は無い ALL01/81では、VPにDNRとL-ASPを加えて74% のCR率 CALGB 8811はALL01/81 + CPMで85%のCR率 治療強度の高いhyper-CVADで91%のCR率 寛解後療法 標準的寛解後療法の確立には至っていない。 ALL01/81 :地固め療法に+維持療法で39%の5年無病生存率 CALGB:地固め療法と維持療法で46%の3年無病生存率 hyper-CVAD:地固め療法と維持療法で 38%程度の5年無病生存率 同種SCT併用大量化学療法 第2寛解期以降 高リスク (Ph陽性、未分化型、白血球数高値、寛解到達まで4週間 以上) 急性リンパ性白血病の標準化学療法 寛解導入療法(Five Drug) VP療法 アルキル化剤 アンソラサイクリン L-アスパラギナーゼ 地固め療法 聖域治療 メソトレキセート大量 シタラビン大量 髄腔内投与 再寛解導入療法 維持療法 寛解導入から2年間 急性リンパ性白血病と染色体異常 Blood, Vol. 93 No. 11 (June 1), 1999 t(9;22), 7, +8, and t(4;11) フィラデルフィア陽性急性リンパ性白血病 J Clin Oncol. 2006 Jan 20;24(3):460-6 イマチニブ(グリベック)の登場により変化 慢性骨髄性白血病 急性との違い 単一増殖ではない 骨髄増殖性疾患 染色体異常 フィラデルフィア染色体 t(9; 22) BCR-ABL 検査法:Gバンド FISH PCR(Amp-CML) 自然経過 5年以内にほとんどが急性転化 急性転化(ALL>AML>ML)すると12ヶ月以内にほと んどが死の転帰 慢性骨髄性白血病の治療 化学療法 第1世代アルキル化剤 ブサルファン ハイドロキシウレア 第2世代インターフェロン インターフェロン±シタラビン 第3世代STI(signal transduction inhibitor) 同種骨髄移植 標準的な前処置はBU+CY 慢性骨髄性白血病 STI vs Interferon&AraC STIの長期効果 慢性骨髄性白血病と分子標的薬 イマチニブ ABL蛋白(チロシンキナーゼ)のATP結合部位を競合阻害 使用量 CML:400~800mg Ph-ALL:600~800mg 患者指導 1日に最低300mg(3錠)は服用しないと効果が表れない 重篤な副作用の際は一時休薬 グレープフルーツジュース:作用が増強 セイヨウオトギリソウ:作用が減弱 筋肉 関節 消化器症状 浮腫 理論上は生涯内服 慢性骨髄性白血病と分子標的薬 次世代型Bcr-Ablキナーゼ阻害剤 スプリセル(一般名:ダサチニブ) がん遺伝子産物(Src)を分子標的として開発 変異を持つBcr-Ablにも効果あり ニロチニブ(AMN107) グリベックの改良型 阻害効果はグリベックより10~30倍程度強力 変異を持つBcr-Ablにも効果あり 造血幹細胞と疾患 赤芽球 多分化能 骨髄球 造血幹細胞 リンパ球 単球 自己複製能 巨核球 ISOLEX300 CD34 陽性細胞 分離器 CD34陽性細胞(幹細胞?) 同種造血幹細胞移植 (骨髄移植・末梢血幹細胞移植・臍帯血移植) ●不足分の補給 造血幹細胞:再生不良性貧血等 免疫担当細胞:免疫不全等 ●造血細胞の置換 幹細胞置換:骨髄異形成症候群等 異常細胞の撲滅:白血病等 ●免疫担当細胞の置換 再発の予防&抗腫瘍効果:腫瘍免疫療法有効な疾患 骨髄移植は究極の免疫療法 非担がん状態 担がん状態 免疫担当細胞 免疫担当細胞 Attack !! Attack !! 腫瘍細胞 正常細胞 腫瘍細胞 正常細胞 担がん状態 非担がん状態 免疫担当細胞 免疫担当細胞 骨髄移植 Attack !! Attack !! 腫瘍細胞 正常細胞 腫瘍細胞 正常細胞 GVT (graft versus tumor effect): 治療効果 腫瘍細胞 免疫担当細胞 Attack !! 正常細胞 同じものではないと考えられる 皮 膚 消化管 肝 臓 GVHD (graft versus host disease): 副作用 同種移植経過 前処置 幹細胞移植 -7 治療関連毒性 細菌・真菌 カリニ ヘルペス CMV 急性GVHD 慢性GVHD 0 7 生着 2I 28 I00 365
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