Photog-CAD ニュース(第五号:平成 26 年 5 ⽉ 15 ⽇(⽊)発⾏) 現場へ駆けつける際のチェックリストと注意事項(後編) 下表は、Photog-CAD 作業を行うために災害現場へ出かける際のわたくし用のチェックリス トです。Photog-CAD ニュース(第四号:平成 26 年 4 月 15 日(火)発行)では、同タイト ルの前編として、次のチェックリストの No.1から No.4 までを説明しました。第五号では、 No.5(下げ振り)以降を説明します。 災害現場で効率的に手戻り無く作業を行うには、事前の準備として「忘れ物」をしないこと が重要です。Photog-CAD は、簡単な準備で写真測量を行うことができますが、現地で調達で きない機器や充電については特に注意が必要です。 みなさんも是非、時間のあるうちに自分用のチェックリストを作っておき、いざというとき に慌てないようにしましょう! No. 1 2 3 4 5 6 7 用具 デジタルカメラ リボンロッド 垂直ポール 垂直ポールを支える三脚 下げ振り ターゲット ガムテープ 5.下げ振り クリップの指で摘む(つまむ)部分に、端に重り(鉛)を付けた糸を結びます。 ポールを三脚に目視で垂直に据(す)えた後、ポールにクリップを付け、ポールの垂直を調 べます。3 本の糸とポールが平行になれば、ポールは垂直に立っています。 【小さな工夫】 ポールの垂直を調べるとき以外は、糸をクリップに巻いて置きますが、そのとき、クリッ プの指で摘む部分の片方にだけ巻きます。下図の左側、中央のクリップを参照してください。 下図の右側のクリップのように開く部分の全体に巻くと、ポールを挟むときにクリップを摘 めなくて、糸を全部戻さなければならなくなります。 片方に巻いています。 両方に巻いています。 -1- 下図は、ポールの垂直を測っているところです。 6.ターゲット ターゲットにもいろいろあります。現場の状況で使い分けます。他にも工夫できるかもしれ ません。いいアイディアがありましたらお知らせください。 (1)割り箸を付けたマーカ 草木が茂っている現場、柔らかい土砂の現場等で活躍します。 (2)木製マーカ ターゲットをベニヤ板で作っています。雨の日の現場作業や濡れた現場等で活躍します。 木、構造物にくくり付けるための針金が付いています。 (3)紙マーカ ターゲットを厚紙で作っています。軽量ですが、風や雨に弱い面があります。 (1) (2) -2- (3) (4)ターゲットの失敗例 “A” “B” “C” “…”とアルファベットを書いた四角い板に、ターゲットを貼って現場に置 いたところ、四角い板の全体が光って、ターゲットとして機能しませんでした。 下図の①:四角い板に貼られたターゲットが見えません。 下図の②:かろうじて“G”が読めますが、その下のターゲットが見えません。 下図の③:かろうじて“D”が読めますが、その下のターゲットが見えません。 ① ② ③ (5)ターゲット代わりの紐 ターゲットは直径 10cm くらいの丸いものだけではありません。特徴のある小石等が散らば っている現場では、小石等を天然のターゲットとして活用できて、手作りのターゲットを置く 必要がない場合もあります。 ここでは“紐ターゲット”を紹介します。紐を現場に垂らし、紐の近くの小石等をターゲッ トにする、という方法です。 -3- 1)現場 現場に 4 本の紐を垂らしています。直径 10cm くらいの丸いターゲットも置いていますが、 紐ターゲットを初めて試したときの写真ですので保険に置いています。 現場に垂らした紐 天然のターゲットとして 活用できそうです。 直径 10cm くらい の丸いターゲット 2)現場の拡大写真 現場に置いた紐は結構目立ちます。紐を頼りに小さい小石等をターゲットにします。例えば、 下図では、何でもない小石をターゲットにすることができます。紐が浮いていなければ、紐自 体をターゲットにすることもできます。 ターゲット候補 の小石 ターゲット候補 の小石 -4- 3)紐ターゲットの正体 下図が、紐ターゲットの正体です。毛糸のように軽くて柔らかいですが、結構丈夫で、引っ 張りにも強いです。30m くらいを 100 円で購入しました。3 等分して 10m の紐を 3 本作りま した。とても軽いので、現場では風の影響を受けないようにする工夫が必要です。例えば、軽 く湿らせておく(ぬらしてもいいかもしれません。)等です。 4)丸いターゲット VS 紐ターゲット 紐ターゲットには以下の特長があります。 ①紐の先に小石を結び、現場の高所から投げれば、危険箇所に立ち入らずに済みます。(前ペ ージの現場写真参照) ②次の写真現場では、2 人で紐の端を持ち合えば、危険箇所に立ち入らずに紐ターゲットを置 くことができます。 ③災害現場の横断線が必要な箇所に紐を置き、Photog-CAD で紐に沿って対応点を入力すれば、 構想どおりに横断線を描くことができます。 ④現場を引き上げるときは、紐を端から引きます。危険箇所に立ち入らずに早く回収すること ができます。 7.ガムテープ ガムテープは必需品です。忘れないで持参してください。主な活用場面は以下です。 (1)ターゲットを貼るとき ターゲットを現場に貼る際に使います。コンクリートや地面等に置いただけでは不安定の ときにガムテープで貼り付けます。 (2)梱包するとき 出先の現場から東京赤坂のJACIC本部へ帰るとき、ポールや三脚等を梱包して、宅急便 をするときに使います。ポールや三脚と一緒に、ガムテープも梱包すると、梱包を最後に閉 じるとき困ります。梱包の最後の最後にガムテープを使うことに注意しましょう。 以上です。 -5-
© Copyright 2024 Paperzz