大館市地域情報化計画

大館市地域情報化計画
平成23年3月
秋田県大館市
`
目次
第1章.
1.
2.
第2章.
1.
2.
3.
第3章.
1.
2.
3.
第4章.
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
第5章.
1.
2.
3.
4.
地域情報化計画の概要 .........................................................................................................................1
計画策定の趣旨 ...............................................................................................................1
地域情報化計画の実施期間 .............................................................................................1
情報化の背景(国の情報化施策).................................................................................................2
内閣府 IT基本戦略 ......................................................................................................2
総務省 地域情報化政策...................................................................................................3
総務省 「光の道」構想...................................................................................................4
大館市の状況.............................................................................................................................................5
新大館市総合計画............................................................................................................5
東北総合通信局における調査研究会 ...............................................................................7
情報通信基盤の現状 ......................................................................................................11
地域情報化計画.................................................................................................................................... 15
基本方針及び基本計画...................................................................................................15
総合窓口ポータルサイト ...............................................................................................16
情報通信基盤の整備 ......................................................................................................18
その他の住民サービス...................................................................................................21
実施スケジュール..........................................................................................................24
組織と役割分担 .............................................................................................................25
その他検討事項 .............................................................................................................27
行政情報化計画.................................................................................................................................... 28
基本方針 ........................................................................................................................28
基本計画 ........................................................................................................................28
推進体制 ........................................................................................................................30
実施スケジュール..........................................................................................................30
参考資料........................................................................................................................................................................ 32
1.
第 4 次電算利用計画の成果と課題................................................................................32
第1章. 地域情報化計画の概要
1. 計画策定の趣旨
本市における情報化は、平成 17 年の 1 市 2 町合併後に策定した「第 4 次電算利用計画」に基づき、
取り組んできました。
行政の情報化においては、住民基本台帳や税務などの基幹業務システム、グループウェアや財務会計
などの内部情報システムの統合化や運用の改善により業務・システムの最適化を図り、プログラム作成
のアウトソーシングにより職員の負荷を軽減し、庁内事務の効率的な運用を推進してきました。更に電
子決裁を導入し、環境先端都市として積極的なペーパーレス化の取り組みを実施しています。今後は、
より効率的な運用と経費節減のため、クラウド化への検討が必要となっています。
地域の情報化においては、インターネット回線のADSL化や携帯電話の鉄塔整備を実施してきました
が、現状では、市民や市内企業から光ブロードバンドの要望が増えてきている状況にあります。現在の
情報化社会に対応し、住民の抱える課題を解決するためには、最新のICT*1 を利活用した先進的な取
り組みが望まれています。
そこで、市民サービスの向上のためICTを利活用した安心・快適な居住環境の提供を目的に地域ポ
ータルサイト構築やワンストップサービス*2 によって地域の情報化と行政の情報化を一体的に整備する
ことが必要となるため「大館市地域情報化計画」を策定するものです。
図表 1-1. 大館市 地域情報化計画
地域情報化計画
ICTを利活用した
安心・快適な
居住環境の提供
行政情報化計画
本計画の策定に当たっては、平成 22 年度の総務省東北総合通信局による「秋田県大館市におけるI
CT利活用の促進のための調査研究会」(以下、調査研究会と言う)の調査研究結果の成果を基本とし
ます。
2. 地域情報化計画の実施期間
計画の実施期間は、平成 23 年度から平成 27 年度までの 5 年間とし、社会情勢の変化や情報化の進
捗状況等を考慮し、必要に応じて見直しを行うものとします。
*1
*2
Information and Communication Technology(情報通信技術)
必要とされる関連作業などが一度の手続きで完了できるように設計されたサービス。行政機関では様々な
手続きを一度に行えるサービスを実施し、住民の利便性を追求している。
1
第2章. 情報化の背景(国の情報化施策)
1. 内閣府 IT基本戦略
内閣府は、2000 年 7 月 7 日設置の「情報通信技術戦略本部」により 2001 年 1 月 22 日IT*3
基盤整備を目標とした「e-Japan戦略」を策定しました。
2003 年 7 月 2 日にはIT利用・活用重視の方針を示した「e-Japan 戦略Ⅱ」を策定し、2006
年1月 19 日にはITによる構造改革の追求を目指した「IT新改革戦略」を策定しています。
2010 年 5 月 11 日には「国民本位の電子政府の実現」、
「地域の絆の再生」、「新市場の創出と国際
展開」を 3 本柱とする新たな情報通信技術戦略「新IT戦略」を策定し、同年 6 月 22 日には 2020
年度までを期限とする工程表も提示しており、引き続きIT戦略が国の重要な政策として位置付けられ
ています。
図表 2-1. 国のIT戦略の経緯(出展:調査研究会)
2001年
内閣府
2003年
e-Japan戦略
2006年
e-Japan戦略Ⅱ
2010年
IT新改革戦略
2020年
新IT戦略
図表 2-2. 新たな情報通信技術戦略(新IT戦略)の 3 つの柱(出展:調査研究会)
主な目標
3つの柱
国民本位の電子政府の実現
・国民ID制度の整備
・政府CIOの設置
2013年
2015年
2020年
申請手続・証明書入手
をキオスク端末で実現。
(国民の50%以上)
申請手続・証明書入手の
ワンストップ化の実現
「政府において」公平で
利便性の高い電子政府
の効率的な実現
「50%以上の地方自治体」で
電子政府の効率的な実現
行政情報の公開
インターネットでの入手
地域の絆の再生
質の高い医療サービスの実現
高齢者等の在宅医療・介護・見守りを実現
・医療・健康の情報提供サービス
・レセプト情報の一元化
学校教育・生涯学習の環境整備
【光の道】構想の実現
暮らしに密着した医療・教育・
行政等向上、地域活性化
新市場の創出と国際展開
クラウド等IT技術導入に関する規制の撤廃
約70兆円の関連新市場の創出
・スマートグリッドの推進
・CO2削減(省エネ化)
・ITS推進
ゼロエネルギー住宅・オフィスの実現
高度道路交通システムによる交通渋滞の削減
戦略分野における産学官
連携での研究開発の推進
行政機関横断の体制構築
*3
Information Technology(情報技術)
2
2. 総務省 地域情報化政策
e-Japan戦略は 2002 年度に目標達成、e-Japan戦略Ⅱの対象期間が 2005 年で終了するのに伴
い、総務省では、2005 年に世界最先端のIT国家になるという目標達成を確実にするとともに、
e-Japan戦略後も引き続き世界最先端を進み続けるという認識から、2004 年 3 月、
「ユビキタスネッ
*4
ト社会 の実現に向けた政策懇談会」を設置し、2010 年の次世代ICT社会(ユビキタスネット社会)
の実現へ向けた中長期ビジョンを描いて、その実現に資する政策パッケージの骨格として 2004 年 12
月に「u-Japan政策」をとりまとめました。
2009 年 12 月にはICT維新ビジョンを策定し、2010 年 4 月 27 日には「ICT維新ビジョン
2.0の推進」、
「緑の分権改革の推進」、
「埋もれている資産の活用」を基本コンセプトとする新たな成
長戦略(原口ビジョンⅡ)を公表しました。
図表 2-3. 原口ビジョンⅡ(ICT維新ビジョン2.0の推進)の概要(出展:調査研究会)
基本コンセプト
„ICT維新ビジョン2.0の推進
„緑の分権改革の推進
あらゆる分野におけるICTの徹底利活用の促進
~ヒューマン・バリューへの投資~
地域の自給力と創富力を高める地域主権型社会に
~地域からの成長戦略~
下線部および
下線部および
主な目標
「光の道」100%の実現
ICTパワーによるCO2
排出量10%以上の削減
は、原口ビジョンⅡで追加・変更された箇所
は、原口ビジョンⅡで追加・変更された箇所
ポイント
2015年目処に、全世帯(4,900万世帯)でBBサービス
利用を実現
・2015年に前倒し
・「過去の競争政策のレビュー部会」でも議論
2020年までに、フューチャースクール全国展開を完了、
ICTによる協働型教育改革を実現
<教育クラウドの構築>
・フューチャースクールの全国展開
(2010年より。2020年までに完了)
ホワイトスペース有効利用により、2020年時点で
NEW
50兆円規模の電波関連市場を創出
「日本×ICT」戦略による
3%成長の実現
NEW
„埋もれている資産の活用
「スマートクラウド戦略」推進で、2015年時点で2兆円
NEW
のサービス市場を実現
<健康医療クラウドの構築>
・日本版EHRの整備
2020年までに、デジタルコンテンツ創富力を強化、
NEW
10兆円の経済波及効果を実現
<オープンガバメントの推進>
・国民ID制度を2013年までに実現
ICT人材戦略を推進し2020年までに、35万人の高度
ICT人材を育成
2015年までに、日本発の先進的なICT(J-ICT)
を30億人規模の海外市場に展開
<地域におけるICT利活用の促進>
・2013年までにICT利活用を倍増
(遠隔医療、児童・高齢者見守り、防災情報、
生涯学習支援、地場産業振興、他)
「ICTグリーンプロジェクト」推進で2020年までに、
CO2排出量10%以上削減を実現
・「ICT産業のグリーン化」(Green of ICT)
・「ICTによるグリーン化」(Green by ICT)
原口ビジョンⅡでは 2010 年度に目標達成見込みの「次世代ブロードバンド構想2010」に続き、
2015 年目途に「光の道」100%の実現を目標とする「光の道構想」を掲げています。
また、2011 年 7 月の地上デジタル放送への確実な完全移行に向けた最終体制の整備等にも力を入
れています。
*4
「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」がコンピューターネットワークを初めとしたネットワークにつ
ながることにより、様々なサービスが提供され、人々の生活をより豊かにする社会。
3
3. 総務省 「光の道」構想
総務省は 2010 年 12 月 14 日「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」の
政策決定プラットフォームを開催し、「光の道」構想に関する基本方針を決定しました。
「光の道」構想実現に向けたとりまとめでは、「未整備地域における基盤整備の推進」として、超高
速ブロードバンドによるインフラ整備を一つの柱として平成 23 年度(2011 年度)予算では、特別枠
要望として「光の道整備推進事業」24 億円を要求しています。
図表 2-4. 「光の道」構想に関する基本方針
„未整備地域(残り10%世帯)の超高速ブロードバンド基盤整備の推進
⇒
23年度予算要求 :
「光の道」整備推進事業
①原則は競争環境の中での民間主導
②但し、整備コストが多大のためインセンティブの付与⇒国が財政支援
公設民営方式を基本とし、地方公共団体が医療、教育、行政等の公共アプリケーションの導入と一体的に整備
„NTTの在り方を含めた競争政策の推進
⇒
23年度とりまとめ
①アクセス網のオープン化等の在り方
②中継網のオープン化の在り方
③ボトルネック設備利用の同等性確保の在り方(NTT東西の組織形態の在り方、機能分離)
④ユニバーサルサービスの在り方
⑤今後の市場環境の変化への対応
⑥今後の検証
„規制改革等によるICT利活用の促進
⇒
23年度とりまとめ
①ICTの利活用を妨げる制度・規制の見直し等
②安心・安全な利用環境の実現、デジタルリテラシーの向上
解説
•
23年度政府予算(「光の道」整備推進事業)は24億円(総事業費72億円)
図表 2-5. 「光の道」整備推進事業の概要(出展:総務省)
超高速ブロードバンドネットワーク整備(地域公共ネットワーク含む)
■ 目的:2015年を目処とした「光の道」100%実現に向け、先導的役割として公共分野における
超高速インフラ整備を支援
■ 支援内容:行政・教育・医療等の公共アプリケーションを導入するための超高速インフラ整備の一部を支援
(地方公共団体等が事業計画を作成し、総務大臣の認定を受けることが条件)
■ 支援対象:超高速ブロードバンド基盤が整備されていない地域を含む地方公共団体等
■ 対象設備:光ファイバケーブル、光電変換装置、送受信装置、無線アクセス装置(BWA、無線LAN)等
(これらに附帯する施設含む)
■ 交付率
:事業費の1/3交付
■ 平成23年度予算額:24億円
・診療情報共有
民間病院、診療所等 インターネット
地域医療連携
ネットワーク
医療機関
・遠隔医療
・健康相談
テレビ電話
住民宅
携帯電話 電話
・学校間情報共有
小中学校
・図書館連携
地域教育
・教育コンテンツ流通
ネットワーク
教育機関
・家庭・地域との情報連携
・遠隔授業
住民宅
・インターネット
サービスプラットフォーム
パソコン
(共通AP基盤)
・無線通信
都道府県
情報ハイウェイ
周辺市町村
・自動交付機
・キオスク端末
携帯機器
公共施設
住民宅
消防署
行政機関
行政ネットワーク 行政機関
防災ネットワーク
住民宅
告知端末
・防災情報提供
・自治体クラウド
4
・地デジ放送
・CATV
テレビ
第3章. 大館市の状況
1. 新大館市総合計画
大館市は、平成 17 年 6 月 20 日に比内町、田代町との合併により、新「大館市」としてスタートし
ています。
この時の大館市・比内町・田代町合併協議会で策定した「新市建設計画」を基本とし、21 世紀の新
たな都市像をめざした「新大館市総合計画」
(計画期間:平成 18 年度~平成 27 年度)を平成 18 年 4
月に策定しています。
(1). 6 つのまちづくりの目標
図表 3-1. 6 つのまちづくりの目標(都市像)と地域別ビジョン
2
1
自然と調和した
潤いのある
経済基盤の
確立を目指す
環境と調和した
環境都市
産業都市
3
健やかで
生きがいのある
生涯を支える
総合福祉都市
6
将来像
-21世紀に飛翔する
-21世紀に飛翔する 環境先端都市-
環境先端都市-
地域の多彩な魅力で創造し、
地域の多彩な魅力で創造し、
自然環境と都市機能が
自然環境と都市機能が
融合した北東北の拠点都市
融合した北東北の拠点都市
自立した地域が
共栄する
地域協働都市
“おおだて”
“おおだて”
4
5
生涯にわたり
楽しく学べる
利便性が高く
安全な暮らしを
支える
教育文化都市
地域別ビジョン
大館地域・比内地域・田代地域
(2). 計画の期間
図表 3-2. 計画の期間
5
快適生活都市
(3). 新大館市総合計画におけるICT利活用と関連した施策
図表 3-3. 総合計画と関連した施策
まちづくり目標
施策大綱
農業の振興
基本方針
ICT利活用施策
● 農業の持続的発展を図るた
め、担い手や集落営農組織の
育成・確保と農業経営の法人
化を促進
生産者の顔の見える、競争力の高い農
畜産物の産地化を目指し、トレーサビ
リティー・システム(生産・流通履歴
開示)の導入を促進
● 地場産品のPRに努め、販路
の拡大を図る
● 廃棄物処理による環境負荷の
軽減を図る
インターネットを活用したPR等販
路の拡大を図る
ごみの不法投棄や公害発生防止の監
視体制を強化する
保健・医療の
充実
● 救急医療に対する市民ニーズ
の多様化等に対処するため、
救急医療体制の整備充実を図
る
秋田県災害・救急医療情報システムの
活用により、緊急時における迅速な対
応に努める
学校教育・高等
教育機関の充実
● 人口動向や地域特性を踏ま
え、施設の統合を含め適切な
教育環境の整備充実に努める
● 高等教育機関の充実のため、
研究成果や人材の地域への貢
献・還元を含めた地域との連
携を一層支援
情報化社会に即応した、情報化教育を
推進
社会教育の充実
● ライフステージに応じた学習
活動を支援
コミュニティ
活動の充実
● コミュニティ施設の整備を推
進
情報通信基盤の
整備
● 地域ネットワーク化を促進
インターネットを利用した情報提供
及び学習の場を提供
生涯学習支援ネットワークシステム
を構築し充実を図る
情報通信基盤の整備や市民の情報選
択・発信能力の向上を図るため、イン
ターネットなど情報技術を活用した
デジタルコミュニティ環境の整備を
推進
ブロードバンド時代に対応した高度
情報通信ネットワークの基盤整備を
促進し、市民の情報発信能力の向上を
図る
1 経済基盤の確立を
目指す環境と調和した
産業都市
2 自然と調和した
潤いのある
観光の振興
廃棄物対策の
推進
環境都市
3
健やかで
生きがいのある
生涯を支える
総合福祉都市
4 生涯にわたり
楽しく学べる
教育文化都市
● 行政事務の情報化を推進
5 利便性が高く
安全な暮らしを支える
快適生活都市
地域安全(防
災・消防・交通
安全・防犯)の
整備
● 自然災害に備えて防災体制の
充実を図る
6 自立した地域が
効率的な行財政
運営の推進
● 地域自治の推進
共栄する
地域協働都市
6
コンピュータによる情報教育など、研
究と研修の充実に努め、教職員の指導
力向上を図る
ITを活用した電子自治体への取り
組みを推進し、行政サービスの質的向
上を図る
重要水防箇所の把握や河川情報シス
テムの活用により水害の未然防止に
努める
秋田県総合防災情報システムを核と
した災害情報ネットワークの確立を
目指す
市民との情報共有化を推進
地域づくり支援への ICT 利活用推進
2. 東北総合通信局における調査研究会
平成 22 年度に東北総合通信局において、本市をモデル地域として、地域情報化の推進方策に関する
調査研究『秋田県大館市におけるICT利活用の促進のための調査研究会』を実施し、本市が抱える医
療、防災、教育、産業、観光、環境分野等における課題について、ICT利活用による解決に向けた検
討を行い、調査研究報告書にまとめました。
(1). 住民アンケート・行政ニーズから抽出した課題
本調査研究会において、地域情報化に対する意見を把握するために、高校生以上の市民を対象にアン
ケートを実施しました。また、庁内ヒアリングを行い、行政上のニーズに即した各部門の抱える課題を
抽出しました。
図表 3-4. 抽出した課題(出展:調査研究会)
キーワード
(主担当部署)
高齢者福祉
高齢化対策
(長寿支援課)
調査概要/課題・要望等
【高齢者世帯生活要望調査】
(65 歳以上の独居高齢者)
・不便を感じること 店舗・病院・銀行
・困難に感じること 食事の準備・掃除・洗濯
・緊急時の不安 急病・災害時
・近所の相談者は多い(80%)
・高齢者はIT利用困難、サークル集客少ない
・地域包括支援センター職員は月例会議で情報共有
・グループホーム職員の意見交換の場が必要
・介護者のサポートが必要
⇒ 支援センター職員間の情報交換、介護情報共有
(まちぐるみの横連携(絆再生)で、隣家の鍵預託)
【高齢化対策】
・独居老人 411 世帯 ⇒ 高齢者宅 6,600 世帯へ
⇒ 安否確認の拡充(孤独感の癒し、生き甲斐、元気な高齢者、見える化)
⇒ ICT利活用を利用者に意識させない取り組み
子育て支援
・「子どもすこやかにぎわいプラン」策定(H22.3)
⇒ 「子育て支援ネットワーク構想」あり
・各サポート団体 HP で個別に情報提供
⇒ 地域ポータル利用で情報統合化要望
・市サポートの NPO 団体立ち上げ&育成したい
・問い合わせメール数十件/年
⇒ データベース化要望
(福祉課)
※子育て支援ポータルサイトにて、詳しい情報を市民に提供
・冊子(紙情報)以外の情報
⇒ 遊び場/小児科(当番医)/幼稚園・保育所・託児所
・学校入学前の学校情報
⇒ 子どもの躾/災害情報/不審者情報/各種申請の 365 日 24 時間化
ボランティア団体
(各担当課)
・市内や他地区団体との情報交換・活動連携による大きな輪・和の活動
・自分にマッチしたボランティア探しができるネットワークづくり
・ボランティア活動全般を市民へ情報公開
7
キーワード
(主担当部署)
健康管理
(健康推進課)
調査概要/課題・要望等
【健康づくり】に関する調査(20 歳~70 歳)
・健康づくり情報発信の充実
・誰もが利用できる施設情報
施設情報公開(パッシブ)⇒PR活動(アクティブ)
・相談窓口の充実(できれば 24 時間サポート)
・雪
環境
(環境課ほか)
⇒ 住宅(屋根)・道路の除雪・融雪
・強風・フェーン現象
⇒ 家屋の耐火
・CO2 削減
⇒ クリーンエネルギー活用、省電力化
【課題/方針】
・不法投棄、環境への取り組みを情報共有
道路
(土木課)
商工観光
(商工観光課)
防災
(総務課)
ブロードバンド基盤
整備
(企画調整課)
・現場の動画映像情報の提供・公開
・現地の地図情報、通行止め/渋滞等の道路情報等の提供・公開
・観光情報等は各団体個別に情報発信
⇒ 地域ポータル利用で情報統合化要望
・広域連携(県域、市域)を図る取り組み中・地元商店の活用できる情報提供
を要望
・「緊急情報一斉配信システム」導入済み
行政協力員登録者が少ない(約 30%)
⇒ 登録促進+サービス拡充が必要
・行政の通信簿アンケートで、IT関心度が低い
・住民アンケート(本研究会)にて、回線速度の不満は多い
⇒ ブロードバンド基盤整備を推進
【課題/方針】
・ICT関心度低さの解消に向けて最優先は利用者が便利に思うこと
⇒ 意識向上 ⇒ 次の展開
地域ポータルサイト
(企画調整課)
【具体的施策(案)】
・地域ポータルサイト(総合窓口)で情報共有化
⇒ 環境先端都市を推進する
⇒ 福祉・介護での活用
⇒ 住みやすい大館市への復活(絆の再生)
8
(2). 課題の深堀
住民アンケートの結果では、医療・介護・福祉が重要課題であるが、領域が幅広く具体的課題が抽出
できていないため、庁内ヒアリングで得た行政ニーズを踏まえ生活支援を目的とし、子育て・介護世代
(30~40 歳代)をターゲットとする具体的な課題を深堀する議論を進めました。
また、エコタウン制度認証地域に指定されている長野県飯田市の産業振興についてベンチマーキング
した結果、企業集団による活動の大きな輪・和に違いがあり、大館市は活動が孤立化・散発的であるこ
とから、ICT利活用(情報流通)による地域振興の喚起によって、集団的な取り組を拡大させること
が重要な課題となっています。
このため、ICT利活用により集団的な取り組み活動を拡大させていくには、成功事例を実感できる
取り組みから始めることが重要であると判断されることから、ICTに慣れ親しんでいる子育て世代へ
の利活用を第 1 ステップとして実施体制の強化を図ります。
図表 3-5. 課題の深堀(出展:調査研究会)
課題
ICT利活用による成功体験の実感
先ず出来る所から始める
第一ステップは『子育て』に注力
(3). ICT利活用の推進イメージ
図表 3-6. ICT利活用の推進イメージ(出展:調査研究会)
大館市 ICT利活用の促進
国/秋田県の施策動向を把握
国/秋田県の施策動向を把握
・IT戦略、国民保護法など関連政策
・IT戦略、国民保護法など関連政策
・補助金/交付金など財政支援措置
・補助金/交付金など財政支援措置
・今後の予算動向の把握
・今後の予算動向の把握
「光の道」構想
《第二ステップ以降》
大館市のあるべきすがたを描く
大館市のあるべきすがたを描く
・ICT利活用の具現化検討
・ICT利活用の具現化検討
・アンケート調査によるニーズ分析
・アンケート調査によるニーズ分析
・地域特性、産業構造など魅力の抽出
・地域特性、産業構造など魅力の抽出
・人口動態、就業人口変化への対応
・人口動態、就業人口変化への対応
・財政予測
・財政予測
大館市の将来イメージ
【新大館市総合計画】
地域の多彩な魅力で創造し、
自然環境と都市機能が融合した
北東北の拠点都市“おおだて”
新たな成長戦略ビジョン
ICT利活用広域連携事業
地域雇用創造ICT絆プロジェクト
◎地方分権社会への対応
データの分析
アンケート調査
◎少子高齢化社会への対応
大館市のICT利活用の具体化を図る
大館市のICT利活用の具体化を図る
・補助金/交付金/起債など財源確保のための助言
《第一ステップ》
・補助金/交付金/起債など財源確保のための助言
・基幹網/加入者系NWなどインフラ構築方法の選定 《子育て支援ポータルサイト》
・基幹網/加入者系NWなどインフラ構築方法の選定
・地域密着型アプリケーションの選定
・地域密着型アプリケーションの選定
・管理運営方法、地域情報化施設との連携方法の検討
・管理運営方法、地域情報化施設との連携方法の検討
・マスタスケジュールの立案
・マスタスケジュールの立案
情報力
関係省庁、先進自治体
+
インフラ網・アプリケーションの選定
財源の確保
◎厳しさを増す財政状況への対応、住民のライフスタイルの変化への対応
9
【ICT利活用による情報化の推進】
・簡単便利な住民サービスの提供
(ワンストップ電子自治体の実現)
・遠隔による病診連携
・安全安心な生活の確保
・校務システムの導入、遠隔による授業
・広域連携/官民連携による地域活性化
(4). 成功事例確立を目指す第 1 ステップ【子育て支援】
第 1 ステップとして「大館市子育て支援ネットワーク構築事業」の事業計画・運営体制が検討されて
いる「子育て支援」については、日常的なポータルサイトコンテンツ等のシステム構築を図ります。
図表 3-7. 【第 1 ステップ】子育て支援ポータルサイトでの提供サービス(出展:調査研究会)
総合窓口サイト(ポータルサイト)を活用した、提供すべきサービスを以下に示します。
子育て支援
子育て世代の親のための具体的な提供サービス
・情報共有
誰でも(市内外)無料で利用できるコミュニティサイトを導入。知りたいこと・相談・悩みなど自由に投稿可能。
サイトコンテンツ・イメージ
~いつでも、どこでも活用でき、子育てを楽しむために~
出産
出産不安を軽減する情報(申請、検診)
ベビーマッサージ/ふれあい遊び動画
食育とエコ
保育の場での日常の取り組み内容を
動画等で提供
予防接種
日程カレンダー、お知らせメール
保育所・幼稚園
保護者に入園に関する情報提供
お悩み相談
子育てのお悩み対応
子育てQ&A
悩んでない人も役立つ情報
おじいちゃんおばあちゃん
の子育てコーナー
祖父母とこども達の多世代交流を紹介
小学校・学童保育
不安解消、スムーズな入学に役立つ
情報提供
子育てイベント
イベント、遊び場情報
イクメンってな~に
父親の子育て支援
その他
子どもの成長記録等
あなたからの提案
発病時の相談
(病気・病院)
こどもが病気のとき活用できる情報
(病院待ち時間を軽減する仕組み等)
更に子育てが充実するための提案の
場を提供
(子育て関連なら自由に投稿)
・PR方法
保育施設/幼稚園/出生届出者/子育て相談室等への宣伝(チラシ配布)。 広報/ホームページでの紹介。 他
・セキュリティ対策
子どもの記録に対して、情報開示範囲等を検討。シミュレーション及び試験運用により、適切な個人情報保護体制を検討。
・その他システム要件
誰でも利用できるため、不適切発言に対するチェック方策の検討。
携帯電話で利用できるプラットフォームの構築。 ツイッターによる情報発信。
NPO法人等の参加団体確保、運営方式の検討。 ベストアンサーへのポイント付与 + 市内商店街でのポイント利用。
(5). 総合窓口ポータルサイトを確立する第 2 ステップ【将来イメージ】
ICT利活用による課題解決で地域活性化を図るためには、大館市の様々な分野の情報を一括管理で
きることが望まれるため、第 2 ステップにおいては総合窓口ポータルサイトの構築を目指します。
図表 3-8. 【第 2 ステップ】総合窓口ポータルサイトへの発展(出展:調査研究会)
生活支援
地域活性化
絆の再生
住み易い町の再生
働き盛りの30~40歳代
地域総合ポータルサイト
高齢者福祉/健康管理
高齢者福祉/健康管理
市民交流の場
相談窓口
電子申請
子育て
子育て
商工観光/防災
商工観光/防災
気軽にできる介護ボランテイア活動の需要と供給のマッチング
観光情報提供
介護用品等リサイクルの需要と供給のマッチング 出会いの場
企業活動情報提供
悩みや課題を情報交換
新事業取り組みへの情報交換
買い物代行
交通支援
児童見守り
家庭教師
特売情報(チラシ)提供
話し相手
体調見守り
長老談義
里親
庭掃除
雪下ろし
片付け
生涯スポーツ
福祉GIS
地域コミュニティ活動の情報発信(ワンセグ放送コミュニティ・チャンネル)
地域コミュニティ活動の情報発信(オンデマンド・ストリーミング)
健康相談の場
観光施設紹介・斡旋
老人施設斡旋 公共施設予約
育児相談
教育相談
地場企業支援
介護職員サポート
保育所斡旋
図書館情報
緊急情報一斉配信
電子申請(コンビニ活用の365日24時間対応)
その1【インターネット活用】
情報共有の場として
地域総合ポータルサイト活用
その2【電子ブック活用】
誰もが使えて環境にやさしい
タブレットPC展開とオープンオフィス化
その3【デジタル放送/携帯活用】
誰もが見られる
コミュニティチャンネル放送
動画情報を提供できるブロードバンド(CATV)基盤整備
10
3. 情報通信基盤の現状
(1). 情報通信基盤
大館市の情報通信基盤の設置状況をみると、インターネットは市内全域で ADSL 利用可能となった
ものの、光ブロードバンドエリアや CATV インターネット提供エリアは、市中心部の一部地域に限定
されています。
特に大容量情報化時代に対応するため、市内全域の光ブロードバンドの整備が急務となっています。
図表 3-9. 大館市ブロードバンドマップ
平成 23 年 1 月現在
越山
長走
岩野目
花岡
雪沢
早口
釈迦内
大館
十二所
比内
東館
大葛
FTTH
ADSL
CATV
11
(2). インターネット利用状況
大館市のインターネット利用状況は、フレッツ光とフレッツ ADSL の加入世帯数 8,074 世帯及び、
大館ケーブルテレビの加入世帯数約 2,000 世帯を合わせて、10,074 世帯(32%)となっています。
(大館市総世帯数 31,174 世帯。平成 23 年 2 月末時点)
図表 3-10. NTT東日本提供エリア(平成 23年2月末時点)
局舎
全域
大館
釈迦内
比内
花岡
長走
雪沢
十二所
東館
大葛
越山
岩目野
早口
フレッツ光
フレッツ ADSL
カバー率
普及率
普及率
74%
99%
98%
64%
-
-
-
-
-
-
-
-
-
25%
25%
23%
20%
-
-
-
-
-
-
-
-
-
10%
5%
7%
13%
18%
16%
8%
16%
28%
18%
10%
17%
29%
カバー率 =
普及率 =
光提供エリアの電話施設数
局舎内の電話施設数
契約者数
提供エリアの電話施設数
図表 3-11. 大館ケーブルテレビ提供エリア(平成 22 年 3 月末時点)
CATV サービス
全域
大館
釈迦内
その他地域
提供エリア
契約世帯
数
-
ほぼ全域
ほぼ全域
提供エリア無し
約 2,000
-
-
-
注)大館ケーブルテレビのサービスエリアは、13,349 世帯をカバーしている。
12
(3). 携帯電話不感対策
携帯電話については、地区単位での不感地域の解消は完了しましたが、集落単位で 3 地区が依然とし
て携帯電話が利用できない状態となっています。
注)携帯電話の不感地帯 3 地区(23 世帯)
・ 比内地区炭谷 10 世帯
・ 雪沢地区赤沢 7 世帯
・ 田代地区平滝 6 世帯
図表 3-12. 各社の携帯電話サービスエリア
NTTドコモ
au
ソフトバンクモバイル
ウィルコム
13
(4). 防災及び危機管理通信システム
本市には、以下の防災及び危機管理通信システムがあります。
①
緊急時情報一斉配信システム
・ 携帯電話を利用し、緊急時の情報配信や情報収集、職員等の安否確認や出勤状況の確認な
どを行う。
・ 平成 23 年 1 月 31 日現在の登録者数:職員 698 人、行政協力委員 145 人。
②
防災行政無線システム
・ アナログ無線により、防災情報、避難勧告等の伝達を関係機関へ連絡する。
・ 基地局(本庁 1 局)と可搬局(公民館等 15 局)、移動局(車庫 3 局、車載 57 局)、携
帯(8 局)の計 84 局で利用。
③
消防無線システム
・ 災害時は、防災行政無線システムと同様に防災情報、避難勧告等の伝達や関係機関への連
絡を行う。
・ 基地局(消防本部、比内分署、田代分署 3 局)と、移動局(車載 26 局)、携帯(29 局)
の計 58 局で利用。
※ 平成 15 年の電波法関係審査基準により、現在のアナログ無線を平成 28 年 5 月までのデ
ジタル化が必要となり、市では平成 25 年度から導入を開始し、平成 27 年度の完了を予
定。
④
全国瞬時警報システム(J-ALERT)
・ 衛星通信を利用し、対処に時間的余裕がない大規模な自然災害等についての情報を伝達す
る。(国から市へ直接瞬時に)
・ 市民へは市から上記「緊急時情報一斉配信システム」により登録者へ伝達予定。
14
第4章. 地域情報化計画
1. 基本方針及び基本計画
総務省による調査研究会の答申を受けて、大館市における今後の地域情報化を推進します。
• 総合窓口ポータルサイトの推進
・ 第 1 ステップとして、「子育て支援ポータルサイト」を構築
・ 第 2 ステップとして、「総合窓口ポータルサイト」への展開
• 情報通信基盤整備
・ 「光の道」構想に向けた超高速ブロードバンドの整備促進
• 住民サービス向上に向けたICT利活用の推進
・ 情報通信基盤整備と並行し、ICT利活用の住民サービス提供
• 広域連携の拡充
図表 4-1. 地域情報化の基本計画イメージ
地域情報化の基本計画
総合窓口ポータルサイトの推進
情報通信基盤整備
【第1ステップ】
子育て支援ポータルサイトの構築
「光の道」構想に向けた
情報通信基盤の整備
【第2ステップ】
総合窓口ポータルサイトへの発展
※全市ブロードバンド網の構築
住民サービス向上に向けたICT利活用の推進
高齢者の安全安心サポート
不法投棄の監視サービス
遠隔授業・校務システム
エリアワンセグ
マルチメディア放送
マルチプラットフォームによる
防災情報の提供サービス
施設予約・図書館利用
電子申請サービス
医療情報の共有
遠隔医療相談サービス
その他のICT利活用サービス
15
広域連携の拡充
2. 総合窓口ポータルサイト
(1). 子育て支援ポータルサイトの構築【第1ステップ】
「大館市子育て支援ネットワーク構築事業」の事業計画・運営体制にて検討されている、子育て支援
に注力し、「子育て支援ポータルサイト」において以下に示す子育て関連情報を提供します。
本サイトは、市民だけでなく域外の人も自由に投稿・閲覧を可能とし、情報の広域化を推進します。
図表 4-2. 提供サービスの概要
項目
サービス概要
【産休や育休の手続き、検診などの出産に係る情報を掲載】
・ 初めての出産の不安を軽減
出産
・ マタニティーブルーの軽減
・ ベビーマッサージの動画、ふれあい遊びの動画
【保護者に入園に関する情報を提供】
・ 保育所等の空き状況を検索
・ 施設を写真で紹介、特徴をアピール
・ 保育料の試算表(条件等を入力し、自動演算する)
幼稚園・保育所
・ どこに入園させようか迷っている親に必要な情報を提供し最適な選択ができるよ
うにする
・ 幼稚園の見学日一覧
【予防接種の日程カレンダー、お知らせを掲載】
・ 生年月日を打ちこむと該当する予防接種日が見られるカレンダーとプラスアルフ
ァとして、メールアドレス登録で、事前のお知らせメール
予防接種
・ 予防接種の受け忘れを防止
・ 感染症状況のお知らせ
【保育所での食育やエコを紹介】
・ 保育所等で栽培した野菜を食べる、太陽電池時計の使用など、大館市内の保育所
等の食育とエコの取り組み内容を動画で配信
・ お遊戯会などの行事、普段のこどもや保育所等の取り組みを動画で見ることで、
食育とエコ
保護者・こども・保育所等の距離を縮める
・ 保育所内の活動にとどまらず、こども→親→地域と食育やエコを広めていく
・ 物々交換(リサイクル)広場
【子育てに関する悩み相談コーナー】
・ 子育ての悩みの「相談をする」
、「相談を受ける」ことで、悩み解消
お悩み相談
・ 悩みがなくても読むだけで役に立つ
【子育てに関する質問と回答のコーナー】
子育てQ&A
・ 子育てに関する一般的な質問と回答をわかりやすく掲載
おじいちゃん・おばあち 【祖父母世代とこどもの交流を紹介】
・ 親同士だけではなく、祖父母世代との多世代の繋がりを醸成
ゃんの子育てコーナー
【小学校へ入学するための情報を掲載する】
・ 学童保育の情報の掲載
・ 年長児から小学校 1 年生へと、こどもにとっても保護者にとってもライフスタイ
小学校・学童保育
ルが変わる節目の不安解消のために、スムーズに入学できるような情報を掲載す
る
・ 小学校のみんなの登校日一覧
【イベントや遊びの情報を提供】
・ イベントや遊び場の情報、こども連れでも行きやすい飲食店情報を掲載
子育てイベント
・ おむつの取替え、授乳スペースの情報
・ サークルが作るページやサークルが PR できるページ
【子どもが病気になった時、活用できる情報を提供】
・ 休日当番医・救急病院の情報
病気・病院
・ よくある子どもの病気、症状と対策
・ 病院の待ち時間情報、受診案内サービス
【国で提案しているイクメンを紹介】
イクメンってなー
・ 厚生労働省が PR している「イクメンプロジェクト」サイトの紹介
に?
・ 子育て奮闘中の男性の紹介
【さらに子育てが充実するための提案をお寄せください】
・ こんな情報が欲しい、これは無駄など子育てポータルサイトへの意見
あなたからの提案
・ 保育園、幼稚園、行政、病院などへ、こんなサービスが欲しいなどの提案
・ みんなに知らせたい危険な場所情報掲載コーナー
16
(2). 総合窓口ポータルサイトへの発展【第2ステップ】
「子育て支援ポータルサイト」によりICT利活用の成功事例を確立し、大館市の総合窓口ポータル
サイトへ発展的に拡充します。併せて大館市ホームページをリニューアルし、携帯電話からのアクセス
対応や外国語対応等の施策を推進します。
図表 4-3. 分野別の情報発信内容
分野
環境分野
高齢者福祉分
野
商工観光分野
防災・防犯分野
教育分野
大館市
ホームページ
情報発信内容等
本市は、
「秋田県北部エコタウン計画」に基づき、家電製品リサイクル施設や廃プラスチッ
ク利用新建材製造施設を有しており、エコタウン制度認証指定を受けた環境先端都市であ
る。
環境先端都市を推進するうえで、除雪・融雪対策や不法投棄監視にポータルサイトを活用
し、市民への情報提供と環境保護への啓発活動を推進する。
【情報共有】
・ 住宅・道路等の除雪/融雪情報の提供。
・ 商店街・道路・不法投棄箇所等のカメラ映像の提供。
医療・介護・福祉分野は住民アンケートで導き出された大館市の最優先課題である。特に
高齢化社会に向けて高齢者介護・福祉の充実が求められている。
そこで、介護者に重点を置いた情報共有のためのポータルサイトを構築する。
【情報共有】
・ 介護者の情報交換
【情報発信】
・ 高齢者向けに情報の発信 ⇒ フォトフレームサービス等
産業振興には、意欲と意思、集団と共同による大きな活動の輪・和/集団化が重要であり、
ICT利活用による情報流通が地域振興の喚起に貢献できる。
商工観光を中心に情報共有・発信を統合化することにより「大館市のブランド化」に寄与
するポータルサイトを構築する。国際化に伴う多言語にも対応する。
【情報共有】
・ 誰でも(市内外)無料で利用できるコミュニティサイトを導入。
・ 商店街、店舗、個人、団体等による自由な情報発信(キャンペーン、イベント等)。
・ 道路情報(積雪・除雪・排雪箇所)や交通機関情報などを即時情報提供。
・ 携帯電話への情報提供。
ICT利活用により無線にこだわらない防災情報システムを構築する。また、災害発生時
の告知機能の他に、災害現場支援や自助・共助の活動を支援する情報システムを構築する。
【防災情報のマルチプラットフォーム化】
・ 防災行政無線以外での情報発信を推進。
(IP網、各種無線、携帯電話)
学校教育におけるICT導入を国は推進している。動画配信機能を有するポータルサイト
を活用して、誰もが教育コンテンツの作りやすい仕組みを提供する。
【情報発信】
・ 子どもたちの授業風景を動画配信(授業、遠足、運動会、修学旅行等)。
【遠隔授業】
・ 学校間での遠隔授業を取り入れた授業。 ティームティーチングの推進。
・ 職員会議等への活用。
総合窓口ポータルサイトの構築と併せ、現在の大館市ホームページをリニューアルする。
防災・福祉・観光分野における行政からの発信情報が、総合窓口ポータルサイトと市ホー
ムページの双方に反映されるような仕組みを構築する。
また、市ホームページ運営では、コンテンツ更新の効率化を図る。
17
3. 情報通信基盤の整備
本市のブロードバンド環境は、市中心部に光ファイバーによるインターネット接続やケーブルインタ
ーネット接続サービスがあるものの、その他地域はADSLによるサービス環境となっています。近年の
情報化動向を見ると地域情報化の推進には、広帯域の動画コンテンツ配信や遠隔による医療相談、授業
での活用など、
「第4章 4 その他の住民サービス」で示すようなサービスを提供できる超高速ブロード
バンド環境の整備が急務となっています。
そのため、総務省「光の道」整備推進事業等による公的整備や通信事業者等との連携を図りながら、
市内全域の情報通信基盤整備(超高速ブロードバンド環境の実現)を推進します。
図表 4-4. 情報通信基盤整備の要件
項目
超高速ブロードバンド
インターネット接続環境
地上デジタル放送の
難視聴対策
携帯電話の不感地域解消
要件
超高速ブロードバンドによるインターネット接続の実現
対象:市内の全世帯および全事業者
帯域:100Mbps 程度/世帯
放送事業者や通信事業者による、地上デジタル放送サービス提供のため、芯線の
一部を開放する。
携帯電話事業者に芯線の一部を開放し、交換局~基地局間のインフラとして活
用。携帯電話の不感地域の解消を図る。
(1). 情報通信基盤の整備手順
情報通信基盤整備(超高速ブロードバンド環境の実現)を、以下の手順で推進します。
図表 4-5. 情報通信基盤の整備手順
No.
1
3
手順
IRU 制度を活用した
設計・施設運営事業者の選定
情報通信基盤を整備する
ための調査・設計業務
情報通信基盤の工事(施工)
4
情報通信サービスの提供
2
内容
・ IRU 選定委員会による IRU 事業者の選定、契約
(調査、設計、監理、施設運営を行う)
・ 国・県による情報通信施策の検討
・ IRU 事業者による、調査・設計業務
・
・
・
・
施工事業者の入札、契約
施工事業者による工事
IRU 事業者による監理
IRU 事業者によるサービス提供(施設運営)
18
(2). 調査・設計・施工監理・施設運営を行う事業者の選定
情報通信基盤を整備しインターネット接続サービスを住民や企業へ提供するため、IRU 制度による情
報通信基盤整備を実施するための調査・設計・監理・施設運営業務を請負う IRU 事業者を公募し、提案
プロポーザル方式により選定を行います。
図表 4-6. IRU 事業者の選定手順
IRU選定委員会によるIRU事業者選定の決定
委員会メンバーの選定
選定要件の検討
選定基準の検討
IRU事業者の募集・公告
IRU事業者の決定
公募型プロポーザル方式による事業者提案の判定
IRU事業者の決定
IRU契約の締結
調査・設計・監理・施設運営業務の優先交渉権を付与
19
(3). 情報通信基盤の調査~サービス開始まで
選定された IRU 事業者により、市内全域に情報通信基盤を整備するための調査および設計を実施し、
工事では、設計に則りスケジュール通りに施工されていることを IRU 事業者が監理します。
図表 4-7. 調査~サービス開始まで
IRU事業者による調査・設計
調査・設計業務
施工事業者の入札公告
施工事業者の決定
情報通信基盤の整備(工事)
IRU事業者による監理
施工事業者による工事
情報通信基盤のサービス開始
IRU事業者によるサービス提供
(4). 整備困難地域の無線ブロードバンド導入の検討
山間部や一級河川横断など、有線(光ファイバー等)による情報通信基盤整備が困難な地域がある場
合は、無線方式による情報通信基盤の補完も検討します。
図表 4-8. 情報通信基盤を補完する無線方式
方式
地域 WiMAX
特長
無線通信技術の規格の1つであり、近年、ブロードバンド整備が困難な地域での
活用に期待されている。
無線 LAN 中継装置
準ミリ波帯(25GHz)を使った免許不要の無線通信装置。
河川横断など 2 点間での通信に利用される。
LTE(3.9G)
次世代の携帯電話規格。
第 4 世代携帯電話(4G) 広帯域双方向による通信が可能であり、有線によるブロードバンド環境を補完す
る手段としてもICT利活用に期待される。
20
4. その他の住民サービス
住民サービス向上に向けたICT利活用による住民サービスを向上させる施策を推進します。
本施策は、情報通信基盤整備と並行して検討を進め、基盤整備後に住民要望の高い施策より順次実施
します。
(1). 基本的な考え方
ICT利活用による住民サービスを導入するにあたっては、以下に述べる要点を基本的な考え方とし
て、施策の検討を行います。
図表 4-9. 提供する住民サービスの基本的な考え方
方式
国・県の情報化施策
による財政支援
クラウドコンピューティ
ング*5 の積極的な導入
システムカスタマイズを
最小限に抑制
システム運営の
アウトソーシング
*5
特長
「光の道」整備推進事業による公的整備や秋田県の情報化施策等による公的財政
支援と連携し、施策事業を推進する。
市で設備を有する必要のない、クラウドコンピューティングの思想を積極的に導
入する。
本市の考える住民サービスを実現するために、システムカスタマイズが必要とな
る製品は極力選択しない。
システム運営のアウトソーシングを検討する。
(地元事業者、サービス提供事業者等)
Cloud Computing
自治体等がコンピュータのハードウェア・ソフトウェア・データなどを保有せず、インターネット上でサ
ービスを受けることを指す。経費削減の効果が期待できる。
21
(2). ICT利活用による住民サービス
ICT利活用により提供する住民サービス施策を以下に示します。
これらの施策の中で、住民要望が多く実現性の高い施策より順次実施します。
図表 4-10. ICT利活用により提供する住民サービス施策
ICT利活用による
住民サービス
高齢者の安全安心サポート
マルチプラットフォームによる
防災情報の提供サービス
不法投棄の監視サービス
施設予約等・
電子申請サービス
遠隔授業・校務システム
医療情報の共有・
遠隔医療相談サービス
エリアワンセグ・マルチメディア
放送
観光情報
特長
・ 高齢者宅にTV電話端末を整備し 24 時間コールセンター支援体制の
構築
・ 定期的な安否確認、生活相談、緊急時コール等への活用
・ 防災行政無線での放送に加え、IP網を含めた様々なインフラ網を利
用した告知放送の導入、既存システムの補完
・ 防災情報の他、行政情報の提供への利用
⇒ 携帯電話等への情報配信
・ 不法投棄に関する情報共有サイトの構築
⇒ 市民による不法投棄の情報提供(写真等)
・ 各所に監視カメラ設置し、リアルタイムの監視システムとしての活用
・ 電子申請システムの運用開始
⇒ 各種申請等を電子化し、手続きの簡素化・利便性向上
・ 公共施設等の予約システムの導入
・ 遠隔による授業の推進と学校間の連携
・ ティームティーチングへの活用
・ 校務システムの導入と教職員の事務の効率化
・ 近隣総合病院、大学病院、地域病院の連携による医師間の医療相談シ
ステムの導入(TV電話)
・ 病院間相互接続により診療情報(検査・処方)を共有する患者中心の
医療の実現
・ インターネット予約による待ち時間の解消
・ 携帯端末向けに地域情報・防災情報・観光情報など、地元に密着した
映像コンテンツ情報の配信
・ 同情報を、様々なメディアに向けて情報発信するインフラの整備(マ
ルチプラットフォーム)
・ 観光情報のリアルタイムな提供
⇒ ライブカメラの設置や、市民からの情報発信の活用
・ 広域連携による相乗効果
22
(3). 広域連携等の拡充
大館市の地理的条件や産業構造の特性を活かし、近隣市町村と観光・医療等の広域連携を図ることに
より、地域活性化を推進します。
図表 4-11. 広域連携等の拡充方策
項目
国道 7 号等、広域連携
東北新幹線開通による
広域観光の連携
二次医療圏での医療連携
方策
国道 7 号線等による広域連携により、観光情報・交通情報の発信や地域産品の販
売促進を図る。
東北新幹線の新青森駅延伸による広域連携により、各種イベント情報の発信など
を図り、地域活性化を推進する。
二次医療圏(大館市、鹿角市、小坂町)における医療情報の共有や、医師間連携
で対面医療の補完を図り、医療機会の増加・充実化を推進する。
23
5. 実施スケジュール
(1). 中期目標と長期目標
本計画におけるスケジュールとして、初期の目標である総合窓口ポータルサイト構築と情報通信基盤
整備までを中期目標と設定し、ICT利活用による住民サービスの提供を長期目標とします。
図表 4-12. 中期目標と長期目標
項目
方策
・ 総合窓口ポータルサイトへの発展的推進
平成 23 年度 子育て支援ポータルサイトの構築
平成 24 年度 総合窓口ポータルサイトへの発展
・ 情報通信基盤整備による「光の道」100%の実現
平成 23 年度 IRU 事業者の選定、調査・設計業務
平成 24 年度~平成 25 年度 施工事業者の選定、工事
平成 25 年度中 サービス提供の開始(予定)
・ ICT利活用による住民サービスの提供
平成 25 年度 具体的な施策検討
平成 25 年度~平成 26 年度 ICT 利活用サービスの導入、サービス提供
・ 広域連携
平成 26 年度~平成 27 年度 広域連携の検討
中期目標
平成 23 年度~平成 25 年度
長期目標
平成 25 年度~平成 27 年度
※ 平成 25 年度のオーバーラップは、長期目標を実現するための具体的な施策の検討期間と設定。
(2). 具体的な実施スケジュール
具体的な地域情報化の推進のための実施スケジュールでは、「①総合窓口ポータルサイトへの発展」
を1つの柱として考え、「②超高速ブロードバンド整備」と並行してスケジュールを検討し、この進捗
を見ながら、
「③ICT利活用による住民サービス」と「④広域連携」を検討します。
図表 4-13. 具体的な実施スケジュール
平成22年度
調査研究会
平成23年度
平成24年度
平成25年度
平成26年度
平成27年度
調査研究会
報告書
子育て支援
ポータルサ
イト
子育て支援
ポータルサイト
の構築
PC/携帯電話
地域総合
ポータルサ
イト
地域総合ポータルサイトの構築
「光の道」
構想
「光の道」100%の実現
超高速ブロードバンド整備
ICT利活
用
住民サービ
ス
具体的な施策検討
住民サービス向上に向けた
ICT利活用の推進
広域連携の検討
広域連携
24
6. 組織と役割分担
(1). 産学官民一体での情報化推進
「子育て支援ポータルサイト」、
「総合窓口ポータルサイト」、
「ICT利活用による住民サービスの提
供」を推進するためには、行政の情報発信や事業者のインフラ整備・システム導入、さらには、産学官
民が一体となった取り組みが不可欠となることから、地域住民や各種団体(商工会議所、NPO 法人等)
の参加、学術関連団体等との連携が重要となります。
(2). 整備体制、運営体制
ポータルサイトの構築にあたり、各種公共サービスを統括する「大館市ICT利活用推進協議会(仮
称)」を設立します。
運営にあたっては、人材育成及び企業支援により、民間での事業推進を図ります。
図表 4-14. 協議会による運営体制の構築(出展:調査研究会)
大館市ICT利活用推進協議会(仮称)
プロジェクトリーダー:大館市副市長
大館市関係部署連携
民間団体(情報提供、運用協力)
通信事業者(通信基盤整備、技術的支援)
大館市商工会議所
大館市社会福祉協議会
NPO法人
大学(学術的サポート)
秋田大学
秋田看護福祉大学
秋田職業能力開発短期大学校
25
(3). 整備体制における各機関の役割
大館市ICT利活用推進協議会(仮称)における各機関の役割を、以下に示します。
図表 4-15. 大館市ICT利活用推進協議会(仮称)における各機関の役割
区分
プロジェクトリーダー
有識者
想定団体等
大館市副市長
民間団体
大館市商工会議所
大館市社会福祉協議会
電気通信事業者
携帯電話事業者
CATV事業者
秋田大学
秋田看護福祉大学
秋田職業能力開発短期大学校
通信事業者
大学
事務局(大館市)
総務部 企画調整課
実施分野の担当課長
図表 4-16. 各分野共通の実施体制
区分
大館市
システム管理・運営
対象者
役割
データ入力・更新
関係各課
主担当となる市の課
または、外郭団体
主な協力団体等
各分野の取りまとめを行う。
主体的にシステムを運用する。
学術的サポート
県内の大学、専門学校等
業界団体
市民、域外住民
協力団体、NPO 法人等
大館市民、市外の住民
システム運営者との連携のもと、データ入力・
更新を行う。
学術的知見によりアドバイザーとして、より効
果的な運営や改善策を提言する。
主な協力団体等と連携し、データ入力・更新を
補佐する。
(4). 運営時アウトソーシングの促進
総合窓口ポータルサイトやICT利活用による住民サービスを提供する際に、継続的で安定的な運営
が重要となります。市職員が直接運営に携わる場合は、専門的知識を有する職員の確保や人事異動など
による職員の人材育成が課題となることから、サービス運営は専門的知識を有する外部への一元管理を
推進します。
①
②
③
サービス提供会社による運営も含めた一括発注の検討
地元事業者等への運営業務のアウトソーシングの検討
指定管理者制度を活用した運営事業者の検討
26
7. その他検討事項
(1). セキュリティ対策
ICT利活用による多様な住民サービスの提供には、住民や団体の様々な情報が含まれることから、
これらの情報を適切に保護するためにも、最新の情報セキュリティ対策が重要となります。
図表 4-17. 情報セキュリティ対策
区分
システムのセキュリティ
対策
個人情報保護対策
具体的な対策
・
・
・
・
・
・
・
セキュリティガイドラインの更新
データバックアップ体制の検討
運営者のアクセス権の検討、適正な運営方法の検討
運営時(操作ミス等)の情報漏洩に対する対策
システム脆弱性に対する対策、システム障害時の体制検討
その他
情報セキュリティ研修の実施(職員、運営管理者等)
(2). 定期的な検証
総合窓口ポータルサイトを始めとする各種の住民サービスの適正な運営や、利用者の満足度を職員、
関係機関の協力のもと定期的に検証することが必要となります。
①
②
PDCAサイクルによる、定期的なサービス・運営の検証
利用者・運営者・利用者にとっての、メリットやデメリットの検証
(3). 人材の育成
「ユビキタスネット社会の実現」には、ICTの円滑な活用を促すことができる情報化人材の育成が
重要な課題となります。
図表 4-18. 人材育成の具体的施策
対象者
市職員
システム(サービス)運営
者
その他
具体的な施策
・
・
・
・
・
・
・
情報セキュリティ研修
ICT基本研修
情報活用能力研修
情報セキュリティ研修
システム提供事業者への人材派遣等の検討
eラーニング等の活用
地域の NPO 法人等の活動団体の活用
27
第5章. 行政情報化計画
1. 基本方針
複雑・多様化する市民ニーズに的確に対応し、質の高い市民サービスを提供すると同時に、業務処理
見直しによる行政事務の再構築を図ります。
(1). 「地域情報プラットフォーム標準仕様」の導入による業務・システム最適化の推進
①
②
業務・システムの「見える化」の実施 ⇒ 経費削減
導入(更新)時の「外部コンサルタント」の活用
(2). 電子自治体に対応した「新たな市民サービスの展開」
(3). 環境先端都市としての「積極的なペーパーレス化の推進」
《目標》
① 電子決裁
② 文書の電子化
③ 紙使用量
100%
70%
30%削減
(4). 情報機器の利活用推進のための「人材の育成」
2. 基本計画
(1). 業務系システムの基本計画
図表 5-1. 業務系システムの基本計画
実施項目
内
地域情報プラット
フォームの準拠
容
・地域情報プラットフォーム標準仕様に準拠したシステムの導入を推進
し、民間事業者や広域連携による他自治体間での、システム間データ連
携を可能とする。
見える化の実施
・見える化により、不要な作業を減らし、経費削減を図るとともに、次期
(基幹業務システム)
システム更新や度重なる法改正等へのより効率的・的確な対応を図る。
・障害事故等の対応の迅速化を図る。
外部コンサルタント ・外部コンサルタントを活用し、次期システム更新においては、市独自の
の活用
運用(カスタマイズ)を極力避け、システムの標準化を図る。
(基幹業務システム) ・ノンカスタマイズにより、導入後の法改正等の費用と障害時対応の負担
軽減を図る。
28
(2). 情報系システムの基本計画
図表 5-2. 情報系システムの基本計画
実施項目
クラウドの検討
庁内ネットワークの
検討
電子申請システム
の運用開始
施設予約システム等
導入の検討
電子決裁の運用範囲
の拡大
文書等の電子化
の推進
庶務事務システム
の導入検討
内
容
・費用効果が高いとされる「クラウド」について、次期システム更新まで
に検討する。
・プライベートクラウドなど地元企業への配慮についても検討する。
・情報量の増大に伴い、ギガビットへの対応等を検討する。
・県内の市町村で構成する「秋田県電子自治体共同運営協議会」の取り
決め事項により、平成 23 年度までに運用を開始する。
(運用経費約 120 万円の負担が発生する)
・窓口業務や申請業務の担当者による運用検討会を実施する。
・上記の電子申請システムは、全国的にも利用者が少なく、手続等の法改
正などが必要と思われ、効果が表れるにはまだまだ時間がかかる。
・そこで、全国的に最も利用効果が高い、施設予約システム等の導入を検
討する。(議会等でも要望がある)
・財務会計においては、契約管理システムでの活用を図る。
・文書管理においては、活用部署の拡大を図る。
・財務会計の添付文書の電子化を実施する。
・公共料金システムの運用を開始する。
・電子化の範囲の拡大を図る。
・電子ブックの活用を検討する。
・先進市の事例では、最もペーパーレス化の効果があるシステムであるこ
とから、再度、導入を検討する。(人事給与システムとの連携を考慮)
(3). その他基本計画
図表 5-3. その他基本計画
実施項目
職員の育成
IT リーダーの育成
オープンオフィス化
の推進
電子マネー活用の
推進
GIS・災害情報と連携
したポータルサイト
構築
内
容
・基本研修となるパソコン操作とセキュリティについては、全職員を対象
とした研修が一通り完了している。
・基本研修は、新採用職員を対象に実施し、臨時職員の研修を検討する。
・自治体セキュリティニュースなどで、危機意識の向上を図る。
・LASDEC の e-ラーニング研修の受講の促進。
・パソコンへのドライバーインストールやプリンタの紙詰まりなど情報
機器の簡易なトラブルに対応できるようにする。
・IT リーダーの知識向上のための研修を実施する。
・真のペーパーレス化のため、個人用座席を廃止して個人の保管スペース
を削減する。
・コンビニ等を活用したマルチペイメント(電子マネー)を推進する。
・GIS(地図情報)や災害情報(ハザードマップ)等と連携したポータル
サイトを構築し、市民への多様な情報発信を推進する。
29
3. 推進体制
市の電子計算組織運営委員会へ以下の専門部会を設置し、取り組みを強化していきます。
図表 5-4. 行政情報化の推進体制
分類
専門部会(仮称)
検
業務系システム
情報系システム
基幹業務システム更新作業部会
内部情報システム運用検討部会
(設置済:現在活動中)
電子申請システム運用検討部会
討
内
容
・基幹業務システムの更新作業を行う。
・内部情報システムの効果的な運用を検討。
・ペーパーレス化の推進を検討。
・対象業務と運用方法を検討。
・施設予約システム等の導入を検討。
なお、適宜必要に応じて専門部会を設置します。
4. 実施スケジュール
(1). 業務系システム
図表 5-5. 業務系システムの実施スケジュール
年度
平成 23 年度
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
平成 27 年度
内
容
・システムの「見える化」を実施。
(外部委託)
・「クラウド」を見据えた、システム更新の方針を検討。(企画調整課)
※延長保守期限:平成 28 年 3 月(通常保守期限:平成 25 年 3 月)
・ハードウェアの更新時期の検討
※通常保守期限:平成 24 年 12 月
※「クラウド」の動向や、大規模な法改正等により更新時期が早まる可能性があ
るため、必要に応じ検討することとする。
・必要経費の予算措置。
・基幹業務システム更新作業部会設置。
・外部コンサルタントの活用。
・システム仕様書の作成。
・業者選定、契約。
・更新作業を実施。
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(2). 情報系システム
図表 5-6. 情報系システムの実施スケジュール
年度
平成 23 年度
平成 24 年度
平成 25 年度
内
容
・契約システムの各課利用と電子決裁。
・公共料金システムの運用を開始。
・情報系端末 40 台の更新(故障見込み分)。
・文書管理の活用範囲の拡大。
・庶務事務システム導入の検討。
・情報系端末 40 台の更新(故障見込み分)。
・保守期限である平成 27 年 3 月(延長保守期限:平成 32 年 3 月)を見据え
た、システム更新の方針を検討。(企画調整課)
・情報系端末 480 台の更新(Windows7 への更新完了)。
(3). その他
図表 5-7. その他システムの実施スケジュール
年度
平成 23 年度
平成 24 年度
~
平成27年度
内
容
・電子ブックの活用を検討。
・電子申請システム運用検討部会設置とシステムの運用開始。
・施設予約等システム導入の検討。
・コンビニやマルチペイメント(電子マネー)活用の検討。
・GIS(地図情報)や災害情報(ハザードマップ)等と連携したポータルサイト
構築を検討。
・オープンオフィスの検討
⇒ 真のペーパーレス化のため、個人用座席を廃止して個人の保管スペースを
削減する。
※ 課題の多いことが予想されるため、庁舎の改修などのタイミングを見計ら
って検討する。
その他のシステムも、
「1. 基本方針」に準じて順次更新時にシステム検討や導入を推進します。
31
参考資料
1. 第 4 次電算利用計画の成果と課題
(1). 計画の概要
計画の期間
計画の目的
平成 18 年度より平成 21 年度までの、4 年間
①電子自治体の推進に向けた効率的な運用
・電子自治体の推進に向けた「業務の最適化」の実施
・事務効率向上と経費圧縮に向けた「システムの最適化」の実施
・執行体制の最適化と安全対策を視野に入れた「アウトソーシング」の
検討
②地域情報化の推進
・市民サービスと生活環境向上のための情報格差の解消
(2). 計画の成果
①電子自治体の推進
に向けた効率的な
運用
②地域情報化の推進
・基幹業務システム更新により、業務系システムの統合化を図る。
・同時にプログラミングのアウトソーシングを行い、人事の硬直化の解消
と職員削減を図る。
・内部情報システム更新により情報系システムの統合化を図る。
・同時に県内でも初となる電子決裁を実施し、ペーパーレス化への一歩を
踏み出す。
・文書管理システムを導入し、さらなるペーパーレス化への取り組みを実
施中。
・ADSL 化は、未提供地域(ISDN)であった東館、長走、越山、大野・
岩野目、大葛、雪沢の 6 地区すべて解消。
・携帯電話事業は、不感地区であった越山は通信事業者により解消され、
雪沢、小泉の 2 地区は市の事業により解消。
以上のとおり、計画の目的はほぼ達成されている。
(3). 今後の課題
これまでの取り組み
で未実施の主な課題
社会情勢の変化など
に伴い、新たに発生
した課題
*6
・ペーパーレス化に最も効果があるとされる庶務事務システムの導入。
・電子申請システムの運用開始及び施設予約システム等の導入。
・ADSL でも局舎からの距離により利用できない世帯の解消。
・携帯電話事業は、地区単位では解消したが、集落単位で不感地域となっ
ている赤沢、炭谷、平滝の 3 集落の解消。
・業務・システムの「見える化」の推進と、
「クラウド化」などを活用した
業務システム経費の圧縮。
・CMS(コンテンツマネジメントシステム*6 )の保守切れによる、当シス
テムの更新と、新たなポータルサイトの構築。
・市民サービス向上のための、ICT 利活用の促進。
・ICT 利活用のための「光の道」100%の実現。
特別な知識がなくとも、容易にホームページの管理や更新ができるシステム。
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(4). 主なシステム等の整備状況
業務系システム
・基幹業務(導入:平成 20 年 4 月、保守契約期間:平成 25 年 3 月)
共通管理、住民記録、外国人登録、印鑑登録証明、国民年金、
住基ネット、選挙事務、税証明、個人市民税、 法人市民税、
固定資産税、 軽自動車税、国民健康保険、後期高齢者医療、
高額医療費、福祉医療、高額療養費、食事療養費、収納、保育料、
こども手当、児童扶養手当、障害者福祉、介護保険、住宅使用料、
奨学資金、就学援助、畜犬登録、墓地管理
計 29 業務
・戸籍(導入:平成 19 年 3 月、保守契約期間:平成 23 年 3 月)
・その他の個別システム
農家台帳、土地管理、家屋評価、申告支援、健康管理、高齢者台帳、
下水道負担金、水道料金、行政協力員、土木積算、生活保護 など
情報系システム
・内部情報(導入:平成 22 年 4 月、保守契約期間:平成 27 年 3 月)
情報共有、グループウェア、財務会計、文書管理、
財務会計サブシステム(契約管理、財産管理、起債管理)
・大館市ホームページ各課更新システム(サポート期限が終了している)
・その他の個別システム
人事給与、図書館情報、例規集、緊急時情報一斉配信 など
ネットワーク端末
・平成 23 年 1 月現在の接続端末:業務系 361 台、情報系 828 台
・WindowsXP のサポート時期である平成 26 年 4 月までに Windows7
への更新が必要。
・各課の事業等関係の端末を除く、情報系端末は 730 台。うち Windows7
への更新が必要な端末は 560 台。
【「(5). 庁内ネットワーク(セキュリティ)構成図」を参照】
・不正アクセス検知
・ウィルス対策
・ユーザー認証によるインターネット接続制限
・不適切サイトへの接続制限
・外部媒体(USB メモリー等)の接続制限
・基幹業務ネットワークとインターネットとの分離
・庁内ネットワーク用(本庁~産業部庁舎)
557m 12 芯 空き 8 芯
(距離が短く、他への利活用は望めない)
・小泉地区移動通信用伝送路(携帯基地局間)
12,965m 12 芯 空き 6 芯
(貸出は携帯の通信事業者に限定される)
セキュリティ
市保有の光回線
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(5). 庁内ネットワーク(セキュリティ)構成図
①インターネット網
外部ファイアウォール
(FortiGate)
②自治体ネットワーク
不正アクセス
センサー(IDS)
内部ファイアウォール
(FortiGate)
サービス
提供装置
GSV
www
セキュリティ
ゲートウェイ
総合行政ネットワーク
(LGWAN)
③非武装地帯
R-Proxy
メールサーバ
Domino
Proxy
SV-Asset
L3スイッチ
住民基本台帳
ネットワーク
処理装置X
CS
ファイアウォール
GW
④庁内LAN
本庁
L2スイッチ
東北インテリジェント通信
NTT
VPNワイド
総合福祉センター
L2スイッチ
産業部庁舎
17施設
・比内総合支所
・保健センター
・中央図書館
・各出張所等
51施設
・田代総合支所
・樹海体育館
・中央公民館
・郷土博物館 ・まちづくり推進室
・環境センター・消防署/分署
・総合/扇田病院
・各保育園
・各小中学校等
34
L2スイッチ