各種ポンプの比較表

各種ポンプの比較表
ポンプ種類
一軸偏心ねじポンプ
(モーノポンプ)
渦巻ポンプ
ギヤーポンプ
ポンプ形式
回転容積式
遠心非容積式
回転容積式
自吸能力
吸込実揚程がmax.−8.5mとほぼ真空
に近い自吸能力をだせる。
−6m程度
−7.5m程度
定量性
弾性材であるステーターと金属製のロ
ーターで形成される一定容積のポンプ
室がロータの回転に伴い連続的に吐出
されるため,最高の定量性がある。
オープンインペラの遠心力でポンプ
ギヤーと側壁間にクリアランスが
作用を行うため容積式ポンプに比べ
あるため,吐出量は液の粘性や濃
て当然,定量性は劣る。
度に影響される。
ローターとステーターで形成するシ
ールラインが非常に強固であるため
レベルの影響は殆どない。
オープンインペラの性能が吸込み液
ギヤーと側壁問にクリアランスが
面の高さによって大きく変わるた
あるため,液面レベルの影響を受
め,一定の吸込レベルでないと流量
け易い。
吸込み液面レベ
ルの影響
は安定しない。
固形物を含む液
の移送
ポンプ型式により移送できる固形物
の大きさは異なる(ローター径の1/4
位)が,全く問題はない。
インペラの形状を変えることによ
一般的には固形物を含む液には使
り,ある程度の固形物を通すことは
用できない。
できるが,ポンプ効率が悪く,吐出
揚程もあまり高くできない。
粘性液の移送
ポンプ運転中の
液性状への影響
移送可能な汚泥
濃度
水やガソリンの様な低粘性液から,
流動性の殆どない高粘性液(100万
mPa・s)まで移送が可能であり,広
範囲に性能が維持できる。
わずかな粘性の変化でもポンプ性能
通常は1∼2万mPa・s程度の粘
に影響があり,粘性が高くなるほど
性液は移送可能であるが,高粘
ポンプ効率が悪くなる。
性液は効率が悪く不適当。
ポンプ内部で液は,偏心回転運動す
るローターにより押し出されるよう
に静かに移動するため,せん断や撹
拌力が加わらない。そのため液の組
織を破壊せず,性状変化も起こす事
無く移送できる。尚,液性に見合っ
たケーシングの製作が可能です。
液自体にかなり強力な遠心力が働く
ギヤーの噛み合いによる圧縮やせ
ため,せん断力や衝撃力が発生す
ん断で容易に液の組織は破壊され
る。そのため液の組織を破壊しやす
てしまう。
脱水ケーキの様な高濃度(65∼85wt
%)も移送可能。
インペラを高効率型のオープン羽根
く,せっかく生成したフロック等を
壊してしまう。
汚泥用としては使用不可。
に設計してもせいぜい3∼5wt%程度
しか移送できない。
吐出量の調整
吐出量はポンプの回転速度に比例す
るため,ほぼ可変速モータの制御範
囲に見合う流量が得られる。(1:
10∼1:100)
一定のポンプ回転で使用しないとポ
回転速度を変えるとポンプ効率が
ンプ効率が極端に悪くなるため,可
悪くなるため,流量調整範囲は非
変速仕様はできない。又,吐出弁を
常に狭い。
絞って流量を変える事は出来るが不
確実であり,操作しにくい。
振動騒音の有無
ポンプ回転速度が低速であるため振
動や騒音はほとんど出ない。
高速回転運動により遠心力を発生さ
ギャーが接触して回転する為,振
せるため,ポンプはかなりの振動と
動と騒音が非常に大きい。
騒音を伴う。
メンテナンス
部品点数が少なく,構造がシンプル
であるため誰にでもメンテナンスが
容易である。
構造は比較的簡単ではあるが,ポン
プの取付や軸芯調整には精度を要す
るため,熟練を要す。
同左
ダイヤフラムポンプ
ピストンポンプ,
プランジャーポンプ
ロータリーポンプ
ポンプ種類
往復容積式
往復容積式
回転容積式
ポンプ形式
−6.5∼−7m程度
−6.5∼−7m程度
−7.5m程度
自吸能力
ダイヤフラムの往復のたわみとバルブ
シリンダ内でプランジャーが往復運動を
ローターと側壁間にクリアランス
定量性
の開閉でポンプ作用を行うため,流れ
し,バルブの開閉により吸吐出作用を行
があるため,吐出量は液の粘性や
が断続的となる。
うため,流れが断続的で,バルブのシー
濃度に影響される。
ルがスラリー液の場合問題がある。
液面レベルによりポンプのバルブを開
液面レベルによりポンプのバルブを
ローターと側壁間にクリアランス
吸込み液面レベ
閉する速度に影響を与えるため定量性
開閉する速度に影響を与えるため定
があるため,液面レベルの影響を
ルの影響
がない。
量性がない。
受け易い。
バルブに固形物が閉塞するため固形物
移送は可能であるが,固形物の程度
一般的には固形物を含む液には使
固形物を含む液
を含む液には不適当である。
によっては,バルブを損傷させた
用できない。
の移送
粘性液の移送
り,スティックする可能性が高い。
通常は1∼1万mPa・s程度の粘性液は
粘性の変化によりポンプ性能が大き
通常は1∼2万mPa・s程度の粘性
移送可能であるが,高粘性液は効率が
く影響され,ポンプ容積効率が極端
液は移送可能であるが,高粘性液
悪く不適当。
に悪くなる。
は効率が悪く不適当。
バルブの開閉によるせん断や,ダイヤ
バルブの開閉によるせん断や,ピス
ローターの噛み合いによる圧縮や
ポンプ運転中の
フラムの往復運動に伴う撹拌作用によ
トン,ブランジャーの往復運動に伴
せん断で容易に液の組織は破壊さ
液性状への影響
り,容易に液の組織は破壊されてしま
う撹拌作用により,容易に液の組織
れやすい。
う。
は破壊されてしまう。
バルブ機構があるため汚泥用にはあま
最近はかなり改善され,脱水ケーキ
り採用されないが,7∼8wt%は可
移送用にも利用されてきている。
汚泥用としては一般的に不適当。
移送可能な汚泥
濃度
能。
吐出量の調整はダイヤフラムのたわみ
吐出量の調整はピストンやプランジ
回転速度を変えるとポンプ効率が
量で変えるため,制御範囲は制限され
ャーのストローク量で変えるため,
悪くなるため,流量調整範囲は狭
大きく取れない。(1:5程度)
制御範囲は制限され,大きく取れな
い。
吐出量の調整
い。(1:3程度)
ダイヤフラムの往復動とバルブの開閉
ピストンやプランジャーの往復動と
ローターが接触して回転する為,
による打音が激しく,振動も非常に大
バルブの開閉による打音が激しく,
振動と騒音が非常に大きい。
きい。
振動も非常に大きい。
構造が複雑であるためメンテナンスし
構造が複雑であるためメンテナンス
にくい。
は非常に困難である。
同左
振動騒音の有無
メンテナンス