ノースフィールド・アジア・リサーチセミナー 2011 年 10 月 25 日(火) マンダリン オリエンタル東京 東 京 都 中 央 区 日 本 橋 室 町 2-1-1 8:30 9:00 9:15 コンチネンタル・ビュッフェ御朝食 歓迎のご挨拶 X 因子:証券のグループ分け、「類似」の定義、予想の形成 The X Factor: Grouping securities, Defining “Similar”, and Forming Estimates シャープ(1965)の CAPM 及びキング(1966)による初の「ファンダメンタル」モデル以来、アルファの生 成とリスクモデルでは「因子」の使用が主流となりました。しかし、我々が用いる因子の種類や、関係をモデ ル化するのに用いる技術は、全般に余り進歩していません。さらに、我々が好む技術は世界が静的であること を仮定していますが、過去 2-3 年の間鮮明に見てきたように、市場の方は進化しながら劇的に変化しています。 本講演では、まずファンダメンタル、マクロ経済、そして統計因子を、それぞれの利点と欠点を考えつつ振 り返った後で、データセットの進化する関係を明示的に許容し、単なる相関関係以上のより微妙な関係を捉え る最新の技法を組み合わせる技術をご紹介します。それらは、「フレキシブル」最小二乗回帰、人工免疫シス テム、単一パスのクラスタリング、意味クラスタリング、ソーシャルネットワーク影響測定、階層埋め込み型 ネットワーク、ブロックモデリングなどです。 10:00 低 ボ ラ テ ィ リ テ ィ 及 び 最 小 分 散 株 式 戦 略 の 比 較 Comparing Low Volatility and Minimum Variance Equity Strategies その豊富な学術研究が 1990 年代初めにまで遡るにも関わらず、低ボラティリティの銘柄を選択する、或い は最小分散ポートフォリオを形成する株式ポートフォリオ戦略がようやく広まったのは近年のことでした。本 講演ではまず、どうしてこれらの戦略が多くの投資家にとって魅力的なのに、実際は真に市場の非効率性を表 していないのか、その様々な理論的理由を検討いたします。その理由としては、よく使われる(しかし間違っ ている)CAPM の定義、そしてしばしば見過ごされる観測されるリターンの算術平均と幾何平均の区別などが あります。それから、米国、欧州、アジアの株式市場に亘る最小分散投資戦略の 10 年間の実証分析を示します。 講演の最後では、銘柄選択とポートフォリオ形成の効果を区別できるように、ノースフィールドの企業持続可 能性モデルで高位にランクされた(安全な)銘柄と低位にランクされた(リスキーな)銘柄により構成された、 等加重、時価総額加重、そして最小分散のポートフォリオの比較をいたします。 10:45 休 憩 11:00 嵐の中心にあるアジア Asia at the Heart of the Storm ジム・ウォーカー氏は、アジアノミクス・リミテッドの創業者でマネージングディレクターです。同社は、 主に資産運用業界を対象とする経済調査とコンサルティングの会社です。 ウォーカー氏は、2007 年 12 月にアジアノミクスを設立する前は、CLSA アジア太平洋市場のチーフエコノ ミストでした。CLSA に入社したのは 1991 年終わりごろのことです。長年に亘り、ウォーカー博士は、アジア マネー、インスティテューショナル・インベスター、グリニッチのファンドマネジャー調査などで、数々の 「ベストエコノミスト」賞を受賞しています。近年においては、「アポカリプス」レポートシリーズの中で、 2007 年に起こった米国の停滞と金融セクターのメルトダウンを予見したことで知られています。 アジアに来る前は、彼は故郷スコットランドで、まずフレーザー・オブ・アランダー・インスティテュート の研究員として、それからロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのエジンバラ本社でスコットランド経済 の研究に従事していました。グラスゴーのストラクスライド大学より名誉学士号および経済学博士号を授与さ れております。 世界経済は 2008 年 11 月よりもさらに状況が悪化しています。その理由は、誤った問題認識をもって 3 年間 に亘る政策上の努力をしてきた結果、政府も中央銀行も弾薬が尽き、インフレと成長率鈍化の危険な見通しに 直面しているからです。欧州は今や世界的なリスク回避的懸念の震源となりましたが、もし米国で QE3 が実施 されれば、成長の低迷が次の 10 年間は続く様相を示す中、経済により大きなダメージを与える可能性がありま す。そしてアジアでは、中国の政策的失敗によりこれから 3 年間同国は悪いニュースの焦点になり続けるでし ょう。アジア危機の生き残り組である東南アジア諸国は独自の歩みを進めるのでしょうか。いいえ、何の試み もしないでしょう。嵐の中の飛行ではシートベルトを締めて行きましょう。 12:00 御 昼 食 13:30 技 能 も な し に 債 券 市 場 に 打 ち 勝 つ Beating the Bond Market with No Skill これまでのセミナーで、私共は、株式の因子モデルとマートン(1974)が導入した構造的信用リスクモデル を組み合わせた会社の「寿命予測」の定量的モデルをご紹介いたしました。この方法とモデルの潜在的利用法 は、ディバルトロメオ(ジャーナル・オブ・インベスティング、2010 年)で述べられています。本講演では、 寿命予測モデルを使用して得られた結果を、社債の信用格付けの格上げと格下げを予測する道具として用いる ことを提案いたします。格付け変更データは過去 20 年間をカバーしており、あらゆる主要な格付け機関を網羅 するように新聞のアーカイブから手入力で集められたものです。結果が示すところでは、寿命予測データは時 系列方向でも横断的にも用いることができ、統計的にも経済的にも有意な水準で、6 ヶ月以上も先の格付け変 化を予測いたします(債券ポートフォリオのアルファ)。さらに、この方法をソブリン債務の格上げと格下げ の予想に拡張する準備的な説明をいたします。 14:15 資 産 運 用 機 関 の 採 用 と 評 価 の 新 た な パ ラ ダ イ ム A New Paradigm for the Hiring and Evaluation of Institutional Asset Managers 米国で最大級の年金基金の要請により、ノースフィールドは、次の勇敢な質問「資産運用機関を、完全にア ルゴリズムによって採用し、評価し、解約しなければならないとしたら、どのようにしますか」に答えるべく、 1 年以上に亘る研究プロジェクトを委託されました。この深遠な質問に対する当社の回答は、概念的には単純 明解な 5 つのステップからなります。最初のステップは、プロスポーツチームが新人を採る行為を模倣します。 2 番目の最も複雑なステップは、通常は定性的に行われるマネジャー評価のあらゆる観点(例:SRI、議決権行 使、スタッフの経験年数、オペレーショナルリスク、差別是正雇用など)を凝縮して選択式のアンケートを作 り、それを階層分析法(AHP)という産業界で用いられる経営手法により数学的に評価します。3 番目のステ ップは、マネジャーの記録を評価する理想的な期間を特定し、ベイジアンの「技能か幸運か」の決定法により 実現アルファを調整いたします。4 番目のステップでは、当社独自の取引コスト推定プロセスを用いてマネジ ャーの持つ戦略の許容投資金額を判定します。最後のステップでは、パッシブ運用とアクティブ運用の配分を 同時に決定し、マネジャー集合における資産配分のリバランスを行います。この手法が広く採用された場合の 資産運用業界における意味合いには奥深いものがあります。「飲食接待」的な資産運用業界の営業手法は消滅 し、基金側がより広範な潜在的マネジャーを検討する機会が大幅に強化されるでしょう。 15:00 休 憩 15:15 高 頻 度 取 引 (HFT)、 ア ル ゴ リ ズ ム に よ る バ イ サ イ ド の 執 行 と 言 語 学 的 構 文 High Frequency Trading, Algorithmic Buy-Side Execution and Linguistic Syntax 「高頻度トレーダー」として知られる金融市場参加者は全体として、毎年数十億ドルも稼いでいます。トレ ーディングがゼロサムゲームであるならば、HFT トレーダーが稼いだ金額を誰が失っているのでしょうか。本 講演では、HFT トレーダーの利益の大部分が、バイサイドの投資家が支払う経費であるとみています。といい ますのも、バイサイド投資家は取引を余りにも頻繁に、そして大規模な株式取引を余りにも短時間に執行して いるからです。当社では、トレーダーがポートフォリオマネジャーから特定の取引に係る理由と戦略について 正確な情報を与えられていないために、取引を余りに急速に執行してしまうものと考えています。こうしたコ ミュニケーション不足を解決するため、取引リストと内在するポートフォリオの構成から推論できる短期アル ファ期待、アルファの減衰、リスク回避といった概念の定量的な尺度の組を提示いたします。こうした尺度を 用いて、ポートフォリオマネジャーとトレーダーの間のコミュニケーションの基礎ができ、伝統的な取引執行 プロセスでもアルゴリズムによるものでも適切な調整を行うことができます。本講演の締めくくりとして、推 論の処理、アルゴリズム取引スケジュールの作成、そして執行シミュレーションのデモンストレーションをご 覧いただきます。 16:00 閉 会 の 言 葉 全セッションの質疑応答および締めくくりの議論。 ご質問やより詳細な情報につきましては、弊社東京オフィス 03(5403)4655 までご連絡ください。 参加のお申し込みは、以下の欄にご記入の上 E メール([email protected])またはファックス 03(5403)4646 にてお 送りください。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。 お名前 御社名 メールアドレス 電話番号 食事に関して特別な配慮を必要とされる方はその旨ご記入ください。
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